寺島靖国のPCMジャズ喫茶

「PCMジャズ喫茶」に寺久保エレナさん登場!(後編)

衛星デジタルラジオ 「ミュージックバード」 の番組「PCMジャズ喫茶」の番組レポート後編です。ゲストは 寺久保エレナ さん。アルバムプロデューサーの伊藤八十八さんも来ていました。もちろんレギュラーゲストの岩浪洋三さんもいます。

番組を聴きながらメモをとり、メモを基に思い出しつつ書いていますので、誤解しているところがあるかもしれません。あらかじめご了承願います。

寺久保エレナさんが好きなジョー・ヘンダーソン(ジョーヘン)をかけることに。寺島さんと岩浪さんはジョーヘンがあまり好きではないので、寺島さんは「ジョーヘンかけるの?参ったな~。」なんて言ってました。寺島さんは「ジョーヘンはダメなんだよね。変にメロディーをすかして吹き、正しくメロディーの核心を取り出していないんですよ。」なんて言います。寺久保さんは「ジョーヘンはカッコいい。」と言います。寺島さんは「モダンでカッコいいけど、カッコいいのは聴かないんです。」と言います。『ザ・ステイト・オブ・ザ・テナー ライブ・アット・ザ・ビレッジ・バンガードVol.1』から《フライデー・ザ・13th》

曲が終わると、「やっぱりジョーヘンはね~。」と寺島さん。寺久保さんは「これ、ジャズじゃないですか?」と言います。寺島さんは「ジャズだけどね。なるほど、カッコいいと思って聴けばいいんだ。私はカッコいいを尺度にしていない。楽しいものを聴きたいんですよ。楽しいはカッコいいとつながらない。いつもジャズを楽しみながら寛いで聴いているんです。」と返します。寺久保さんは「私はいつも真剣に聴いています。」と反論。寺島さんは「私も若い時はそうでしたよ。自分ができないことをやることに敬意も表して聴いていた。でも今は無理やりカッコいいのを聴こうと思わないんですよ。」なんて言ってました。私は寺久保さんの言うジョーヘンのカッコ良さはよく分かります。一方で寺島さんの言っていることも否定しません。で、私は寺久保さんと同じようにジョーヘンを聴いています。結構ジョーへンが好きです。寺島さんのようにジャズを寛いで聴くのが楽しみな年齢に至っているわではないですからね(笑)。もちろん寛いで聴く時もあります。一方で真剣にも聴きます(特にブログ記事を書く場合)。

ここでブラインド・・テストへ。きっと誰か分からないと思うし知らないと思うので、聴いて感想を聴かせてほしいということで、ボディル・ニスカの『ファースト・ソング』から《ダニー・ボーイ》このアルバム、私も買いました。寺島さんに感化されていた10年くらい前の話です(笑)。で、今も持っているかっというと・・・、ディスクユニオンへ売られていきました(笑)。何度も聴くほど面白いものではなかったからです。私はこのアルバムのなかでは《オンリー・トラスト・ユア・ハート》が好きでした。要はこの曲が好きなんです。

「これは誰か寺久保さんが分からなくて当然。岩浪さんも伊藤さんも知らないと思います。ボディル・ニスカというテナー奏者です。2、3年前に銀座山野楽器でブームになって異常に売れたんですよ。この1曲のみを聴いて、ジャズもどきなんですが、ジャズファンもどきの人達がこれを夜な夜な聴いて随喜の涙を流したというやつなんですよ。」と寺島さん。これ、岩浪さんも知っているはずですね。色んな場面で登場してますから。ジャズもどき。ジャズファンもどき。言っちゃっいました。開き直り。「もどきで結構!」なのでしょう(笑)。「どうでしたか?寺久保さん。」と寺島さん。寺久保さんは「わざとらしい。サブトーン”フフフ~”とか、誰が聴いても美しいを思う演奏。私は遊びが必要だと思います。」と答えます。寺島さんが「でもこういう風に吹くほうが実は難しいんですよ。コルトレーンのように”ピロピロ”吹くほうが簡単なんですよ。」と言います。私はコルトレーンのように吹くのは簡単だとは思えません。比較するなら尺度が違うと思います。まっ、いつもの寺島論なのでいいでしょう(笑)。寺久保さんは「メロディーをそのとおりに吹くのは難しいです。これは歌っている感じがします。」と返します。寺島さんは「そうなんですよ。歌だよね。歌だから”ピロピロ”しないんだよね。」と満足そう。寺久保さんは「ジョーヘンだって歌っていますよ。」と反論。ここも歌っているということの捉え方にお二人のズレがあるんでしょうね。寺島さんは「こういうのを聴いて、よくサム・テイラーとかシル・オースチンとかムード・ミュージッカという人がいる。」なんて言ってました。そういう偏見で聴いてはダメということなのでしょうが、私は単純にムードミュージックとして堂々と聴けばいいんじゃないかと思います。他のジャズファンの目線を気にするところが、ジャズファンの変なプライドなのだろうと思います。

ブラインド・テストの2曲目。『M.J.Q.&フレンズ 40thアニバーサリ・セレブレイション』からフィル・ウッズをフィーチャした曲で《オール・ザ・シングス・ユー・アー》

これを聴いた寺久保さん。最初はこのアルトが誰か分からず、「聴いたことがあるけれど誰だったかな~。」と苦しんで、ソロに入るあたりでウッズと分かったそうです。「分かった時は嬉しかった。」なんて寺久保さんは喜んでいました。この前日本にウッズが来たそうで、寺久保さんは観に行ったとのことでした。ヨボヨボ出てきたけれど吹き始めたら凄かったそうです。今年80歳。ここで寺島さんは最近9万円の自転車を買い、自転車に乗っているんでじゃなくてやっているとか、そのおかげで低体温症が治ったなんて余談がありました。

岩浪さんから寺久保さんへプレゼントする曲。当てなくても良いですということで、チャーリー・パーカーの『スウェディッシュ・シュナップス+4』から《オウ・プリヴァーヴ》

「パーカーと寺久保エレナのつながりを教えて下さい。」と寺島さん。寺久保さんは小6で最初に聴いたそうです。当時はサンボーンやT-スクエアーとか聴いていたそうですが、習っていた先生からパーカーの楽譜集(有名な本らしい)をもらって、「カッコいい。」となったそうです。今はサンボーンやT-スクエアーよりパーカーがカッコいいと思う時代なんですね~。ここで寺島さんが「ジャズファンはアドリブと言うけれど、ニュージシャンはソロと言いますが、ソロはどう練習するんですか?」と質問。寺久保さんは「最初はコピーでしたが、ソロの練習はしません。スケール練習をしてカッコいいと思ったらソロで吹きます。デュオなんかでは相手の音を良く聴いています。相手についていくとかついていかないとか。こっちがやってもついてこないみたいな。細かいことが色々あります。」と回答。寺島さんは「いきなりソロはできないでしょう。ソロを譜面に書いてから練習する方法もありますよね。」と更に質問。寺久保さんは「ソロにできるできないはないです。私はどんな音でも良いから吹けばいいと思います。以前ビッグ・バンドにいた時はソロを楽譜で見て吹いていたけれど、目立ちたいから”ブヒャー”とか”ピロピロピロ”とか吹くようになって、それが私のソロの起源です。」と回答。寺久保さんの性格が分かって面白かったです。妙に納得しました。「でもコード進行とかあるよね。」と寺島さん。「コードはただの決まりです。コード進行でソロができるのは当たり前です。」と寺久保さん。「コードからわざと外す人もいるでしょう。アメリカなんかではよくどんどん転調してソロをとったりしますよね。」と岩浪さん。「そういうのもありますね。」と寺久保さん。「ジャズ教室の発表会などの時、先生がフレーズを楽譜に書いて、それを覚えるお勉強とかありますよね。」と寺島さん。「私はソロは勉強するものではないと思います。」と寺久保さん。「クラシックでは楽譜に書いたりしますね。」と伊藤さん。「自分で自分のフレーズを書くのは良いと思います。」と寺久保さん。「ジャズファンはソロを神秘的なものと捉えるところがあるんですよ。それでミュージシャンに聞いてみると、ミュージシャン自身もどうやってできるようになったか説明できないんですよ。皆変なことを聞くと言い、満足した答えは得られないんだよね。」と寺島さん。ソロは自分がやらないと分からないんでしょうね。どうやると自転車に乗れるのか聞かれても説明できないようなものではないかと私は考えます。そして勉強して自転車に乗れるようになるわけではなく実践あるのみです。

寺久保さんは今度バークリーへ入るそうです。寺島さんはオーディオベーシック誌に今度の寺久保さんの新譜はいいと書いて、最後に今の天然でいいのにバークリーに入ってアカデミック的になると困ると書いたそうです。岩浪さんも同様のことを考えたとか。「どうして今更バークリーへ入るの?」と寺島さん。「バークリーへ行くのはアメリカで生活したいからです。向こうのミュージシャンとも色々やってみたいんです。」と寺久保さん。「それならいい。」と寺島さんと岩浪さん。バークリーのスカラーシップをもらえた(6000人中外国人3人に選ばれた)ので、お金の心配もいらないから行くことにしたそうです。バークリーへ行き、古くは小曽根さんのCBSとの契約や新しくは上原さんのテラークとの契約みたいに、向こうのメジャー・レーベルと契約できれば面白いんじゃないかと思う私です。寺久保さんがどう考えているかは分かりませんが。そうなると今契約している日本のレコード会社が困っちゃうか(笑)。

ブラインド・テストの3曲目。ケニー・ドーハム&ジャッキー・マクリーンの『インタ・サムシン』から《レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス》(注)下記のアフィリは『マタドール』と『インタ・サムシン』のカップリング盤です。

「ジャッキー・マクリーン。カッコいい。」と寺久保さん。「このカッコ良さは分かるんだよね。これは素晴らしい。ジョーヘンはやっぱりすかしているよな~。」と寺島さん。「ジョーヘンがかわいそう。」と寺久保さん(笑)。「これは真っすぐ。ジャズは真っすぐ行かなきゃ。」と寺島さん。マクリーンはもちろん良いのですが、ジョーヘンだって良いですよ(笑)。

寺久保さんは人と会うと1回見て「こんにちは。」となった時点で、「私のことを思ってくれる人、この人はダメ。」と分かるそうです。伊藤さんは「ミュージシャンは皆そうですよ。」と言ってました。寺久保さんは「ジャズを好きか嫌いかで判断しているんだろうと思います。本当にジャズが好きか嫌いか分かっちゃうです。ラジオに出演したりしても、曲を聴いて「これいいですね~。」と言っても本当にそう思っているのか分かっちゃいます。」と言っていました。「私はどうでしたか?岩浪さんは?」と寺島さん。「寺島さんは全然ダメじゃないですよ。岩浪さんは凄く優しいです。」と寺久保さん。

寺久保さんの第1作『ノース・バード』から《ティム・タム・タイム》。高校生の時、友達とお菓子を食べながら楽しいメロディーが浮かんできたんだそうです。これは家の中で作ったそうです。すぐに歌って録音するんだとか。なぜかというと書いてるうちに忘れてしまうからだそう。寺島さんが「ちょっとメロディーを歌ってみて下さいよ。スキャットでいいから。」と強引にお願い(笑)。寺久保さんは「やですよ~。」なんて言いながら、ほんの少しさわりをスキャットしてくれました。このやりとりの寺久保さんはかわいかったです(笑)。この曲、私はNHKのJ-MEROに出演したのを見ました。

これは楽しそうで屈託なく明るいのがいいです。寺久保さんの今日のやりとりを聴いていたら、やりたいことが何となく分かる気がしました。ベースのマクブライドのチェンバースばりのアルコ・ソロがうまい具合に嵌っていました。私はこの演奏が好きです。

「楽しい感じですね。」と皆さん。伊藤さんが「どこかで聴いた感じがする曲ですよね。」と言うと、寺久保さんが「そうですか~。」なんて不満そう。伊藤さんは「ジャズの曲って皆そうですよね。親しみのもてる曲ですよ。」と説明。私も伊藤さんと同じことを思いました。

ラストはもう一度寺久保さんの新譜『ニューヨーク・アティチュード』から《スター・アイズ》。寺島さんが聴きたいと思った曲(笑)。

これはアドリブでトライしているところが数か所あると思いました。寺久保さんの遊び心が出ているんだろうなと思いました。話を聞いた後で聴くと聴こえ方が違ってきますね。冒頭聴いた時よりかなり好印象になりました。リラックスした演奏をしたかったとのことなので、それが良い方向に出ているんだろうと感じました。今作は1作目よりアルトが控えめに録音されているように感じられてるのですが気のせいかな?

「これは自分なりのイントロとかエンディングを付けようと思わなかったの?」と寺島さん。寺久保さんと伊藤さんによると「スタンダードで皆でリラックスしてやりたかったのでいじっていないです。」とのことでした。「そうでしたか。聴いたら何か言ってみたくなるものなんですよ。」と寺島さん。質問は不発でした(笑)。

ということで、番組は終了。
最後までお読み下さった皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。

色々興味深い議論があってとても楽しかったです。私的には特にソロ(アドリブ)の話が面白かったです。寺久保さんはストレートで飾らない今時の女の娘でした。私は凄く好感が持てました。私が好きなピアニストの松本茜さんとはまた違ったかわいさがありました。そういえば同じアルト吹きの纐纈雅代さんもかわいかったな~。って、出た浮気性(笑)!

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「PCMジャズ喫茶」に寺久保エレナさん登場!(前編)

衛星デジタルラジオ 「ミュージックバード」 のPCM放送終了まであと1ヶ月に少々になりました。地上波アナログ放送終了日と同日7/24にPCM放送も終了します。JAZZチャンネルは「ミュージックバード」のもう一つのサービス「SPACE DiVA」に移行。番組編成はかなり見直されるみたいです。「PCMジャズ喫茶」はタイトルを変えて続いていくとのこと。私はどうするかといえば、「SPACE DiVA」へ乗り換えないので、「ミュージックバード」とは”さようなら”ということになります。結局ラジオってそれほど聴いている時間はないんですよね。有料放送なのでこれを機会に見切りをつけます。ブログにおいては「ミュージックバード」ネタで色々楽しむことができたので感謝しています。

さて、今日は「PCMジャズ喫茶」のレポートを久々に書きます。なぜなら話題のアルトサックス奏者 寺久保エレナ さんがゲストだったからです。「PCMジャズ喫茶」には色々なゲストが登場するのですが、ここのところどうもレポートするほど面白いものがなかったし(毎度同じ主張の繰り返しでマンネリですからね。笑)、なんか面倒だったのでレポートはしないできました。でも今回はなかなか面白かったのです。やっぱりミュージシャンがゲストだと、私的には興味深い内容になります。ましてや若手女性サックス奏者で今注目度が高い寺久保さんですから。今回はアルバムプロデューサーの伊藤八十八さんも来ていました。きっと寺久保さんが寺島さんにいじめられた時に助け舟を出すためについてきたのでしょう(笑)。

なお番組を聴きながらメモをとり、メモを基に思い出しつつ書いていますので、誤解しているところがあるかもしれません。あらかじめご了承願います。

寺久保さんは19歳になったばかりだそうで、「PCMジャズ喫茶」のゲストとしては最年少だそうです。いきなり楽器の話。寺島さんも昔サックスを買って練習したことがあり、《レフト・アローン》が好きで今でもメロディーを覚えている”レシファー、ミミファミ~”(だったと思う?)とか言って自慢しながら「今何を使っているの?」と質問。寺島さんならではの展開ですよね(笑)。セルマーを使っているそうです。いい音がするからだとか。「そんないいのを使ってるの。」と寺島さん。早速攻撃モード(笑)?伊藤さん(早速援護射撃)と寺久保さんは「いい楽器を使うと上手くなる。」と、寺久保さんは「悪い楽器だとまあこんなものかとなるけれど、良い楽器を使ってこれくらいの音しか出ないとなると更に良い音を出したくなるから。」と言っていました。寺島さんも「そういうことはよく言われますね。」と同意。まっ、これは掴みのトークなのでした。

寺久保さんの新作『ニューヨーク・アティチュード』の話題へ。良いということで珍しく寺島さんと岩浪さんは意見が一致したそうです。寺島さんが「ジャズ評論界の大御所二人が一致して良いと言っているんだから大したもの。」と言うと、寺久保さんからは戸惑いの反応があったようで、「そこで笑わなきゃ。大御所なんて大袈裟に言っているんだから。」と寺島さん。寺島さんが寺久保さんを和ませようとするのは分かりますが、戸惑う寺久保さんの気持ちも分かります(笑)。寺久保さんは「自分の演奏は良いと思わない。もっと上手く吹きたいと思う。」と言ってました。向上心が良いですね。「アルトがフルトーンで鳴っている。」と寺島さんと岩浪さん。「危なげがない。聴いていて危なっかしいともう聴きたくなくなっちゃうんだけど、それがないからいいよね。」と寺島さん。ここで寺久保さんが”危なげ”という言葉にちょっと反応。伊藤さんは「ミストーンがない。」とか言うと、寺島さんは「安心して聴ける。」と。いまいち答えになっていないような。寺久保さんは「危なげがある人、ジャッキー・マクリーンは好き。ピッチ悪いし”キーキー”いうけれど。」なんて言ってました。寺島さんは「それは分かる。別格だよね。」と。”危なげ”を巡る双方の微妙な意味合いのズレがあるんでしょう。寺島さんは褒め言葉のつもりなのに、”危なげない”演奏は当然で、それ以上を求めている寺久保さんとしては褒め言葉として捉えられなかったのかも?寺久保さんは「”キーキー”いう音は嫌いなので、出さないようにしている。」とも言っていました。

新作から曲をかけることに。曲は《インビテーション》。寺久保さんが好きな曲。ここで、新作のメンバーが凄いという話へ。「ケニー・バロン、ロン・カーター、いきなりこういうメンバーとやっちゃうともう先がないでしょう。」と寺島さん。伊藤さんが「ロン・カーターが向こうで待っていると言ってくれたんですよ。去年の東京JAZZの時に言われたから。」と言います。「こういうメンバーとやってどうでしたか?」と寺島さん。「考え方が違うんです。日本では「何でこんなに若くて小さい娘とやるの?」みたいなところもあるけれど、向こうは「あなたがリーダーだから悪いところは言ってくれ。」という感じで、音楽に対する考え方が違うんです。」と寺久保さん。寺島さんは「音楽に対して真摯なんだろうね。」と。なるほどね~。向こうは余裕があるんでしょうね。寺久保さんが出てきたからって彼らの地位は揺るがないわけです。そこへ行くと日本はモロに商売敵なわけです。複雑な心境もあるんじゃないでしょうか?寺久保さんは今回こういうメンバーとやって「私がもっと上手かったらもっと楽しいのに、もっと英語が喋れたら色々質問できたのに悔しい。」と思ったそうです。やっと曲へ。

確かに安定感がありますね。とても高校を卒業したばかりの娘とは思えません。ちょっと優等生的にも聴こえました。アルト・ソロではバックに煽られて後半徐々に強いトーン(キーキーは出さない)になっていくところが良かったです。で、バロンのピアノ・ソロになるとノリがより弾んできます。まあ、これは致し方なし。寺久保さんの今後に期待。

「凄い。素晴らしいね。」と寺島さんと岩浪さん。バックはケニー・バロン(p)、ロン・カーター(b)、リー・ピアソン(ds)です。アルバム中の3曲にドミニク・ファリナッチ(tp)が参加しています。

レコーディングのエピソード。寺久保さんはケニー・バロンやロン・カーターにダメ出ししたんだそうです。強く言ったりしたわけではないですが、レコーディングは一生残るので、言わなくて後悔しないようにそうしたんだそうです。英語はあまり喋れないけれど、通訳を通すと失礼だと思ったので、身振り手振りで必死に伝えたとか。寺久保さんのオリジナルのピアノやベースのアレンジが初見では無理なものだったらしいのですが、「何じゃこりゃ」と言いながらも何度も練習してくれたそうです。で、場が”ドヨ~ン”としてくると、ロンさんがジョークを言って和ませてくれたらしいです。たまたまその時付いたアバター・スタジオのエンジニアが日本人だったらしく、その人の話によると寺久保さんのように言う日本人は珍しいとのことだったとか。寺島さんをはじめ皆さんが「今時の人らしくていい。」と言っていました。私も同感。録音は2日で終了したそうです。

続いて寺久保さんが好きな曲。キャノンボール・アダレイの『イン・シカゴ』から《ライムハウス・ブルース》。「この曲のどこがいいの?」という寺島さんの質問に対して、寺久保さんは「キャノンボールの雰囲気を受け継いだコルトレーンのソロがいいとか、流れとか雰囲気とか、このCDで起こっていることが全部好き。」と回答。岩浪さんが「曲がいいのか演奏がいいのか?」なんて質問をするから、寺島さんが「評論家は変な質問するよね。我々はこういうことを考えたくなるんですよ。」と言いだ出します。ここでいつもの”曲と演奏”の話へ。寺島さんにとっては演奏の前に曲ありき。いい曲(メロディー/旋律)なくしていい演奏などあり得ないという話です。寺島さんが「メロディーが良くないと良いソロ(アドリブ)はない。メロディーの類似的旋律や断片が出てこないとソロが楽しめない。」と言います。岩浪さんから寺久保さんへは「曲を作る時は旋律が先か構成が先か?」なんてちょっとズレ気味の質問も。寺久保さんはちょっと困りつつ、「色々ありますが曲はメロディーから作ります。ソロをとる時はコードで吹いているのではなく、メロディーとコードの間で動いていくもので、コード進行ばかり気にするのは嫌いです。」と回答。まあ、どっちありきかというのも難しいのではないかと私は思います。

寺島さんが「コルトレーンのようにコードで吹くのは困りものだ。」と言うと、寺久保さんは「コルトレーンにもメロディーは聴こえてきますよ。マイルスもいくらぐちゃぐちゃになってもメロディーの中で吹いているように聴こえます。」と言います。寺島さんは「じゃあ今夜コルトレーンからメロディーが聴こえてくるかよく聴いてみますよ。多分ダメだろうけど。」と、負け惜しみ(笑)。この辺りはもうメロディーに対する根本的な感覚の違いとしかいいようがありません。私は寺久保さんの言っていることに共感します。寺久保さんは「《ライムハウス・ブルース》でも、コルトレーンはキャノンボールのソロを引き継いでいる。皆でバラバラになったり一つになったり、そういうのを皆でして行っている。」と続けます。すると寺島さんは「我々普通のジャズファンはそういうことが分からない。中に入らないと(演奏しないと)理解するのは難しい。そこがわからないから、ミュージシャンにはかなわないと思うんですよ。」と言います。それを聞いた寺久保さんは思わす「やったー、」なんて歓喜の声を上げてました(笑)。それを聴いた寺島さん「でもプロデューサー(寺島さん含む)はミュージシャンに分からないものが見えるところもあるんですよ。」と反論。「そういうことはありますよね。」と伊藤さんも言ってました。あれっ、そういえばこれと同じようなことを中山さんも言っていたような・・・(笑)。私は今回の寺久保さんの発言を聴いて「なるほど、ではそういうことを意識してもう一度聴いてみよう。」と思いましたが、寺島さんのようにコンプレックスはあまり感じませんでした。寺島さんって結局コンプレックスに端を発する反発意見みたいなもので成り立っている気がします。メロディー発言も自分に理解できないことへのコンプレックスであり反発なのだと思います。

ミュージシャンに見えないものの話の続きで、「ミュージシャン本位だと一般リスナーに受けないだろうと思うこともあるんですよ。」なんて話をすると、寺久保さんは「私はリスナーのことは特に考えていません。」と反論。寺島さんは「寺久保さんのように若いうちからそんなことは考えなくていいんですよ。そういうことはプロデューサーが考えれば良いことです。」と言ってました。ここで「コマーシャルな演奏って知ってる?」と寺島さん。寺久保さんは「コマーシャルって宣伝ですよね。」と知らない様子。寺島さんは「大衆受け狙いのこと。シャリコマ。」なんて説明。伊藤さんは寺久保さんのアルバムについて「シャリコマは少し入れてますよ。いいところを引き出してあげたいから。」と言います。

ここでシャリコマに関してアルバムの曲順の話へ。『ニューヨーク・アティチュード』は伊藤さんと寺久保さんで2曲目までは一致した選曲だったけれど、それ以降で少しもめたとのことでした。「1曲目はこけおどし的、インパクトがある曲を選びました。」と伊藤さん。「それはシャリコマじゃないです。」と寺島さん。「私なら《ディス・ヒア》《デル・サッサー》《ボディ・アンド・ソウル》など誰でも知っている曲を頭にもってきます。」と続けます。いつもの寺島流プロdヒュース論ですね(笑)。伊藤さんは「LP時代は片面20分でやり易かった。起承転結ができた。CDは飛ばし聴きもできるので続けて聴かせるのは難しい。」と言っていました。寺島さんは「それはわかります。」と言いつつ、「自分の知っている曲でないと分からないんですよ。初めて聴くミュージシャンのCDの場合、知っている曲から聴き、曲をどう解釈するかでそのシュージシャンの好き嫌いを決めます。」と続けます。これって、寺島流シャリコマでは1曲目に誰でも知っている曲をもってくるということなのでしょうけれど、そもそも今時誰でも知っているジャズスタンダードなんて少ないわけで、寺島さんが言うところの一般ジャズファンってかなりジャズ聴きこんでいるんじゃないでしょうか。一般ジャズファンと言うのかな~?岩浪さんは「裏切ってくれたほうが良いこともあるんじゃないですか?」なんて意見を言います。寺島さんは「そういう場合もありますけど、あんまり突飛な新しいことをやられても困るんですよ。ファンはついていけないんですよ。」なんて言います。

それを聴いていた寺久保さんが噛みつきます。「新しいことをやっていないと音楽は発展しないと思います。」と寺久保さん。いつもなら音楽は発展する必要はないと切り捨てるはずなのに。今回の寺島さんはちょっと違いました。寺島さんは「新しいことはジャズファンの10%、100人の中の10人が聴いていればいいんですよ。ミュージシャンも全てが新しいことをやる必要はないんですよ。」と言います。寺久保さんは「皆で新しいことをやっていかないとダメです。でないとマイルスみたいな人も出てこないから。」と反論。私は寺久保さんの意見に大いに賛成。もう一つ言うなら、ミュージシャンが新しいことをして、それを聴くリスナー(ファン)がいないとダメということです。寺島さんは「オーネットも白いプラスチックのサックスで突飛なことをやったからダメなんですよ。」と言います。伊藤さんが「でも今聴けば普通ですよね。メロディーも普通に聴けますよね。」と言うと、寺島さんは「オーネットの曲はいいんですよ。」とj返します。『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン』(たぶん寺久保さんが持ってきたCD)を例にとり、伊藤さんが「これもダメですか?」と言うと、「ダメです。ドラムとベースを聴くために年に2,3回は聴くかもしれないけれど。」と寺島さん。まっ、寺島さんの言うことだから目くじらたてて反論してもしょうがないか(笑)。

今日はここまでにしておきます。後半戦もなかなか面白かったですよ。
久しぶりにたくさん書いたら疲れました。フウ~ッ。

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YouTubeにこんなものがUPされていました。

YouTubeには色々なものがUPされていて驚くのですが、

こんなものまであるとは!

私が時々レポートしている音楽専門・衛星デジタルラジオ「ミュージックバード」

寺島靖国さんの「PCMジャズ喫茶」の音声です。

私のレポートではトークの雰囲気が伝わらないので、

その動画をここにUPします。

タイトルがなかなユニークです。

その1

その2

その3(ゲストはMayaさん)

とまあこんな感じです。

こんなトークが2時間続きます。

初めて聴く方はきっと面白いと思います。

でも、私のようにもう2年以上聴いているとちょっと食傷ぎみ(笑)。

それにしても凄いヴィンテージオーディオ装置でこの放送を聴いてますね。

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「PCMジャズ喫茶」をツイートする。

音楽専門・衛星デジタルラジオ「ミュージックバード」の番組「PCMジャズ喫茶」
今回のゲストはレコードコレクターの西川進さん。

番組を聴き流しながらのツイートは以下のとおり。

衛星デジタル放送ミュージックバードの「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」。ゲストがオリジナル盤コレクターの方。ディスクユニオンに毎日行くんだそうです。いるんですね~(笑)。

ゲストさん77歳。毎日ディスクユニオン通い。最近は歳なので減らしつつあるが、8000枚くらい持っているそうな。特殊なケースだとは思いますが、ジャズファンのある部分の典型でもある。

ジョニー・デスモンドが1曲目。続いてビング・クロスビー。今日は超マニアトークで楽しそう。言っちゃうとまずいんだけれど、高齢者向け番組(笑)。

ゲストさんはジャズクラブの取りまとめ役(会長?)。会合もやっているんだそうです。いや~っ、お元気です。同じ趣味の人達が集まって酒を飲みながら、自慢のものを持ってきてかけたりするそう。これはこれでいいと思う。ウディ・ハーマン・オーケストラ&女性ボーカルをかけてる。

寺島さんお得意ブラインド。ネットのソングリストではヘイリー・ローレン。《タンゴ・ララバイ》。またいつものラテン曲。前振りでこんな話が。今、ピアノ・トリオ・ブームが一段落して、今は女性ボーカルが来ているとか。なるほどHMV通販の売上ランキングとか見ると確かにそれはある。う~む。

次はゲストさんの選曲。女性グループ「トーキン’ジャズ」。ドラムレス・トリオ。テナーはボディル・ニスカ。私、まだこの境地には至れない。ムードテナー。寺島さん推薦のボディル・ニスカのアルバムは10年くらい前に買ったけれど、その後ユニオン行き(笑)。

ゲストさん77歳。元気の秘訣は?毎日ジャズを聴くこと。いやっ、参りました!

ゲストさん。朝から晩まで大音量で聴いているんだそうな。ドンシャリ・ステレオ(JBL4343使用)で、ビッグバンドを浴びるように聴く。ライブ、生は聴かない。録音されたものが好き。傍目には異常(笑)。この番組を聴いてツイートしている私も異常ですけどね。

@JACOnomeこういうスゴイ人だから、ゲストに呼ばれるんですけどね。普通じゃ面白くないですから。私なんかまだまだかわいい部類です(笑)。
「@jazzikki TLを追いました(笑)。スゴイですね。PCMジャズ喫茶のゲスト。 」への返事。

寺島さん好みのトロンボーンを聴く2曲がかかる。前後ではとことんジャズオヤジの茶飲み話が炸裂中。

今日はゲストの好みに合わせてボーカルとビッグバンドがかかる。普段ほとんど自分が聴かないものをたまに聴くのも悪くはない。

ゲストさん選曲で今日のラスト。シド・ローレンス&ヒズ・オーケストラ。誰それっ(笑)!

かけたアルバムのグレンミラー・サウンドの話。クラリネットの本数を巡って。良く聴いているはずのゲストさん、1本と言っていたのに、ディレクターの太田さんがライナーノーツか何か見たら5本だとか・・・。

寺島靖国の「PCMジャズ喫茶」終了。自作スピーカーのエージングも進行中。だんだんなじんできました。軽やかで素直な音です。

ジャズファンの生態を知るのには良い番組です(笑)。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

PCM放送は来年8月で終了なので、
今ならもうひとつのサービス「スペースディーヴァ」で聴くようになるのかも?

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「PCMジャズ喫茶」のゲストは「JaZZ JAPAN」編集長(その2)

「JaZZ JAPAN」編集長三森隆文さんゲストの「PCMジャズ喫茶」レポートの続きです。

「JaZZ JAPAN」の第2号でブルー・ミッチェルのことを書いているという話へ。この記事には寺島さんが投稿しています。いつものように面白い文章です。(ピンク字は私の意見)「『ブルース・ムーズ』を久々に聴いたらやっぱりいい。」と寺島さん。「《アイル・クローズ・マイ・アイズ》が有名だが、2曲目の《エイヴァース》もいい。ロッキー・ボイドが作曲したんですよ。」と言いつつボイドの演奏とミッチェルの演奏を比較することに。『ブルース・ムーズ』はいいですよね。私も好きなアルバムです。

その前に、岩浪さんが「同業者のオリジナルをやれ。」とミュージシャンに言っているという話をします。「他人の曲をやらないと、自分の曲も他の人にやってもらえない。」と岩浪さん。ジャズマンオリジナルを共有することでジャズ界の横のつながりを強めたりジャズ界を活性化できるという思いからの発言と私は受け取りました。

更にエキサイトして岩浪さんは「ジャズは本来黒人の反発の結束を強める側面があり、だから簡単なコードなどの制約で皆で演奏することに意義がある。」と言うのです。続けて「今のヨーロッパのジャズマンのように我が我がと自分のオリジナルばかりやるのは間違いで、我が我がというのならクラシックがそういう音楽だからクラシックをやればいい。今イタリアの(黒人文化に沿ったバップ)ジャズが良く、アメリカのジャズマンもイタリアに行けと言っている。」と続けます。

黒人音楽や文化を敬愛する岩浪さんらしいご意見だと思いました。私はクラシックについては何とも言えませんが、ロックでもポップスでも個人やグループの楽曲重視は言えるわけで、ジャズも同じなのだろうと思います。そしてジャズが特定のコミュニティーから外へ出て世界的な広がりを持ち、色々な音楽や考え方の影響を受けている以上、岩浪さんが言うようなジャズからはみ出すのは当然のことだとも思うわけです。さらにジャズの起源に由来するような黒人文化を伝えるのが、簡単なコード進行などによるアドリブ回しだとしても、それをやっていればいいのかということへの疑問もあります。まっ、岩浪さんの意見は意見として聞いておきましょう(笑)。

話は山中千尋さんへと変わります(笑)。寺島さんが「山中千尋は人には甘い曲ばかりを聴いてと言っておいて、(新譜で)自分は甘い曲を書いているじゃないか。」と言うのです(笑)。そして「今月の「JaZZ JAPAN」の文章は一度読んだらわかった。以前は3回読まないと何を言いたいかわからなかった。あれでは普通の人にはわからない。」と言っていました。山中さんに噛みつかないと気がすまない寺島さんです(笑)。寺島さんのいうような甘い曲?は後ほどかかります。

とうことでロッキー・ボイドブルー・ミッチェル《エイヴァース》比較。

人妻Aさんは、ブルー・ミッチェルの演奏を聴いて良い曲だと思ったそうです。そんなAさんの意見(演奏者によって曲の良し悪しの感じ方が変わる)を聞いて寺島さんは喜んでいました。それで終わらないのも寺島さん(笑)。「ボイドも良いよね。マイナーの極致で。」と言っていました。

人妻Aさんの選曲。トーマス・エンコ。人妻Aさんは「東京JAZZ」の屋外ステージで見たそうです。人妻Aさんは「またか」という感じでスタンダードを聴き飽きていたけれど、エンコの《イエスタデイズ》を聴いてスタンダードも(演奏次第で)良いと思ったそう。余談ですが、岩浪さんは「東京JAZZ」の担当者と伊藤八十八さんが知り合いなので、伊藤さんの息のかかった人がたくさん出ているんじゃないかと言っていました。《イエスタデイズ》をかけました。

人妻Aさんらしい、テクニカル系のピアノ・トリオでした。寺島さんは「前回の時に中平穂積さんがゲストに来て、”最近の若者は弾きすぎる”と言っていたが、その典型。」とお気に召さないようでした(笑)。人妻Aさんが「若いっていいですよね。」と言うと、寺島さんは「老いの良さをメインに考えることにしている。」と反論。そして「三森さんは51歳だけれど、今雑誌を立ち上げて燃えに燃えている。いいですよね~。」と言っていました。

ここで岩浪さんの若い頃の話へ。岩浪さんは植草甚一さんや久保田高司さんの弟子だったので、油井正一さんや野口久光さんのような正論派に反発があったそうです。なるほどジャズ評論家にもそういう派閥があったんですね。以前この番組で、岩浪さんが雑誌とかに間違ったことを書くと、すぐに油井さんから電話がかかってきて怒られたと言っていましたが、岩浪さんも若い時は色々苦労していたのです。

次は三森さんの選曲。三森さんは1983年にスイングジャーナル社に入ったとのこと。当時伝統的なジャズを見なおす動きがあり、ウィントン・マルサリスが注目されたりしたそうです。、私がジャズを聴き始めた翌年ですね。懐かしい。スイングジャーナル誌は大学図書館の雑誌棚にあったのを毎月読んでいました(笑)。当時のアルバムでビル・ラズウェル、マテリアルのお札のジャケット(『One Down』)から三森さんの愛聴曲《メモリーズ》。ホイットニー・ヒューストンとアーチー・シェップの共演です。

P126 Amazonのレビューによると、ホイットニー・ヒューストンのメジャー・デビュー前初録音らしいです。レコードは当然廃盤。CDも廃盤みたいです。今では忘れられてしまった「マテリアル」。ジャズの新しい動きとして当時はスイングジャーナル誌でもかなり取り上げていました。今私が持っているアルバムは『メモリー・サーブス』だけです。当時が懐かしいです。

「全然別な世界。」と寺島さん。「良質なポップス。」と岩浪さん。

人妻Aさんが「東京JAZZ」で観た山中千尋さんの話へ。テリ・リン・キャリントンのモザイク・プロジェクトにゲスト参加した山中千尋さんが苦痛に顔をゆがめて弾いていたというのです。山中さんのピアノ・ソロが終わった後に拍手が入れられないような雰囲気だったと。「北風と太陽」の話ではないが、風が強く吹くように”ビュービュー”弾くと人の心が閉ざされてしまうと思ったそうです。

私がTVで見たのは、《フォレスト・スター》という山中さん作のスピリチュアル/モーダルなカッコいい曲の演奏。ソプラノ・サックスのティネカ・ポスマさんがデイブ・リーブマンばり(フレージングも似ていました)の熱いソロをとった後、山中さんのソロとなるのですが、私には山中さんとドラムのキャリントンさんの真剣勝負に見えました。山中さんのこんなに気合が入った演奏を見たのは初めてです。背中丸見えの衣装が凄かった(笑)。背筋はアスリートのもの。2人の真中でクールにベースを弾くエスペランサ・スポルディングさんはちょっと引き気味(笑)?山中さんのソロのバックでエフェクト・トランペットでシンセ系効果音を入れるイングリッド・ジェンセンさんがカッコ良かったです(TVにはほとんど写っていませんので音を聴いての感想)。いい演奏でしたよ。他にも何曲かやったのかもしれないので、人妻Aさんがこの演奏のことを言ったのかどうかは不明です。

岩浪さん選曲で山中千尋さんの新譜から《ソー・ロング》。メロディーがわかりやすくシンプルとのこと。

山中さんらしい曲だと思いました。日本の古いフォークのような感じの曲です。澤野工房時代に「学生時代」や「やつらの足音のバラード」を演奏していましたが、山中さんはこういうメロディーが好きなんじゃないかと思いました。寺島さんは「なんか上っ調子。」とお得意フレーズ。人妻Aさんは「楽しそうでいいです。」と言っていました。三森さんは「文章に比べると懐の深さに欠ける。」と言っていました。

ここで、さっきの「東京JAZZ」の話題に戻ります。三森さんが「以前山中さんと群馬交響楽団との演奏を見た時には山中さんが楽団に負けずに演奏していた。」と言います。すると寺島さんは「山中さんは負けず嫌いなんですよ。「東京JAZZ」では女性バンドの中で、山中さんの負けず嫌いが出たんだ。」と得意げです。寺島さんは山中さんの話題になると生き生きとしますね(笑)。

三森さんは「「東京JAZZ」の時はノナ・ヘンドリックスなどがいて、方向性がちょっと違ったので、山中さんの時はピアノ・トリオ編成にしてやれば良かったのかもしれないですね。」と言っていました。私が見た演奏はクインテットだし、山中さんの曲だし、ピアノ・ソロを大きくフィーチャーしていたし、特に問題はないように思えたのですが・・・。三森さんも見ずに発言していたのでしょうか?

ラストも岩浪さんの選曲。ヘイリー・ローレン《パーハップス・パーハップス・パーハップス》以前寺島さんもヘイリー・ローレンをかけましたよね。好きだと言っていました。

「いいねー。岩浪さんもたまにはいい選曲をするねー。」と寺島さん。そう言われて嬉しそうな岩浪さんです。他愛ないジャズオヤジのトーク(笑)。

最後に三森さんから「JaZZ JAPAN」の抱負。「(番組最初に言った)コンセプト通りで、世代を越えてジャズを伝えていきたい。」とのことでした。

残念ながら「JaZZ JAPAN」の裏話はほぼありませんでした。まっ、いくらリスナーが少ないとはいえ公共の電波ですから、業界でやっていくのに支障をきたすような話はできませんよね。それより今回は山中千尋さん話が盛り上がって楽しかったです(笑)。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

PCM放送は来年8月で終了なので、もうひとつのサービス「スペースディーヴァ」
のほうが良いかもしれません。

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「PCMジャズ喫茶」のゲストは「JaZZ JAPAN」編集長(その1)

今回の「PCMジャズ喫茶」のゲストは「JaZZ JAPAN」編集長の三森隆文さん。
さて、どんな裏話が飛び出したのか?

まずは「JaZZ JAPAN」のコンセプトは?から。「定番だけでは読者がついてこない。ジャズを聴く人は増えているはずだが、色々なものがバラバラに動いているので、バラバラになったジャズ・ファンを一つに結び付けたい。ジャズは好き嫌いでいいという原点に立ち戻る。色々な選択肢を提供したい。」というようなことを三森さんは言っておりました。まっ、だいたい想定範囲の回答でした。(ピンク字は私の意見)

今起こっていることから昔のものにリンクしたいそうで、Vol.1を例にすれば、大西順子~ミンガスにリンクするといういうふうにしたとのこと。(この番組収録時はVol.1が発売された後で、Vol.2は発売直前のようでした。)寺島さんは「面白いかもしれませんね。」と言っていました。

岩浪さんはレコード・レビューについて、誉めるだけではなく反対論も入れないとダメと強調していました。寺島さんによると岩浪さんが久々に興奮しているとのことでした。岩浪さんは「対レコード会社との関係性はあるのか?広告とレコード・レビューがつながっていない今がそういうことをするチャンス。」と強弁していましたよ。スイングジャーナルの編集長をやっていた岩浪さんにも色々思うところはあるようですね。

レコード・レビューに点数(星)を付けなくなったのは、点数が形骸化していて読者もあてにしていないからとのことでした。

寺島さんは新しい筆者が面白いと言っていました。中野俊成さんはシニカルだけれどいいとのことでした。大西順子評(『バロック』)がいいと言っていました。中野さんは番組を何本もかかえる人気放送作家です。中野さんについては私のほうが先に目を付けていましたよ~っだ。中野さんのサイトについては以前ブログで紹介しました。
中野さんのジャズサイト:「FOOL STRUTTIN'」

寺島さんは中山康樹さんの文章も読んだらいいと思ったそうで、「チック・コリア評(『フォーエヴァー』)のラストに《アルマンドのルンバ》がいい曲だと書いているのがいい。」と言っていました。「ジャズはメロディー(テーマ)で聴け。」と言っている寺島さんとしては中山さんが「曲がいい」と書いていたところが良かったみたいです(笑)。

今度のコラムに中山さんがエロジャケの話を書いていると三森さんが言ったら、寺島さんは急に怒り出し(笑っていましたが)、「正論を言うのは大嫌い。何言ってんだあのバカは。男ならジャケットに色気を求めるのは当然だ。」など、凄いけんまくでした(笑)。三森さんは中山さんはこういう趣旨のことを言っているとフォローしていましたが、聞く耳を持たない寺島さん。この時点で寺島さんは中山さんのコラムを読んでいなかったので「まだ読んでいないから。」と断ってはいましたが、かなり反発していましたよ(笑)。あまりにベタな展開に私は笑ってしまいました。エロジャケついては言いつくされたネタだと思う私なので、中山さんのコラムには今更感がありました。でも、言いつくされたこと(アルバム)を新しい視点で評論することが大事と考えるる中山さんからすれば自然な成り行きかも?新しい視点があったかどうかは読者の皆様の判断にお任せします(笑)。

ということでやっと曲をかけます。
寺島さんの選曲。ブライアン・ピパー・トリオで前述の《アルマンドのルンバ》
寺島さん好みのラテンタッチのピアノ・トリオでした。

三森さんはフリー・ジャスが好きだったそうです。スイングジャーナル社の入社試験の小論文がアルバート・アイラーだったそうで、そんなことを書いたから落ちるかと思ったら受かったらしいです。そこから好みは変わるという話へ。90年頃にジュリー・ロンドンを聴いた三森さんは、ロンドンの全ての雰囲気に参ってしまったとか。それを聞いた寺島さんは「ロンドンは人工的な色気、大理石っぽくてダメ。」と言っていました。いつも寺島さんは嫌いなものを大理石に喩えますね。硬くて冷たい雰囲気のものがお嫌いのようです。三森さんによると、ジャズ評論家は皆ロンドンをダメと言ったそうです。

ジュリー・ロンドン《クライ・ミー・ア・リバー》をかけます。
三森さんはギターも好きなのでこれを選曲。寺島さんによると定番曲らしいです。

三森さんはフリー・ジャズもたまには聴くそうです。オーディオもそれなりに好きで、最近JBLのスピーカー”4492”を買ったという話からオーディオ話へ。アーチー・シェップでスピーカーをエージングしているんだそうです。三森さんが「4492は管も良く鳴らしつつ弦も良く鳴る。」なんて言うと、寺島さんから「どっちも良く鳴るのはどっちも良く鳴っていないとも言えませんか?どっちかが良く鳴るようでないとダメだと思うんですよ。」といつものジャズ・オーディオ論がありました。寺島さんはバランス感覚を良しとしないので、オーディオも偏ってしまいます。だから私はそんな寺島さんのオーディオは邪道だと思っています。

ここで「JaZZ JAPAN」の売れ行きの話へ。1回の刷り部数は1万5千部だそうで、同種の雑誌ではこんなに多く刷っているのはないとのことです。返品率を下げるように努力しているとのこと。1号の売れ行きは良いそうで、HMVの通販とかは売り切れたなんて話をしていました。寺島さんは「1号は売れて当然だけれど、問題は2号、3号。」と言っていました。1号はご祝儀相場というのがありますから、本当の売れ行きは2号、3号ではっきりすると私も思います。さて、3号も発売された今、その結果はどうなんでしょう?

寺島レコードも3年目に入り順調に売り上げが落ちてきたとか。岩浪さんはその要因の1つはマンネリ化だろうと、寺島さんはあきられる側面があると、言っていました。最近の新機軸は寺島レコードインポートのマーカス・シェルビー『ザ・ソフィスティケイト』とバリー・ハリス『イン・スペイン』なんでしょうね。

他に誰が好きかという話になり、三森さんはアーチー・シェップやアルバート・アイラーは番組に配慮して遠慮したということで、エリック・ドルフィーをかけることに。《ファイアー・ワルツ》です。寺島さんはドルフィーが嫌いなので異例?

寺島さんによると当時ジャズ喫茶でよくかかったそうです。「聴いていて厳しい。これだけいななかれると。ドルフィーのことを馬のいななきとはよく言ったものだ。」とご不満のようでした。寺島さんはオーネット・コールマンのほうが聴けるそうです。「オーネット・コールマンよりエリック・ドルフィーのほうが素晴らしい。」と岩浪さんが言っておりました。その後、岩浪さんのドルフィー論が出ると、寺島さんはわかりましたからもういいという感じで次の話題へ(笑)。まっ、いつものお2人の持論です。

「JaZZ JAPAN」について、ここまでのところあまり裏話はありませんでしたね。
この後は岩浪さんの興味深い意見といつもの山中千尋さん話が(笑)。
久しぶりに山中さん話で盛り上がりました。当然山中さんの新譜もかけますよ!
続きをお楽しみに!

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
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久々に寺島靖国さんの「PCMジャズ喫茶」の話題

衛星デジタルラジオ 「ミュージックバード」 の番組「PCMジャズ喫茶」、一時期細かくレポートしていましたが、最近はあまり興味が湧かなくなってしまいました。番組を何度も聴くうちに寺島さんや岩浪さんの考え方がわかってしまい、毎度同じことを言っているので、ツッコミを入れる気にならないのです。出会った頃は合うのが楽しくても、何度も合っているうちに興味が湧かなくなってしまうことってありますよね(笑)。

前回の番組ゲストは、EMIミュージックジャパンのジャズ・アンド・クラシック制作ディレクター花村路津子さんでした。ジャズに興味はあるけれどまだまだジャズ初心者という感じでした。話題はコンピレーション・アルバムや自分のレーベルのノラ・ジョーンズのことで、女性ジャズ・ファンのステレオ・タイプと感じました。日本のメジャー・ジャズ・レーベルの制作現場は、私なんかのようにジャズ・ファンを長くやってきた人と乖離していることがよくわかった次第。こういうことに色々言っても仕方がないので番組を聴いておしまい。

さて、今回のゲストは、「新宿DUG」オーナー&ジャズ・フォトグラファー中平穂積さんだったので、面白い話が聞けるんだろうと楽しみでした。

1961年ジャズ喫茶「DIG」を始めるにあたり、従来のジャズ喫茶の「コーヒーがまずい」「音量が大きいだけで音が悪い」「リクエストしても目当てのレコードが意外とない。」を改めようと思ったそうです。当時通っていたジャズ喫茶として「木馬」「ポニー」「ヨット」「ママ」などををあげていました。

レコードは新宿のレコード屋「マルミ」で買ったそうですが、店主の鈴木さんが商売上手だったなんて話もありました。コーヒー1杯が¥60、¥70の時代に輸入盤は¥4,000だったとか。今の感覚では数万円です。それでも高価な輸入盤が買えるくらい当時のジャズ喫茶は繁盛していたそうです。当時を知る人の口からはよく「マルミ」の話を聞きます。(以降ピンク字は私のコメントです。)

ある時期、ライブも始めたそうですが、「これからライブをやります。」と言うと、来店したお客さんの中には「じゃあまた今度。」という人が少なからずいたようで、ライブのお客さんとジャズ喫茶でレコードを聴くお客さんは客層が違うという話がありました。これは今でもあまり変わらないことですよね。

寺島さんから中平さんへのリクエスト。「これを聴いてジャズ・ファンになった。」という1枚は『ジェリー・マリガン・カルテット』でした。中平さんは和歌山のど田舎で生まれたそうで、中学生の頃はNHK第2(AMラジオ放送)の「リクエストアアワー」という番組をよく聴いていたそう。高校生になり「グレンミラー物語」を見てジャズを意識し、東京に出てきた時に出会ったのがジェリー・マリガンやチェット・ベイカー。

中平さんは昭和11年生まれなので、高校卒業後に東京へ出てきたとすると昭和30年(1955年)ですね。当時イースト・コーストのブルーノート、プレステッシ、ロリンズ、マイルスなどはまだ日本に入ってきていなくて、ウエスト・コーストの方が先に入ってきたとのことでした。そんな関係でジェリー・マリガンをかけることに、曲は《ララバイ・オブ・ザ・リーブス》。寺島さんもこの選曲には大満足のようでした。寺島さんによるとこのレコードのチェット・ベイカーのソロを聴いて「ジャズのソロは麗しい。」と思ったそうで、またこれを超えるようなものはめったにないことをその後知ったそうです。

私がマイルスの『パンゲア』を聴いてジャズは凄くスリリングな音楽だと思い、またそれを超えるものはめったにないことをその後知ったのと同じですね。対象は全く異なりますが、ジャズを聴き始めた頃の体験は鮮烈な印象を残すんでしょう。

フリー・ジャズの話へ。まずは植草甚一さんとの出会いから。ある時「ポニー」へ行ったら植草さんの隣の席しか空いてなくて(多分皆植草さんと知って隣に座りにくかったのだろうという話でした)、しょうがないので中平さんは植草さんの隣に座ったとのこと。その時リクエストしたのがセシル・テイラーで、植草さんから「これをリクエストしたのは君か?」と聞かれ、そこから交流が始まったんだとか。

植草さんからはジャズ喫茶を始めることをさんざん反対されたそうですが、中平さんはそれを押し切って始めたそうです。ある時期からお店で前衛ジャズをかけるようになり、最初は嫌がる客が2/3いたので、火曜日だけを前衛ジャズ専門にかける日としたそうです。ところが、半年もしたら火曜日が一番混む日になったとか。

その頃「スイングジャーナル」誌上でフリージャズの対談があり、油井さん、岩浪さん、中平さん、野口さんが参加。ジャズ喫茶店主の中平さんと野口さんが参加していたので、寺島さんはジャズ喫茶店主としてそれを羨ましく見ていたとか。フリー・ジャズ擁護の油井さんと中平さん、フリー・ジャズ反対の岩浪さんと野口さんという構図だったそうで、寺島さんは岩浪さんと野口さんを応援したそうです(笑)。

寺島さんから「セシル・テイラーはどこが面白いのか?」という質問があり、まず中平さんはフリー・ジャズはでたらめにやっているわけではないという話をしていました。山下洋輔さんから聞いた話とのことでしたが、セシル・テイラーと山下洋輔がデュオのライブをするというので、セシルの家に行ったら、当時セシルは具合が悪かったにもかかわらず、家にあった2台のピアノで山下さんと一緒に6時間も練習したとのことです。これには山下さんも驚いたらしいです。

ライブの当日も夜7時開演なのに、セシルは12時に会場へ来て、その後5時間くらいリハーサルをしたらしいです。リハーサルを重ねて段取りは確認するということですね。中平さんは「バド・パウエルと同じ。」とも言っていましたが、残念ながらその意味するところは番組できちんと語られないまま雰囲気で進んでしまいました。

かけたのは中平さんの愛聴盤『ザ・ワールド・オブ・セシル・テイラー』から《エアー》。聴き終わった寺島さんは「50年ぶりくらいに聴いたけど、思ったほど過激でないね。」とのことでした。岩浪さんは「キラキラしているけど、カワイイところもある。」なんて言っていました。寺島さんは「今、耳は慣れちゃったが当時は凄かった。嫌悪感はない。」「当時『クール・ストラッティン』とかに聴き飽きてこっちへ行ったという側面もあるよね。」と言っていました。中平さんも確かにそういう面はある。」と言っていました。

たくさんジャズを聴いてからこういうのを聴くと意外と聴き易いものです。名前でジャズを聴くのも良くないけれど、名前でジャズを聴かないのもまた良くないと思う私。

中平さんはセロニアス・モンクも好きだそうです。ヴォーグ盤『ソロ・モンク』から聴き始めたとのこと。寺島さんはいつものモンク批判。ミュージシャンはモンクをやると博が付くと思ってやりがちだが、何々集の中ではモンク集が一番売れないらしといういつもの話を展開していました。

続いて中平さんのお店で録音したレコードの話へ。最初に録音したのは「ジャーマン・オール・スターズ(アルバート・マンゲルスドルフなど)」だったとか。その後バリー・ハリスとかを録音したらしいです。中平さんはバリー・ハリスも好きで、『アット・ザ・ジャズ・ワークショップ』が最高で、ピアノ・トリオ・アルバムの3本指に入ると言っていました。寺島さんは10本指だとか。中平さんはベースのサム・ジョーンズが特に素晴らしいと言っていました。私もバリー・ハリスは好きで、このアルバムも結構よく聴いていた時期があります。サム・ジョーンズのピアノがズンズンと気持ち良いです。

寺島さんから中平さんに捧げるとのことでかけたのは『イン・スペイン』から《スウィート・ピー》。寺島レコード・インポートの第2弾です。日本のものが売れないから輸入盤に寺島さんが解説を書いて売ることになったんだそうです。寺島さん自身から宣伝も兼ねてとの言葉がありました(笑)。これはいいアルバムですよね。私も認めます。

曲が終わると、「若手の速弾きの連中に聴かせたい。」と中平さん、寺島さん、岩浪さんで意気投合していました(笑)。中平さんは「最近の人はライブを観ても格闘技みたい。音楽だからね~。」なんて言っていました。その意見にも一理あります。

そこからニューヨークに良いドラマーがいなくて困るという話へ。秋吉敏子さんがNYでトリオのライブをやろうとしたら、お店からドラムは連れてこなくていいと言われたとか。ドラムにガンガンやられるとお客さんが話もできないということらしいです。中平さんは周りに合わせ静かに叩けるドラマーがいないのは残念と言っていました。

バリー・ハリスはアドリブ・ソロを教える時に歌って教えるという話もありました。歌ったフレーズをピアノで弾けというそうです。つまり歌えるようなソロをとっているバリー・ハリスだからいいという話です。

そしていつもの「最近のジャズ・ファンはピアノ・トリオしか買わないけれどどうしてかわかる?」という質問。「テナー、アルト、トランペットにいい人がいなくて管ものが売れないからですよ。」という耳タコ話(笑)。寺島さん好みの人がいないだけなんですけどね。それを一般ジャズ・ファンの総意と言われても困ります(笑)。

そしてこれまたいつもの「ピアノ・トリオはピアノ、ベース、ドラムの一体感で聴くから、ピアニストの個性はあまり気にならない。」という話。岩浪さんは「寺島さんはサウンドで聴いているんでしょ。オーディオの音も含めて。」と言っていました。そこでまたいつもの「ジャズは良いオーディオで聴いてほしい。せめて100万出してほしい。ミュージシャンはオーディオに拘らないからダメ。」という寺島論。今時オーディオに100万もかける人が一体何人いるとお考えなのでしょう?

岩浪さんおすすめの選曲。片倉真由子『FAITH』から《Mrs.Parker Of K.C.》。ジャッキー・バイアード作曲。片倉はバークリーだけじゃなくて、ジュリアードも卒業した才女です。寺島さんに言わせるとジュリアードを卒業したことがもうダメなんですよ(笑)。理屈ジャズになっちゃうというわけ。以前番組でかけた時はこういうお堅いジャズはだめだと言っていたはずです。

曲後、中平さんは「素晴らしい。無駄な音を弾いていない。バップ・アクセントが素晴らしい。」と誉めていました。寺島さんも「ジャズがちゃんとしたフレーズ。」と意見を合わせていました。その後「もうちょっと肩の力が抜けたら良くなるんだけどね。」と軽く文句も言っていましたが、ここは中平さんをたててあまり反論しなかったようです(笑)。

お次は管ものでトロンボーン。『片岡雄三カルテット(第2作)』から《アイム・ゲッティング・センチメンタル・オーバー・ユー》。寺島さんはいつものトロンボーン論を展開。テクニックで速いフレーズを吹くJ.J.ジョンソンではなく、アービー・グリーンのように音色でゆたり聴かせるのがトロンボーンの良さだと言っておりました。それもまた良し。こんな具合で耳タコ話ばかりので、この番組も飽きてしまいました。

そこから最近のビッグ・バンド話。アレンジに凝ったりしすぎで、大らかなアンサンブルを聴かせていないとご不満でした。これも何度か聞かされています。守屋純子さんがゲストに来た時には特に凄かったです。守屋さんも負けじと応戦していたのが面白かったです。

 片岡雄三/Quartet(2nd) 片岡雄三/Quartet(2nd)
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中平さんから「ジャズ喫茶の良さは皆で聴いて色々言い合えるところ。」という話がありました。それはライブも同じで皆で観に行って色々言い合うのが面白いとのことでした。こういう考え方なので、中平さんのところに色々な方が集まるのでしょうね。

寺島さんは「メグをサロン風ジャズ喫茶にしたけれど、そうなると逆にお客さんは喋らないものだから、もっと喋るようにお客さんに促す。」と言っていました。お客さんは一人できているので喋れないと言ったりするそうですよ。寺島さんは「難しいよね。」と言っていました。

ラストは中平さんが大好きなジャッキー・マクリーン。『ジャッキーズ・バッグ』から《ブルース・イン》。ソニー・クラークのピアノがいいという話もありました。曲が終わったあと寺島さんは「モダンジャズを感じる。」と言っていました。かける前はもう少し後期のフリーがかったものと勘違いしていたらしく、そのような発言になりました。ジャズ喫茶のオヤジはなんで皆マクリーンが好きなんでしょうね?マクリーンが好きだと言えれば、あなたもれっきとしたジャズ・ファン(笑)?

私が面白いと思った部分だけをピックアップして書きました。
中平さんはジャズが好きな飾らない人で、私は好感が持てました。

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「PCMジャズ喫茶」をツイッター中継してみた。

今日はブログを書くのがめんどうなので、衛星放送ラジオ:ミュージックバードの寺島靖国さん「PCMジャズ喫茶」をツイッターで中継しました。

そうしたら、ジャズ友tommyさんから「ツイートをそのままブログにするのかと思った。」とのツイートがあったのでなるほどと思い、ここにツイートをそのまま書くことにしました。途中ジャズ友との会話も入っていますが、編集は面倒なのでそのまま私のツイートのみ書きます。食いついているところが思いっきり個人的な好みなのでご了承下さい。

時系列的には上から下へ進みますので、ツイッターとは逆になりますが上から下へスクロールしてお読み下さい。

寺島靖国さんの「PCMジャズ喫茶」へ。ゆる~いテーマ曲(笑)。ゲストの茶髪(金髪)話から。

ゲストはティートック・レコードの社長金野貴明さん。寺島さんは金髪をやめたほうがいいと。グリーンや紫はいいんだそう。金髪だけがヨーロッパへのへつらいだから嫌いとか(笑)。サッカー日本代表の本田も金髪だけで負けていると思ったんだそうです(爆)。相変わらず無茶苦茶言います!

@TommyTDO 私、今「PCMジャズ喫茶」を聴いてツッコミ入れてますが。ゲストがジミー・スミスをかけて、オルガン嫌いな寺島さんは”ムッ”としています(笑)。

どこを切ってもオルガン・ジャズは皆同じに聴こえる。だから嫌い。by寺島靖国

岩浪さんとんでもない勘違いをしている!纐纈歩美さんの新譜をかけようとして、鈴木勲さんのグループの纐纈雅代さんと間違えています。あららっ、こんなの放送しちゃって大丈夫なの?同じ纐纈だからって・・・(涙)

寺島さん。何?寺久保エレナ、纐纈歩美、矢野沙織の中では纐纈歩美が一番いい。矢野沙織はガンガン吹いてダメ。纐纈さんの女性らしい吹き方がいいとか。

纐纈歩美さんのアルバムから《ウィズアウト・ア・ソング》。寺島さんはこの曲が嫌いだけれど、この演奏はいいとか。私はこの曲が好きです!

@JACOnome そんなところです。ピアニストも山中千尋さんはじめガンガン弾く人は皆嫌います。

寺島レコードとしてはティートック(T-TOC)レコードに対抗心を燃やしているみたいですね。

@katanzdoll 悲しいです。ほんと。

金野さんは”自分は”と言います。硬派でいいと寺島さん。日本の若者はダメ。韓国みたいに徴兵制で軍隊に一度入ったほうがいい・・・。問題発言連発番組です(笑)。

曲はKeiko Borjeson のピアノ・ソロで《ラウンド・ミッドナイト》。T-TOCレコード。カッコいいピアノでした。

「このアルバムの売れ行きは?」と寺島さん。ライブでの手売りが重要。手売りができない人はアルバムを出せないそうです。

岩浪さんの繰りごと。北村英治は自分でアルバムを作って自分で売る!  ジャズはこういう時代になってしまったのです。

@TommyTDO 確かに”暴走”老人です(笑)。

ハリー・ジェイムスをかけようとしていますが、ヒノテルの話が出て、ヒノテルが一時期フリーに走ったことや、菊地雅章とやったのを嫌ってます(笑)。この人(ヒノテル)は一本筋が無い人だなんて、小声でボソボソ。あ~あっ。ツイートしちゃまずいかも?

寺島さんがかけている曲。ハリー・ジャイムス楽団の昔のやつ。《ジェラシー》~《イッツ・ビーン・ア・ロング・ロング・タイム》。思いっきり懐古趣味だ~。こういう曲もたまにはいいですけどね。

@JACOnome ジャズを売るのも大変な時代なんです(涙)。

金野さんは今の曲をビブラートのかけ方が個性的でいいと。寺島さんは曲(メロディー)をどう演奏するかだと、いつもの展開。

さて、寺島レコードの新譜。大橋祐子トリオ の登場!岩浪さんは個性に乏しいと。寺島さんは「必死に作っているのに評論家がトンチンカンなことを言う人がいて頭にくる!」と激怒中(笑)。

岩浪さんの印象は前に聴いた時のもの。今かけているのは大橋祐子トリオの《ハッシャバイ》。

@JACOnome PCM放送はあと1年で終了すが、ミュージックバードのスペースディーヴァの方に加入願います。色々なチャンネルが聴けます。

@TommyTDO ですよね~。

さて曲後の印象は?金野さんはベース/シンバル強調の録音バランスがよくなく、ピアノをスポイルしていると。岩浪さんも同調。「こういうバランスが好きなんだよね。レーベル・ポリシー。岩浪さんが何と言おうが譲らない。」by寺島靖国。

@TommyTDO なるほど。その手がありますね。後でやります。

大橋祐子の女性らしいピアノが好き。「大西順子、山中千尋、アキコグレースはガンガン弾いてもう・・・」と、やっぱり出ました!ほとんど毎回言いますね(爆)。

T-TOCレコードの秋吉敏子さんのアルバム。選曲で悩んだ末。秋吉さんの代表曲《ロング・イエロー・ロード》。テナーはルー・タバキン。なんか寺島さんが嫌うパターンな予感。何というか楽しみです。

@TommyTDO 聴いてからブログに書くのが面倒なので、ツイッターでやり逃げでいいやと思っていました(笑)。

なんかコルトレーンの《カズン・マリー》に似た合いの手が。秋吉敏子/ルータバキンいいですね。私の感想です。

@TommyTDO イエ~ス、アイ・アム・ブロガー

「素晴らしかったね。」と寺島さん。「緊張感があるね。録音が素晴らしいね。」と岩浪さん。「なんで俺のときは褒めないの?いいけどね(笑)。」と寺島さん。

@JACOnome そんなのがあるんですね。ご紹介ありがとうございます。

金野さんから秋吉敏子さんの録音エピソード。

寺島さんが岩浪さんに、若い金野さんにデディケートするような曲をリクエスト。HIBI Chazz-Kの《イン・ザ・ムード》。

ちょっと録音話に戻って。寺島さんによると、誰とは言わないが録音後、だいたいの人がちょっと修正を入れるそうなんですが、先の大橋祐子さんはそれをやらなかったそうです。寺島さんが「なんでそうしないの?」と聞いたらそれがジャズだと返事したそう。

@TommyTDO HIBI Chazz-Kがストリート系の新し感覚のジャズをやる人達で、こういう系統の曲を取り上げているようです。寺島さんは「とりとめのない演奏。」、金野さんは「ハッピーな演奏でいい。」。私はこの手の演奏はとくに興味なし。

最後は寺島さん選曲でバリー・ハリス。岩浪さんからバリー・ハリスに関するウンチク話。アート・テイラーのシンバル話も。昔吉祥寺の「サムタイム」にテイラーが出た時、シンバルの騒音で近所から文句が出てパトカーが来たことがあるんだとか。野口伊織さんも大変だったとか。

@TommyTDO 初めて聴きましたが、この人達がやりたいことは分りました。昔のサウンドが今は逆に新しく感じているんじゃないでしょうか?ブラスバンド風の演奏でしたよ。緩かったですが(笑)。

@TommyTDO 岩浪さんの話ですから本当だと思いますよ。

今日のラストはバリー・ハリスの新譜から《シー》。ラストはしっとりこの曲で終了。ゲストが若い人だと寺島さんの言いたい放題番組になりがち。寺島さんはゲストから話を聞いていますすが、そのうちご自身の発言が出てそればかりが印象に残ってしまいます(笑)。

T-TOCレコードの金野さんは、次はオルガン奏者の寒川敏彦さんのアルバムを出すそうです。しっかり作りこむそうですよ。

@TommyTDO 私も故野口さんには会いたかったです。

「PCMジャズ喫茶」中継ツイート終了!お騒がせ致しました。m(_ _)m

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もとにして書いています。
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「PCMジャズ喫茶」 & 我が家にCDプレーヤーがやって来た!

今日の「PCMジャズ喫茶」のゲストは、横須賀でカートリッジの製作や修理をやっている「オーディオ・ファブ」の古屋明さんでした。古屋さんは”横須賀の針師”との異名をとるらしいですが、この命名主は間違いなく寺島さんだと思います(笑)。古屋さんはジャズのプロデューサーもやっているそうです。

今回は適当にレポートします。マイナーなゲスト(ご容赦願います)の時はマニアの趣味トークがメインなので、ツッコミを入れてもしょうがないし、正直私自身に興味が湧かないんですよね~。それに今日はわけがあって途中で聴くのをやめてしまいました。理由は後述。

ではちょっとピック・アップ。

まずはスイングジャーナル誌休刊の話。やっと出ましたね。復刊の可能性の話になり、岩浪さんは「レコード(CD)業界がよほど良くなるか、大口の資本が投入されないと無理。」と言ってました。それを聞いた寺島さんは「そういうのをかなり探したらしいがダメだったと聞いている。篤志家にでも買取ってもらわないと無理。」なんて言ってました。さらに「批評が昔から同じ論調なので面白くない。以前買っていた人達が書店で立ち読みして買わなくなってしまった。雑誌を買わないのは他の雑誌も同じですが。」とも言っていました。

オーディオ雑誌「analog」に掲載されている寺島さんのジャズ・レコードのジャケット・コラムを辞めるという話もありました。もう紹介するジャケットがないんだとか。「analog」2010SUMMER vol.28にも今回で最後という文が掲載されていました。

そして今話題の寺久保エレナの話も出ました。岩浪さんの選曲。岩浪さんが「上手すぎ。でも矢野沙織が出てきた時のビバップのような驚きはない。ポイントがなく、モード的なものを何曲かやっているので新主流派的だけどパーカー・フレーズも出てくる。」と言うと、寺島さんは「彼女を聴くのはアルト・サックスの後継部隊の中高生などで、そういう人が聴いて『私も上手く吹きたい。』と思えば良い。」と返していました。岩浪さんが「出来すぎ。バラードはいなして吹いている。」と言うと、寺島さんは「とりあえず上手ければいい。」なんて言っていました。どの曲をかけるかしばし議論したあと、自分の知っている曲をどう演奏しているかということで《マイ・フーリッシュ・ハート》をかけることにしました。

いや~っ、上手いです。これはバラード演奏ですが、岩浪さんが言うように確かにいなしています。アルトの音がとてもスムーズで安定しています。これから自分らしさを出していけるかが大事なんだろうと思います。上手い!

曲が終わると寺島さんが「素晴らしい。完成されている。」と言い、古屋さんも激賞していました。感想を求められたディレクターの太田さんは「ブラインド(テスト)したら面白い。(それくらい高校生離れした演奏)」と言っていました。寺島さんは「演奏がいいと(曲をかけている間のスタジオ内でのトークが)これだけ盛り上がる。”スッ”と入ってくる。アルトは不安定だと気になるが、そんな不安定さがない。矢野沙織よりレベルが高い。」とベタ褒めでした。岩浪さんは「矢野沙織は今何をやりたいかわからない。壁にあたっている。」と返していました。寺島さんは「(寺久保は)このままストレートに伸ばせばいい。変に色々プロデュースするのはダメ。それには大手ではなく、家(寺島レーベル)や古屋さんのところのような地にへばりついてやっているところがいい。」なんて言って盛り上がっていました(笑)。

例によって岩浪さんは「ジャズ批評」2010年7月号No.156の「内外新譜」に寺久保エレナの『ノース・バード』のレビューを書いています。その趣旨はだいたい上記のとおりです。そして今回もブログ・ウォーキングには私のブログを掲載していただいてます。

今日はこんなところでおしまい(笑)!

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

番組を聴いている最中にCDプレーヤーが届きました!前にサブのCDプレーヤーが壊れたということはブログに書きました。修理しようかと思ったのですが、面倒になって新品を買ってしまったのです。ネットで中古を探したり、オークションを調べたり、新品の価格を調べたり、SACDプレーヤーの導入も考えました。色々悩んだ結果がこれ。

P4マランツのCD5003。廉価のCDプレーヤーです。SACDはかかりません。メインがCDプレーヤーなのに、サブがSACDプレーヤーでもないだろうと思ったのと、価格の安さに釣られてしまいました(笑)。

定価は¥35,000ですが、ネットで探せば2万円台前半なのです!これまで使っていたCD6000OSEの中古(6年前に購入)より安いんだから凄い。見た目もそれほど安っぽくないですよね。問題は音ですね。まっ、安物なのでそれほど期待はしていませんが、ネットの音質レビューによるとそこそこイケているようです。

P5 で、ラックにセッティング。これまでどおりレコードプレーヤーの置き台となりました。レコードプレーヤーはCDプレーヤーの重石ということで(笑)。

音は如何に?いいんじゃないですか?特に問題は感じません。まだ鳴らしたばかりなので少々粗い感じが漂いますが、これはエージングで落ち着くでしょう。私、最近耳がいい加減になってきているようで、サブとしてはこれで十分です。めでたしめでたし(笑)。

マランツのCDプレーヤー恐るべし。売れていて生産数量が多く、部品の共用化などがなされていればこそのこの価格なのでしょうね。そしてCD技術の進歩って凄いですよね。普通の音楽ファンならこれで十分だと思います。ジャズ・ファンにはせめてこのくらいのCDプレーヤーを使ってほしいと思いました。

なぜサブのCDプレーヤーが必要かというと、メインのCDプレーヤーにはヘッドフォン端子がなく、夜ヘッドフォンで聴く時にいちいちアンプとかの電源を入れるのが面倒だからです。CDプレーヤーにヘッドフォン端子があればCDだけで済みますからね。節電~エコにもなるというわけ(笑)。

さて、最近は私も物の買い方ががらりと変わってきています。デジカメはネットでカタログを検索してAmazonで買ってしまったし、今回は拘っているはずのオーディオ機器なのに、音も聴かずにネットで情報を検索して最安値を探して通販購入。私にとってはiPad発売なんかよりライフスタイルの変化のほうが興味大。

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「PCMジャズ喫茶」のゲストは星野秋男さん(後編)。

やば!サブのCDプレヤーが故障しました。
CDをかけてすぐにトレースできなくなり”error”になってしまいます。
たぶんレーザーが劣化したかレンズが汚れているんでしょう。
修理に出すか?安い中古のCDプレーヤーを買うか?
それが問題です(笑)。

ヨーロッパジャズ研究家の星野秋男さんが「PCMジャズ喫茶」にゲスト出演した回のレポートの続きです。星野さんは「ヨーロッパ・ジャズ黄金時代」の著者です。

前回のレポートはコチラ⇒「PCMジャズ喫茶」のゲストは星野秋男さん(前編)。

さてゲストの人妻Aさんが続けてもう1曲かけることになりました。今度は新しいものでマグナス・ヨルト・トリオ。Aさんはヨルトが来日した時にライブを観に行ったそうで、良かったとか。Aさんによれば、ヨルトは若いけれどラグ・タイムやファッツ・ウォーラーを勉強しているそうです。「星野さんにはこれかな?」ということで《マッドハウス》をかけました。

ちょっとひねりが加わる曲。
軽やかにドライブしつつ、しっとりした部分がアクセントになっています。
ピアノ・ソロはトリスターノ系ウネウネ+トリッキー。

「これは私の好みに全く合わない。今の視点で嫌い。」と寺島さん。4ビートではなく変拍子でやれば良い。この人達が目指しているものは、古いものも取り入れていこうということで、気持ちはわかる。全曲聴かないからわからないが。」と岩浪さんもあまり好きではなさそうでした。ディレクターの太田さんは「のれない。テーマがメカニカルで、リズムがストレートな4ビートでないところがちょっと。」と言っていました。星野さんは「私は大好き。」とのことでした。ここで星野さんとAさんは”きずな”ができたと喜んでいました(笑)。皆さんの好みは私の想像の範疇でした。

星野さんが「『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』(チック・コリア)の延長。」と言うと、寺島さんは「知識があるとすぐそこへもっていく。」と反論。「ジャケットが不気味。雰囲気がネオナチみたい。」と続けます。Aさんはヨルトに実際に合ってかわいい人だと思ったそうです。寺島さんは音楽が嫌いだとジャケットまで悪く見えてしまいます(笑)。

星野さんの選曲でアラン・スキドモア。星野さん曰く「全てのヨーロッパ・ジャズでこれ以上はない。」。心に染みるということで《ワンス・アポン・ア・タイム》をかけました。

独特のうれいがイギリスらしいです。
モードで60年代マイルス・クインテットの感じです。
ピアノの響きはハービーに似ていると思います。

「長々とした演奏。」と寺島さん。Aさんは「懐かしい感じがする。新主流派ですよね。違和感がない。」と言います。Aさんはジャズをその辺から聴きは始めたので懐かしいとのことでした。「今聴くと中だるみ、もう少しパンチがほしい。だらける。」とも言っていました。寺島さんは「今のは穏やかなので上手さがわかる。ドラムの上手さが猛烈にわかる。このスピードだから良さがわかる。」と言っていました。寺島さんも聴くべきポイントはちゃんと聴いていますよね。

寺島さんが「ただテーマは一人で出て途中からアンサンブルになるのがダメ。」と言ったことに、星野さんが「ブリティッシュ・ジャズならではでテーマが濃厚。」と返したら、寺島さんは「星野さんの”ブリティッシュ”は重い言葉なんです。」とすぐに反応。以前「メグ」で星野さんが講演した時、”ブリティッシュ”という言葉を何度も聴いているらしいです(笑)。星野さんは「やや暗くて湿っていて陰りがあって哀愁がある。ロックもポップも一種独特の響きがある。ブリティッシュらしさはアンサンブルで出る。」と説明していました。星野さんの”ブリティッシュ”には独特の思い入れがあるようです。

ここで岩浪さんが「イギリスはアメリカから5,6年遅れている。69年でもこんなのをやっているから、ビートルズとかロックが出てジャズが消えていく。」と発言。星野さんも「『ソーサラー』とかからマイルスが『ビッチェズ・ブリュー』へ行っちゃったから、新主流派が総崩れになっちゃった。」と言います。

寺島さんが「そんなことはどうでもいいこと。理屈でジャズを語ってはダメ。」と、たまらずちゃちゃをいれましたが、星野さんは構わず「69年のアメリカの『ビッチェズ・ブリュー』が波及してきてヨーロッパのジャズがダメになったのが72年くらい。だから4,5年遅れている。岩浪さんが言っているのはだいたい合っている。」と言っていました。すると寺島さんが「音楽そのものが聴きたい。」と言い、曲をかけることに。

あくまで初心者を意識してジャズの歴史とかには触れないようにしたい寺島さんと、自然にジャズの歴史とかを語ってしまうマニアの岩浪さんと星野さん。悩ましい話ですが、どちらもアリってことでいくしかないでしょうね。

寺島さんの選曲で、口直しに1曲ボーカル。最近発見した素晴らしいボーカルとのことでした。ヘイリー・ローレン『パーハップス,パーハップス,パーハップス』。ここで星野さんがちょっと席を外して(トイレ?)いたらしく、残りの3人で星野さんのことを「大変だ・・・。」などと言っていました。悪口って書くと、違うって言われるでしょうね(笑)。

キターっ、またまたラテンです(笑)。
最近はラテン曲を選曲する頻度が高いですね~。
歌謡とラテンの寺島さん(笑)。

寺島さんが「ボーカルの大家としてどう?」と星野さんに質問。「割と好きな部類。基準は声の質が私の好みに合っているかだけ。」と星野さん。「何点ですか?」と寺島さん。「68点。」と星野さん。Aさんは「88点。この曲はいやらしい。でも大げさに歌いがちなところを自然に歌うのがいい。」と言っていました。岩浪さんは「80~85点。好き。ちょっとセクシー。MAYAさんにもこの歌を歌ってほしい。」と言っていました。

寺島さんによると、今度のMAYAさんのアルバムはラテン一色になるとのこと。ジャズ・ラテン混合だとどっちつかずで、ジャズ・ファンにもラテン・ファンにも売れないから、どちらかに統一するようにMAYAさんに言ったら、ラテンに統一すると言ったそうです。私はMAYAさんのラテンじゃない方が好きなんですよね~。

ラストは岩浪さんの選曲。アン・ハンプトン《カムズ・ラブ》

例によって「ジャズ批評」5月号の「内外新譜」に書いていますね(笑)。

「白人がこういう歌い方をするのは嫌い。」と星野さん。
「なんでわけるんですか?さすが仕分け人ですね。」と寺島さん。
「星野さんの人格がわかりました。基本的にほめない人だ。」と寺島さん。
「自分が好きなのがかからないだけです。」と星野さん。
「新しいものに拒否反応がある。」と寺島さん。
「新しいものを広げようとオークションに参加して、知らないものばかり落としているんですよ。好みが寺島さんとは違うんです。」と星野さん。
星野さんはジューン・クリスティーが好きだそうです。ジェーン・モンハイトもかなり好きとのことでした。最後に寺島さんは星野さんのことを「気難しい。他の人と相容れない。俺もそういうところはあるけどね。」なんて言っていました(笑)。

気難しいとか言ってますが、放送からはそれほど緊張した空気は感じられませんでした。まっ、ジャズが好きな人にはひと癖ある人が多いということなのでしょう。それは私も含めての話です(笑)。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
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