「いーぐる」連続講演

ジャズ喫茶「いーぐる」の「2009ベスト盤大会」へ行ってきました。

昨日は、ジャズ喫茶「いーぐる」の「持ち寄り2009ベスト盤大会」でした。
私は昨年から参加させていただいています。
今年もCDを持っていってかけさせていただくことにしました。

P9_2 おとといは駅前の武田信玄公像の「お身拭い」。
年末の掃除ということですね。
ご覧のとおりきれいになりました。
甲府の人にとっての武田信玄はこのイメージ。
かなり厳つくどっしりしているのです。
なので、大河ドラマなどで細身のスマートな俳優が
信玄を演じているとどうも違和感があります。
今度のデジカメ、やたら空の青さがきれい。
昔から富士フイルムは空の青さがきれいに撮れるとか言われていたような・・・。

余談はこのくらいにしておきます。

いつものごとく新宿と御茶ノ水のディスクユニオンを物色してから「いーぐる」へ。

P10 そういえば前回「いーぐる」へ行ったのは7月。あれから5ヶ月も経っています。今回はずいぶん無沙汰をしてしまいました。

お店に入ると高野雲さんが既に来ていました!別件の事前打ち合わせがあったらしいです。で、私が借りることになっていたCDの件で、雲さんに手間をおかしてしまうことに。どうもありがとうございました。

さてイベントの開始。最初にマスター後藤さんから今年1年の総括がありました。かけた曲は、ミロスラフ・ヴィトウス『リメンバリング・ウェザー・リポート』から《ヴァリエーションズ・オン・ウェイン・ショーター》。この曲は《ネフェルティティ》をモチーフにした曲です。これは私も購入済ですがブログでは紹介していません。

講演の状況や参加者がかけたCDは ジャズ喫茶 いーぐる「diary」をクリックして確認して下さい。いつもながらのことではありますが、各参加者の個性が出た選曲です。

皆さんがかけた曲についてここでは説明しません。
買いたいアルバムが何枚かありました。
既に購入済みのアルバムも何枚かありました。

では、私がかけた曲だけ説明します。
何しろ説明がへたくそな私なので、ここで補足しておきます(笑)。

さて、何をかけようかと数日悩みました。最初はクリス・ポッター『ウルトラハング』をかけようかと思ったのですが、他の人が絶対かけると思ったので却下。蓋を開けてみれば誰もかけませんでした(笑)。次にかけようと思ったのがtift『スメル・ザ・ディファレンス』。ヘビーメタル・ジャズで盛り上げようかと思いました。でも、これも捻りが足りません。

ということで、私以外は絶対選ばないだろう上原ひろみ『プレイス・トゥ・ビー』にしました(笑)。テラーク録音を「いーぐる」オーディオで大音量で聴いてみたかったというのもあります。

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今、日本人女性ピアニストではひろみちゃんが一番だと私は思うからです。ひろみちゃん呼ばわりしてごめんなさい(笑)。

私がまずひろみちゃんを買うところはオリジナリティー。ひろみちゃんにはひろみちゃんの個性があります。後藤さん風に言わせていただくと「ブラインドが可能な人」(ブラインド・フォールド・テストで聴き分けられる個性を持った人)です。そこが買い!また演奏技術をきちんと自分の表現にしています。そして、私がひろみちゃんを面白いと思うのは、極めて現代的だからです。

まずリズム。フラットでスクエアなリズム感。黒人グルーヴとは異質なものです。ちょっとデジタル/マシンチックであります。NYダウンタウン系の今時の人達にもこれは通じるものがあると思っています。更にひろみちゃんのリズム感は凄く正確。サラッとやっていますが、これだけのリズム感はめったにいません。

次に感性というか感情表現。今回のアルバムでも色々な場所や物についての想いを音にして綴っているのですが、場面場面では感情豊かにやっているのはわかるのですが、いざ1曲聴き終えた後心に残るものは意外とアッサリしたものであるということ。私はこのあたりに現代ジャズのテイストの基調を感じます。人によってはこういうところがつまらないと言います。私としてはこのあたりのニュアンスをきちんと聴いてあげるべきだと思うのです。

さて、ではどの曲をかけたのかというと、敢えて技巧や特殊奏法が全面に出ていないものを選びました。冒頭の《BQE》なんかはこのアルバムの象徴的な曲なのですが、インパクトが強すぎて本質は見てもらえないと思いました。で、比較的オーソドックスな《ケープ・コード・チップス》。低音のタッチの力強さも聴いてほしかったし、「いーぐる」オーディオでの再生やいかに?と思ったのです。

さてお聴きになった皆さんはどう思ったのでしょうか?

ひろみちゃんの演奏については、後藤さんにも認めてもらえているみたいなので、私としては嬉しい限りです。後藤さんは「○○さんや××さんのように技術があるけど何をやりたいのか見えてこない人とは違う。」なんておっしゃっていました(笑)。

「いーぐる」オーディオでのひろみちゃんのピアノの音、これが意外と普通に聴こえました(笑)。ちなみに私が「普通」と言うときは、違和感なく「良い音」という意味です。「いーぐる」の音って、結局は単に私好みの音なのかもしれませんね(笑)。いつ何を聴いてもスルリとオーディオをあまり意識せずに聴くことができます。

講演終了後の忘年会では、ひろみちゃんについて面白い話がいくつか聴けました。

まずは、林さんが「上原ひろみは古いストライド・ピアノをよく研究している。あのリズムは縦ノリ。」とおっしゃったことです。かけた曲はストライド奏法を交えていますよね。なるほど、アリー・ジャズにお詳しい林さんならではの御意見です。縦ノリ!私はロックのリズムの縦ノリ~フラットなリズム感だとイメージしていたのですが、多分同じことなのだろうと思いました。

雲さんからは綾香と上原ひろみの共演がYouTubeにUPされていると教えていただきました。「上原ひろみのソロが凄くて綾香が入るのを戸惑っている。」とのことだったので、早速チェックしました。ひろみちゃんキレまくってます(笑)。

初共演のスタジオ録音版もアップされていますね。
これを見て上原ひろみからジャズに興味を持ってくれる若者が増えるといいのですが・・・。で、いざジャズ雑誌を開くとオジサン向けジャズばかりでは、若者が後ずさりしそうですよね(笑)。若者をリードできる人、今いるのかな~(笑)。

村井さんはこのアルバムでは《BQE》が良いそうです。で、「上原ひろみが「ピアノ・ソロはピアノとの戦いです。」と言っているところがいいよね~。」ともおっしゃっていました。《BQE》を演奏するためにものすごく練習したなんて話も聞かせていただきました。私はひろみちゃんにはストイックさを感じます。例えば野球のイチローと同じ。ストイックですよね~。イチローの野球はアートだと思います。自分には到底無理なだけにストイックな人には憧れます。

上原ひろみをかけたことで、色々なお話(情報)を聞けるのもこういう場の楽しいところなんですよね~。

忘年会、酔っぱらった私は後藤さんに色々と言いたい放題してしまったようで(汗)、ご容赦願います。

とにかく楽しい忘年会でした。皆さまどうもありがとうございました。

P11 「いーぐる」に行く前、ディスクユニオンお茶の水ジャズ館で上原ひろみのデビュー・アルバム『アナザー・マインド』の中古を見つけたので買いました。実はこれは持っていなかったのです。ジャケ少スレ盤A/Bで¥630。トホホッ、不人気盤です(笑)。これで上原ひろみリーダー作5枚が揃いました。

アルトサックスが入ったフュージョンもやっていたんですね。デヴィッド・フュージンスキー入りも既にトライしていました。色々な方向性があったのですが、次作でピアノ・トリオに焦点を定めたようです。で、その後フュージンスキー入りのソニックブルームもやって今に至ります。お~っ、アンソニー・ジャクソンがエレベ参加した曲が3曲ありました。ヘビーなグルーヴです。

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「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」続き

昨日の続きです。
ジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演。
「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」
それではいってみましょう!

ここから3曲は小アルト特集です。

⑧Paul Motian Trio 2000 + Twoの『On Broadway,Vol.5』から
 《Something I Dreamed Last Night》

バンドメンバーが入れ替わりました。アルトのロレン・スティルマンを始め、益子さんが今一だと思っていた人達が加入したのですが、ここでは良くなったとか。モチアンのバンドは一定の水準は確保しているので、安心して聴いていられると思いました。
com-postの新譜レビュー参照。

⑨Steve Lehman Octetの『Travel,Transformation,and Flow』から
 2曲《RudreshM》《Living in the World Today》

P76リーマンのアルトを含め、 テナー、トランペット、トロンボーン、チューバの5管に、ヴァイブ、ベース、ドラムのオクテット。
このバンドはこの特集で取り上げられる現代性をかなり色濃く反映していると思います。簡単にまとめると、複雑なリズムの上にサウンド・テクスチャー重視のアンサンブルがのっかり、作曲とアドリブが渾然一体となっている楽曲とでも言いましょうか。そして、ヴァイブが独特の色付けをもたらしているのは、ドルフィーの『アウト・トゥ・ランチ』に通じると思います。
リーマンのウネウネ・メカニカルなラインのソロ、テナーのマーク・シムも同じようなタイプのウネウネ・ソロで独特な雰囲気を醸し出しています。凄いのはドラムのタイション・ソーリー。この人かなりの巨体らしいのですが、細かく刻むリズムの俊敏さとキレは素晴しいものがあります。《Living in the World Today》では、途中でもたつくミディアム・テンポのリズムが異様なグルーヴを生み出していて麻薬的な効果あり?
これも帰りにディスクユニオン新宿JAZZ館に寄って買いました。
com-postの新譜レビュー参照。

⑩Tyftの『Smell the Difference』から《Pittles》
アンドリュー・ディアンジェロのアルト、ヒルマー・ジェンソン(eg)、ジム・ブラック(ds)、ピーター・エバンス(tp)、クリス・スピード(ts)です。曲をかける前、益子さんが「ジェンソンのギターが激しいので、音量を大きめで」と後藤さんにリクエスト(笑)。「いーぐる」の大音量で聴くと最高!パンク、ハード・ロック、ヘビメタ?ジャズからは遠いですね。曲を聴いた後、原田さんが”デス”だと言っておりました(笑)。
帰りのディスクユニオンでこれを探したのですが、お店に在庫なし(涙)。
これ、7月末入荷予定でした。またしても私の思い込み(笑)。7/17
これは買わねばなるまい。
ディアンジェロは脳梗塞で一時大変だったらしいが、今は元気なようです。原田さんがNYで見たこの人の「ゲイ・ディスコ・トリオ」(笑)は凄かったようです。

⑪Jim Black AlasNoAxisの『Houseplant』から《Malomice》
P124 益子さん大推薦。私もブログでこのグループは何度か取り上げています。ジム・ブラック”アラスノーアクシス”は、ジャズというよりは、オルタナロック、ポストロック。NYのライブもその方面のファンが来るらしいです。
益子さんは今回のNY訪問でも、見逃したとかで悔しがっていました。その顛末は、com-postの「益子博之のニューヨーク放浪記」を読んで下さい。
爆音ライブなんだとか。CDを聴くときにはできるだけ大きな音で聴きましょう!
com-postの新譜レビュー参照。

⑫Tony Malabyの『Paloma Recio』から《Obambo》
P48 私、トニー・マラビーはもう何度も紹介しています。このアルバムも既にブログにUPしました。
益子さんによると、「フリーっぽい展開だけれど、フリーとはちょっと違う。」ということになります。まあ、あまり難しく考えず、フリー・ジャズとして聴いても良い演奏だと思いますよ。
ライブを見ると、音だけでは分からないベン・モンダーのギターの色々な弾き方が分かり、それがサウンド効果を上げているのも分かるそうです。ライブを見てみたいですね。
この人は最近かなりの人気なので、ディスクユニオンの新譜紹介でもやたらこの人の名前を見ます。私、マラビー参加のCDはかなり追っかけてますが、もう追っかけきれませ~ん(涙)。
com-post新譜レビュー参照。

⑬John Hebertの『Byzantine Monky』から《Fez》
「ヒバート」ではなく「エイベア」と読むとのこと。この人もかなり売れっ子ベーシストらしく、ポスト・ドリュー・グレス(ベーシストね。)と言われているそうです。マイケル・マティアス(as)、トニー・マラビー(ts)、エイベア(b)、ナシート・ウェイツ(ds)、武石哲(per)で、ツイン・ドラム的な編成。マラビーさん。ここにも参加しています。
どんな演奏だったかあんまり記憶がない・・・。前のやつと似ていたっけ(笑)?

⑭Gerald Clever/William Parker/Craig Tabornの
『Faramers by Nature』から《The Night》

P77 私、ディスクユニオンの新譜紹介で、このメンバーを見て即買いしたのですが・・・、かなり手強いです。完全即興フリー・ジャズ。
音質が悪い(昔のやつみたいに極端に悪いわけではありません)のですが、なぜ悪いかについては、com-postの新譜レビューをご覧下さい。

そろそろ書くのが疲れてきたな~。次でラスト。

⑮Brian Bladeの『Mama Rosa』から《At the Centerline》
こらは賛否両論、今話題のブライアン・ブレイドのボーカル入りのやつです。
益子さんは、「フォークっぽいことをやっていた頃のデヴィッド・ボウイ」と言っておりました。私と言えば、これには興味なしです。

やっと終了。フ~ッ!

原田さん推薦アルバムも紹介してました。
1、チャールズ・トリバー・ビッグ・バンド
2、インディゴ・ガールズ
3、マリッサ・マドラー
4、ジャズ・モブ
5、例のやつ(笑)
細かいことは、ネット検索してみてネッ!ひっかかるかどうか(笑)?
私は1、4をチェック!

そうそう、益子さんからいただいたNYライブ情報のチラシを見て、
NY行きをシミュレートしてみようかな~(笑)。

講演では、ここに書ききれない色々な情報を聞くことができました。
貴重な機会なので、多くの方に参加していただきたいです。

*かかった曲の詳細リストは ジャズ喫茶 いーぐるdiaryを参照。

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「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」

お待たせ致しました!って待っている人いるのかな~?
少しくらいはいますよね?
先日行ったジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演。
「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」のレポートです。

講演者はNYダウンタウンと言えば今やこの人、益子博之さん。
益子さんは6月にニューヨークへ行ってきたそうです。
そのレポートは、http://com-post.jp/index.php?itemid=310
14ページもある大作です。NY観光気分で楽しめますよ。

そしてゲストはNYダウンタウンからパフュームまで、原田和典さん。
原田さんも6月にニューヨークへ行ってきたそうです。
そのレポートは、http://diskunion.net/jazz/ct/news/6
かわいいブルックリン猫にも会えます(笑)。

P73 お店の入口の階段を下りていったら、
お店のドアが突然開いて、中からよういちさんが出てきました。
「こんにちは。お久しぶりです。」と挨拶を交わすと、
なんでもお店のトイレが故障したとか。
お店の外にあるトイレへ行くところだったようです。
お店に入って後藤さんと益子さんに挨拶。
今日はスピーカー側の壁際、真中の席へ座りました。
かかっていたのは、ジジ・グライスの『ラット・レイス・ブルース』。黒い1枚です。
最近の新譜は黒くないから、せめて講演が始まるまでは黒いやつをかける作戦?

それではかかった曲を順次紹介していきましょう。

①Mark Zubekの『Twentytwodpllarfishlunch』から《The Angry Giant》
P74マーク・ターナー(ts)、シェイマス・ブレイク(ts)、アビシャイ・コーエン(tp)のフロント3管+ベース、ドラムのズベク兄弟。この豪華な3管。素晴しいですね~。哀愁ハード・バピッシュ&変わった変拍子。
「いーぐる」のオーディオで久しぶりに大音量で聴いたのですが、バスドラ”ドスドス”、ベース”ズンズン”がとにかく強烈!その上で3管が充実のソロをとるんだから堪りません。カッコイイ!掴みはO.K.(笑)。
これはまだ買ってなかったので、帰りにディスクユニオンに寄って買いました。
リーダーのマーク・ズベクが歌う”ロッケンロール”なナンバーが数曲あります。
ウェブ・マガジンcom-postの新譜レビュー参照。
ジャック・ディジョネット『インフレーション・ブルース』か~っ、それ、私好きですよ。

②Jerome Sabbaghの『One Two Three』から《Tea for Two》
益子さんによれば緩い系。ほんわかしたピアノレス・トリオでした。思い浮かんだのはロリンズの『ウェイ・アウト・ウェスト』。これって、ウケ狙の選曲ですよね?益子さん。なかなか面白かったです。私は買いませんけどね(笑)。

③Joshua Redmanの『Compass』から2曲《Ucharted》《Moonlight》
P75 これについては今更説明不要でしょう。「いーぐる」掲示板やcom-postのクロス・レビューなどでも、色々な意見が出ていた問題作です。
聴いたあと、益子さんは悲痛な感じが今までのジョシュアにはなかったトーンだと言いおりました。原田さんはジョシュアのアルバムの中で一番飽きないと言っておりました。
私は皆さんが言っていることはわかりつつも、どうもしっくりこないんです。何度も聴きたい意欲が湧いてきません。多分私の理解を越えているんでしょう。いつの日かわかりたい1枚です。あっ、もちろんサックス・トリオでの演奏なんかはわかるんですよ。

④FLYの『Sky & Country』から《Perla Morena》
マーク・ターナー(ts)、ラリー・グレナディア(b)、ジェフ・バラード(ds)のトリオ。これも説明不要ですね。益子さんはターナーが橋爪っぽく聴こえ、影響関係は逆なんでそれが面白いと言っておりました。確かに。私、サボイから出た前作は持っていますが、今回は買おうか買うまいか悩んでいました。う~ん、残念ながら積極的に買う気にはなりませんでした。
com-postの新譜レビュー参照。

ここでFLYが参加したDiego Barbre『Calima』(com-postの新譜レビュー参照)と
Noah Premingerの『Dry Bridge Road』も紹介しました。
私もブログで以前これら2枚を取り上げていますよ。

⑤橋爪亮督/清野拓巳/浜村昌子/萬恭隆の『Needful Things』から《Guitar》
関西のギター、ピアノ、ベースのトリオに橋爪が共演。この曲はピカソの絵にインスパイアされて作ったとか。良い曲ということで選曲。確かに良い曲だと思いました。日本的な和みを感じました。
com-postの新譜レビュー参照。
ジョー・ローゼンバーグの『クイックサンド』では、浜村がピアノを激しく弾いているなんて話がありました。あっ、このアルバム数年前に買って、難解で売っちゃったよ~!う~ん、今聴けば難解度が下がっているかも?

⑥Ingebrigt Haker Flaten/Hakon Hornetadの『Elsa』から
《Ak, mon jek staar i noade》Eiise Flaten(歌)、同タイトル(デュオ)

おばあさんの歌にインスパイアされてのデュオ。ホコーン・コーンスタの独特の奏法を聴く。音響的なアルト・ソロからベースのアルコが加わった辺りは現代音楽的。途中からベース・ピッキングでビートを弾き始めた辺りからは結構面白い感じでした。これは悩みどころです。買おうか買うまいか・・・。

⑦Jeremy Uddenの『Plainville』からタイトル曲
”ウデン”と読むのではなく”ユーディーン”と読むそうです。バンジョーが入ったのんびりフォーク・カントリー調の演奏です。和み系。私は今この手のやつに興味なし(笑)。

ここまでは安心して聴けるもの。
ここから先は凶悪です(笑)。
私はこの後の凶悪なほうが気に入ったものが多いというか、
半分は買いました。

*かかった曲の詳細リストは ジャズ喫茶 いーぐるdiaryを参照。

続きはまた明日!

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「いーぐる」連続講演com-postプレゼンツ「80年代の100枚」②

昨日の続きです。今日は後半3人が紹介したアルバム。

<益子博之さん>
ポール・モチアン・トリオの『イット・シュッヴ・ハプンド・ア・ロング・ア・ゴー』
から《イン・ザ・イヤー・オブ・ザ・ドラゴン》
デイブ・ホランド・カルテットの『イクステンション』から《ネメシス》

これはもう益子さんならでは、21世紀のジャズにつながる2枚です。ポール・モチアンは間の取り方とサウンドの響かせ方で、デイブ・ホランドはリズム(変拍子)で、今につながると益子さんは言っていました。益子さんは80年代にはロックを聴いていたようなので、現在の視点で80年代のジャズを選出しています。私もこの2枚は当時ノー・チェックでした。

ポール・モチアン・トリオについては、サックスのジョー・ロバーノの話題で盛り上がりました。特に原田さんの熱い思いは聞いていて胸に来るものがありました。私はまだポール・モチアン・トリオのCDは持っていないので、入手したいと思いました。

P169 デイブ・ホランド・カルテットは数年前に入手しました。
ギターのケビン・ユーバンクスが好演しています。
私はドラムのマービン・スミスが好きなのです。
この2人最近はどうしているのかな?なんて話題も出ましたよ。

<原田和典さん>
スタン・ゲッツの『ヴォヤジ』から《アイ・ソート・アバウト・ユー》
デューク・ジョーダンの『ジェラシー』から《ナイト・トレイン・フロム・スネッカースティン》

原田さんは「80年代は新しい人達が出てくる一方で、ジャズ界の重鎮も生きていた良い時代だった。」と言ってました。確かにそのとおりだと思いました。原田さんは、過去の偉大なジャズメンをきちんと聴いていて、かつ、今の人達も聴いているところが凄いと思います。だからここで選曲した2人は原田さんならではだと思いました。

P170 スタン・ゲッツについては、私は当時のFM-NHK「ゴールデン・ジャズ・フラッシュ」のゲッツ特集で聴いたのが多分最初です。そこでかかったコンコード・レーベルの『ザ・ドルフィン』は気に入った記憶があります。でも最初に買ったアルバムは『キャプテン・マーヴェル』。共演メンバー買いです(笑)。『ヴォヤジ』は、後藤さんの「ジャズ・オブ・パラダイス」で推薦されていたので、CDが再発される少し前にディスクユニオンで中古LPを入手。ゲッツも良いがピアノのケニー・バロンが素晴しいということで、原田さんはこの曲をかけました。

デューク・ジョーダンは当時の『ブルー・デューク』が記憶に残っています。その後ずっと放っておき、90年代末になってからやっと中古LPを買いました。『ジェラシー』は全く知りませんでした。このCDは村井さんも言っていましたが、私も録音が良いと思いました。原田さんが強調していたジョーダンの力強いタッチを堪能できました。これはCDを入手したいと思います。

<八田真行さん>
ウディ・ショウの『ユナイテッド』からタイトル曲
ウィントン・マルサリス・カルテットの『ライブ・アット・ブルース・アレイ』
から《ノーズ・モーキング》

80年代はまだ子供だった八田さん、当時のジャズを知るはずもなく、ジャス史として80年代を見た時の対照的な2人のトランペッターということでの選曲です。リアル・タイムで知っていると、当時自分が感じていたことと、ジャズ史となって語られていることの微妙なギャップがあったりして、選考に迷いが生じたりするのではないかと思うのですが、知らないと潔く選考できるんだなあと感じました。

P171 私はだいぶ後になってからウディ・ショウの悲劇的な人生を知ることになります。当時私は、フレディー・ハバードと吹き込んだ『クリフォード賛歌(タイム・スピークス)』で初めてショウを聴いたのですが、ハバードに比べると地味なトランペッターだという印象しかありませんでした。『ユナイテッド』は油井さん著「ベスト・レコード・コレクション・ジャズ」でチェックして、数年前に中古LPを買いました。CD化されていないようです。後藤さんはミューズ在籍時からかけていたそうで、ショウのメロディー・ラインが独特でわかりにくいとも言っていました。

P166 ウィントンについてはやっぱり衝撃的。私はジャズ・メッセンジャーズ『キーストン3』で初めて聴いて凄いトランペッターだと思いました。当時テレビでV.S.O.Pクインテットのウィントン、ブランフォード版も見ました。《りんご追分》を演奏したのが妙に印象に残っています。ジャズにしても良い曲だなあと思いました。その後『ハービー・ハンコック・カルテット』を聴き、ソロ・アルバムで最初に買ったのは『Jムード』。演奏の肌触りについてはスイングジャーナル誌でもかなり話題になっていて、私も気になっていました。それについて納得することになったのは、数年後に後藤さんの「ジャズ・オブ・パラダイス」を読んだ時でした。『ライブ・アット・ブルース・アレイ』はやっぱり凄い演奏ですね。これも入手しづらかったようです。持っていなかったのですが、帰りに立ち寄ったタワーレコードで見つけたので即買いました。

というわけで、
6人の皆さんが選んだ曲を聴きながら、当時を懐かしく思い出しました。
今回の講演、とても面白かったのであります。

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「いーぐる」連続講演com-postプレゼンツ「80年代の100枚」①

今日は、土曜日にジャズ喫茶「いーぐる」で催されたcom-postプレゼンツ「80年代の100枚」についてレポートします。

P164_2com-post はジャズ喫茶「いーぐる」に集う有志によるジャズサイトであることは、私のブログに何度か書いています。メンバーは、益子さん(編集長)、後藤さん、村井さん、須藤さん、原田さん、八田さんの6人。他にサポートメンバーの方もいます。

今回のイベントは、そのメンバー6人が80年代の定番=聴く価値があるCD100枚を選考し、com-postに100枚と選考座談会の記事をアップした記念として催されました。com-postの記事も是非読んでみて下さい。トップ・ページの「FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT」という項をクリックすると記事があります。

イベントはメンバー6人がそれぞれ2枚づつアルバムを選んで、曲をかけてメンバー同士で討議するという趣向でした。選んだアルバムはメンバーの個性をよく表していると思いました。以下にそれぞれを紹介していきます。かけた順序は年齢が高い順でした。

ちなみに私は82年からジャズを聴いたので、80年代のジャズはリアルタイムで体験してています。そういった意味で今回のイベントには非常に興味がありました。

<後藤雅洋さん>
スティーブ・コールマン&ファイブ・エレメンツの『シネ・ディエ』
から《ディスティネイション》
ジェイムズ・ブラッド・ウルマーの『アー・ユー・グラッド・トゥ・ビー・イン・アメリカ?』
から《レイアウト》

この2枚、ご自身の著書で何度か紹介されていますので、私は後藤さんのベタな2枚だと思いました(笑)。後藤さんによるとR&Bが好きなのでその流れのリズムの2枚という側面もあるとか。私は、マイルスが70年代に始めたジャズ・ファンク路線の80年代の継承と進化の2枚だと思っています。

P165

この『シネ・ディエ』は今入手困難盤らしいです。私はディスクユニオンで中古盤を見つけました。不人気盤なので安かったですよ(笑)。どうしても聴きたい人は、スティーブ・コールマンのサイトから無料でダウンロードできるそうですので、トライしてみてください。私のコールマン初体験は90年の『リズム・ピープル』なのでだいぶ遅いです。M-BASE派としては89年のゲイリー・トーマス『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』が最初です。当時聴いてカッコ良いジャズだと思いました。

P167 私のウルマーの初体験はジャズ好きの従兄に薦められた『ブラック・ロック』。その時は今一でした。ウルマー出身バンド、オーネットのプライム・タイム・バンドの方は当時聴いていつしか嵌っていたので、2000年代になってやっと『アー・ユー・グラッド~』を聴いた時には素直に良いと思いました。

<村井康司さん>
ザ・ラウンジ・リザーズの同アルバムから《エピストロフィー》
ジョン・ゾーンの『ネイキッド・シティー』から《Igneous Ejaculation》以下7曲

これも村井さんらしいですね。ご自身著「ジャズの明日へ」の中で「パンクな気分」の前者と「ジョン・ゾーンから「ジャズ」を見る」の中の後者。80年代のジャズを見る上での重要な視点のうちの2枚です。かけた曲もまさに過激な曲で、らしいなあと思いました。

P87 私のラウンジ・リザーズ初体験はまさにこのアルバム。これも上記の従兄から薦められました。この従兄、当時ギターを弾いていて、アイドルが渡辺香津美だったのですから凄いです。私のブログにも書きましたが、当時は安っぽくてダメでした。ジャズを聴き始めたばかりで、スクエアなジャズしか受け入れられなかったのです。しかし今聴くとこの安っぽさが良いんですから、参ります(笑)。中古CDを買いました。

P168 ジョン・ゾーンを聴くようになったのは4年くらい前、「いーぐる」に通うようになってからです。『ネイキッド・シティ』はムシャクシャしたときに、ヘッド・フォンで大音量で聴くとスカッとします(笑)。後藤さんは閉店後にこれをとんでもない大音量で聴いてスピーカーのスコーカーを飛ばしてしまったことがあるとか。この過激さが後藤さんの怖さです(笑)。村井さんも大音量で聴くと気持ちイイと言ってました。皆さん過激ですね~(笑)。

<須藤克治さん>
ジョルジュ・グルンツ・コンサート・ジャズ・バンド’87の『ハプニング・ナウ!』
から《インナー・アージ》
チック・コリアの『スリー・カルテッツ』から《カルテットNo.1》

私は須藤さんと同年代なので近い体験をしていると思います。ジャズを聴き始めたのは私の方が遅いです。当時のメイン・ストリーム回帰の範疇になると思います。中堅どころのまっとうなジャズですね。前者がジョーヘン、後者がブレッカーのテナーをフィーチュアしているところにも注目。ブレッカー大好き須藤さんらしい選曲です。

ジョルジュ・グルンツのこれは初めて聴きました。当時ビッグ・バンドのブームがあったとのこと。後藤さんによると、当時ジャズ喫茶でビッグ・バンドはあまりかからなかったとのことでしたが、かけたのはギル・エバンスやカーラ・ブレイだったそうです。私も当時聴いたのはギル・エバンス『ライブ・アット・ザ・パブリック・シアター』カーラ・ブレイ『ヘヴィー・ハート』でした。山梨に住んでいて、スイングジャーナル誌やラジオから情報を得ていた割には、我ながらいいところを突いていました(笑)。上記2枚については前にブログに書いています。

P13 『スリー・カルテッツ』これは当時聴きまくりました。ソロのメロディーは今でも所々口ずさめるくらいです(笑)。チックに嵌ったのもこのアルバムのせいです。ブログにも書いていますよね。チックが弾いているピアノがベーゼンドルファーだったとは、ジャケットに明記してあることに気付きませんでした。重厚な音がしている理由がわかりました。

続きはまた明日!

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「いーぐる」連続講演com-postプレゼンツ「80年代の100枚」他

昨日はジャズ喫茶「いーぐる」com-postプレゼンツ「80年代の100枚」に行ってきました。82年からジャズを聴き始めた私としては、リアルタイムなジャズ体験の年代なので、ぜひともcom-postの皆さんの話を聞いてみたかったのです。

P160 昨日は信玄公祭り甲州軍団出陣の日。
甲府駅前には特設ステージが作られていました。
このステージ上には信玄公と武田二十四将が勢揃いして、
甲州軍団に扮した公務員の方や企業の方が
このステージ前で「勝どき」をあげてから街を練り歩きます。

P161

4月だというのに暑いです。ジャケットを着ていられません。
今は桃の花が満開なのです。
電車の窓から撮った桃畑。ピンクの花がきれいです。
なんて長閑な風景なんでしょ。
山梨は桃の生産量日本一なんですよ。

「いーぐる」へ行く前に、ディスクユニオン吉祥寺ジャズ・クラシック館で中古LPとCDを買いました。メール会員限定10%OFFだったのです。珍しくボーカルLPも買ってしまいましたよ。

P162_2 ほんとに暑いです。
桜はほとんど散っていました。

「いーぐる」入口の看板には
講演内容を書いた紙が張ってありました。
これは新しい展開なのでは(笑)?
講演はとても面白かったのですが、今日はここまで。
続きはまた明日。乞うご期待!
いやっ、適当に書きますんで、あんまり期待しないで下さい(笑)。

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ケントン楽団の歌姫たち」でした。

私の場合、ボーカルはほんとにたまに、きまぐれで聴くだけです。
だからガイドブックで取り上げられるようなアルバムくらいしか持っていません。
最近話題になっている人も少々あるかな。
それで満足しています。

たまには女性ジャズボーカルも良いですよね。

アニタ・オディ、ジューン・クリスティー、クリス・コナーが、
スタン・ケントン楽団の歌姫だったとは知りませんでした。
この3人のアルバムは何枚か持っていて、それぞれ楽しんでいます。

今日かかった中で、これはほしいと思ったのは、
アン・リチャーズ『アイム・シューティング・ハイ』
ジャケトのピンクとリチャーズのポーズがイイ感じです。
スケールの大きいボーカルで気分良く聴けました。
これ1曲だけで判断して良いものかと思っていたら、
雲さんも好きなアルバムなのだそうで、
私が期待したイメージ通りのアルバムみたいです。
中古レコードを見かけたら買うことにします。レコードがほしい!

歌姫たちのエピソードも面白かったです。

実は「快楽ジャズ通信」の前後の番組もボーカル番組なんですよね。
だから今日はボーカル番組3連荘。

ボーカル続きで、ディスクユニオン吉祥寺ジャズ・クラシック館で買った1枚を紹介しておきましょう。

P163 アイリーン・クラール『クラールの部屋』です。
クラールといえば『愛の彷徨』が有名ですが、
このアルバムも良いということは聞いていたので買いまいた。
サイケなジャケなのですが、内容はまっとうなジャズ・ボーカル。
アラン・ブロードベントのピアノ・トリオをバックに
落着いたジャズ・ボーカルを聴かせてくれます。
噂どおりのなかなか良いアルバムでした。

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「いーぐる」2008年下半期新譜特集(その4)

「NYダウンタウンを中心とした2008年下半期の新譜特集」のレポートの続きです。

この特集でかけた曲の詳細は、「いーぐる」のホームページ:http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html「diary」に掲載されています。

1年半ほど前、この手のジャズはわかるようなわからないようなモヤモヤした感じでした。益子さんの講演「21世紀ジャズへのいくつかの補助線」「新譜特集」へ参加したり、CDを買って聴き込むうちにだんだんモヤモヤは晴れてきて、今回はほとんど違和感がなくなっていました。

こういうのってたくさん聴かないと、やっぱり気持ちの中にスーッと入ってこないんですよね。まあ違和感があったのは、アドリブ一発のジャズ・フォーマットが私の中に沁みついてしまっていたからで、ジャズというものに固定概念を持たない状態で聴いたら、意外とスーッと入ってくるのかもしれません。

この特集でかかったアルバムは、私としてはジャズというものに柔軟な姿勢で接する方に是非聴いていただきたいと思っています。

それでは参りましょうか。

⑫市野元彦のアルバム『Time Flows (Like Water)』から《Oceanus》
P102市野元彦(eg,loops)、是安則克(b)、外山明(ds)、土井徳浩(cl)

日本人による今時のニューヨーク・ダウンタウンのサウンド。土井のクラリネットが懐かしさをよびます。外山のドラムは定型リズムを刻まずポール・モチアンみたいな感じです。市野のギターをビル・フリゼールの系譜と言って安心するようなところがあるが、ちょっと違うとのこと。クラリネットはクレッツマーの流れで原田さんも良いと言っています。後藤さんはクラリネットが良く、他のアルバムと比較しても、劣っていないどころか良いくらいだと言っていました。

このアルバムのレビューはジャズ・サイト’com-post’クロス・レビュー
http://com-post.jp/index.php?catid=5&startpos=5
をご覧下さい。益子さんをはじめ’com-post’メンバー全員がレビューを書いていて、それぞれが個性的でとても面白いですよ。

私があらためて書くことはないのですが、敢えて加えるとすれば、クラリネットが入るとヨーロッパの響きが感じられることと、日本人独特のしなやかな優しさがサウンド全体に漂っているということです。

3月頭に「ピット・イン」でライブがあるそうです。

⑬橋爪亮督グループのアルバム『As We Breathe』から《Sing》
P103_2 橋爪亮督(ts,loops)、市野元彦(eg)、浅川太平(fender rhodes)、織原良次(electric fretless bass)、橋本学(ds)

これも上記のアルバムと同様、今時のニューヨーク・ダウンタウンのサウンドです。橋爪のサックスはCDではアドリブの良さが少ないが、生だとかなりうまいとのことです。

このアルバムは、繊細で微妙なニュアンスを感じとらないと良さがわからないのではないかと思います。私はここにも日本人独特のしなやかな優しさがサウンド全体に漂っていると思います。ニューヨークの人達がやっているのは暗さが心に響いてくるのに対して、こちらはなぜか安堵感に包まれる感じがするのは私だけ?

ハイッ!これにておしまいです。

以上紹介した13枚、どれでも良いので是非1枚は聴いてみて下さい。
そして、気に入ったらメンバーを見て、そのメンバーの他のアルバムも聴いて、人脈聴きをしてみて下さい。そこからジャズの世界が広がっていくと思いますよ

明日/14明後日/15高野 雲の快楽ジャス通信」放送20回目
「A列車でいこう」特集です。

さて、雲さんはどんな演奏をセレクトしてくれるのでしょう?とても楽しみです。
聴きましょう!

内容については高野 雲さんのブログ:快楽ジャズ通信
にもアップされますのでご覧下さい。

全国コミュニティーFM局では、毎週土曜日20:00~20:55に放送。
ミュージックバードでは、毎週日曜日22:00~23:00に放送。

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「いーぐる」2008年下半期新譜特集(その3)

「NYダウンタウンを中心とした2008年下半期の新譜特集」のレポートの続きです。

ここで紹介されるようなジャズは他では聴けないので、この新譜特集はとても貴重な機会だと思います。2009年度もありますから興味がある方は是非参加してみて下さい。

この特集でかけた曲の詳細は、「いーぐる」のホームページ:http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html「diary」に掲載されています。

それでは参りましょうか。

⑨Refuge Trioのアルバム『Refuge Trio』から《Pinwheel》P100
テオ・ブレックマン(vo,live electronic,processing)、ゲイリー・ベルサーチ(バセーシ)(p,hammond organ)、ジョン・ホレンベック(ds,per,crotales,vib,glockenspiel)

⑧とバセーシつながり。このアルバムは3人が作曲した曲があるが、それらの中ではバセーシの曲が一番良い。ホレンベックがサンプリングや打ち込みリズム(ドラムンベース)を生でやろうとしています。その正確なリズムも聴きどころ。ホレンベックのグループ:クローディア・クインテットの流れのサウンドです。

1曲の中で多彩なことをやっています。フリーなパーカッションとボイスとピアノのからみから入り、リズムが決まったところからのピアノ・ソロがカッコイイです。ひっかかりのあるリズムは最近の傾向。途中のベース音はオルガンのベース・ペダル?面白い曲だと思いました。

HMVのマルチバイ特価で早速購入。このアルバムはジャズという括りなしで、こういう音楽が好きな人がいると思います。全体的には映画のサウンド・トラックのような雰囲気で、現代音楽やエスニック・サウンドやジャズを混ぜあわせにした無国籍のナチュラル志向音楽という感じです。3人のオリジナルの中にオーネット・コールマンとセロニアス・モンクの曲が1曲ずつ、曲順の真中に入っているところと、ジョニ・ミッチェルの曲で始まり、アラン・ホールズワースの曲で終わっているところが意味深ですね。非常に繊細で柔軟で深みのある作品になっています。私はかなり気に入りました。WINTER&WINTERレーベルらしいアート・ワークも魅力的なCD。

⑩Tony Malaby Cello Trioの『Warblepeck』から《Sky Church》
P101 トニー・マラビー(ts)、フレッド・ロンバーグ=ホルム(cello,electronics)、ジョン・ホレンベック(ds,marimba,xylophon,glockenspiel,melodica,small kitchen appliances)

トニー・マラビーの新しい傾向のサウンドの典型。ストップ・タイムや編拍子。単にフリーと思う人が多いんじゃないかと思うが、、原田さんは、ほとんど譜面だろうと言っています。益子さんは好きだけれど半分よく分からないとのこと。このアルバム評は’com-post’に掲載されている益子さんの新譜レビュー:http://com-post.jp/index.php?itemid=144 を参照願います。

私も新しい感じはわかるのだけれど、これを良いとするかどうか?どうしてこういうジャズをやるのか謎です。従来の4ビート、コード進行によるアドリブ回しのジャズからは、著しく離れていることは確かです。単にフリー・ジャズといって片付けてしまうものでもないということは薄々分かります。未知との遭遇!ジャズの面白さのひとつ?

これもHMVのマルチバイ特価で購入。決済してからこれがSACDであることに気付きショックを受けました。だって安いんですよ。在庫ありだったため既にキャンセル不可能です。届いたので、もしやと思い一応CDプレーヤーに入れました。認識できましたよ。ハイブリッドSACDでした!フゥ~ッ。その上SACDマルチチャンネルです。私はCDプレーヤーしか持っていませんから確認できませんが、マルチで聴くとホレンベックのパーカッションが四方から聴こえてくるのでしょうか?

⑪Buffalo Collision(グループ名)の『Duck』から《2nd of 4>10:&Change》
ティム・バーン(as)、イーサン・アイバーソン(p)、ハンク・ロバーツ(cello)、デヴィッド・キング(ds)

ティム・バーンのグループで、2年くらいやっているそうです。マット・マネリ(vln)からハンク・ロバーツにメンバー・チェンジしたのは、スタイルの多様性を考慮してのものだろうということです。「バッド・プラス」のピアノとドラムが参加しているところに注目。CDに傷をつけて再生する’グリッチ’を意識。腰砕けでなまるリズムが特徴。エレクトロニカの要素もあります。このメンツから「パカーン」とはじけた演奏になるかと思ったらそうではないそうです。分かる人には分かる、凄いメンツだと思いませんか!

このアルバムには30分、20分、10分の曲が収録されているので一番短い10分の曲を選択。意味不明で何と読むのかわからない曲名はティム・バーンらしいと。曲途中で「パカーン」と行きそうなところで行かないので、益子さんとしては行ってほしいと言ってました。

なかなか面白い曲でした。ピアノがひっかりのある変なリズム・パターンを繰り返し、そのメロディーはゴジラが出てきそうなフレーズだったりします(笑)。そこにチェロのアルコと自由にアクセントをつけるドラムがからみサウンド・トラックを作ります。力強さはさすが「バッド・プラス」の2人。曲の途中でバーンがそのリズムに乗って自由なソロをとります。最後のほうでピチカートでのチェロのソロもありました。私にはサウンド・トラックの上でソロをとるマイルスのイメージが重なってきましたよ。

今日はここまでです。’その4’へ続く。

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「いーぐる」2008年下半期新譜特集(その2)

「NYダウンタウンを中心とした2008年下半期の新譜特集」のレポートの続きです。

ここで紹介されるようなジャズは他では聴けないので、この新譜特集はとても貴重な機会だと思います。2009年度もありますから興味がある方は是非参加してみて下さい。

この特集でかけた曲の詳細は、「いーぐる」のホームページ:http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html「diary」に掲載されています。

それでは参りましょうか。

⑤Los Dorados & Cuong Vuのアルバム『Incendio』から《Acapulco Golden》
クォン・ヴー(tp)、ダニエル・ズロトニック(ts,effects)、デミアン・ガルベス(el-g,effects)、カルロス・マルドナド(b,effects)、ロドリゴ・バルボサ(ds)、DJラヨ(turntables)
*なお、カタカナ表記は不正確ですのでご容赦下さい。

トランペッターの他流試合編。前の4曲がちょっと暗い感じだったので明るいやつをということで、メキシコのジャム・バンドにクォン・ヴーが参加したアルバムから。ラテン系で泣きが入る曲。昔っぽいスクラッチも入ります。ヴーのアルバム『ヴー・テット』の曲に似た感じもあり。ディスクユニオンで安く売っているとか。←だいぶ前らしいです。

私はこの曲が気に入りました。出だしからヤバイ雰囲気で、なかなかの盛り上がりです。ヴーらしいトランペット奏法で、『ヴー・テット』に似ているところがありますね。AmazonとHMVで検索したんですが見つからないので、ディスクユニオンで買おうと思います。

⑥Poolplayers(グループ名)のアルバム『Way Below the Surface』から《Beneath the Undercurrent》
アーヴェ・ヘンリクセン(tp,electronics)、ベノワ・デルベック(p,bass station)、ラース・ジュル(ds,electronics)、スティーヴ・アーゲル(Usine on laptop,delays,Sheman filter)

トランペッターの他流試合編。エレクトロニクスを多様した即興。触覚的な音が特徴。益子さんは個人的に好きだそうです。捉えどころが無いと言えば言えなくもない。ヘンリクセンが独特なハイトーンの歌を歌う曲もあるそうです。

アーヴェ・ヘンリクセンとクォン・ブーのサウンド傾向は似ていますね。デルベックのピアノがヨーロッパ・フリーしています。私は特に悪くはないと思います。ただハイトーンの歌を聴いたことがないので、聴いてみて苦手と感じるかもしれません。

⑦Elephant9(グループ名)のアルバム『Dodovoodoo』から《I Cover the Mountain Top》
P97 ストーレ・ストーレッケン(fender rhodes,hammond organ,synthesizer)、ニコライ・ハングシュレ・アイレットセン(el-b)、トーシュタイン・ロフトフース(ds)

⑥のアーヴェ・ヘンリクセンが所属するグループ:スーパーサイレントつながりで、ストーレ・ストーレッケンのアルバムから。ストーレッケンはノルウェイの人。年末の持込ベスト盤大会で原田さんがかけました。今回かけるのは別の曲。前半が初期ウェザー・リポートに似ていて、オルガンが入ってくるあたりからE.L.P.の感じになる曲。ローズはジョー・ザビヌルを意識しているようです。60年代後半から70年代の志向性あり。

歪んだローズが最高です。確かにこの音は初期ウェザーのザビヌルですね。曲調もウェザーの《バディアの楼閣~ヴギウギ・ワルツ》を感じさせます。ウェザー好きの私は、これイイです(笑)。ラウド&ラフな演奏。慌ててHMVで購入しました(笑)。もろプログレな曲もあります。ウェザーの《ドクター・オノリス・コウサ》とマイルスの《ディレクションズ》もやっていますから、どういうサウンドを志向しているかは自ずとわかると思います。

⑧Bad Touch(グループ名)のアルバム『Like a Magic Kiss』から《Bad Touch》
ローレン・スティルマン(as)、ゲイリー・ヴェルサーチ(org)、ネイト・ラドリー(el-g)、テッド・プア(ds)

とオルガンつながり。当地のミュージシャンは”ヴェルサーチ”ではなく”ヴァセーシ”と呼ぶそうです。今売れっ子ミュージシャンで、従来のオルガンとちょっと違うところがあります。要注目のオルガン奏者です。益子さんはローレン・スティルマンのリーダー・アルバムでの演奏は吹きまくるがグッとはこないとか。テッド・プアはでかくて怖いとか(笑)。今注目のドラマーです。サックス/ギター/オルガン/ドラムの編成は、クリス・ポッターやティム・バーンのグループにもみられる編成です。今の流行?

サックス、ギター、オルガンが単音や短いフレーズを発し、それらがモザイクのように組み合わさっていく、従来のメロディの概念からすると不思議な曲です。ギターの音はシンセっぽいです。テッド・プアの重量級バス・ドラが凄い迫力。私はこれも面白いと思いました。入手したいのでAmazonとHMVで検索したんですが見つかりません。これはネット購入しかないようですが、ディスクユニオンで扱ってほしいところです。

今日はここまでです。続く!

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「いーぐる」2008年下半期新譜特集(その1)

今日は土曜日に行ってきたジャズ喫茶「いーぐる」「NYダウンタウンを中心とした2008年下半期の新譜特集」のレポートです。

一昨日は「70年代の黒いジャズ」、昨日は「ホーク&レスター」、そして今日は「2008年新譜」と時代を行ったり来たり、内容にも差がありますが全部ジャズなのです(当たり前!)。私はジャズに自分の枠をはめず、なんでも楽しんじゃおうという、節操の無さが身上です(笑)。ただし、楽しむためにはそれぞれの楽しみ方を押さえる必要があります。ココ重要で~す!

P93 おや、入口の所にセットメニューの看板が出ていますね~。
誰が字を書いているんでしょう。
なかなかカワイイ字です。
お店の硬~いイメージ(失礼)を和らげるのに
一役かっているんじゃないでしょうか(笑)。

階段を降りて行くと、講演者の益子さんが突然出てきました。
ビックリ!「こんにちは、今日もよろしくお願いします。」

P94 今日の特集、ニューヨークの今のジャズと言えばこの人、益子博之さんによる講演です。ゲストは元「ジャズ批評」編集長の原田和典さんです。原田さんは今年の1月にニューヨークに行ってきたばかりだとか。う~ん。羨ましいです。

この特集、上記の皆さん他で立ち上げたサイト
”com-post”http://com-post.jp/
と連動していますので、このサイトも是非チェックして下さい。

この講演でかけた曲の詳細は、「いーぐる」のホームページ:http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html「diary」に掲載されています。

それでは参りましょうか。

①Mauger(グループ名)のアルバム『The Beautiful Enabler』から《Acuppa》
ルードレッシュ・マハンサッパ(as)、マーク・ドレッサー(b)、ジェリー・ヘミングウェイ(ds)
*なお、カタカナ表記は不正確ですのでご容赦下さい。

昨年の2008年上半期新譜特集の時と同様に今回もサックス・トリオから。注目アルト、マハンサッパがじいさん2人(ドレッサーとヘミングウェイ)をバックにした比較的オーソドックスな演奏。マハンサッパはインド系です。原田さんによると、最近のミュージシャンは名前が覚えられない人が多いけれど、今のシーンはそういう人が面白く、名前を覚えられた感動とそういう人の音楽と出合った感動の2重の感動があるとのことです。上手い事を言うなあと思いました。マハンサッパのアルトの音は独特、ダブル・リードによる民族楽器ぽいペラペラな音です。

演奏はフリー~ハード・バップですね。私はマハンサッパの良さが今一わかりません。この人、どうも考えすぎな感じがするのですが・・・。この演奏を聴いていたら、なぜかドルフィーを聴きたくなってしまいました(笑)。

②Seamus Blake Quartetのアルバム『Live in Italy』から《Fear of Roaming》
P95_2 シーマス・ブレイク(ts)、デヴィッド・キコスキ(p)、ダントン・ボラー(b)、ロドニー・グリーン(ds)

益子さんによると、ブレイクのテナーの生音はCDのように音が細くなくてもっと太いとか。CDではそれが伝わらないので、もったいないと言っていました。原田さんによるとブレイクは体が大きいそうで、テナーが似合うとか。これ以降も体のでかさの話題はたくさんあって面白かったのですが、ここには書きませんのでご了承下さい。益子さんはグリーンのドラムを見直したと言っています。かけませんでしたが、テナーの音にエフェクターをかけた演奏もあります。

益子さんがこれを選曲したのは意外でした。比較的オーソドックスな演奏だからです。打上げの時にわかったのですが、益子さんは最初の方は難解なものを避けてわかりやすいものをかけようと意図したそうです。この曲では、キコスキはキレがありますし、グリーンの煽りは強烈です。私はこのアルバムを気に入っています。この手の最近の演奏の中では結構気合が入っていると思いますよ。ちなみに、このCDは2枚組みですが値段は1枚ものと同じくらいです。

③Bruno Rabergのアルバム『Lifelines』から《April Suite》
P96クリス・チーク(ts)、ベン・モンダー(el-g)、ブルーノ・ラバーグ(b)、テッド・プア(ds)

チークのテナーも、ブレイク同様生音にくらべCDは音が細く感じるそうです。リーダーのラバーグは北欧の人ですが、今はニューヨークに住んでいるとのことです。「いーぐる」の壁にジャケットが飾られています。

これは現代性の感じられる演奏ですね。チークがクールでソフトに淡々とメロディーを吹いていて、そこにモンダーが空間性を感じさせるセンスの良い音を重ねていきます。プアの繊細なドラミングとラバーグのブリブリなベースが繊細なグルーヴを生み出しています。私はこれも良い演奏だと思っています。このCDも2枚組みですが安いです。

④Simon Jermyn's Trot A Mouseの同アルバムから《Otabur》
ローレン・スティルマン(as)、クリス・スピード(ts)、サイモン・ジャーミン(el-b)、シーン・カーピオ(ds)

③とヨーロッパ人ベーシストつながりです。ジャーミンはアイルランド人で、地元ではロックをやっているそうです。リフ一発のロックっぽい曲。ジム・ブラックの作品にも似ていて、益子さんの個人的お気に入りとのことです。

テーマのメロディーがメランコリックで、私には演歌的にも聴こえます。そのテーマが終わると一転して、複雑なリズムの上でサックスが朗々と泣きのメロディーを吹き、またテーマに戻るという曲想です。真中のサックス・ソロ部は60年代フリー・ジャズの様にも聴こえます。私はこの手のメロディーがちょっと苦手なんですよね~。この1曲を聴いただけではちょっと評価しかねます。

今日はここまでです。
1日4曲ずつ紹介していきますので、全部で13曲を3回に分けてレポートします。

実際の講演では、かけたアルバム以外にもたくさんの推薦アルバムや注目のミュージシャンを紹介しています。それについてはレポートしませんのでご了承下さい。

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