日本人ジャズ・アルバム紹介

子供の頃の記憶がよみがえります!

今日は中村尚子さんの新譜を紹介します。
前作『新緑の中に雨が降っている』はドラマー古澤良次郎さんとのデュオ。

 中村尚子 / 古澤良治郎/新緑の中に雨が降っている 中村尚子 / 古澤良治郎/新緑の中に雨が降っている
販売元:HMVジャパン
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心に素直に入ってくるアルバムでした。

さて、今回のアルバムは?

P178 ギタリスト梶川朋希さんとの『春犬でゅお』(2009年、Haruinu Music)です。ジャケット写真の犬がカワイイですね~。全6曲、39分弱、\1,575のミニ・アルバムといった感じでしょうか。
中村さんがリーダーのバンドのオフィシャルサイト:春犬バンド もご覧下さい。

1曲目《ブルー・アンド・オレンジ》はクラシカルな雰囲気。アコースティック・ギターによるプレーはクラシカルでスパニッシュ。郷愁を誘う曲です。薄く被さるシンセの音もオシャレに響きますね。このアルバムの中では明るく力強さもある曲です。ピアノとギターの有機的な絡み合いがポイントとなっています。

《チャイム》はドボルザークの《家路》をモチーフにした曲のようです。学校のチャイムを模した音から入り、静かにピアノを弾き始め、《家路》のメロディーでしばらく遊んでから、中村さんのピアニカ(鍵盤ハーモニカ)がオーバーダビングされると、これがもう、懐かしさMAXでございます(笑)。その後ギターが入ってきてもイメージは持続して、聴き進むうちに何かが込み上げてきます。私の中には放課後の小学校の校庭や教室、下校時の様子などが次々と浮かんでは消えてゆきます。く~ぅ、堪らんです!インナースリーブには1曲ずつ中村さんの曲のイメージが書かれているのですが、それが上記のイメージどおりで、これは私的にはツボな曲です(笑)。

《ぽつねんと》はまさに”ぽつねんと”という言葉の響きのとおりの曲調。しみじみとしたギターとピアノの語らいが心に沁みてきます。全体的にはクラシカルなのですが、後半ギターが入ってきたあたりから、バックでピアノがちょっとブルージーに迫ってくる場面があって面白いです。

《かげろう》は前作にも入っていました。はかなげな曲です。丁寧に音を紡いでゆきますね。深い情感を湛えていると思います。私にはレクイエム(鎮魂歌)に感じられるんですよね~。この曲。

《バランス》はスパニッシュなギターが映える曲です。中村さんが左手てニュアンス溢れる低音の和音を響かせ続けているので、通奏低音のようになっていると思いました。その低音がちょっと重苦しく荘厳で、ズシリと手ごたえのある曲になっています。

《ひかりのくに》も前作に入っていました。前作を紹介した時に「どこか懐かしく寂しさが漂います。ひょっとしたらこの寂しさは夕暮れなのかな~?遊んでから帰る家庭の明かりなのかも?という感じでイメージが広がってゆきます。」と書いたのですが、そのイメージのままに、ギターが採を添えています。私のイメージは子供の頃のものだったのですが、この曲は中村さんの子供の頃の出来事を曲にしてるらしく、なるほどと思った次第。

懐かしさや寂しさが漂うこのアルバム。
これを聴いて子供の頃の記憶に浸るのも良いのではないでしょうか?
んっ!私の子供の頃の記憶って寂しいものなの(笑)?

 中村尚子 / 梶川朋希/春犬でゅお 中村尚子 / 梶川朋希/春犬でゅお
販売元:HMVジャパン
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日本人ジャズを聴こう!

最近は「日本人ジャズを聴こう!」が増えてきているような?
今日は橋本一子さんです。
橋本さんは長らく私のアンテナにはひっかかっていなかったのですが、
橋本さんと雲さんがお友達であり、「快楽ジャズ通信」にゲスト出演してから、
俄然私の中で存在が大きくなりました。

P157 さて今日紹介するのは、そんな橋本さんの新譜『Arc’d-X』(2009年、najamaja)です。メンバーは、橋本一子(vo,key,g)、石井AQ(DJ,voice)、小田島亨(sax,fl)です。明日の快楽ジャズ通信に橋本さんがゲスト出演するので、その前にこのアルバムを紹介したかったんです。

これまで橋本さんはUb-Xというアコースティック・ピアノ・トリオで活動されたいましたが、本作は一転エレクトリックな打ち込みジャズです。1曲目《All Right》はハウス・テクノ・ミュージック。「東京電気グルーヴ」なんかと類似サウンド。まっ、そこは橋本さん、独特なささやき系ボーカルとミニマルなシンセ音は彼女ならではだと思います。ポップでキャッチーな歌が楽しいですね。

途中に入る石井さんのラップはどこかで聴いたことがあるような?そうだっ、マイルスの『ユア・アンダー・アレスト』の1曲目《ワン・フォーン・コール/ストリート・シーンズ》のスティングがやっている警官ラップではないですか。マイルスが好きな橋本さんのこと、意識しているのかも?と妄想しました(笑)。曲の後半には橋本さんのラップも入ります。なかなか面白いサウンドだと思います。

次の《Latina》は頭がプッシュホンのような音で、これって《ワン・フォーン・コール》つながり?この曲は全編橋本さんのラップです。途中のラテン・パーカッションもね~、リズムが《ワン・フォーン・コール》につながりませんか?絶対マイルスを意識していると思うんですよ(笑)。マイルスに対抗した橋本さん流ラップがこの曲だとしたら面白いんですけどね~。

そして途中のエレピ・ソロはハービー・ハンコックに似ています。なので、ハービーの『ディス・イズ・ダ・ドラム』が浮かんできます。いや~っ、面白いUb-Xの時のアコースティック・ピアノはチックに似ていたりするのですが、エレクトリック・ピアノはハービーというセンスが好きです。チックもハービーもアコ/エレ両刀使いなので、逆の選択もあり得るのにそうでないところが橋本さんのセンスの良さだと思う私です。

タイトル曲《Arc'd-X》は更にリズムが強化され、グルーヴしまくるDJサウンドの上で橋本さんのラップが冴えます。バックにかぶさるミニマルなシンセがこれまたクールでかっこいい!途中に入る狂おしいバリトン・サックス・ソロもヒップでクールですね~っ。この曲は聴いてトランス感が味わえます。

《Baby,Baby》は気だるいミニマル・ファンク曲。前の曲の熱を冷ますような感じで、かつスペイシー。橋本さんのボーカルがセクシー・キュートに迫ってきます(笑)。《Jazzz》のピアノのリフは『Ub-X』に収録された《Parallel》と同じです。この曲は完全なヒップホップ。マイルスの『ドゥー・バップ』と同じサウンドですね。途中に入るベースとその上で舞い踊るフルートはもうクラブ・ジャズの世界。サヒブ・シハブしてます(笑)。

《Bossa Cruise》も橋本さんのセクシー・ボーカルを生かしたミニマル・ファンク。《Love Scope》もヒップ・ホップ。こちらは全編に入っているシンセの使い方から、エレピ・ソロの高域「ピロピロピロリ~ン」まで、かなりハービーの影響を感じます。夏の暑さを感じさせる曲もハービー似のファンクだと思うのですが・・・。ラスト《Aqua》は浮遊感漂うキーボードによる短いエンディング・バラード。

このプロジェクトは、「SphinX..」(多分「スフィンクス」と発音)として1年ほど活動して、休止後10年の時を経て再開したとのこと。いや~っ、これは面白いアルバムです。私が好きなマイルスやハービーのラップ、ヒップホップ、ファンクなサウンドを橋本さんが消化して、そこにテクノやクラブ・ジャズなど若者受けしそうなサウンドをふんだんに盛り込んで作っています。色々な音楽に関わってきた橋本さんならではのエレクトリック・ジャズだと、私は思います。

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日本人ジャズを聴こう!たまにはねっ。

2016年のオリンピックはリオデジャネイロに決定しましたね。
東京で開催されたら見にいきたかったのですが残念です。

たまにはこれっということで、不定期企画「日本人ジャズを聴こう!」

P139 今日は中村尚子古澤良治郎『新緑の中に雨が降っている』(2009年、Haruinu Music)を紹介します。メンバーは中村尚子(p)、古澤良治郎(ds)です。「高野 雲の快楽ジャズ通信」でタイトル曲を聴いていいなあと思いました。

雲さんは番組の中で、タイトル曲を聴いて「土の匂いがする。」と言っていましたが、確かにそういう感じがします。私がこのアルバム全体をとおして感じたのは「素朴」という言葉。都会の華やかさや喧騒とは反対の世界。聴いていていくうちに気持ちが落着いてきます。でもね~、力強いんですよっ。大地の安定感もある。これは「古き佳き時代の日本の母」なんですよ(笑)。

1曲目《新緑の中に雨が降っている》は、まさにタイトルどおりのイメージが広がります。間を生かして音を丁寧に丁寧に紡いでいく中村さんのピアノと、軒先から不定期に落ちる雨音の如き古澤さんのドラムが絶妙にからみあいます。

次の《対話~ダイアログ~》はですね~。古澤さんの素朴なドラミングにちょっと意表を突かれました(笑)。だって私が聴く最近のドラマーって皆凄いキレキレなんですよ。その対極のドラミングが古澤さん。こんなの久しぶりに聴きました(笑)。味があるドラミング。中村さんとの素朴な対話を楽しみましょう。

《かげろう》も1曲目同様に2人の絶妙のからみを聴く曲。テーマのメロディーがE.S.T.(エスビョルン・スベンソン・トリオ)のアルバム『セブン・デイズ・オブ・フォーリング』に収録されている《バラッド・フォーザ・アンボーン》に似ていてちょっとビックリ。この丁寧に音を広げていく感じは、結構エスビョルン・スベンソンにも似ていると思います。でもフレーズは中村さんのほうが洗練されていると私は感じます。

《地下鉄にて》は、電車がゴトゴト走るが如く、グングンと推進力がある曲です。この力強さは私には蒸気機関車のイメージなのですが(笑)。ホレス・シルバーの《Peace》はピアノ・ソロ。これも丁寧に丁寧に音を弾いていきます。ジャズの魂が入っていると思いますが、フレーズからはクラシカルな洗練された響きも感じられます。

《ひかりのくに》もピアノ・ソロです。「ひかり」は木漏れ日という感じです。風にそよぐ木々の葉の間から優しい光が射します。そしてどこか懐かしく寂しさが漂います。ひょっとしたらこの寂しさは夕暮れなのかな~?遊んでから帰る家庭の明かりなのかも?という感じでイメージが広がってゆきます。

《A・E・E・A》はクラシカルな響きで始まり、途中からフォーク調の懐かしさへと。控えめにドラムがからみます。一転、バッハ的クラシカルで厳かなイメージになります。教会音楽のような感じもあります。最後はまたフォーク調に戻ってエンディングへ。展開が面白い曲だと思いました。ラストはタイトル曲をピアノ・ソロで聴かせます。このソロもまた良し。

素直に心に入ってくるアルバムだと思いました。日本の母は優しく強し(笑)。

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最初に買ったジャズのレコード

ちょっと前に、体験に基づいた「マイルスの3枚でジャズ入門」を書きました。
その時に最初に買ったジャズのレコードの話をちょろっとしましたが、
今日はそのレコードを紹介します。

P103 日野皓正『ダブル・レインボー』(1981年rec. CBSソニー)です。なんでこれを買ったかというと、当時オーディオをやっていたのですが、ロック・ポップスには良い録音のレコードがあまりなかったからです。オーディオ雑誌を見ると紹介されているのはほとんどがクラシックで次がジャズ。ならば、クラシックかジャズを聴こうということになったのです。

最初に買ったクラシックはストラビンスキーのバレエ音楽『ペトルーシュカ』(これも入門としてはかなり異色)で、ジャズは『ダブル・レインボー』だったというわけです。両者に共通する点はというと、どちらもCBSソニーのデジタル録音。当時はデジタル録音がたくさんリリースされ始めた頃です。デジタル録音だと雑音に埋もれずに小さい音が録音できるので、クラシック・コンサートの録音時に、観客のデジタル時計のアラーム音が録音されて困るというのが話題になりました。懐かしい!

『ダブル・レインボー』の話に戻ります。メンバーは、日野皓正(cor)、スティーブ・グロスマン(ss)、菊地雅章(key)、ハービー・ハンコック(key)、ケニー・カークランド(key)、マーク・グレイ(key)、ルー・ボルピー(g)、ブッチ・キャンベル(g)、アンソニー・ジャクソン(b)、ハービー・メイソン(ds)、ドン・アライアス(per)、アイアート・モレイラ(per)、マノロ・バドレーナ(per)、バリー・フィナティー(g)、デビッド・スピノザ(g)、スティーブ・ターレ(shell horn)、レジー・ワークマン(b)、エディ・ゴメス(b)、ジョージ・ムラツ(b)、レニー・ホワイト(ds)、ビリー・ハート(ds)、ギル・エバンス(arr)、他です。とんでもない豪華メンバーに驚きます。制作費はいったいいくらかかったのだろう(笑)。

日野のCBS移籍第1作ということで力が入っています。菊地とのコラボレーションということで、菊地の『ススト』の続編みたいなアルバムになっています。最初聴いてビックリしましたね。だって、日野のフュージョンだと思って買ったんですから。これは日野の異色作です。面白いのはこの後普通の日野フュージョンに戻ってしまうことです。

A面1曲目の菊地作《メリーゴーランド》を聴いた時は、どこに注目して聴けば良いのかよく分かりませんでした。だって、3人のパーカッションを入れたアフリカン反復ファンクリズムにのって、4人のキーボード奏者が断片的なフレーズを散りばめ、その上で日野やグロスマンが抽象的なソロをとるんですから。ロック・ポップスのメロディーを追う聴き方が全く通用しなかたわけです。リズムも繰り返しだから1コーラスとかの切れ目がわからない。捉えどころのない音楽だと思いましたよ。曲長も約15分。参りました。

でも高いお金を払って買ったんですから「もう聴かない。」というわけにはいきません。やむなく何度も聴くことになるのですが、不思議ですね。だんだん気持ち良くなってくるんですから。最初に反復リズムが心地良くなってきます。そしてキーボード群が何をやっているか見えてきます。はっきり言うと日野のコルネットよりバック・サウンドのほうに興味がいっちゃったんです。菊地のサウンドにやられたわけです。

このサウンドに接していたおかげで、ウェザー・リポートの『スイート・ナイター』もマイルスの『パンゲア』も意外とすんなり受け入れられたんだと思います。今考えるととんでもないジャズ入門です。でも、これが私にとって良かったんだと思います。ジャズってこういう聴く人を拒むようなところがあることを最初から認識したわけですから。そしてこちらからジャズに近寄らないといけないことを意識したんです。これが重要なのです!

他の曲もざっと紹介しておきましょう。菊地、日野共作の《チェリー・ヒル・エンジェル》はバラードで、日野と菊地の濃密は語らいが聴けます。日野作《イエロー・ジャケット》はアルバム中唯一のフュージョン曲。レイジーな雰囲気が心地良く、日野のストレートな歌心が聴けます。日野作《ミワヤマ》はギル・エバンス・アレンジの和テイストのバラード。ハープが良い味を出しています。さすがはギルです。

ラストの日野、菊地共作《アボリジナル》が強烈です。曲名からわかるとおり、アフリカンでパーカッシブな曲。手拍子から始まり、躍動的なリスムが展開されます。アンソニーのエレベの他に、ワークマン、ゴメス、ムラツの3人がアコースティック・ベースを掻きむしります。これもメイソンのドラムにパーカッション3人。途中掛け声が入ったりして、スティーブ・ターレはほら貝を吹いているようです。その上で日野が気持ち良さそうにソロをとります。

アンソニー・ジャクソン(el-b)、ハービー・メイソン(ds)コンビがジャズの初体験だったとは笑えます。この2人でありながら、やっていることは全然フュージョンじゃないから凄い。この人達やっぱり只者じゃないです。

ライナーノーツは誰が書いているんだろう?
ハハハッ!やっぱり、岩浪洋三さんでした。
この頃のCBSソニーのフュージョン系アルバムにたくさん書いています。

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日本人ジャズを聴こう!

昨日の深夜、外が轟々いっているので外を見ると、
中央道を大量のトラックが走行していました。
家のベランダから中央道が見えます。
そんなに近くというわけでもなく、防音壁があるので
轟々といってもそんなに大きな音ではないのですが、昨夜はいつもと違いました。
防音壁があるのになぜトラックが走っているのがわかるかと言うと、
トラックの荷台の屋根の部分についているライトが見えるのです。
東名高速が朝の地震で一部通行止めなので、
多分迂回して中央道を走っていたのです。
中央道上り線をひっきりなしに通るトラックの屋根を見て、
日本の輸送が夜間の長距離トラックに大きく依存度していることを実感しました。
それにしても凄い台数で、ある意味怖かったです。

さて、話は本題に入ります。不定期企画、日本人ジャズを聴こう! です。

P98 今日は敦賀明子『セント・ルイス・ブルース』(2007年rec. MOJO Records)。珍しい日本人女性オルガン奏者です。発売当時は結構話題になったアルバムだと思います。メンバーは、敦賀明子(Hammond B3 org)、ヒューストン・パーソン(ts)、エリック・ジョンソン(g)、バーナード・パーディ(ds)、ビンス・エクター(ds)です。ヒューストン・パーソンは4曲参加。パーディが7曲、エクターが4曲で叩いています。

先日東京へ行った時にディスクユニオンお茶の水ジャズ館で中古盤を見つけて買いました。たまにはオルガンを聴いてまったりするのも良いですよね。

これ、安心して聴けるオルガン・アルバムになっています。敦賀はニューヨークに住んでいて、黒人ファンキー&アーシー・オルガン奏者の系譜に連なる人です。特に新しい何かとかはないですが、それで良いと思います。そして、日本人だからとか、女性だからとか、かっこ付きで聴く必要は感じません。

ヒューストン・パーソンのコテコテ系テナーが気持ち良いじゃありませんか。この人にはソウル感じるんですよね~。パーディのツボを押えたビートも快適快適。敦賀が2曲作曲しているのですが、ファンキー&アーシーな曲で全然違和感がありません。

夏の暑い午後にビールでも飲みながら、または、冬の寒い夜にホットウィスキーでも飲みながら聴くのが幸せなんじゃないかと思います。

今日はほとんど大したことを書いていませんね~。ご容赦下さいませ(笑)!

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この人もたくさん集めてしまいました。

今日もいきます。私って軟派だよねっ!シリーズ(笑)?
最近のニューヨーク・ダウンタウンのジャズがどうのこうのと言っている人が
「こんなの聴いてるの?」なやつです。
新譜も買ってはいるのですが、レビューがなんとなくめんどくさい今日この頃。
では参りましょう!

木住野佳子(きしのよしこ)です。寺島靖国さんの本を読んで、新しいジャズはピアノ・トリオだと思っていた頃に聴き始めたのです(笑)。この人を知ったのはもちろん寺島さんの本で紹介されていたからですよ。

P34 こちらはファースト・アルバムの『フェアリー・テイル』(1995年、GRP)です。このアルバムについてはブログを始めて間もない頃に、「いい女ピアニスト2人」のうちの1人として紹介しました。もう1人のいい女は誰かって?イリアーヌにきまってるじゃないですか(笑)。
以下参照。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_e73b.html

その時、ジャズを初めて聴く人にオススメなのがこれだと書きましたが、まあそれは一般の人がジャズに抱いていると思われる、お洒落で大人のカッコイイ音楽を体現しているからです。私は特に若い女性にオススメしたいです。エバンスではなくてコレねっ(笑)!

GRPからデビュー(日本人初で唯一)したんだから大したものです。このアルバムに収録された《オンリー・トラスト・ユア・ハート》は必聴。マーク・ジョンソン(b)ピーター・アースキン(ds)による極上ロールスロイス・リスムに乗った、激甘キミに胸キュンなナンバーです(笑)!

木住野さんはクラシックを学んでいてジャズに転向したのですが、中高時代は「ロック姐ちゃん」だったとか。大学ではクラシックを学びつつ、フュージョンも聴いたようですし、ヤマハのポプコンで「ベスト・キーボード賞」を受賞したこともあります。最初のジャズ・アイドルがオスカー・ピーソンで、ジャズへの傾倒はビル・エバンス研究という形で深まったとのことです。う~ん、色々な音楽をやってますよね。

P43_2 実は私が最初に買ったのはこちら『ユー・アー・ソー・ビューティフル』(1999年、UNIVERSAL VICTOR)。4作目です。メンバーは木住野佳子(p)、古野光昭(b)、安ヵ川大樹(b)、市原康(ds)、岩瀬立飛(ds)です。

このアルバムでGRPから移籍しています。前作はフュージョン系だったのですが、木住野さんはフュージョンが嫌で移籍したのかな~?

そして、このアルバムから弾いているピアノが変わっています。それまでのGRP時代はスタインウェイだったのですが、本作からベーゼンドルファーに変えました。この人のCDには使っているピアノが記載されている場合が多いです。使っているのはベーゼンドルファー#290インペリアル。ジャズ・ピアニストでベーゼンドルファーを使う人は少ないはずです。ベーゼンドルファーと言えばやっぱりクラシック。

木住野さんのピアノは女性らしくて深い情感を湛えています。最近の女性ジャズ・ピアニストはどちらかと言えば男のようにガンガンカラッと弾く人が多いので、逆に珍しいとも言えます。その深い情感がベーゼンドルファーの重厚な音によって生きてくるということで、ピアノを変えたのは正解だと思います。

弾くフレーズはとても分かりやすくて甘め、きっとポップやフュージョンをたくさん聴いてきたからだろうと思います。でもちょっと甘さ多目な感は否めません。糖尿病の中年おじさんは摂取を控えることをオススメします(笑)。この人、ジャズだけれど昔風に言えばカクテル・ピアノととれなくもない。かなり微妙なところにいるのですが、私はそれも悪くないと思っています。

さて話はちょっと変わって、ジャケ写について。この人のジャケ写はいわゆる「パネ○○」ってやつです(笑)。美人ではないと言っているわけではありませんよ。美人だと思いますが、もっとゴッツイお顔なのです。スイングジャーナル誌の表紙でお見かけした時にそう思いました。テレビでも見たことがありますが、むしろホワンとした雰囲気はジャケ写のイメージ通りです。

私は寺井さんだけでなくこの人もかなりCDを買ってしまいました(笑)。
2作目『フォトグラフ』、3作目『ランデブー』、6作目『テンダネス』、8作目『シエスタ』
デビュー10周年記念『タイムスケープ』『ハートスケープ』、計8枚!
『ハートスケープ』のみ中古CD、他は新品を買いました。
日本ジャズ界活性化のために貢献してますよね(笑)。

そういう私も2005年に『ハートスケープ』の中古を買って以来のご無沙汰です。
最近は若い女性ジャス・ピアニストがたくさん出てきたので、
木住野さんもなかなか話題になりませんね~。
私は秘かに応援していますよ(笑)。なら新譜買えって?

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いろいろ思うままに。

ますは「PCMジャズ喫茶」
今日はドラマーの松尾明さんがゲストでした。
今度、寺島レーベルからクインテットのアルバムが出ますからね~。
最近は聴いていても私の興味が湧くような話題が出ないんですよね~。
ツッコミを入れる気持ちも起きない。う~ん・・・。終了(笑)!

次はミュージックバードのクロスカルチャー・チャンネル(11ch-1)から
「クロスオーバー・ナイト」(土曜日23:00~24:00)。
聴こうと思ってもついつい聴き忘れてしまうこの時間。
アキコ・グレースさんがゲストでした。
「色彩と音色」をテーマにパーソナリティーとトークしていました。
グレースさんのトークって独特の言い回しと楽理の話がさりげなく出てきて、
アーティストだなあと思う私です。
マイルスの演奏で《ブルー・イン・グリーン》、チックの演奏で《ネフェルティティ》
ドビュッシーの《亜麻色の乙女》、フレッド・ハーシュの演奏、
グレースさんの《アプローチ・トゥ・シャイン》《シルバー・ムーン》
をかけて、なかなか興味深いトークをしていました。
この番組落着いた進行で、大人の番組なのです。
エンディングにクリヤ・マコトがかかったのですが、聴きやすいですね~。
フュージョン感覚ピアノでした(笑)。

P42 前回続きで今日は寺井尚子『ピュア・モーメント』(1999年rec. VIDEOARTS)を紹介しておきましょう。メンバーは、寺井尚子(vl)、奥山勝(p,syn)、池田達也(ac-b,el-b)、藤井摂(ds)、ゲスト:横山達治(con)です。雲さんのベースの師匠が参加していたことに今気付きました(笑)。寺井さんの2作目です。

寺井さんをなぜ聴くようになったかといえば、NHKのTV番組で見たからです。美人だったので一目惚れ、結構タイプだったのです(笑)。で、早速買ったのがこのCD。それまでジャズ・バイオリンというとステファン・グラッペリくらいしか知りませんでした。あっ、ソニアもいましたね(笑)。だからこれを聴いた時、何かとっても新鮮でした。

最初のタンゴ《アディオス・ノニーノ》のドラマチックな展開なんかは結構グッときます。《サマー・タイム》の小気味良いリスム・アレンジは快適快適。《フラジャイル》のアレンジ(ピチカート部分)は今一。チックの《スペイン》はTVで見て惚れた曲ですがかなりお気に入り。《エスターテ》の切々と迫る哀感。宇多田ひかるの《ファースト・ラブ》の見事な歌い上げ。唯一の自作曲《ピュア・モーメント》は少々重いかな~、でも良い曲です。

バックのピアノ・トリオとのコンビネーションも良く、全体的にストレートに作られているところがお気に入りです。ライナーノーツは青木和富さん。寺井さんの「歌心」とヴァイオリンの「哀切感」を褒めています。青木さんってフリー・ジャズのイメージが強いんですけどね。私は青木さんの淡々としていてアーティスティックな批評が結構好きなのです。

このCDを聴いたあとファースト・アルバムも買って、新譜が出る度にフォローしていくことになるのです。

次の『プリンセスT』でのフュージョン導入&アイドル路線にはちょっとビックリ!でも「なるほどね~。」でした。シースルー衣装でのポートレートには嬉恥ずかし(笑)。バックはプロデューサーのリー・リトナー以下フュージョンの錚々たるメンツ。私はフージョン好きですから良いのですが、ジャズ・ファンは引いたでしょうね(笑)。でもこれで寺井さんはブレイクしたのです。同アルバム中の寺井さん作《シャドウ・プレイ》が一番好きな曲です。

次はこのメンバーでの日本ツアーを納めたライブ盤『NAOKOライブ』。ここまでは一連のプロジェクトなのでしょう。んで、終了!2000年プロジェクトでした(笑)。

次の『オール・フォー・ユー』からは元の路線に戻りました。初のセルフ・プロデュースです。プリンセスT路線は多分本人の本意ではなかったのでしょうね。この『オール・フォー・ユー』の1曲目の気迫はかなりなんですよ。やっとやりたいことがやれた喜びなのか?突っかかってくる感じが勇ましいです。続く2曲目《ビ・バップ》もかなりイケイケ路線。全体的に気迫がみなぎり寺井さんの性格が出ているのではないかと思います(笑)。リシャール・ガリアーノを向かえタンゴへの接近もあります。

次は『アンセム』。ビデオアーツよさようなら。東芝EMIへ移籍してしまいました。プリンセスT路線でのしこりがあったのか?東芝EMIに引き抜かれたのか?私は知る由もありません。私もこの辺りからは惰性買い(笑)。前作と同じ路線ですが、表現力は上がっていると思います。

次の『ジャズ・ワルツ』も惰性買い。で、CD整理の際候補にあがり、売られて行ってしまいました(笑)。私の寺井さんへの恋はとうとう冷めてしまったのであります。ごめんなさい!

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日本人ジャズを聴こう。久々!

昨日のジャパンの続きをちょっと。
ジャパンが私のジャズ聴きにつながるということを書きました。それをもう少し具体的に書くと、『孤独な影』を聴いていたから、その後聴くマイルスやウェザー・リポートにあまり違和感を感じなかったのではないかと思うということです。もちろん影響(直接的にはないと思う)の方向は、マイルス&ウェザー⇒ジャパン。なので、ジャパンの中に認められる私が面白いと感じるもののルーツがマイルスやウェザーにあるように思うのです。

さて、今日のお題の日本人ジャズは、

P28 sim+otomo『Monte alto Estate』(2009年rec. doubt music)です。メンバーは、ユニットsim:大島輝之(guitar, composition)、大谷能生(computer, electronics, etc.)、植村昌弘(drums)と、大友良英(turntables, self-made symthesizer)です。「東京大学のアルバート・アイラー」を菊地成孔さんと一緒に書いた大谷さんと、現フリー・ジャズ界の最重要人物大友さんの共演です。面白そうでしょ。

doubt musicと言えば、元ディスクユニオンの社員でジャズ批評誌にも投稿しジャズ喫茶「いーぐる」にも縁が深い沼田順さんが主催するレーベルです。その昔ジャズ批評誌上で勃発した沼田さんと寺島靖国さんとの論争には呆れました(笑)。そう言えば昨年末の「いーぐる」ベスト盤大会の打上げで、後藤さんから沼田さんを紹介していただいたのに挨拶を交わしただけでした。

今日なぜこのアルバムを取り上げたかと言えば、もちろんこういうサウンドも好きだからですが、実は「いーぐる」note(掲示板)への以下の書き込みが気になったからです。

ジョシュア・レッドマンのアルバム『コンパス』についての、「こんぱちゅ」様の書き込みです。その最初の部分を抜粋しました。

いきなりテクノの話です。サクッと言えばテクノのミュージシャンは別に
1様々なリズムを組み合わせて細分化させている だけではなく、
2それによって生み出された空間に
3サンプリングによって抽出した様々な音価(楽器じゃなくとも構わない)を散りばめているんですね。

私は思いましたよ。『sim+otomo』にそのまま当てはめたいと。

まずリズムの主体はドラムですが、そのリズムはとても複雑です。タイミングが微妙にコントロールされています。このリズム、doubt musicの新譜解説によると大島さんが作曲した緻密なものらしいです。凄いです。それを叩くドラマーの植村さんもまた凄い。

雲さんから聞いた話によれば、こういうリズム感覚はピアニスト橋本一子さんのグループUb-Xのポリ・グルーヴを支えるドラマー藤本さんにもあるらしいです。正確なリズムと言えばジョン・ホレンベックにもそういうことは言えますね。こういう人達って、テクノにおける機械が生み出すリズムを消化した現代の新感覚派ドラマーなんだと思います。

リズムで面白いのは大島さんのギター、これって現代版リズム・ギター。私がすぐに思い浮かべたのは、その昔で言えばカウント・ベイシー楽団のフレディ・グリーンであり、もう少し後では、70年代のエレクトリック・マイルス・バンドのレジー・ルーカスであり、ヘッド・ハンターズのワー・ワー・ワトソンとレイ・パーカーJr.です。皆さんカッティング・ギターの名手であります。なんで今リスム・ギターなのか?興味深いです。

ベース奏者はいなくて、そのかわりにシンセのベース単音が小説の区切りに入っている曲が多いのも面白いところです。以上のような手法で作られるリズムの全体像としては、腰にくるファンク・グルーヴという感じです。乗りにくそうで乗れちゃうリズム。その空間の上に大谷さんと大友さんのエレクトロニクス音(様々な音価)が散りばめられています。

もう1つ面白いことがあります。オルガンの持続音を被せた曲があるのですが、聴いてピンときました。マイルスのアルバム『ゲット・アップ・ウィズ・イット』に収録されていた《レイテッドX》。後藤雅洋さんが「地獄の」と言い、村井康司さんが「邪悪なサウンド」と言う曲です(笑)。雰囲気が似ています。まあ、こっちの演奏は現代らしく、地獄と邪悪はかなり薄れています。こういうのを聴くとマイルスってとんでもない人だったと思います。今から35年も前にラジカルにやっていたんですから。

というわけで、このアルバムのサウンドは上記テクノの特徴そのものじゃないかと思いました。テクノの雄Y.M.O.が生まれた日本ならではのサウンドここにありです。現代の日本ジャズには面白い人達がいるんですよ。スイングジャーナル誌には間違っても紹介されませんが、こういうのが面白いのです。興味を持った方は是非聴いて下さい。

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日本人ジャズを聴こう 超久々!

久々にこれいきま~す。日本人ジャズを聴こう!とは言っても、今日紹介するアルバムは「日本人ジャズ」という言葉のイメージからは離れたものだと思います。

P144 YAS-KAZ『兎に角』(2006年、POPGROUP recordings)です。これはちょっと異色です。フリー・ジャズのパーカッショニストYAS-KAZがエスニックかつ幻想的なバック・サウンドを作り、その上でトランペットやギターがソロをとるという趣向。ジャケットのイメージがそのままサウンドのイメージをあらわしていると言えなくもありません。

YAS-KAZさんのオフィシャルサイト:http://www.yas-kaz.com/ja.htm

このアルバム、ディスクユニオンの試聴機で聴いて気に入っていたのですが、\3,000出す気になれなくてず~っと買うのを保留していました。結局ディスクユニオンの中古を買うことに(笑)。

YAS-KAZはパーカッションを駆使するだけでなく、シンセや打ち込みも多用しています。非常に低く広がりをもって発せられる太鼓のような音が特に気持ち良いです。トラックによってはエレクトリック・シタールを使ったり、ガムランにつかわれるような打楽器も使ったりするので、東南アジア色が強いですね。そして「和」の響きというか祭りの太鼓をイメージさせるものもあります。

YAS-KAZの作るバック・サウンドだけでも気分はトランス状態に誘われる感じがします。浮遊感、倦怠感、和み感、包まれ感など、う~んなんか気持ちイイぞ!サウンドは北欧クラブ・アンビエント系に属するのでしょうが、テイストは東南アジアであり和なのです。そしてナチュラル自然志向。

《BABBULKUND or KOBAKU-KIBUN》は上記のとおりのバック・サウンドの上で、五十嵐一生のマイルス的な感じのトランペット・ソロが続き、サウンド全体は近藤和明のピアノも含めてハービー・ハンコックの『ディス・イズ・ダ・ドラム』にも通じるものがあります。

《EL ARCO Y LA LIRA》は、バック・サウンドの上でマンデイ満ちるが詩を朗読し、歌詞のない歌を歌います。幻想的な感じですね。琴のような音も聴こえたりします。《VERA》渡辺健のフレットレス・ベースとYAS-KAZのシンセのデュオで、深く美しい響きを持ったトラックです。今堀恒雄のちょっとアウト・フレーズのギターや坂田明のバスクラがフィーチャーされた曲もあります。

参加メンバーは他にも数名いますが、上記のメンバーを見ても一癖二癖あるのがわかりますよね。日本人ジャズと言っても今や一口では説明できないし、こういうユニークな活動をしている人達もたくさんいるのです。

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東かおるさんが只今のお気に入り!

今日のミュージックバードの「PCMジャズ喫茶」には、MAYAさんがゲスト出演しました。この番組、最近はミュージシャンのゲスト出演が多いのですが、女性ばかりですね(笑)。そういえば番組最後のほうでは、一歩間違えばセクハラ的危険なオヤジトークが交わされていましたよ。よわったものです(笑)。今回も爆笑多発な放送でしたが、レポートは気が向いたらするかもしれません。

ところで、私はMAYAさんの飾らないチャーミングなトークに惚れました。「また惚れたんですか?」って思ったあなた。いいじゃ~ありませんか?トークに惚れるくらい許してやって下さいませ(笑)。ここで、私がトークに惚れた女性ジャズ・ミュージシャンのベスト3を発表します(笑)!松本茜さん。MAYAさん。山中千尋さんです。

もう一つ、最近いつも人気ブログランキングで順位を争っている安達久美クラブパンゲアが今日甲府の桜座でライブをしました。何度か桜座に来ているので、見に行こうと思いつつ今回も見に行きませんでした。ドラムの則竹裕之さんを特に見たいんですけどね~。

P66 さて、「PCMジャズ喫茶」で岩浪洋三さんがかけたのを聴いて気に入ったアルバム東かおる『フットプリンツ・イン・ニューヨーク』(2008年rec. River East Music)をちゃんと紹介しておきましょう。今年最初に聴いたアルバムでもあります。

メンバーは、東かおる(vo)、スコット・リーヴス(alto-flh,tb)、マイク・ホロバー(p)、ジェシー・フォレスト(g)、ロビンソン・モース(b)、パオロ・オーランディ(ds)です。このアルバムはニューヨークで録音していますが、岩浪さんによると東はニューヨークに住んでいて、今は日本にいるとのことです。この録音をした頃はニューヨークにいたのかも?

まず何はともあれ、東のヴォーカルのけだるくフワッと柔らかいところが気持ちイイです。そんな歌い方でのスキャットのようなものも入ったりして、聴いているうちに心のコリがほぐされて和んできてしまうのです(笑)。

「PCMジャズ喫茶」では、セロニアス・モンクの《ベムシャ・スイング》に、東が日本語の歌詞を付けて歌っているのが面白いと言っていたのですが、ベニー・ゴルソンの《アロング・ケイム・ベティ》にも日本語の歌詞を付けています。岩浪さんは、この辺りのユーモアのセンスは、東が大阪出身だからだとも言っていました。そうかもしれません。

《イエス・オア・ノー》《ジャイアント・ステップス》には東が英語の歌詞を付けて歌います。チャーリー・パーカーの《コンファメーション》、ウェイン・ショターの《フットプリンツ》、チック・コリアの《ハイ・ワイヤー》など、ジャズメン・オリジナルも歌っているところがちょっと異色だと思います。ちょっとクセのある曲をいづれもオシャレに粋に東流に歌いこなしてしまうところはなかなかだと思いますね。

スコット・リーヴスのトロンボーンが東の声に柔らかくからむのもいい感じです。他バッキング陣も東のヴォーカルを生かすように、小粋にサポートをしています。というわけで、只今私のお気に入りヴォーカルとして、最近これをよく聴いているのであります。

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日本人ジャズを聴こう!これはカッコイイ!

福島輝人さんが書いた「日本フリージャズ史」を読み始めてから、日本のフリー・ジャスに結構興味を持っている今日この頃の私です。だいぶ前に読み始めたんですが、未だに読み終わっていないのがちょっと情けないのですが・・・(笑)。

P69 今日紹介するのはディスクユニオンのフリー・ジャズ・セールで買った中古CDの1枚。片山・石渡・不破・豊住『フィクション』(1998年rec. StudioWee)です。メンバーは、片山広明(ts)、石渡明廣(g)、不破大輔(b)、豊住芳三郎(ds)です。大ベテラン豊住を中心に中堅の個性的なメンバーが集っていたのでこれは買いだと思いましたね。

前述の「日本フリージャズ史」を読んで豊住の名前を知ることになり、今回初めて演奏を聴いたのですが、この人の叩き出すヘビー・グルーヴには正直参ってしまいました。この演奏は豊住のドラムが完全に支配しています。演奏者を包み込んでいるというか、支える大地のようなスケールのでかいドラミングで、激しく叩いたりもしますが、攻撃的というのではなく、優しさが醸し出されるところがイイんです。う~ん、惚れました(笑)。

片山はご存知のとおり「渋さ知らズ」で活躍するテナー・サックス奏者です。「渋さ知らズ」のライブは3回見ましたが、片山はサックス陣の真中に陣取って、いつもハイ・ブローで聴衆を興奮の坩堝へと引きずり込んでいました。ここでもハイ・ブローでブリブリやっているのですが、ライブで見た時に思ったとおり、どこか演歌的な歌が感じられます(笑)。それから、ライブで見た時はわからなかったのですが、ただ熱くやっているのではなく、演奏の方向性をちゃんと見ていますよね。

石渡は、「渋谷毅オーケストラ」のライブを見た時に、その多彩でエフェクターも駆使したテクニカルなプレーと、それを使うセンスに惹かれたのですが、ここでもやっぱりカッコイイ演奏をしています。ロック系のジャズ・ギターで、ジミ・ヘンドリックスのような歪んだ音のギンギンなプレーをしたりするのですが、不思議と爽やかなんですよ。オーネット・コールマン門下のアバンギャルド・ギタリストも消化している感じで、いろいろできるテクニックを持っていると思うのですが、それが単なるテクニックではなくナチュラルにその場その場での表現につながっているのが良いと思います。

最後に「渋さ知らズ」のリーダー不破ですが、まずベースの音が、アコースティック・ベースを弾いているのに、エレクトリック・ベースを弾いているように聴こえるのが面白いですね。決してギンギンにやるところはなく、このアルバムでは少し引いてプレーしているようにも感じられ、遠赤外線の如くじわりじわり場に熱気を送り込み続けるのが渋いです。

《インプロバイズド・エアー》は3曲からなる約35分に及ぶ長尺の組曲なのですが、次々と場面が転換する中で、各人の充実したソロが出ては消えていき、飽きないです。フリーの演奏ですが、ビートはファンク系の部分が多いので聴きやすいと思います。2箇所出てくる豊住のドラム・ソロがとにかくカッコイイ!

不破作《おぬまブルース》は歌謡曲のような、ちょっと安っぽい曲の4ビート演奏です。この曲調が片山のテナーにピッタリなんですよ。このちょっといなたい場末な感じが私は好きです(笑)。ギターがブルージーでレイジーなフレーズを弾いているんだけど、なぜかクールな感じが漂うのもいいなあ~。豊住と不破の4ビートがまた深いんですよ。ヘビーなブルースなんですけど、どこか日本的な侘び寂びの世界(笑)?

豊住作《ラガ・オブ・ブラック・キーズは最もフリーな演奏ですが、これも聴き辛い感じはなく、自由でクリエイティブな演奏が気持ちイイです。

このアルバムはできるだけ大きい音で聴くことをオススメします。快感度がUPしますよ。もう10年前のアルバムなんですよね。こういう人達の演奏がちゃんと伝えられているとは思えない日本のジャズ・ジャーナリズムって一体なんなのでしょう?

明日1/10明後日1/11「高野 雲の快楽ジャス通信」の放送15回目。
「スタンダード特集」です。

テーマ曲は、
「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ(帰ってくれればうれしいわ)」。
さて、この曲をどんな演奏で聴かせてくれるのでしょう?
ディレクター嬢もちょっと出演するのだとか。
楽しみですね~。

内容については高野 雲さんのブログ:快楽ジャズ通信
にもアップされますのでご覧下さい。

皆さん聴きましょう!

全国コミュニティーFM局では、毎週土曜日20:00~20:55に放送。
ミュージックバードでは、毎週日曜日22:00~23:00に放送。

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日本人ジャズを聴こう!渋いベーシスト池田さん。

今日は凄い感謝感激です!

ナナナナナントッ!人気ブログランキング」5位じゃありませんかっ!ヽ(*´∀`)ノ

マジですか?これ夢じゃありませんよね?(笑)

皆様ほんとうにありがとうございます。感謝!感謝!感謝で~す!

話は変わりますが今日筑紫哲也さんが亡くなりましたね。「ニュース23」が好きでずっと見てきた私にとっては悲しい出来事です。ご冥福をお祈りします。

さて今日は「日本人ジャスを聴こう!」です。
登場するのはtommyさんのベースの先生、池田芳夫さん。
先週土曜日に吉祥寺ディスクユニオンでかった『DADA』(1998年rec. FRAGRANCE OFFICE)の紹介です。

P19 自主制作盤です。メンバーは、池田芳夫(b)、緑川英徳(as)、岡淳(ts)、江藤良人(ds)です。渋~い、ピアノレス・カルテットですよ。

私は池田さんが参加した日野皓正さんのアルバムを持っていたのですがあまり意識していませんでした。ところがtommyさんから贈っていただいた高瀬アキさんとのデュオ・アルバム『エスプリ』を聴いて好きになってしまいました。『エスプリ』については以前紹介していますのでhttp://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_4694.htmlを参照願います。

池田さんについてはご本人のサイトhttp://www1.odn.ne.jp/~cfm62880/yoshio.htmをご覧下さい。こちらで自主制作アルバムを購入することもできます。

さて『DADA』についてですが、一言で言うと渋いです。決してキャッチーなものではありません。凄く真面目なジャズです。全曲池田さんが作曲していますが、これまた渋い曲ばかりです(笑)。単なる美メロな曲はありませんが私は良い曲だと思います。

演奏は緊張感のあるきっちりしたものです。それはきっと池田さんのベースが締めているからだろうと思うのですが、締めると言っても怖い顔をしている感じではなく、優しく見守っている感じです。

池田さんのベースは深く柔らかくしっかりした(たぶん)ナイロン・ガット弦の音で気持ちが良いのですが、チャーリー・ヘイデンが好きな池田さんらしい音だと思います。

《Strem Of The Times》は悲しげで哀愁感漂うバラードで好きですね。上記の気持ち良い音のベース・ソロやテーマでのアルコ弾きも楽しめます。曲の雰囲気にマッチしたサックスの掛け合いもなかなか良いです。

《Snappy》は一番気に入っています。8ビートのカッコイイ・テーマにのって曲が始まります。テーマ途中のブレイクの後のダークで不穏な部分もグッド。続くテナー・ソロは8ビートのリズムにのってちょいアブストラクトでスピリチュアルなカッコイイものです。アルト・ソロに入ると一転4ビートですが、ここでもスピリチュアルなソロを繰り広げています。バックのベース・ランニングがこれまたカッコイイ。ドラム・ソロはエルビン系でこれもスピリチュアル。う~ん。この曲はイイ。

《Recollection》は多重録音も交えてのベース・ソロ。弦の音を堪能できます。クゥ~、タマラン!《fragrance》はこのアルバムの中で一番オーソドックスなハード・バップ曲です。サックスの熱いバップ・ソロ、4ビートのベース・ランニング、エルビンな煽りドラミングをお楽しみ下さい。最後の曲《Once And Agein》は、アルト・サックスとのデュオでバラード演奏。しっとりと閉めてくれます。

池田芳夫さんのベース、是非聴いて見て下さい。甲府にも来てくれないかな~。

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Ub-Xってカッコイイぞっ!

明日は高野 雲の快楽ジャス通信」の4回目のラジオ放送があります。
ゲストをお招きしての「ビリー・ホリデイ特集」です。

私はビリー・ホリデーのレコードは1枚しか持っていません。
この放送を機会にビリー・ホリデーに親しみを持てれば良いなあと思っています。

明日になればブログ:高野 雲の「快楽ジャズ通信」 にも内容がUPされますので、
チェックしてみて下さい。

全国コミュニティーFM局では毎週土曜日20:00~20:55に放送。

ミュージックバードでは毎週日曜日22:00~23:00に放送。

私はミュージックバードで聴いているので、明後日が楽しみです。

今日は、先週雲さんの快楽ジャス通信のゲスト収録を終えた橋本一子さんのピアノ・トリオUb-X(ユビークス)について紹介したいと思いますが、その前に私が唯一持っていた橋本さんのレコードも紹介させてもらいます。

まず、橋本一子さんは、矢野顕子さんが産休中にYMOのサポート・メンバーとしてツアーに参加して注目された人です。その後について興味のある方はウィキペディアで調べて下さいな。

P13_2 その私が持っていた唯一のレコードは『ヴィヴァン』(1986年rec. ポリドール)です。どうですジャケットの橋本さん。クール・ビューティーじゃありませんか? このレコードはリアル・タイムで買ったわけではないので、赤色の見本盤のシールがアイタタタッ!中古盤(それもかなり安かった)を買いました。橋本さんごめんなさい(笑)。

メンバーは、橋本一子(vo,p,syn,g)、藤本敦夫(g,el-b,as,tambourine,chorus)、大谷尚弥(ds)、シンセサイザー・プログラマーAQ石井です。

P14 そういえば、中のライナーノーツの裏は橋本さんのポスターになっていました。ご覧のとおりのカッコよさです。

さてこのアルバム、一言で言うと「アバンギャルド・ポップ」って感じでしょうか?アバンギャルドと言っても難解なことはやっていませんからご安心下さい。メインは橋本さんのけだるい脱力ヴォーカルです(笑)。

レイジーなロックあり、ガールズ・ポップ(当時はそんな呼び方はない)あり、テクノ系打ち込みトラックの上でフリー・ピアノをガンガン弾いたり、クラシック調弾き語りあり、チープなロックンロールありと、才女橋本さんらしい尖がったアプローチ満載の楽しいアルバムなのです。是非ご一調をオススメします。

これ1枚しか持っていなかったのですが、橋本さんのユニークな尖がった音楽性には一目おいてました。そんな2年前、橋本さんがUb-Xなるジャズ・ピアノ・トリオを出したって言うじゃありませんか。気になりましたが買いそびれていました。

P15 「快楽ジャズ通信」にゲスト出演するというのを聞いてとうとう買いました。『Ub-X』(2005年rec. イーストワークスエンターテインメント)です。ジャケ写は上記アルバムから20年後の橋本さんです。相変わらず美人です。どうですイイ女になったと思いませんか?メンバーは、橋本一子(p,vo)、井野信義(b)、藤本敦夫(ds)です。

まずはポリグルーヴなるリズムについて、橋本さんが左手主体につんのめりぎみのリズムを刻み、それにベースとドラムがフレキシブルにからむというのが特徴と聴きました。CDのたすきに疾走するポリグルーヴと書いてありますが、そのとおりです。

もう一つの特徴が橋本さんのヴォーカルです。フランス語のような響きのささやきヴォーカルがなんとも心をくすぐります。

上記のリズムとヴォーカルを生かす録音がちょっと面白いです。まず一番前に橋本さんのピアノが陣取ります。そのほんの少し後ろにベース、更に後ろにドラムスが背景のごとく広がります。ヴォーカルはと言うと、ピアノの後方中央にポツント口がリアルに浮かんでいる感じがします。これはかなり凝った演出だと思います。

スローナンバーに漂う雰囲気はフランス音楽です。全体的に日本的な雰囲気がほとんどないのが面白いですね。とにかくご本人同様クール・ビューティーな音楽がカッコイイ!このセンス好きです。CDのたすきに菊地成孔さんが推薦コメント(同じレコード会社だからでしょうけど)を書いているのですが、マイルスのクールネスに憧れる菊地さんと通じるものがあるように私は感じます。

雲さんの番組では橋本さんのピアノがチック・コリアからの影響を受けている(ご本人も認めている)と言うことで、「チック・コリア特集」になったのですが、《凛》《モノリス》などコリアからの影響が感じられますね。コリアの『ARC』と聴き比べると面白いです。どちらも透き通った硬質なピアニズムが素敵です。

面白いのは《ラパン》です。これは誰が聴いてもビル・エバンス風だと感じると思います。曲も《サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム》(マイルスの同アルバムの同曲の出だし)と《シンス・ウィー・メット》(エバンス作、同名アルバムの1曲目の出だし)が混ざったようなワルツ曲なのです。ベースもエディ・ゴメスしてます。どうしてこれだけエバンス風の古典的演奏なのだろう?なぞです。

とにかくこのアルバムはカッコイイです。是非聴いてほしい1枚です。

明日の夜は「Kofu Jazz Street2008」を見に行きます。楽しみです。

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今日も松本茜!

今日も松本茜でいきま~す。これってストーカーですか?(笑)
雲さんのラジオ版「快楽ジャズ通信」に松本さんがゲスト出演した時の声がかわいかったからということで、ついにCD『フィニアスに恋して』を買っちゃいました。

P9_3 「快楽ジャズ通信」でかかった曲《シュガー・レイ》と、「PCMジャズ喫茶」でかかった《オール・ザ・シングス・ユー・アー》の演奏のギャップが気になったので、アルバム全部を聴いてから私なりの位置づけをしたかったのです。

それから、雲さんオススメの《ハーフ・ブラッド》という松本さんのオリジナル曲も是非聴いてみたかったのです。

P10CDホルダー部の下にはご覧のような写真も、松本さんは声だけじゃなく今時のかわいい女子大生なのでした。今回はオレンジがイメージ・カラーのようで、ほんわか柔らかい感じを演出しているようですね。

早速演奏を聴いてみましょう。

1曲目《スピーク・ロウ》。UPテンポで演奏されるこの曲、アドリブ・フレーズも淀みなく、なんとも軽快なスイング感が気持ちの良い曲です。1曲目に持って来るだけあって、なんともキャッチーな感じの今時のバップ演奏です。

2曲目《ストーリー》。松本さんオリジナル曲です。なんとも懐かしげで、かすかに寂しさが漂う曲ですね。聴いているとしんみりしてきます。ライナーノーツで岩浪さんが「彼女の中のふるさとの原風景ではないか」と書いていますが、そんな感じです。

3曲目《ブロードウェイ》。これも1曲目のようなUPテンポのスインギーな演奏です。バップ・スタイルのピアノをスマートにこなします。こういうUPテンポにおける軽快感は、技術が確かであることをうかがわせますね。アドリブの中で、どんどん低い音に下がっていって、おいおい大丈夫かいなと思っていると、ぎりぎりのところで高い方へ上がってくるところなんかスリリングでした(笑)。

4曲目《スーン》。ミディアム・テンポで演奏されます。こういうテンポだとノリにネバリが出てきますね。こういう演奏が岩浪さん言うところのハンプトン・ホーズ的な部分だと思います。こういう感じが出せるというのは、松本さんがフィニアスとかバップ・ピアノを良く聴いているからなんでしょうね。

5曲目《シュガー・レイ》。これはフィニアズ・ニューボーンJr.の演奏からの影響を感じさせる演奏です。これもミディアム・テンポで演奏されます。これもネバリがあるノリ、つまりアフター・ビートで乗っているわけです。そりゃそうでしょう。「フィニアスに恋して」の演奏ですからね(笑)。今時の20歳の娘がこういうのをやるのは異色だと、ライナーノーツに書いてあります。

6曲目《オール・ザ・シングス・ユー・アー》。この曲については一昨日の「PCMジャス喫茶」のところに書いたとおりです。

7曲目《ハーフ・ブラッド》。松本さんのオリジナル曲です。曲の感じは《ストーリー》と同じでこれも良い曲です。こっちの曲のほうが寂しさUPかな?(笑)故郷鳥取県米子市を離れ東京で一人暮らしをする松本さん。夜一人部屋に戻りベランダから月を見上げて涙する(あれ、どこかから引用してる?)。そんな心境を感じさせる曲です。ちょっとロマンチックすぎますか?(笑)

最後に、ピアノの弾き方は右手の単音に左手の和音を重ねるオーソドックスなバップ・ピアノですね。右手のタッチはまろやかですが、繰り出される音にはしっかりした芯がとおっているのも特徴です。これがかなり粒立ちの良い音で、聴いていると気持ちが良いです。

とまあ全曲について解説したのは、松本さんの色んな面が詰まったアルバムだからです。このアルバムはつまり「イントロデューシング松本茜」なのです。タイトルの「フィニアスに恋して」はマーケットでのウケ狙いですね。

ベースとドラムが松本さんのピアノのバック・アップに徹しているのも、今回のアルバムが松本さんのピアノを聴かせることに主眼を置いたデビュー・アルバムだからだと思われます。勘ぐると松本さんがベースとドラムとのインタープレイを重視する演奏に慣れていないのかなとも思います。

松本さんの今後の方向性として、フィニアスのようなバップ・ピアノ路線なのか、オリジナルをやるときのような繊細、叙情路線なのかというのが気になりますよね?

雲さんもそのことが気になったので、「快楽ジャズ通信」ではフィニアスをテーマにして、このアルバムからは《シュガー・レイをかけて、松本さんに質問していたのです。その結果は前に書いたとおりです。今後を見守っていきましょう。

でっ、次回のアルバムは12月に発売されます。それも2枚『バッハ・ジャズ』『バカラック・ジャズ』だそうです。クラシック界とポップス界から2大作曲家を選び、それぞれの曲を演奏するコンセプト・アルバムのようですね。どうやらフィニアス路線は本人の意向に反して封印されているみたいです。どんな演奏をしているか楽しみです。

余談をちょっと。

このアルバムのライナーノーツは岩浪洋三さんがメインで、寺島靖国さんと杉田宏樹さんも書いています。杉田さんのライナーは「スイングジャーナル6月号」のレビューとほぼ同じですが、問題は寺島さんです(笑)。

ライナーでは「《スーン》と《オール・ザ・シングス・ユー・アー》が好きで、今後長く聞いてゆくことになるだろう。」と書いていて、特に後者はお気に入りのようでした。雲さんだってこれを読んだから、「PCMジャス喫茶」でこの曲をかけて感想を聞いたんだと思いますよ。それがどうでしょう?私がレポートしているとおりのありさまです(笑)。ジャズ・ジャーナリズムって何?

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日本人ジャズを聴こう 久々!

明日は高野雲さんのラジオ版「快楽ジャス通信」の2度目の放送「ソニー・ロリンズ特集」です。皆さん聴きましょう!

全国コミュニティーFM局では毎週土曜日20:00~20:55に放送。
ミュージックバードでは毎週日曜日22:00~23:00に放送。

そして今日は久々!日本人ジャズを聴こう!です。

P187 今日紹介するのは、渡辺香津美『マンディ・ブルース』(1974年rec. RVC)です。メンバーは、渡辺香津美(g)、土岐英史(as,ss)、板橋文夫(p)、岡田勉(b)、日野元彦(ds)です。このころの渡辺はジャズです。フュージョンのフの字も出てきません。

全6曲中2曲が渡辺のオリジナルなんですが、タイトル曲《マンディ・ブルース》は曲名どおりブルージーな曲で、《オン・ザ・ホライズン》はコルトレーンの《ネイマ》を思わせるスピリチュアルでモーダルな曲と、フュージョンの渡辺からはちょっと想像がつかないです。両曲ともなかなか良い曲です。

それにしてもギターが上手いですね。この録音当時は21歳です。この歳にしてテクニック的にはジャズ・ギターを極めちゃっています。でも、個性という点ではちょっと弱いですね。胸に引っかかる何かを持っていません。まあこの歳ですからそれもしょうがないのですが、本質的にどこかジャズを傍観しているような感じがします。この後、フュージョンへ向かうのも頷けます。それが正解だったんじゃないかと思います。

土岐英史は、ご存知ジャズ・ヴォーカル土岐麻子のお父さんですが、その後はサンバ系フュージョンに行く人です。3曲に参加してアルト・サックスとソプラノ・サックスを吹きますが、この頃の演奏はコルトレーンの影響がみえみえです。ただし、スピリチュアル度はそれ程高くなく、土岐独特の爽やさなフレージングが私は好きです。

面白いのは土岐のバックで板橋がピアノを弾いている時やソロをとる時はマッコイ・タイナーに聴こえてきちゃうところです。本家マッコイからするとコテコテ度は落ちますが悪くはないと思います。日野のドラムはエルビンとは言いませんが、地にしっかり足の着いた重厚なリズムを刻んでいて好きですね。ベースの岡田はそつなく仕事をこなしています。

さて、土岐が参加していない曲やスタンダードの演奏はというと上記の理由でどうも物足りなさを感じます。《ラウンド・ミッドナイト》なんかも食い足りないような気がします。このアルバムは若き日の渡辺を捉えた記録として聴いておいたほうが良いというくらいかな。まあ、悪くはないですよ。

tommyさんから貴重なコメントをいただきましたのでここにそのままUPさせていただきます。tommyさんどうもです。

渡辺香津美はこの頃、高柳さんのところにピッキングだけ習いに通っていたそうです。ジャズなピッキングがどうしても気になったんでしょうね。ジャズもロックも同じではない・・・拘りが面白い。これは当時、高柳さんと頻繁に演奏していた池ちゃん先生から一昨日仕入れた情報です。タイムリーなネタでした(笑)。

(注)池ちゃん先生=池田芳夫さん(tommyさんのベースの先生

今年も「甲府ジャズストリート」(10/25土)が近づいてきました。昨年は渡辺香津美が来て生で超絶ギターを満喫できました。超感動しました(笑)。今年、近藤房之助はちょっと微妙なのですが、小沼ようすけ、谷口英治、川上さとみ、安富祖貴子は見たいです。

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日本人ジャズを聴こう 久々!

今日は久々に不定期企画「日本人ジャズを聴こう」にします。

紹介するアルバムはジャズ友tommyさん(ブログ:Tommy's Jazz Caf'e)からいただいたものです。tommyさんはベースを習っているのですが、そのベースの先生:池田芳夫さんのアルバムです。

tommyさんはこれのCDを持っているのですが、レコード好きな私のためにYahooオークションで落札してプレゼントしてくれたんですよ。凄くうれしかったです。聴いたら内容が凄く良いんで更に喜び倍増っていう感じです。

P134 さてそのアルバムは、池田芳夫&高瀬アキ デュオ『エスプリ(1981年rec. テイチク)です。デュオによるスタンダード6曲と高瀬さんオリジナルのピアノ・ソロ1曲の計7曲が収録されています。

何が良いかというとまずは池田さんの強靭なベースです。当時のテイチクのジャズ録音はなかなか力が入っていて、ライナーノーツには使用したマイクの型式などが記載されています。そのうえこのアルバムは当時話題だったデジタル・レコーディングが採用されているため、池田さんのベースがしっかり録音されていて、強靭な音の魅力をあますところなく伝えていると思います。

ベースは奇を衒ったところはなくオーソドックスにして腰の据わったところを聴かせます。1曲のみボウイング(弓弾き)もちょっとありますが良いアクセントになっています。こういう実力のあるベーシストが今はあまり紹介されていないことに問題を感じざるをえません。

一方高瀬さんは、ご存知のとおり今はドイツに住んでフリー・ジャズをやっている実力派ピアニストです。旦那さんはピアニストのアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハなんですから凄いです。2人で1年に1回くらいは来日していますよね。

このアルバムではフリーではなくバップ・ピアノを弾いています。ときおりフリーなアプローチも顔を覗かせますがご愛嬌程度です。この人のピアノは柔軟にしてかなり力強いです。コロコロ転がる右手と重厚な左手の和音のバランスが絶妙だと思いますね。やっぱりこの頃からピアノの実力は相当なものがあったのですね。

2人の相性も良くて非常に安心して聴いていられます。かなり充実のデュオ・アルバムで私は気に入っています。余談ですがライナーノーツにはお2人の若い頃のちょっとふっくらした写真が載っています。池田さんがサングラスをかけていて表情が分かりづらいのが惜しいです(笑)。

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ヴィンテージなデュオ

昨日の山梨は大荒れでしたが今日は荒れませんでした。昨日の山梨大停電、今日も全国ニュースでやっていましたね。停電によっていろいろなところで問題が発生していたようです。

P113 さて、雲さんとtommyさんが推薦していたけれど、甲府のCDショップには売っていなかった秋吉敏子&ルー・タバキン『ヴィンテージ~デューク・エリントン・ソング・ブック』(2008年、ティートックレコーズ)をAmazonで買ったので紹介します。

ちょっと話は脇道にそれますが、最近ネットで話題の田村翼『メモリーズ・オブ・サマータイム』をAmazonで注文したのだけれど、発送がかなり遅れたうえに、発送されたと思ったら今度は商品が届かないのです。既に注文してから2週間以上経ちました。こんなことは今回が初めてです。一体どうしたのでしょう?

ちょっと気になることがあります。それはこの商品が「佐川メール便」で発送されたということです。私の偏見かもしれませんが、佐川急便には疑問符が付いていてしまっているのです。佐川さん、疑問符を払拭してほしいよ~。それで今はAmazonで状況を確認中です。ちなみに後から注文した上記『ヴィンテージ~』は「佐川メール便」ですが問題なく届きました。

話は戻って『ヴィンテージ~』。タイトルでは秋吉敏子が先に記されていますが、これはルー・タバキンのサックス&フルートを主役としたアルバムですね。私には秋吉が夫タバキンを内助の功でサポートしている感じに聴こえました。

タバキンのサックスはウネウネしたフレーズで落としどころがよくわからないという印象があったのですが、ここではエリントン曲集ということもあってか、原曲を生かしたフレージングで勇壮なソロをとっているのがとても良いと思います。13曲中2曲で吹くフルートも力強くてイイのですが、なんか尺八的な響きが感じられるところがあって面白いです。

秋吉は円熟の境地でピアノを悠々と弾いている感じがします。こういうプレーは年齢を重ねないと出てこないですね。ソロなどもしっかりとっているのですが、全体としてはタバキンより目立つ感じはなく一歩ひいているように聴こえます。タバキンのバックに回ったときは本当にうまくサポートしています。内助の功だと思います(笑)。

私はこの夫婦デュオ、日本的な夫婦感に支えられた演奏に思えるのですがいかがでしょう? もはや他人が色々言うことはないまさにヴィンテージな演奏で、派手さはないですがじっくり味わえる内容になっていると思います。

さて話は変わって、ジャズ喫茶「いーぐる」8月16日(土)「納涼持ち寄り大会」が開催されるそうです。参加者持ち寄りのアルバムを気軽に楽しむお楽しみイヴェントとのこと。うれしいことに後藤さんからお声が掛かったので私も参加させていただきます。選曲が悩ましい・・・。楽しいイヴェントになりそうです。

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今日も日本人ジャズ

昨日私が「日本人ジャズを聴こう」というテーマでブログを書いていたら、ジャズ友tommyさん http://ameblo.jp/tommy-tdo/ も「日本のジャズを聴こう!」というテーマでブログを書いていました。紹介しているアルバムは別ですが趣旨はだいたい同じです。別に2人で示し合わせたわけでもないんですよ。でもシンクロしちゃった(笑)。

と言うことで、tommyさんのブログで激プッシュの『ヴィンテージ/秋吉敏子&ルー・タバキン』">を新星堂へ買いに行きました。甲府駅ビル「エクラン」の中にある新星堂です。ジャズの棚はたった2つしかありません。クラシックの棚の半分以下の面積の売り場ですよ。あ~あ、最近ジャズは肩身が狭いのです。

探したのですが、『ヴィンテージ』はありませんでした。やっぱ甲府の新星堂にはないのか・・・。ここで買わずに帰ると駐車場代が無料になりません。そこでひと通り棚に目をっとすことに。林栄一『マズル』が目に入りました。私は林栄一さんを「桜座」で2度見て気に入っていたのです。CDも2枚持っています。

私は結構勘違いが多いのですが、『マズル』は新作だと思い込んでいました。レジに持っていって、レジのスキャナで読み取るとCD表示価格より高いのです。すかさず店員さんが「CD表示は消費税が3%の時のです。」と、私一瞬何を言っているのかわかりませんでした。新作という思い込みがありましたからね。その場はまあいいやっ、と・・・。

もうひとつ、私は気付かなかったのですがケースにヒビが入っていたのです。店員さんがそれを見つけて「ケースにヒビが入っているので交換しましょうか?」とたずねてきました。「へえ、そんなことまでしてくれるんだ」と思いながら、交換してもらうことにしました。なかなか気の利いたサービスですよね。とっても気分が良いのです!

さて家に帰ってみたら『マズル』1990年発売のアルバムでした。なるほどそういうことか、当時は消費税が3%だったんですよね!そんな過去はとっくに忘れていました。そんなに古いやつが売れ残っていたんだ!だからケースにヒビがあったのかと納得しました。

でもそんなに古いならAmazonで安く売っているかも?と思って早速Amazonを検索すると、このアルバムは既に廃盤のようです。中古で¥4,500からでした。私はどうやら貴重な新品を手に入れてしまったようです(笑)。さすがは甲府の新星堂・・・。

P96 んで、やっとアルバムの内容について、メンバーは、林栄一(as)、石渡明広(g)、川端民生(el-b,per)、是安則克(b)、藤井信雄(ds)、楠本卓司(ds)です。ツイン・ベース、ツイン・ドラムで、「マズル」という6人のグループです。アルバムには4人での演奏と3人での演奏も1曲づつ入っています。

林さんは「桜座」で、板橋文夫(p)さんとのデュオ(私の桜座デビュー)と渋谷毅オーケストラのメンバーとして来た時に見ています。フリーキーなフレーズを交えた溌剌としたプレイとそのクリアで大きな音に惹かれました。渋谷毅オーケストラにはギターの石渡さんもいて、いろいろなスタイルを吸収していて場面にあった表現ができる柔軟なギタリストとして好印象を持ちました。

CDをセットして1曲目を聴いてビックリ!こりゃ、オーネット・コールマンの「プライム・タイム・バンド」のコピーじゃないですか?(笑) 林さんこんなこともやっていたんですね。でもやっぱり元祖のオーネットのほうがパワーがありますね。とはいえ、林流も楽しいですよ。オーネットよりスマートになっていて聴き易いかも?5曲目のタイトル曲「マズル」も林流プライム・タイム・バンドです。

2曲目のバラードは林のキレの良い澄んだアルトの音とすがすがしく広がりのあるフレーズが楽しめる曲です。3曲目はフリーで始まって、途中からファンクリズムにのって林がブリブリ吹きまくるカッコイイ曲です。ブリブリ吹くのですがクールさが漂うところがにくいと思います。この曲はギターとエレベとドラムとのカルテットで演奏しています。どちらの曲も石渡のギターが抜群のセンスでバックやソロを弾いていますね。

4曲目のレゲー調、6曲目のフリー、7曲目のアフリカン・リズムのちょっぴり混沌感(マイルスのオン・ザ・コーナーを洗練させた感じ)、8曲目のバリバリ・アコースティック・サックス・トリオ(う~ん、カッコイイ)とどの曲も聴き応えがあります。

そしてラストの曲「ナーダム」。この曲「渋さ知らズ オーケストラ」の最後に皆で歌って盛り上がる曲じゃ~ありませんか「オーオーオーオー、オオオーオーオーオー、オオオーオーオーオー、オオオオオオオオオー」ってやつです(笑)。この曲は林さんの曲だったのですね。アー、ビックリ! 「渋さ」はライブを見るだけでCDを持っていないのでやっている曲名は全く知りません(笑)。

聴いてほしい。でも廃盤!

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日本人ジャズを聴こう

不定期企画「日本人ジャズを聴こう」をこれからやっていこうと思います。これまでもTBM(スリー・ブラインド・マイス)レーベルから何枚かアルバムを紹介したりしていますが、これからは前記タイトルのもと、私が持っているアルバムの中から独断と偏見でアルバムを紹介していきたいと思います。紹介されることが少ないので少し光をあててあげたい!

どんなアルバムを紹介するかと言うと、「ジャズ批評」2006年5月号「特集和ジャズ1970-90」の辺りを中心にして最近のものまでです。もともとはTBMのアルバム集めだったのですが、お店の日本ジャスの棚でTBMのレコードを漁るうちに、他のレーベルの面白そうなものやオーディオ的に凝った物が自然に集まってしまいました。

P95_2 今日紹介するのは水橋孝『オンリー・トラスト・ユア・ハート』(1976年rec. RVC)です。 水橋孝のベースのヘッド?部分のクローズ・アップ写真のジャケット・デザインが?な1枚。

メンバーは水橋孝(b)、市川秀男(p)、ジョージ大塚(ds)です。A面の「黒いオルフェ~フェリシダージ」のサンバ・リズムにのった快演も良いのですが、私はB面が好きです。A面は水橋のベース・ソロが多いですが、B面は市川のピアノに光が当てられている感じです。

B面1曲目は市川のオリジナル「レディ・T」。始めのほうと終わりのほうで市川のパーカッシブ奏法がチラッと顔を出す、ちょっとせせこましい曲です。市川のクリヤーで力強いタッチのピアノが楽しめますが、意外と新鮮に聴こえるんですよ。水橋のベースはゴリゴリな音で無骨に迫ってきます。大塚のドラムもなかなかダイナミックです。リズムがあんまりスイングしないのがイイ(笑)。

2曲目は「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」。市川のピアノが光るスロー・バラードです。甘さとリリシズムのほどよいバランスで力強く弾いていくところがイイです。途中の盛り上がりがなかなかのハイライトです。水橋のベース・ソロはまあまあ。大塚のブラシも好サポート。でもこの曲は市川のピアノを聴くべき曲だと思います。

3曲目が私の好きな曲「オンリー・トラスト・ユア・ハート」。この曲だけ8ビートでやっています。この曲は激甘曲だと思っているのですが、ここでの演奏は甘さというより素朴さが感じられます。ちょっとトホホ感漂う8ビートが素朴さの要因だと思います(笑)。テクニック任せのカッコイイ演奏とは反対の、なんか和んじゃう、コタツでみかんを食べるような感じ?(笑)の演奏がイイ。

現代のテクニックある若者がやるカッコイイ演奏に比べれば、一聴ヘタに聴こえるかもしれないけれど味がある演奏。これはこれでもいいもんですよ。

¥1,500の普通のレコードなのですが、中域を中心に上も下もしっかり録音されていて、ピアノ強打が若干歪むくらいの勢い溢れる音が飛び出してくるのが、オーディオ的に◎だと思います。

話はかわって、雲さん(ジャズ&カレー評論家) http://ameblo.jp/jazzy-life/ が編集にかかわっている「最新美味いカレーの本」を買いました。山梨にも売っていましたよ。ページをめくる度にでるわでるわ美味しそうなカレーの写真。カレー好きにはたまらない一冊になっていました。

カレー店の紹介がメインですが、「ニッポンカレー近代史」や「傑作!おとりよせ ご当地カレーランキング」など面白い記事がたくさんありますよ。今度東京へ行ったらこの本の中から選んでカレーを食べてこよ~っと。カレー好きの方は是非読んでください。

Book 最新おいしいカレーの本 2008~2009 首都圏版―東京・神奈川・千葉・埼玉の最強カレー全123軒 (2008) (CARTOP MOOK)

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久々にスリー・ブラインド・マイスから1枚

tommyさんからのリクエスト?(笑)があるので、久々にスリー・ブラインド・マイス(TBM)レーベルから1枚紹介します。

以前ブログに書きましたがオーディオ的な興味から集めだしたんですが、いざ聴いてみると演奏も良いものが多いんですよ。今ではほとんど過去のものになってしまっているのが残念です。

P65 中村誠一の『アドヴェンチャー・イン・マイ・ドリーム』(1975年rec. TBM)です。メンバーは中村誠一(ts)、杉本喜代志(g)、板橋文夫(p)、成重幸紀(b)、楠本卓司(ds)です。録音エンジニアはいつもの神成芳彦、カッティングはあの小鉄さんじゃなくて中村進。TBMは知る人ぞ知る日本が誇るジャズ・サウンドなんです。

これは中村2枚目のリーダー・アルバムです。ご存知とは思いますが中村は山下洋輔トリオでフリー・ジャズをやっていた人です。これは山下トリオ脱退後のハード・バップ路線のアルバムです。テナーの音色はコルトレーン系の高域重視型ですね。キレが良くて楽器を良く鳴らしているのが気持ち良いです。

これ聴いてビックリなんですが今時の若手のサックス奏者のアルバムと比較しても違和感「0」です。最近の新譜といってもわからないのではないかと思います。33年前の録音ですよ!とってもクールで時にちょっとアブストラクトな感じもあるんです。ビエ~なところもあります(笑)。全4曲中3曲が中村作なんですがこれがまた今時の曲なんですよね。中村誠一恐るべし!

このギタリスト、私はよく知らないんですがなかなか今時のフレージングでバッキングとソロをカッコ良くこなします。 板橋のピアノがクールで熱いのが良いですね。なんかハービーやチックかと思うようなクールなフレーズを弾いていると思ったら、時にガーンと鍵盤を叩いたりします。板橋らしいですね。 ベースとドラムも中村のサウンドを理解して良いプレーをしています。

スタンダードの「ラバー・マン」はベースとドラムのトリオで演奏しています。スローテンポでじっくりとストレートに、コルトレーンのバラード演奏に近いのではないかと思います。コルトレーンの『ラッシュライフ』のような感じです。でも途中で抑えきれずにアチー・シェップのようなブリブリになっちゃうところがあるのもカワイイ。

70年代の日本のジャズは盲点だと思いますが、こんな熱くてカッコイイジャズもあるんですよ。でもこれCD化されていないみたいです・・・残念!

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今時の若手のジャズ

今時の日本の若手のジャズはなかなか凄いんだけど、これで良いのかなあ?と思ってしまうこの1枚を紹介します。

P57_2 「ワッツ・アップ?」という名のグループの『ミュージック・イズ・リアル』(2006年、コモド・デポ)です。ディスクユニオンの新譜紹介文を読んで気になっていたもので、例によってディスクユニオンのアウトレットで買いました。

メンバーは、福原巖(b)リーダー、田中洋一(tp)、河村英樹(ts)、堀秀彰(p)、安藤正則(ds)です。トランペットとテナーサックスをフロントに据えたオーソドックスなクインテットです。このグループとしては2枚目のアルバムで1枚目は自主制作だそうです。ライブ活動を中心にやってきたグループですね。

これを一聴してビックリしたのはとても上手いこと。ほとんど無名の人達でこれまでアルバムが制作できなかったグループだというのが信じ難いです。アルバム・ジャケットは何だかわかりませんが、音楽の方向性としては数年前に話題となった人気トランペッター:ファブリツィオ・ボッソがいるイタリアのグループ:ハイファイブ・クインテットと同じだと思います。

クラブ受けもするモダンなハード・バップでかなりセンスが良いものです。案の定このアルバムはイタリアなどのヨーロッパで、ジャズファンやDJの間で大人気だったそうです。今や日本のジャズも世界レベルです。このアルバムもメジャーなレコード会社から出てもっと宣伝されていれば、日本でも間違いなく人気が出たはずです。

今回新しいアルバム『ロスト・アンド・ファウンド』が出ました。ディスクユニオンの新譜紹介文によるとイタリアのジャズフェスであの「イディア6」と出演が決定しているとのことです。DJ須永辰緒さんもコメントを寄せていて「オレの好きなジャズに間違いない」と書いています。

これらのことからこのグループの音楽はだいたいわかってもらえると思いますので、細かいことは書かきません。8/2にはジャズ喫茶「メグ」でアルバム発売イベントがあるそうなので、そっち方面から今度はかなり人気が出るものと思います。

私も楽しく聴いていて文句なく心地良いです。でもそれだけかな。「それでいいじゃないか?」と言われればそうなんですが・・・。私としてはこれはこれで良しとしたうえで、ジャズを長く聴きいてゆきたいという人には、あえて少しひっかかりがあったり凄味があったりするジャズも聴いてほしと思う今日この頃なのでありました。

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上原ひろみ

上原ひろみは2作目『ブレイン』から聴いているのですが、これまで今一良さがわかりませんでした。それが前作『タイム・コントロール』を聴いたあたりから「うん、これは・・・」みたいな感じになり、最近やっと良さがわかって楽しめるようになった気がするのです。

別に演奏のテクニックがどうとかリズムがどうとかメロディーがどうとか言うのではなく、狙いが見えてきたのです。それは何かと言うと、上原の中には何か表現したい強い想いがあって、それを演奏に色濃く出しているようだということです。その思いに少し翳りがあり、現代の社会情勢に抱く不安を反映しているようで興味深いです。

私が今まで上原をなんとなくダメだと思ったのは、思いが強く出た音楽を好まなかったからのようで、簡単に言うと「うざい」感じ(笑)がしていました。それが別のところで聴いた新しいタイプのジャズにも似たようなタイプのものがあり、そういうものを多く聴くうちに自分の感覚が慣れて、最近楽しめるようになったようです。

P54 そこで今回の新作『ビヨンド・スタンダード』(2008年,TELARC)、今回もプロデュースは上原とマイケル・ビショップです。マイケル・ビショップは録音エンジニアということもあるので、音楽に関しては上原が主体でやっているものと思われ、そう考えるとたいしたものです。

メンバーは、ヒロミズ・ソニックブルーム:上原ひろみ(p,key)、デビッド・フュージンスキー(g)、トニー・グレイ(b)、マーティン・ヴァリホラ(ds)です。前作と同メンバーですね。グループとしてのまとまりはかなりのものに達していると思います。

このグループはあくまで上原がリーダーで、フュージンスキーも上原の音楽を表現する一メンバーだと思います。ただしフュージンスキーが入ってからは、トリオの時に飽和しかかっていた表現の幅が広がったのが良いと思います。

今回は皆が知っている曲を主体に演奏しているので、前作より聴きやすくなっていると思いますがあくまで上原サウンドです。この若さで上原サウンドと呼べるものを作ってしまったところには才能を感じます。ピアノはハービー・ハンコックやチック・コリアからの影響が見られますがそんなことはしょうがないでしょう。

各曲のアレンジは上原流で私は結構好きですね。「キャラバン」の途中でラテンが入るところなんかの手際はスマートですよね。あれ、ドラム・ソロの後はスティーブ・ガットしてませんか(笑)? 「レッド・ブーツ」は文句なくカッコイイ!私好きです。最近この手の硬派フージョンが少ないですよね。

最後の「アイブ・ゴット・リズム」はこれだけとってつけたような感じですが、上原が亡くなったオスカー・ピーターソンに捧げたということなので「あり」としましょう。テクニックは凄いですね。これだけ速弾きして一音一音の粒立ちが確保されているのはピーターソン並みか?

最後にボーナス・トラック。私はあんまり歓迎しないのですが今回は◎。何が◎かと言うとその録音ですね。まるでコンサート会場の客席にいて聴いているかのような音で録れています。客席の場所はというと、そうライブ・レコーディングの時にミキシング・コンソールが置かれている中央の辺り。レコーディング・エンジニアになった気分です。さすがのテラーク録音!ただし大きめの音で聴いて下さいね。

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早坂紗知さんの新譜「パルピタンテ!」

先日買ってきたCDの中から1枚紹介します。私のお気に入り早坂紗知さんの新譜『パルピタンテ!』(2007年rec. NBAGI Record)です。

P34 メンバーは、早坂紗知(as,ss,soprano recorder)、永田利樹(b)、新澤健一郎(p,syn)、小畑和彦(g)、北原雅彦(tb)、大儀見元(per)、アフリカン・パーカッションです。前回のアルバムは早坂さんと永田さんとドラムスのトリオでのライブ録音でしたが、今回は早坂紗知さんと永田利樹さんを中心とするグループmingaでのスタジオ録音です。前々回のアルバム 『ビート・ビート・ジャズ・ビート』 の発展型になっています。

1曲目は映画音楽をアレンジしたものです。ピアノ・ソロで始まり途中から全員で演奏し、ギターや手拍子が入ったフラメンコ調の楽しい曲です。途中トロンボーンの豪快なソロが出てきます。中盤アフリカン・パーカッションだけをバックに早坂さんがダイナミックなアルト・ソロをとると、もう一度全員が加わってお祭りムードが高まりつつエンディングへ向かいます。この躍動感は気持ちイイ!

2曲目は上記映画を見て早坂さんが作った曲です。最初永田さんのアルコ・ベースをバックに早坂さんがソプラノでクラシック調の叙情的なメロディーを奏でます。途中からテンポ・アップし映画の場面が急展開する感じですがここもクラシック調、さらに中盤からギターが加わりフラメンコ調の哀愁感のある曲になります。最後は早坂さんの情熱的なソプラノ・ソロからテーマに戻って終わり。これは今までになかった曲で早坂さんの新しい面が出た演奏です。

3曲目は永田さん作のジプシー調のメランコリックなワルツ曲です。ここでもアフリカン・パーカッションが躍動感を与えていて、深いベース音と美しいピアノの上で、早坂さんが気持ちよくソプラノでテーマやソロを吹いていきます。ギター・ソロやピアノ・ソロも曲を生かした気持ちの良いものです。さわやかな風を感じさせるオープンで爽快な演奏が良いです。

4曲目はトロンボーンが活躍するサンバ曲、アフリカン(ラテン)・パーカッションが盛り上げる中、早坂さんのアルトとトロンボーンがダイナミックなソロの掛け合いをするのがハイライトです。早坂さんのアルトは女性が吹いているとは思えない勢いが魅力です。この曲を聴いていると悩みが吹っ飛びそうです。

こんな感じで明るい躍動的な曲が続いていくわけですが、ソプラノ・ベース・ギターのバラードをいれつつ最後はフリー・ジャズできっちり決めてくれます。全曲聴くとかなり満腹感がありますね。早坂さんの魅力満載です。前作がサックス・トリオでシンプルに決めた反動なのか、今回はゴージャズに進化しています。

このCDはマイナー・レーベルのNBAGI Recordから発売されているので、地方ではお店で売っていませんし、東京でもディスクユニオンくらいしか置いていないのが残念です。でもネット検索をしたら早坂さんの応援ページがあり  http://www.ne.jp/asahi/stir/up/ こちらで購入できるようです。

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早坂紗知さんがお気に入り

最近女性のサックス奏者が増えていますよね。トランペットまでいますよね。まあこれは矢野沙織の成功があってのことだろうと思います。矢野沙織を最初に見たのは確かNHKの関東ローカルのニュース番組ですね。まだプロデビューする前の時です。サックスを吹く高校生がいて自分でライブ・ハウスとかに出演交渉して出ているとかいう内容だったと思います。その時の演奏はヘタクソでアドリブもままならない感じでした。その時はこんな娘もいるんだね~とそれだけでしたが印象には残っていました。

それからしばらくするとCDデビューしてその後はみるみる有名になりましたね。気にはなりましたがCDは買いませんでした。どうせアイドルなんだろうとたかをくくっていたんですね。でも一度は見てみたいということで、2年前に吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」でライブを観ました。矢野さんはシャイなんですね。曲紹介もなんかもじもじしている感じでした。さて演奏なんですが、なかなか上手でアドリブもそつなくこなしていました。スロー・バラードなんかもしっかりしていました。ひたむきな演奏姿勢には好感が持てましたね。それでCDは買ったのかって?残念ながら買っていません。何と言うのだろう私を惹きつけるものが足りないと言うのか・・・。

前置きはこれくらいにして今日は早坂紗知のお話です。早坂紗知は日本の女性サックス奏者の先駆けですね。早坂紗知との出会いは、Webサイト「JAZZ TOKYO」の新譜紹介をみて「ビート・ビート・ジャズ・ビート」を買ったことです。これがなかなか良いんですよ。その頃ライブもあったので吉祥寺のライブ・ハウス「サムタイム」へ観に行きました。2年前矢野さんを見たのと同じ頃です。いや~すごく良かったです。早坂さんの良さはあっけらかんとしたオープンな演奏につきますね。変にカッコつけたり斜に構えるようなところがなくとにかくそのまんま、女性の強さと優しさも感じられました。

ハーモニーがどうのリズムののりがどうのとかそんなことではなく演奏姿勢が前述のような良さを出しているのだと思います。そうそうアルトとソプラノ・サックスの2本同時吹きなんかもやるところがこの人らしさです。その時の衣装は黒いミニのワンピースに赤いハイヒールだったと思いますが色気というよりカッコイイんですよ、これが。御本人は演奏どおりのさばさば姉御っていう感じでした。その時のピアニストは黒田京子さんでしたが、彼女も良かったです。

P134 さて「ビート・ビート・ジャズ・ビート」(2005年、ンバギ・レコード)ですが、メンバーは、早坂紗知:as,ss、黒田京子:p、永田利樹:b,vo、フェローン・アクラフ:ds、Wabane Ndlaye Rosa:sabar,talking drumです。セロニアス・モンクの曲を2曲、オーネット・コールマンの曲を3曲やっていますが、それぞれの曲の特徴を生かしつつ、早坂流のオープンな感覚に溢れた力強いナンバーになっています。バーデン・パウエル作「カイ・デント」とセネガル民謡「ボヤ・バルマ」などはWabane Ndlaye Rosaのパーカッションが入って、ネイティブな力強さに溢れたナンバーになっています。早坂のサックスと黒田のピアノがとにかく楽しそうにプレーしているのが良いです。永田のベース、アクラフのドラムも一丸となって盛り上げます。ラスト「グッド・バイ」は早坂と黒田のデュオですが、ダイナミックにして深いです。女性のパワーを侮るなかれ。このアルバムは全体を通してオープンで力強さに溢れた楽しいアルバムです。N.Y.系のどちらかというとネクラ・サウンドとは対極にあるアルバムで、時々無性に聴きたくなります。これはマイナー・レーベルのCDなので入手は難しいかもしれないところが惜しいところです。

P135 次は「サンガ」(2005年rec. Ohari Records)です。メンバーは、早坂紗知:as,ss、永田利樹:b、フェローン・アクラフ:dsのサックス・ワン・ホーン・トリオです。大阪・和泉市「宝国寺」でのライブ録音です。前から買おう買おうと思っていてやっと最近買いました。このアルバム、前述した早坂さんの魅力がそのまま収まっています。フリー・インプロビゼーションの曲もありますが、メロディーもビートもありますからそれほど手強くはないです。録音もほとんど加工なしでライブの空気がそのまま入っています。ライナー・ノーツに「赤裸々な音。」と書いてありますが、まさにそのとおりだと思います。ここには等身大そのままの早坂紗知がいるのです。これはAmazonで入手できます。

私は早坂紗知さんに是非「桜座」か「アローン」に来ていただきたいのですがいかがでしょう?東京での平日のライブなんか見に行けませんからね。

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山中千尋の「アビス」

自分にとってどうでもいいスイングジャーナル誌の「ジャズ・ディスク大賞」の「日本ジャズ賞」の1位が山中千尋の「アビス」だったので、つい買ってしまいました。

P108 山中千尋のCDは澤野工房時代の3枚はもっていたのですが、ヴァーブへ移籍してからは買いそびれていました。というのも全部ピアノ・トリオで同じような内容だろうと思っていたからです。ところがスイング・ジャーナルのCD評を読んでいると今回はかなり違うとのことなので購買意欲が湧きました。「アビス」ではピアノのだけでなくエレピやオルガンも弾いていたんですね。エレピもなかなかいいじゃないですか。ベースのビセンテ・アーチャーとドラムスのケンドリック・スコットも方向性に合った人選ですね。

1曲目こそキースの軽快な美メロ曲で普通のピアノ・トリオ演奏ですが、2曲目はエレピでクラブ受けしそうなアップ・テンポ曲(山中作)をぐいぐい弾いていきます。なかなか気持ち良いな~。3曲目(9曲目)はロバート・グラスパーにも通じるものがありますね。そうそうロバート・グラスパーの「イン・マイ・エレエント」もベースはビセンテ・アーチャーでした。この曲の中盤のオルガン・ソロなんかはハービー・ハンコックの昔のシンセの雰囲気なんかも漂っています。おもしろい!6曲目「ジャイアント・ステップス」は3拍子のエレピ部と4拍子のピアノ部分を対比させていて、このアレンジもなかなか良いセンスです。8曲目なんかを聴いているとエディ・コスタの左手の重厚な和音の使い方からの影響を感じますね。山中のこういう弾き方は他にもいろいろなところで出てきて個性を感じさせます。

「アビス」は伝統を感じさせつつ新しさや山中の個性を前面に出した良いアルバムだと思います。今後も楽しみだな~。ところで山中千尋をテレビで見ましたが、この人かなり不思議オーラ出ていますよね。弾きながら鼻をスウスウ吸っているのがありましたが、あの時は風邪でもひいていたのかな?

P109 ついでに過去のアルバム「ホエン・オクトーバー・ゴーズ」(2002年rec. 澤野工房)をちょっと紹介します。メンバーは、山中千尋:p、ラリー・グレナディア:b、ジェフ・バラッド:ds、これ現行のブラッド・メルドー・トリオのベースとドラムですよね。澤野工房恐るべし。 このアルバム中のメドレー「バラッド・フォー・ゼア・フットステップ(やつらの足音のバラード)/スリー・ビューズ・オブ・ア・シークレット」が特に気に入ています。これムッシュかまやつとジャコ・パストリアスの曲のメドレーですよ!この2曲はよくマッチしていて違和感がありません。山中のこういうセンスは好きだな~。それから私、「スリー・ビューズ・オブ・ア・シークレット」が大好きです。ジャズ・オリジナル曲のなかでは屈指の名曲だと思っています。

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スリー・ブラインド・マイスの3枚

音が気に入ってスリー・ブラインド・マイス・レーベルのレコードを集めたという話を書きましたが、今日はその中のお気に入り3枚を紹介します。

P68 まず松本英彦の「サンバ・デ・サン」(1973年)。メンバーは、松本英彦:ts、市川秀男:p、水橋孝:b、関根英雄:dsです。 A面タイトル曲「サンバ・デ・サン」は松本のオリジナルで、軽快なサンバのリズムに乗って松本がテナー・サックスをバリバリ吹きまくる、とにかく気持ちの良い曲です。松本に続いてピアノ・ベース・ドラムスがソロを取りますが、いづれもダイナミックに決めてくれます。 次の「ステラ・バイ・スターライト」はミディアム・テンポで演奏され、これまた松本がバリバリとソロをとり、ピアノ・ベース・ドラムスがダイナミックに盛り上げる楽しいものです。

P69 次は土岐英史(土岐麻子voのお父さん)の「土岐英史カルテット”トキ”」(1975年)。メンバーは土岐英史:ss,as、渡辺香津美:g、井野信義:b、スティーブ・ジャクソン:dsです。これは土岐のファースト・アルバムです。 A面「ララバイ・フォー・ザ・ガール」は土岐のオリジナルのワルツ曲で、ソプラノ・サックスを吹いています。コルトレーン・ライクなところもありますが、フレーズはコルトレーンほどうねうねせず、ナチュラルで美しくかつパワーも感じさせるものです。ソロのバックでは渡辺がカッコイイコードをつけています。続く渡辺のソロもブルージーながらスマートなもので、テクニックはやはり凄いものがありますね。スティーブ・ジャクソンもうねりのあるドラミングで好サポートをしています。 次の曲「ダークネス」も土岐のオリジナルで、土岐はアルト・サックスに持ち替え、都会の夜を感じさせるバラードを淡々と美しく吹いていきます。渡辺のバッキングがやっぱり良いです。 このアルバムは一押しです。

P70 最後は福村博の「モーニング・フライト」(1973年)です。メンバーは、福村博:tb、向井滋春:tb、田村博:p、岡田勉:b、守新冶:dsです。このアルバムは福村と向井の2人のトロンボーン奏者の演奏が聴きどころです。福村はとにかく豪快にバリバリ吹くところが気持ち良いです。対する向井はテクニカルかつスムーズに吹いて好対照をなします。 A面タイトル曲「モーニング・フライト」は向井のオリジナルで、ミディアム・テンポのおおらかな曲です。両者の特徴が良くでたソロをとります。リズム陣も好サポートです。 次の「イマジネーション作品1番」は福村のオリジナル・バラード曲で、福村のワン・ホーンで演奏され、ゆったりおおらかなソロが快適です。

今回いづれもB面は紹介していませんが、皆さんが聴いた時のお楽しみということで・・・。ではこのへんでおしまい。

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