早坂紗知の『ミラグロス』がいい。
最近パソコンがまたフリーズするようになりました。どうやら3、4ヶ月でメモリーかなにかが飽和しているのではないかと思われます。で、仕方ないのでいつものとおりリカバリーをすることに。とうとう4回目です。4回目ともなれば慣れたものです。昨夜と今朝の作業でアプリのインストールもほぼ終了。それにしてもこのパソコン/OSには泣かされます。
さて、今日紹介するのは早坂紗知Stir UP!の『ミラグロス(奇跡)』(1995年rec. Off Note)です。メンバーは、早坂紗知(as,ss)、黒田京子(p,accordion)、フェビアン・レザ・パネ(p,syn)、金子飛鳥(vo,electric-vln)、永田利樹(b)、八尋知洋(trapdrums,per)、岡部洋一(trapdrums,per)、角田健(ds)です。サブ・タイトルが”世界中の子供達に捧げる”。
『JAZZ MASTERS MAGAZINE VOL.3』という本がありまして、「直感で選ぶ『ジャケ買い』コレクション」というメインの企画の中にこのCDが紹介されていました。ジャケットはメリー・ゴーラウンド。ぼやかした処理が良いではないですか。でも私の心を動かしたのはその評文。早坂さんの産休明け第一作とのことで、メリー・ゴーラウンドの音と赤ん坊の声で始まり終わるというのが気になったのです。
ちなみにこの本の表紙の写真はジャズ喫茶「ジニアス」です。レコードプレーヤーはガラード(手前)とトーレンス(奥)で、トーンアームはどちらもSME。
このアルバムは廃番なので中古をずーっと探していました。それが前回上京してのレコード・ハントの折にやっと見つかったのです。とうとう巡り合えた喜びはひとしおでした。
このアルバム、前半3曲はアフリカン・パーカッションが乱舞して曲想からは雄大なアフリカの大地を感じます。アフリカの大地に響く早坂さんのサックスが何とも爽快なのです。何て自由なんだろう。フリー・ジャズという意味ではありません。楽曲はきちんとしています。その音です。音の佇まいに自由を感じるのです。早坂さんのサックスってどうしてこんなに自由で伸び伸びとしているのだろう?と、いつも思います。本人の気持ちなんでしょうね。そこに惚れてます。
3曲の中ではアルバムタイトル曲《ミラグロス》が一番爽快です。アフリカの大地の上を早坂さんのソプラノ・サックスが優雅に舞います。続くピアノ・ソロ(たぶんレザ・パネさん)がまた優雅で爽快。バックに軽く入るコーラスはアフリカの大地に吹き抜ける涼やかな乾いた風の如し。何となく東洋な雰囲気も感じさせます。アフリカン・パーカッションのソロも元気ですね。とにかく気持ち良いです。
気分がアフリカのごとく雄大になったところで、4曲目《歪んだ三角形》は、金子さん(el-vln)、早坂さん(ss)、永田さん(b)による即興演奏。エレクトリック・バイオリンはギターのように聴こえ、そのロックな雰囲気が私は好きです。神経質にならないところが◎。続く《ベイビー・モンスター》は硬派の4ビート曲。こちらはアブストラクトなカッコいいピアノ・ソロ(たぶん黒田さん)がフィーチャされています。早坂さんのフリーキーなアルト・サックスの咆哮は痛快です。
続く《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ》はバラード。ピアノ(たぶん黒田さん、男前です。笑)とのデュオ。男前な(笑)早坂さんのアルトが太く胸に迫ってきます。小細工ではなく直球ど真ん中勝負。サックスを鳴らし切ることで聴く人を揺さぶるのです。日本人女性サックス奏者の草分け早坂さん。いや~っ、お見事!
続く《ガニメデ》はタイトルの響きのようなちょっとユーモラスなテーマの8ビート曲。こういう捻った曲もまた良いのです。こういう曲ではエレクトリック・バイオリンが映えますよね。ここではたっぷりソロ・スペースを与えられています。そしてラスト《子供達によろしく》は、日本の童謡~唱歌調。アルト・サックスとピアノのデュオで演奏されます。ベタな懐かしさです。私にはちょっと湿度過多。ビミューに苦手です(笑)。
全8曲、楽しいアルバムでした。中古を見つけたら即ゲットです!
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