ライブ

ヴィジェイ・アイヤ・トリオが来日!

今日、丸の内のコットンクラブからメールが届きました。

誕生月のプレゼントとしていくつかのミュージックチャージが無料になるとのこと。

3つのライブが無料になっていました。

その中のひとつが何と、↓ ヴィジェイ・アイヤ・トリオでした。

http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/vijay-iyer/

何~っ、私が注目しまくっているこのトリオが来るっ!!!

ミュージック・チャージが無料なら観たい。是非観たい。

でもね~。ライブは6/18(水)~6/21(金)。平日は無理(涙)。

あ~~っ、これが地方在住の悲しさ。

東京に住んでいる方が羨ましい。

まっ、私は無理ですが、皆さんには是非観に行っていただきたい。

そしてこちらがアルバム『アッチェレランド』収録《ヒューマン・ネイチャー》。

こちらは《ジャイアント・ステップス》。独特な美学があるよね~っ。

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スガダイロートリオのライブはとても楽しかった。

11月21日に 「桜座」 で「スガダイロートリオ」のライブを観て来ました。ダイローさんのトリオのライブは前から観たかったのでやっと念願がかないました。今回は志人(シビット)さんもゲスト参加するというのでこれも楽しみでした。

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実は「桜座」に来るのはかなり久しぶりです。3月の「甲府ジャズストリート」の時は他の会場で観たのでここでは観ていません。そうなると更にさかのぼって昨年12月の「だいだらぼっち」以来ということになります。すっかりご無沙汰していたことになりますね。

”NEWアルバム「刃文」発売記念・冬の西南ツアー”はここ「桜座」から始まるとのことでした。お客さんの入りはなかなか良く、私より少し上くらいの年齢をトップに若めの年齢層。女性も多め(ほとんどカップルだが)なのが、ダイローさんのファン層なのでしょう。

スガダイロートリオ:スガダイロー(p)、東保光(b)、服部マサツグ(ds)
ゲスト:志人(詩人)

1stセットが始まる前にチャップリン風衣装に扮したパントマイム&MC、場内は微妙な雰囲気だったように思います。「これって必要あるのかな~」と思った私。実はこれ、ノイズ中村さんのパフォーマンスでした。アンコールでノイズ中村さんと紹介されるまで私は気付かず、「桜座」の微妙な新パフォーマかと思っていたのです。失礼しました!

1stセットはトリオでの演奏。1曲目はモンクの《クレプスキュール・ウィズ・ネリー》に《男はつらいよ》のメロディーを混ぜた曲だと思ったのですが、家に帰ってからアルバム『刃文』を聴いてみると、《男はつらいよ》だという事が分かりました。でもライブの演奏は《クレプスキュール・ウィズ・ネリー》成分の方が多かったのではないかと思います。この2曲、とても上手くマッチしていて、山中千尋さんのアルバムで《やつらの足音のバラード》とジャコ・パストリアスの《スリー・ビューズ・オブ・ア・シークレット》のメドレーを聴いた時以来の、和洋折衷の好例だと思いました。《男はつらいよ》、途中に《ウエディングマーチ》のフレーズが入っていますよね。ライブでもやっていました。

2曲目はモンクの《エピストロフィー》。モンクの変なんメロディーとダイローさんの美しいメロディーセンスが実に良くマッチングしているのでした。そして3曲目がスタンダードの《ザ・マン・アイ・ラブ》。メロディアスで楽しい演奏。溢れ出るスイングに心がウキウキしました。以上3曲、オリジナル曲ではなくても間違いなくスガダイロートリオのサウンド。オリジナル曲を演奏するものだとばかり思っていたので意外な展開でした。

ここまで聴いて、これは王道ジャズピアノトリオだと思いました。「桜座」ならではのPAが効いたドッシリと安定感あるサウンドと相まって、実に揺るぎない堂々とした演奏になっていたからです。安易にオリジナルに走らないダイローさんのアプローチ、したたかかつ頼もしいではありませんか。ドップリとジャズに浸かって、個性を発揮しているところが素晴らしい! 「ジャズってこれだからいいんだよね。」と素直に思える演奏でした。

ちなみにここまで曲紹介はありませんでした。4曲目はオリジナルの《雨ニモマケズ》。宮澤賢治の「雨ニモマケズ・・・」にメロディーを付けた曲。《寿限無》と同様の発想ですね。ライブでは途中3人が詞を歌いながら演奏していました。独特な変拍子でグルーヴします。こういう難しいリズムの曲を一糸乱れず演奏するところは、さすがに長くやってきたトリオならではの一体感。これが実に良い曲で、私にはパット・メセニーの曲に通じる爽やかな風が吹いているように感じられました。

5曲目は《命の水》と、東保さんに言ったと思います。ワルツのリズムに乗ったメロディアスで心地良い演奏でした。6曲目は曲名紹介なし、たぶんオリジナル曲だと思うのですが私には曲名が分かりませんでした。4ビートで楽しくて迫力がある演奏。東保さんのパワフルで表情歌かなベース、服部さんのダイナミックでキレのあるドラム、トリオのサウンドをしっかり表現していました。

ダイローさんと言うと、フリージャズピアニストで壊れるくらいピアノを激しく弾く人というイメージがあるような気がします。でも実はとてもメロディーを大切にして、しなやかな面があります。もちろん曲によっては後半にピアノを激しく、肘打ちも交えて弾き、グシャグシャなフリーへと突入しますが、大半はメロディアスなピアノを弾いています。そのフリーにしても決してハチャメチャではなく、きちんと計算があると思います。トリオの演奏も同様にきちんと構成されています。

以上6曲で1stセットは終了。良いトリオですね~。3人が楽しそうに演奏してました。

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しばし休憩をはさんで2ndセット。またしても妙なパントマイムから。失礼! 志人さんが「スターウォーズ」のジェダイの騎士が被るような布を被って和風黒ずくめで登場。民話のような語りから始まりました。演劇の世界ですね。途中からスガダイロートリオの伴奏が入ります。ダイローさんも同じような黒布を被っていました(2曲目くらいで脱ぎました)。民話語りが終わると、ドラムだけをバックに怒涛の超高速ラップ! カッケー! スゲーッ!

次は明るくリズミックな曲でラップ。また民話語りがあって、その後リズミックな曲でラップ。テーマは男女の別れ? ラストは自然への賛歌を朗々とダイナミックにラップ、というような展開だったと思います。曲順とか曲数とか微妙に記憶がないので誤りがあったらごめんなさい。ピアノやベースのソロ中、志人さんが太極拳のような感じで踊っているも観ていて楽しいものでした。ラップのテーマは人間の機微や性と大自然への賛歌。志人さんの歌はとにかくパワフルで、聴く人をグイグイとその世界へ引きずり込んでしまいます。バックのトリオとも互角の勝負。

パフォーマンスはまるでミュージカルのようでした。ジャズと詩の朗読というと、昭和の世代がやるとどうしてもアングラな雰囲気と陰なイメージが漂います。ところがスガダイロートリオ+志人にはそういうアングラな雰囲気は希薄で陽な雰囲気があります。今時の言葉で言えば”エンタメ”か? それは”演劇”ではなく”ミュージカル”という言葉の持つ雰囲気が似合うように思いました。アンコールはノイズ中村さんも交えて楽しく演奏。

色々理屈をこねましたが、観ている時はそんなの抜きにとても楽しかったです。とにかくカッコいいと思いました。また「桜座」に来てほしいです。

ライブ後に買ったニューアルバム『刃文』にはスガダイロートリオの今が詰め込まれています。販売ルートは限られるようですが、是非入手して聴いていただきたい良いアルバム。今年のベストジャズアルバムに加えたいと思います。

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ジャケットの絵と皆さんからいただいたサインが合体して、素敵な雰囲気を醸し出しているではありませんか!

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スガダイロートリオ+志人ライブはカッコ良かった!

甲府 「桜座」スガダイロートリオ+志人を観てきました。

ダイローさんは何度も「桜座」に来ていますが、トリオで来るのは今回が初めてのはずです。荻窪ベルベットサンへ観に行けば良いのですがなかなか行けず、ユーストリームでしか観たことがなかったスガダイロートリオ。今夜とうとう生で観られました!

ファーストセットはスガダイロートリオの演奏、セカンドセットはスガダイロートリオに志人さんが加わってのパフォーマンス、どちらもそのカッコいいパフォーマンスに魅了されっぱなし。文句なく楽しかったです。

アルバム『刃文』をやっと買うことができました。もちろんサインもしていただきました。

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”NEWアルバム「刃文」発売記念・冬の西南ツアー”は今夜が初日。この後各地を回るのだそうです。スガダイロートリオが行く各地の皆様、観ないと損しますよ!!

ライブの模様は後日報告します。

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KOFU JAZZ STREETへ行ってきました。

昨日は「KOFU JAZZ STREET」へ行ってきました。例年の秋開催から春開催に移動したのかと思ったら、秋にもやるとのことでした。昨年の秋のジャズストが好評だったので春にもやることになったらしいです。「KOFU JAZZ STREET」は年2回体制になったということです。ジャズを観に行ける機会が増えるという意味では歓迎ですね。

今回の「KOFU JAZZ STREET」は観たい人ばかり。でも3ステージを3ヶ所で観るということになると3組しか観られません。よって泣く泣く選択しました。

最初は「Alfie」で安ヵ川大樹/西山瞳デュオを観ました。

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西山さんのピアノを生で観たかったのです。西山さんのCDは2枚持っています。昨年安ヵ川さんと西山さんはデュオ・アルバム『El Cant Dels Ocells』を出していてその再現。優しいデュオで、私には安ヵ川さんの人柄そのままが表れているように見えました。お2人の間には穏やかな空気が流れていきます。美しいメロディーとしなやかなグルーヴが心地良く、ハーモニーのセンスも素敵。1曲だけやったスタンダードのスイング感は最高で、心地良いアドリブに溢れていました。ラストにやったのは私の好きな曲《ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ》。これを聴いて思ったのですが、西山さんのアレンジって良く考えられているんでしょうけれどさり気なくて、薄化粧の美人という感じです。それから西山さんの喋りは、ピアノに向かっている時の楚々とした雰囲気と違って、そそっかしいおねーちゃんみたい(失礼)な感じになって親しみが湧きます。演奏終了後にそのデュオ・アルバムを買いました。もちろんサインもしてもらいましたよ。ここの音響はピアノが響き過ぎて繊細なニュアンスがスポイルされてしまうのが残念でした。

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サインをしてもらった後、西山さんの「また来て下さいね。」の言葉に私は「はい。」と答えながら、他のステージを観てしまいました。m(_ _)m 次は別な場所のライブを是非観にいきますので、よろしくお願いします。

次は「ALONE」で是方博邦 LIVE OF LIFE with 田村直美を観ました。

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是方さんのアルバムは『KOBE』だけ持っています。懐かしいフュージョン・アルバム。田村さんは昔大ヒットした《ゆずれない願い》のサビの部分が今でも頭の中にしっかり刻みこまれています。あれからどうしていたのか?懐かしい気分です。是方さんはもうギター職人の人のいいオッサン(失礼)。トークがもう下町のおちょうし者のオッサン全開なのです。1曲目はギター・トリオでブルース。もうひたすらファンキーな”コテコテ”ギター弾きまくり(笑)。タイトなドラミングとグルーヴィーなベースも”グリグリ”決まってました。トリオで3曲やった後に田村さんが登場。田村さんの歌はパワフルで昔のまんまです。”キレキレ”なハイトーンが凄かったです。最近出たお2人共演(2曲)のアルバム『LIVE OF LIFE』から2曲。是方さんご自身が良い曲と言ってやった《The wonderland of peace》は気に入りました。とにかく”ROCK YOU!”なステージは痛快無比。ここの音響はPAが大きすぎて田村さんの歌詞が聴き取りにくくなってしまうのが残念でした。

ラストは「Hops And Herb」で類家心平カルテットを観ました。

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ここが今回の本命。最後のステージにこれを選んだのは、アンコール演奏があって一番長く演奏してくれるから。最初はスタンダードをメローに演奏したので、「アレッ、こんなもの?」という感じだったのですが、2曲目からは凶暴な面を見せ、その後はもうとにかくカッコイイ!の一言。類家さんのトランペットはスケールがデカイ! これだけトランペットを吹き鳴らせる人はそんなにいないと思います。初期エレクトリック・マイルスのような凶暴性、片やバラード演奏の歌心、両方とも見事でした。鍵盤はキーボードのみでしたが、実はそこに仕掛けがあり、スタンダードや4ビートで見せるピアノはプリセットされたピアノ音で、エレクトリック・マイルスのような演奏の時は凶暴なフェンダー・ローズになるという具合でした。実に上手く使い分けていてなるほどと納得。今時のプリセットのピアノ音は凄く良いのでわざわざピアノを弾かなくても良いと思いました。ベースのぶっといグルーヴ、タイトなドラミング、グループとしてのまとまりも文句なく、さすがはレギュラー・カルテットなのです。もしジャズを聴いてみたいという人がいたら、理屈っぽくアルバムを推薦するとかではなく、類家心平さんのライブを観せに連れて行きます。これを観てカッコイイと思わないならば、その人はジャズを聴く必要はないと思います。アンコールでやったのはロイ・ハーグローブのメローな曲。ちょっと熱を冷ます感じでこれが染みました。ここの音響は最高でしたね。PA卓を操作する女性の方は多分一緒に連れて来ているんでしょう。CDを買おうかと思ったら持ってきているCDが少なかったようで、ライブ後に外であと1枚とか言ってました。私は帰ってから早速Amazonへ注文。

今回も3ステージを存分に楽しみました。やっぱりライブはいいな~。

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今週末は「甲府ジャズストリート」へGO!

甲府は昨日桜の開花宣言がありました。
家の近所の桜も咲き始めて、暖かい日が続いています。
いよいよ春到来ですね。

そんな春の陽気に誘われて、「KOFU JAZZ STREET」が今週末開催されます。

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6組の皆さんが、甲府の一夜を楽しく盛り上げてくれます。

・桜座 : ナオミ&ゴロー&菊地成孔
・コットンクラブ : 平賀マリカ&大隅寿男 feat. 太田剣
・Alfie : 安カ川大樹デュオ(西山瞳)
・ALONE : 是方博邦 LIVE OF LIFE with 田村直美
・THE VAULT : 梅津和時 太田恵資 鬼怒無月 UNIT
・Hops And Herbs : 類家心平カルテット

一流の演奏が直ぐ近くで観られます。

オープニングセレモニー 17:30~18:00 @桜座
1st. 19:00~  2nd. 20:30~  3rd. 22:00~ @各お店

6店舗共通パスポートチケット 前売券6000円 当日券7000円

3月23日(土)、皆さんジャズを聴きに行きましょう!

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「甲府ジャズストリート」が春になってしまった!

今日は3月11日。東日本大震災から2年ですね。TVはこのニュースで溢れてます。なかなか復興が進まないようで、う~ん大変。あの日を忘れないようにしつつ、とにかく前に進んでいくしかないですよね。

さて、これまで「甲府ジャズストリート」は秋(10月)に実施されていたのに、今年はなぜか春(3月)に実施されるようです。どういう事情でこうなったのかは不明。3月23日に開催されます。

今年は観たい人がたくさん来るので迷わず観に行くことにします。

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会場は6ヶ所です。

・桜座 : ナオミ&ゴロー&菊地成孔
・コットンクラブ : 平賀マリカ&大隅寿男 feat. 太田剣
・Alfie : 安カ川大樹デュオ(西山瞳)
・ALONE : 是方博邦 LIVE OF LIFE with 田村直美
・THE VAULT : 梅津和時 太田恵資 鬼怒無月 UNIT
・Hops And Herbs : 類家心平カルテット

やばっ、3ステージなのでどれを見ようか悩んでしまいます。
う~むっ・・・、嬉しい悩み。
西山瞳さんと類家心平さんと是方博邦さんかな?

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「だいだらぼっち」のライブを観てきました。

一昨日は甲府「桜座」で「だいだらぼっち」のライブを観てきました。

P135だいだらぼっち」はボーカルの酒井俊さん、アルトサックスの林栄一さん、ピアノの田中信正さんの3人からなるユニットです。酒井さんのライブはこれまで2度観て気に入っていました。今回は私が好きなサックス奏者の林さんと一緒に来るということなので楽しみにしていました。田中さんは今回初めて聴きました。

この日は銀座通りが久しぶりに賑やかで、露店がたくさん出てあちこちから美味しい匂いが立ち昇っていました。ワイン祭りだとか。街が賑わっているのを見ると何だか嬉しくなりますよね。でもめちゃくちゃ寒かったのでお客さんの出足には影響したことでしょう。

酒井さんのライブを初めて観たのはピアノのスガダイローさんとのデュオでした。私はスガさん目当てだったのですが、酒井さんの何ともファンキーな立ち振る舞いが妙に印象に残って気に入ってしまったのです。2度目はギターの今堀恒雄さんとのデュオ。酒井さんは何も変わらないのですが、ギターとやるとピアノの時とはまた違った雰囲気が醸し出されていました。

そして今回が3回目。3回目にしてやっと酒井さんの音楽が把握できた感じです。一番の魅力はその人柄。飾らず自然体でちょっとお茶目で癒し効果があります。喋り方や仕草はとてもチャーミング。そんな人柄がまんま歌になっているのですから魅力的なのです。結構濃いめのテイストでメッセージ性の強い歌を歌ったりするにもかかわらず、これが何とも柔らかく優しくて、聴き終わった後は得も言われぬ温かさに包み込まれます。

ご自分の曲の他に林さんや田中さんの曲に歌詞をつけて歌います。この詩が日常をさりげなくユーモアを交えて描写していて、聴いていると自然と顔がほころんできてしまうようなもの。酒井さんの人柄そのままですよね。なんとも言えない素朴な味わいが心地良いです。

今回ミュージカルで歌われる歌を歌う前に、場面の説明などをしたのを聞いていて分かったことがあります。酒井さんの歌い方はこの歌だけではなく他の歌もミュージカルなのです。お客さんに語りかけ場面が見えてくるような雰囲気で歌いかけてくれます。だからいわゆるジャズ・ボーカルとは異なります。他の誰でも似ていない酒井俊ワールドです。

ジャズのスタンダードの他に、エルビスやボブ・ディランやエルトン・ジョンなどの曲も歌いますが、情感溢れる歌い方でやっぱりベースはミュージカルのように感じます。曲によって色々なシーンに出会えます。

今回初めて聴いた田中さんはこのユニットのベース(基盤)を作っていました。アドリブとかではなく酒井さんが自由に歌えるように曲を構築していきます。力強く骨太で頼もしいピアノを弾いていました。

林さんのアルトサックスはとにかく音が最高。ホッコリ温かく抜けが良い音。この音を聴いているだけで幸せな気分になります。そこに時々フリーにまで突入する熱さが加わって聴く人の心を揺さぶります。このユニットではちょっと控えめのサポートに徹し、やるときにはやるいい仕事っぷりでした。3人の連携はとても良かったです。

1stセット、冒頭《エドガーの日常》からもう上記の酒井俊ワールドに引き込まれてしまいました。エルトン・ジョンの《ソーリー・シームス・トゥ・ビー・ザ・ハーデスト・ワールド》も情感が溢れてました。そして1stラストが林さんの《ナーダム》。この曲が好きなんですよ、私。これに酒井さんが歌詞をつけ、歌詞のとおりお祭りムードがあって楽しくてしょうがありませんでした。この曲を聴いていると体からパワーが湧き上がってきますよね。その上林さんのアルトが歌い踊るわけですからこれはもう文句なく最高でしょ!ピアノとのデュオも1曲ありました。

2ndセット、林さんとのデュオでスタンダード・メドレーから。こういうジャズもいいんですよ。聴かせます。2曲目《寿限無》。ダイローさんのバージョンの間に”外郎売り”の口上が入ります。ここではフリージャズも交え、ダイローさんとのデュオではぎこちなかった部分が見られたのが熟成され完成の域になっていました。なるほど、こういう形で自分のものにしていくんですね~。酒井さんの《花身》はメッセージ性が強く、曲調から井上陽水の《あこがれ》を思い出してしまいました。林さんの曲に酒井さんが歌詞を付けた《回想》も素敵でした。

アンコール、「林さんがチンドン屋をやりたいからこれ。」と酒井さんが言ってから始まったのが《喜びも悲しみも幾歳月》(笑)。なるほど、林さんの演歌アルトがいいんですよ。酒井さんの歌も勇ましかったです。面白いMCの後にもう1曲。《真夜中のギター》で静かにエンディング。最後まで酒井俊ワールドでした。

とても寒い夜だったのですが、心が温まる雰囲気に包まれた楽しいライブでした。
林さんいじりと自虐ネタの酒井さんのMCも楽しかったです。

P136ライブがとても良かったので、「だいだらぼっち」のCD『螺旋階段な日常』を買いました。聴いてみたら、ライブでやった曲がほとんどでした。なるほど今回のライブはレコ発ライブでもあるのかと納得。ライブのような迫力はありませんがCDにはこのユニットの音楽がまんまパッキングされています。これでいつでも酒井俊ワールドが聴けるようになりました(笑)。

P137_2CDには3人のサインをしていただきました。ラッキー!

なかなかメジャーで話題にならないのですが、良い音楽というのは色んなところに存在しています。そういうものにできるだけ多く触れていけたら良いなあと思っています。そして拙いながらボチボチ紹介していければ良いなあと思っています。

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”EDGE”のライブは最高のカッコ良さ!

昨日は甲府 「桜座」 で「EDGE」のライブを観てきました。

午後7時開場、午後7時開演ということで、7時頃に「桜座」がある甲府の中央商店街に入ったのですが、”人っ子一人いない”という状態にかなり近いのです。甲府の中央商店街の悲惨な現状に改めて愕然。山梨県の県庁所在地である甲府市、その中央商店街はもう大変です。一極集中東京で生活している人達に地方(とは言っても山梨県は一応東京都の隣)の悲惨な状況は分からないでしょうね。ちっともよくならない生活。政権争いを繰り返している政治家にはもううんざりだわ。野党もふざけたこと言ってんじゃないわよ。国会議員としてやるべきことをやりなさいよ!(笑)

P89気を取り直しまして、「EDGE」というのはドラムの藤掛正隆さんとベースの早川岳晴さんを中心にしたセッション活動のようです。今回はサックスの佐藤帆さんとトランペットの辰巳光英さんが加わってカルテットによるライブでした。

そのサウンドを一言で言うと”音響系フリーロック/ファンク”。そして演奏姿勢は間違いなくジャズです。私はこういうサウンドが大好き。それは私がどっぷりジャズに嵌ったきっかけとも言えるマイルスの『パンゲア』を聴いた時、”ビビッ”と来た体験に由来するものです。混沌と秩序の狭間にあるヴィヴィットなサウンドはとても格好良いものでした。目の前で音楽が生まれていく快感。

途中、マイルスの《シュー/ピースフル》のようなベースラインが出てきたり、『パンゲア』冒頭のアップテンポでマイルスが”プッパ、プッパ、プッパ、プッパ”と吹くような感じのところがあったり、刻々と表情を変化させる30分くらいの長い演奏からして、やっぱりエレクトリック・マイルスを引き継ぐサウンドなのだろうと思います。

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トランペットの辰巳さんはエフェクトをかけたトランペットの他にテルミン、そしてスマートフォンくらいの楽器?を使ってギターのような演奏をしていたのですが、あれはスマホで、その音楽ソフトなんじゃないかというのが私の推測。スマホのギターソフトでエッジが効いたソロをとっているのを見て、要はセンスの問題なんだという当たり前のことを実感。最初はトランペットのマウスピースを抜いて吹いたり、セカンドセットではテルミンの前で踊りながら演奏したり、ユニークかつエキサイティングな演奏に魅せられっぱなしでした。トランペットはポスト・エレクトリック・マイルスですね。MCも担当していてそのノホホンとした語りはいい味を出してました。

あまりにユニークな辰巳さんと比較してしまうとテナー・サックスの佐藤さんは普通の演奏。ファンキーなテナーの合間にはコルグの小型キーボードで色々なサウンドを加味していました。場面によっては轟音で吹くところがあるからでしょうか?セカンドセットに入ってからリードがダメになって交換していました。この2フロント、かなりの攻撃力です。

ベースの早川さんは轟音エレクトリック・ベース。独特な音です。”グウィン・グウィン”とベースが唸りをあげます。チョッパー/スラップはやりません。あくまで爪弾きで強力にグルーヴ。途中”グウィン・グウィン”な音を更に締め上げ強烈に刺激的なソロも披露。黙々とベースをグル―ヴさせ続ける早川さんには職人を感じます。昔流行った言葉でいうと”ガテン系”。バンダナを巻いているところが正にそれです(笑)。

ドラムの藤掛さんはプロレスラーの佐々木健介に似てます。あまり難しいことや小細工をやらずにシンプルなドラミングです。ヘビーなグルーヴはデニス・チェンバース系。場面によっては小型のサンプラー?を使ってミニマルなリズムを出すことも。マレットでのスピリチュアルな演奏、ブラシでのジャジーな演奏もありました。そういえばドラムソロはやりませんでしたね。ガテン系早川さんとレスラー藤掛さんのコンビが叩きだすリズムは強烈過ぎです(笑)。セカンドセットの2曲目は変拍子も炸裂してました。

ファーストセット2曲、セカンドセット2曲、数曲のメドレーなのか?1曲なのか?曲名も不明ですがそんなことはどうでもよくて、とにかく密度の濃いテンションの高い、名前のとおりエッジの効いた演奏が繰り広げられました。アンコールはセットのような演奏はできないからというMC後に《フットプリンツ》。ソロはエフェクト・トランペットとベース。これまた格好良い演奏でした。

こんなにカッコイイ演奏なのに、お客さん一桁はちょっとかわいそう過ぎ。お客さんは少ないのに演奏には一切手抜きなし。ガチンコ。感謝です。ちなみに今回の客の中で最年長は私だと思われます。年寄りに聴けとは言いませんが、若い人にはもっと聴きに来てほしいところです。有名どころしか、皆が聴く人しか聴かないという今日この頃の若者。残念過ぎ。もし皆さんの近くで「EDGE」が観られるなら絶対行くべし!

こういう人達を呼んで最高の音響と照明で魅せてくれる「桜座」には感謝。こういう場所が甲府にある幸せ、皆分かっているのかな~。

最近出た下記CDを買って来ました。観たライブの雰囲気が詰まっています。

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「JAZZ STREET KOFU 2012」を楽しむ。

昨日は「JAZZ STREET KOFU 2012」へ行ってきました。甲府のジャズ・ストリートは今回で7回目です。私は甲府に帰ってきてから毎年行っていたので第2、3、4、5回を観ました。昨年は観に行かなかったので、ジャズストリートを観るのは今回が5度目です。今回の人の出具合は一昨年並みだと思います。やたら多いというわけではいけれど、かと言って少ないわけでもありません。やっぱり主体は中高年。若いお客さんは少ないです。女性も結構来てます。

6ヶ所で6グループがライブをします。一夜限りのイベントで3ステージしかないので1ステージずつ観ると3グループしか観ることができません。各ステージはだいたい1時間。

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この6グループの中から3グループを選びました。

最初はAlfie大森明、村田憲一郎カルテットを観ました。
メンバーは、大森明(as)、村田憲一郎(ds)、佐々木悌二(b)、古谷淳(p)。
ちなみに古谷さんは山梨出身で、活動も山梨を中心にしています。

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フラッシュなしでピンボケ写真になってます。ご容赦。

開演までにお客さんが少なかったので心配しましたが、演奏中に徐々に席が埋まりました。最初のステージだからこんな感じでしょう。Alfieはレストラン・バーなので飲食代が高いです。私はビールとバーボン水割りを飲みましたが各1000円。ここには凛々しいバーテンダーのお姉さんがいてなかなかカッコ良かったです。

オーソドックスなワン・ホーン・カルテット。スタンダード3曲にオリジナル2曲の全5曲を演奏。テーマを演奏した後、大森さんのアルト・ソロを主体にピアノ・ソロ、ベース・ソロ、ドラム・ソロを回すというお決まりの展開。勢いのある曲からしっとりバラードまで、いわゆるジャズを心地良く楽しめました。大森さんがソロの途中に時々挟む引用フレーズをニンマリしながら聴きました。私は山梨出身の古谷さんのピアノが聴いてみたかったのですが、特に凝ったことをするのではなく、瑞々しい感覚のフレージングでピアノを弾いていました。こういうオーソドックスなジャズを続けているベテランの存在。なかなか話題に上りませんが、日本のジャズを支えていることに間違えありません。

次はALONE市原ひかりグループwhitマヤ・ハッチを観ました。

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ALONEは甲府の老舗ライブハウス。その昔はジャズ喫茶でした。マスターは結構有名人。1ステージが終わってすぐに移動したので席がありましたが、遅れてくると席がないくらいの込み具合になっていました。このグループは人気がありますね。生ビールとフライドポテトを頼んだのにフライドポテトが忘れられてました。なのでステージ終了時に返金してくれました。そのくらい混雑してました。

市原さん、一昨年同イベントで観た時(別の場所)はPAなしで苦しそうにラッパを吹いていたのですが、今回はPAもあっていい感じに吹いていました。オープン、ミュート、フリューゲルホーンを適宜使い分けての雰囲気ある演奏でした。最初2曲は市原さんのワン・ホーン・カルテット演奏。途中からハッチさんが入っての演奏。ハッチさんは今時のカワイイ娘。喋り方や雰囲気が何となく夏川純でした(笑)。アメリカ生まれなので英語の発音は問題なし。アメリカと日本で生活してきたそうなので日本語もペラペラ。バイリンガルですね。《イパネマの娘》《オン・グリーン・ドルフィン・ストリート》など4曲ほど軽快に歌ってくれました。私、ハッチさんのボーカルがかなり気に入ってしまいました。今年出たアルバムを買おうかと思うくらいです。ハッチさんが楽しそうにMCをするので、市原さんもつられて楽しそうにMCしてました。楽しい雰囲気で場内が盛り上がるのはこういうジャズ・イベントならではの良さです。こちらは中堅/若手のジャズでした。頑張ってます。

最後はTHE VAULT三好”3吉”功朗、則竹裕之スペシャルユニットを観ました。

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THE VAULTはオーストラリアスタイルのバー、店内は広いです。確かマスターがオーストラリア人で、スキンヘッドの体格の良い方です。ギネスビールとポテトフライを注文。ALONEで食べそこなったのでリベンジ(笑)。ギネスビールは香ばしい風味で美味しかったです。

ここはもう則竹さんのドラムが目当てです。私は則竹さんのシャープでタイトなドラミングが大好きなのです。リーダーの3吉さん。全く存じ上げませんでした。ゴメンナサイ! このグループはハード・フュージョンですね。とは言ってもバカボンさんの曲や3吉さんの曲は美メロフュージョンでもありました。《ひょっこりひょうたん島》とかやったり途中口笛を吹きながらギターを弾いたり、3吉さんはおちゃめです。テレキャスター?とセミアコを使い分けてました。秋田さんはキーボードとピアノを弾き分けていました。カッコいい今時のお兄さん。ラストにやったバカボンさんの曲で、バカボンさんの超絶壮絶ベース・ソロに感動しました。いやはや凄かった! 則竹さんは相変わらず文句のつけようがないドラミング。グレイト! アンコールの3吉さんの曲は《明日幸せが来るように》(かなりの酔っ払い状態で曲名を忘れてしまいました)とかのタイトルで凄く良い曲でした。幸せな気分で終了!こういうフュージョン・グループも日本のジャズにおいては根強い人気があります。

前の方に女性3人のグループがかぶりつきでした。ハンサムな則竹さんのファン?他に秋田さんの目の前に座ろうとした女性1名は相当な秋田さんファン。もう一人休憩時間中に則竹さんのドラムセットの近くまで見に行っていた女性は則竹さんファンに違いありません。熱烈な女性ファンがいるのも2人のハンサム・ガイならでは(笑)。

則竹さんのドラムセッティングが3年前のジャズストリートの時と変わっていました。3年前はスネア、タム、シンバルをほとんど水平に並べた当時流行りのスタイル。今はもう少しオーソドックスな立体配置で規模も小さめになりました。写真のとおりです。

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私、結構ドラムマニアです(笑)。則竹さんくらいになるとさすがで、ドラムのセッティングをやる人が一緒に来ていました。神保彰さんの「ドラムからくり」(ワンマンオーケストラ)の時もドラムのセッティングをやる人がついてきてました。こちらはセッティングが大変でしょうからね。

というわけで、3グループを酔っ払いと化しながら楽しんできました。
こういうお祭りジャズイベントも楽しいものです。

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明日はJAZZ STREET KOFUです。

明日は「JAZZ STREET KOFU 2012」です。
一夜だけのこじんまりしたイベントです。
昨年は観たい人があまりいなかったので行きませんでした。
今年も絶対に観たい人がいるというわけではありません。
とは言いましても、年に一度のジャズイベントであります。
行ってお祭り気分を味わってこようと思います。

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出演者はこんな感じです。
6ヶ所で各グループ3ステージあります。
1ステージずつ観ようとすると3ヶ所3グループしか観ることができません。
ステージの途中で移動するのはせわしいので、
私は毎年3グループ観ることにしています。
さて、どういう順序で誰を観るか? 悩ましいところであります。

パスポートチケットが前売6000円、当日7000円ですからね。
飲食代は別料金ですし。
今回はどのくらい人が集まるのか気になるところです。

話は変わりまして、今新譜CDが続々と届いてます。
聴いてレビューを書かなければいけないんですけれど、
今はレコード三昧なので新譜CDをあまり聴いていません。

今手元にあるのは(届いた順)、

ミゲル・セノーン『RAYUELA』
マイケル・フォーマネク『Small Places』
ダニー・マッキャスリン『casting for gravity』
ネナ・チェリー&ザ・シング『The Cherry Thing』
クラレンス・ペン『Dali in Cobble Hill』
マーク・ジョンソン&イリアーヌ・イリアス『Swept Away』

届くのを待っているのが、

ピエール・ド・ベスマン『Go』

来週から順次紹介していければと思います。

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