レコードプレーヤー探訪 KP-7300
20年ほど前にトリオのKP-7300を入手したことがあったのですが、
少し使用してヤフオクで売ってしまいました。
その時は詳しく見ていなかったので、
レコードプレーヤー探訪記事用に入手しました。
ヤフオクの¥1,210ジャンクです。
ダストカバーにシールが貼ってあり、ネームプレートがありません。
KP-7300のネームプレートは両面粘着テープで貼ってあるので、
経時劣化で位置がずれてしまったり、外れてしまったりします。
ゴムシートは比較的きれいでストロボスコープも剥がれがありません。
キャビネットに貼ってあるシートは角が少し捲れたりしています。
プラッターの円周部分に擦れた跡があるのは、
輸送時の振動などで瞬間的に強い力が加わり、
モーター軸が傾いたり曲がったりして、
プラッター端がキャビネットにぶつかったということです。
軸は弾性変形なのでプラッターがキャビネットに擦れ続けることはありません。
こうならないように重いプラッターは外して輸送すべきです。
トーンアームはしっかりした良いものですが、
個人的にはインサイドフォースキャンセラーがないのがN.G.です。
モーターなどが収まっている部分に厚めで重い鉄板の底板があり、
トーンアーム下部は例のMC材の錘が貼り付けてあります。
モーターのトルク変動でキャビネットが水平回転するのを抑えるための錘。
脚は主に垂直に弾性を持つようになっています。
取付けネジはM6で長さが長くなっています。
キャビネットの中はモーターと回転制御基板と電源回路だけなのでシンプル。
電源トランスは防振ゴムで浮くようになっています。
制御回路はシンプル。
モータートルクを大きくするにはコイルに電流をたくさん流す必要があり、
駆動するトランジスタは大きいものが3個ついています。
放熱のためにトランジスタはアルミ板に取付けてあります。
モーターと電源回路基板。
モーターケースは鉄板で軸受も厚い鉄板です。
電源フューズが付いていないのは安全上問題があります。
フューズホルダーを付けるパターンがあるのになぜだろう。
モーター起動時に突入電量が多くてフューズが切れやすく、
それでフューズを入れられなかったのかも?
ちなみにソニーのレコードプレーヤーもほとんど電源フューズがないです。
モーターはしっかりしたアルミダイカストのベースを介して
キャビネットに取付けられています。
モーターケースは浅いカップ形状。
30スロットのステーターが緻密でカッコイイ。
ケースの中に制御回路はなし。
ローターは厚めの鉄板でプラッターが重いので軸はかなり太いです。
似たような構造のKP-M350のモーターと比較してみました。
軸受の穴径がかなり違うことが分かります。
左:KP-M350、右:KP-7300
プラッターは重量2.6kgで慣性質量は440kg・cm2。
外周が厚いだけでなく平たい部分も厚めです。
回転数が不安定なので速度調整ボリュームに接点復活剤を
かけようとしましたが密閉構造なのでそのまま。
速度切替スイッチの押し方によっては回転しないこともあるので、
これはもうスイッチの接触不良が疑われました。
電源ON/OFFと回転数切替が一体化したスイッチは、
2段重ねのマイクロスイッチになっています。
上が速度切替用で下が電源ON/OFF用です。
右側の速度切替スイッチが接触不良です。
他のレコードプレーヤーから外した接触抵抗に問題ないものに交換。
オヤイデのストロボパターンにネオンランプを当てて回転数を確認。
スイッチ交換で正常に安定して回転するようになりました。
モータートルクは1.1kgなのでプラッターが定速回転になるまで
時間がかかります。
しっかり作られたレコードプレーヤーであることを再認識。
私はシンプルなデザインも好きです。
ラックに載せてしばらく使ってみました。
実はKP-7300をもう1台安く落札してネームプレートを移植しました。
トーンアームにインサイドフォースキャンセラーがあればなぁ~。
良いレコードプレーヤーだと思います。
しばらく使った後、ハードオフへ売りました。
そこそこの値で売れたのでニンマリ。
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