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レコードプレーヤー探訪 QL-F55

これもまたモーターが見たくて入手。
ビクターのQL-F55、ヤフオクでジャンクを1000円落札。

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ダストカバーの蝶番が1個ありません。
はなからこれを使う気はないのでO.K.。
ばらして中を見て、モーターが使えそうなら使ってみるか
というところです。

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ゴムシートの表面はレコードが滑らないように独特な仕上げ。
この頃流行りのローマスストレートパイプのトーンアームは
見るからに華奢です。

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ダストカバーの蝶番が1個ないのといい加減な梱包のせいで、
トーンアームは輸送中に根元からポッキリ折れてしまっていました。
ご覧のとおり根元がプラスチックなのでこうなります。
普及品はここがプラスチック製の場合が多いです。
トーンアームを支える部分がプラスチックだと使う気になりません。

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プラッターを外すとこんな感じです。
外周が薄いプラッターしか取付けられません。

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薄くて外周も厚くない軽量プラッターです。
ダブルサーボクォーツ制御なのでプラッターの慣性質量に頼る必要なし。
ということなのでしょう。
しかしレコードを乗せるベースとしては頼りないです。

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クォーツロックを外せばピッチ調整可能。

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ピッチの変化を示すアナログチックなメーターはチープなメカ式w。

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底板は鉄板なのでそこそこ剛性はあります。
まあこれはハウリング対策の重量増が大きな目的。
脚は外してあります。脚の写真は撮り忘れました。

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脚はこの底板ではなく強度不足なプラスチックキャビネットへ取付け。
底板には脚を取付ける部分を通す穴が開いています。
鉄板とは言え比較的フラットな形状なので剛性は低めだと思います。

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フルオートメ式の割に中は余裕があります。
筐体は薄めのプラスチック製なのでリブがあっても剛性は低いです。

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フルオートメカは意外とコンパクトにまとまっています。
それほど複雑ではなさそうです。

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このモーターが見たかったのです。
お決まりのチープな扁平モーターでした。
扁平モーターは軸受けに磁石の吸引力もかかるので、
軸受け底部がプラスチック製のものは敬遠したいです。
モーターの回転制御基板はモーターと一体化しています。

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電源トランスは防振ゴムを挟んで取付けてあります。

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モーターと電気部品を取り除いた筐体は複雑な形状。
射出成型するための金型が高いので、量産しないと元がとれません。

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電気回路はモーターを回すだけなので部品構成はシンプル。
これもマイクロスイッチで電源をON/OFF。

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回転数制御基板はIC化により部品数は少ないです。
前の記事で紹介したヤマハP-650と同じICがあります。

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モーターコイルは薄いので回転トルクは多くないでしょう。

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ローターマグネット下の基板にFGのくし形パターンがあります。
ローターの軸は太めでなので剛性は高いでしょう。

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さて、いつものようにモーターだけでプラッターを回して遊びました。
オーレックスSR-355(前に解体して保管していたもの)のプラッターを乗せ
(篏合部は合う)、30分くらい回したらモーターが回転しなくなりました。
プラッターが重いので駆動ICが過負荷で壊れたのか、
コイルが焼き切れたのかは不明。
ジ・エンドです!

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全てガレキとして捨てました。
定価¥49800なりのレコードプレーヤーです。
簡単にレコードを聴きたい人向け。
今こうして見ると、この価格帯に技術的な能書きは不要だと思います。

さて、ここでモーター考察。
下の写真は左から本機、ヤマハP-650、オーレックスSR-Q55。
モーターベースの形状、制御回路構成、基板一体化有無などの違いこそあれ、
同じ型式「TK-MF1 94V-1」と記載があります。
軸受の太さも同じくらいで、ローターの形状も似ていました。
同時期に保有しておらず写真比較なので断言はできないですが。

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また下の写真は本機(上)とヤマハP-650(下)の回転制御基板です。
基板型式は「MDC-944G」と「MDC-944B」で、レビジョン違いのみ。
どちらもモーター駆動ICはVC5021で、クォーツ制御ICはVC4046です。
「VC」ってビクター製ってことなのか?
本機はダブルサーボということなので、
MSH4001RS周辺の部品がその回路と予想。

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こうやって比較してみると、モーターは1社で製造していて、
納入するメーカーによってカスタマイズしていたらしいことが分かります。
モーターを作っていたのは、
日本サーボ(現ニデックアドバンスドモーター)と考えるのが妥当か?
当時の普及レコードプレーヤー製造の状況が見えてきて面白いです。

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