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2024年8月

レコードプレーヤー探訪 QL-F55

これもまたモーターが見たくて入手。
ビクターのQL-F55、ヤフオクでジャンクを1000円落札。

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ダストカバーの蝶番が1個ありません。
はなからこれを使う気はないのでO.K.。
ばらして中を見て、モーターが使えそうなら使ってみるか
というところです。

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ゴムシートの表面はレコードが滑らないように独特な仕上げ。
この頃流行りのローマスストレートパイプのトーンアームは
見るからに華奢です。

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ダストカバーの蝶番が1個ないのといい加減な梱包のせいで、
トーンアームは輸送中に根元からポッキリ折れてしまっていました。
ご覧のとおり根元がプラスチックなのでこうなります。
普及品はここがプラスチック製の場合が多いです。
トーンアームを支える部分がプラスチックだと使う気になりません。

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プラッターを外すとこんな感じです。
外周が薄いプラッターしか取付けられません。

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薄くて外周も厚くない軽量プラッターです。
ダブルサーボクォーツ制御なのでプラッターの慣性質量に頼る必要なし。
ということなのでしょう。
しかしレコードを乗せるベースとしては頼りないです。

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クォーツロックを外せばピッチ調整可能。

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ピッチの変化を示すアナログチックなメーターはチープなメカ式w。

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底板は鉄板なのでそこそこ剛性はあります。
まあこれはハウリング対策の重量増が大きな目的。
脚は外してあります。脚の写真は撮り忘れました。

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脚はこの底板ではなく強度不足なプラスチックキャビネットへ取付け。
底板には脚を取付ける部分を通す穴が開いています。
鉄板とは言え比較的フラットな形状なので剛性は低めだと思います。

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フルオートメ式の割に中は余裕があります。
筐体は薄めのプラスチック製なのでリブがあっても剛性は低いです。

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フルオートメカは意外とコンパクトにまとまっています。
それほど複雑ではなさそうです。

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このモーターが見たかったのです。
お決まりのチープな扁平モーターでした。
扁平モーターは軸受けに磁石の吸引力もかかるので、
軸受け底部がプラスチック製のものは敬遠したいです。
モーターの回転制御基板はモーターと一体化しています。

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電源トランスは防振ゴムを挟んで取付けてあります。

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モーターと電気部品を取り除いた筐体は複雑な形状。
射出成型するための金型が高いので、量産しないと元がとれません。

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電気回路はモーターを回すだけなので部品構成はシンプル。
これもマイクロスイッチで電源をON/OFF。

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回転数制御基板はIC化により部品数は少ないです。
前の記事で紹介したヤマハP-650と同じICがあります。

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モーターコイルは薄いので回転トルクは多くないでしょう。

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ローターマグネット下の基板にFGのくし形パターンがあります。
ローターの軸は太めでなので剛性は高いでしょう。

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さて、いつものようにモーターだけでプラッターを回して遊びました。
オーレックスSR-355(前に解体して保管していたもの)のプラッターを乗せ
(篏合部は合う)、30分くらい回したらモーターが回転しなくなりました。
プラッターが重いので駆動ICが過負荷で壊れたのか、
コイルが焼き切れたのかは不明。
ジ・エンドです!

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全てガレキとして捨てました。
定価¥49800なりのレコードプレーヤーです。
簡単にレコードを聴きたい人向け。
今こうして見ると、この価格帯に技術的な能書きは不要だと思います。

さて、ここでモーター考察。
下の写真は左から本機、ヤマハP-650、オーレックスSR-Q55。
モーターベースの形状、制御回路構成、基板一体化有無などの違いこそあれ、
同じ型式「TK-MF1 94V-1」と記載があります。
軸受の太さも同じくらいで、ローターの形状も似ていました。
同時期に保有しておらず写真比較なので断言はできないが。

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また下の写真は本機(上)とヤマハP-650(下)の回転制御基板です。
基板型式は「MDC-944G」と「MDC-944B」で、レビジョン違いのみ。
どちらもモーター駆動ICはVC5021で、クォーツ制御ICはVC4046です。
「VC」ってビクター製ってことなのか?
本機はダブルサーボということなので、
MSH4001RS周辺の部品がその回路と予想。

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こうやって比較してみると、モーターは1社で製造していて、
納入するメーカーによってカスタマイズしていたらしいことが分かります。
モーターを作っていたのは、
日本サーボ(現ニデックアドバンスドモーター)と考えるのが妥当か?
当時の普及レコードプレーヤー製造の状況が見えてきて面白いです。

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レコードプレーヤー探訪 P-650

これもモーターが見たくて入手したレコードプレーヤー。
ヤフオクジャンクで1,000円。
外観はまあまあです。
ダストカバーを閉めたまま操作できるボタン配列になっています。

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ダストカバーの蝶番がありませんが
これを修理して使う気はないので問題なし。
出力コードは細めです。

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ターンテーブルマットには放射状のスリットが入っています。
奥3分の1ほどが1段高くなった独特形状のキャビネットは、
この頃のヤマハレコードプレーヤーのアイコンでもあります。

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プラッターが収まるところの形状から、
プラッターの外周が薄いことが分かります。

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トーンアームの駆動力はモーターから得るタイプです。
レコードエンド検出はメカ式。

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トーンアームはこの頃流行りのストレートローマスタイプ。
私はこういう華奢な作りのトーンアームが嫌いです。
茶色の汚れは置いてあった輪ゴムが熱で溶けた跡か?

パイプホルダーを大型にして視点から30mmを2重構造にしたらしいですが、
そのホルダー部分(垂直に可動する部分)がプラスチック製では、
説得力がないように私は思います。

ヤマハの普及価格レコードプレーヤーはここがプラスチック製のものが、
多いように見えます。
なのでプラスチック嫌いの私はヤマハレコードプレーヤーを使う気になりません。

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トーンアームパイプ上のサブウェイとで針圧を印加します。

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バランスウェイトの中は中空で軽量になっています。
当時はローマスMM型カートリッジが主流で、
このレコードプレーヤーで重いMCカートリッジを使う人を
想定していないためこれで良いのです。

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底板にゴム脚を直付け。
この小型ゴム脚でハウリングマージンが向上するか疑問です。
向上とは言っても微々たるものなのでしょう。

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底板は薄めのプラスチック製で、リブがあっても剛性は高くないでしょう。

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フルオート機なのでメカはありますが意外とスカスカ。
キャビネットはBMC材らしいですがそれほど厚くないし、
剛性は高くなさそうに見えます。

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見たかったモーターはこの頃主流の扁平小型モーター。
回転制御基板と一体型ではあるけれど、
前の記事で紹介したSR-Q55と同系列のものに見えます。

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回転制御基板はIC化により部品は少なく、
モーター駆動部はパワーIC化されています。

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複雑で繊細そうなフルオートメカは鉄板の上に組んであり、
モーターもその鉄板に取付けてあります。
キャビネット直取付けの場合、
外力や経時劣化などでキャビネットがゆがむと、
メカが動かかなくなってしまうのでこうしてあると思います。
また鉄板にフルオートメカを組んでからキャビネットに取付ければ、
組み立ての効率が良くなります。

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主電源のON/OFFは電源トランス近くのマイクロスイッチで行っています。

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電源トランスはきちんと防振ゴムで取付けていて、
出力コードはプリント基板を介して取付けています。

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プラッターは高さが高くて、外周は厚くなっていません。
コギングがないモーターということですし、
重くて慣性質量が大きいと小型モーターの負担になるだけなので
これで良いのです。

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ローターを外してみました。
軸は太めなので安心感があります。
プリント基板のコイル配線色の日本語表記とかに
SR-Q55のモーターと類似点があります。
このモーターも日本サーボ製なんでしょうかね?

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モーターコイルは薄いので回転トルクはさほどないでしょう。

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いつものとおりモーターの電気系を外しました。
このモーターでレコードプレーヤーを再構築する気はありません。

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P-650は定価¥49800なりのレコードプレーヤーです。
当時の実売価格は4万円台前半くらいだったと思うので、
オーディオにも一応興味があります程度の人向けとしては合格点か?

前に自作レコードプレーヤーにサンスイレコードプレーヤーのプラッタを
取付けてみたと書きました。これです。

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それに今回のヤマハレコードプレーヤーのプラッターを換装しました。
ストロボパターンはないので、ストロボライトは撤去。
実はこれもやってみたかったのです。

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このレコードプレーヤーはこれで落ち着きそうです。

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