レコードプレーヤー探訪 SR-F45
何でこれを買ったのかよく覚えていません。
ハードオフのジャンク品、オーレックスのSR-F45です。
廉価フルオート機。
外観はご覧の通りのボロ。
廉価品ならではの使いやすさ考慮?
レバー式の操作スイッチが特徴です。
個人的には操作しやすいとは思いませんが。
モーターから駆動力を得てトーンアームを動かすタイプ。
極普通のトーンアームです。
底板が鉄板なのは珍しいです。
軽いプラスチックキャビネットなので、
ハウリング対策の重量増が目的でしょう。
脚は普通のもので底板直付け。
底板がモーター周辺の機構と干渉しないようにくりぬかれ、
そこだけプラスチックになっています。
何か中途半端な構造です。
底板を開けてビックリ!
モーターはLo-Dのユニトルクモーターです。
東芝さん節操ないですね~。
日立のモーターを使うなんて。
安く作るためには何でもありか。
キャビネット外周は比較的厚みがありしっかりしているほう。
フルオート機構は複雑なメカ式ですが、
鉄板に覆われて機構部分は見えません。
これがユニトルクモーター。
以前紹介したLo-DのHT-352のモーターと比較してみましょう。
ちなみにHT-352はガレキ行で今は写真しか残っていません。
これがそれでベース鉄板はクロメート処理されています。
上記モーターは亜鉛メッキのみなのでより安いのでしょう。
東芝さんケチるよね~w。
モーターに貼ってある銘板を見比べます。
左:オーレックス、右:Lo-D。
さすがにオーレックスには日立モートルマークがありません。
どちらも製造している(MFR)のはJAPAN SERVO(J.S.)です。
ユニトルクモーターは日立設計で、製造は日本サーボだったんですね。
今回銘板をきちんと見てそれが分かりました。
亜鉛メッキだけの鉄板は安っぽいですよね。
形状はユニトルクモーターそのもの。
ローター磁石は幅が広いので磁力は強いはず。
軸受がしっかりしているのは、無骨な日立モーターの証か。
モーターを横から見て比較します。
左:Lo-D、右:オーレックス。
ローターの磁石と鉄板の接着の仕方はオーレックスの方がきれい。
多分オーレックスの方が新しいので、
作り方などは改善されたということなのでしょう。
オート動作用のギヤの位置と形状が異なっているのは、
それぞれのレコードプレーヤー用にカスタマイズされているから。
プリント基板も比較します。
左:Lo-D、右:オーレックス。
Lo-Dには日立モートルマークあり。
ここも両方にJAPAN SERVOと書いてあります。
基板製造は日本サーボなのでしょう。
基板型式はTDK-T5VとTDK-T12Vです。
普通数字が大きい方が新しいので、
オーレックスの方が新しく設計された基板です。
基板外形も簡単になり、こういうところも安くする工夫。
今回は更に分解してみました。
プリント基板の上にあるのはホール素子です。
ホール素子の取付け角が独特。
コイルは独特形状でこれこそがユニトルクモーターの独自性。
これだけ薄くて巻き数が少ないので、
コイルが発生する電磁気力は弱いことになります。
つまりトルクは弱いということ。
このコイルのエッジワイズ巻は難しいと思います。
日本サーボで製造しているにしても、
コイルの製法は日立が特許をとっていそうな気がします。
回転制御基板がこちら。
JRCのデュアルオペアンプ4558Dでコイル駆動用トランジスタを
ドライブしていると思います。
プラッターはユニトルクモーターにしては外周が厚く、
慣性質量は大きいものになっています。
内側にリムがあるのでベルトドライブと共用だと思います。
トルクが少ないモーターで、
プラッターの慣性質量(力が加わらなくても回り続けようとする効果)を
使ってトーンアームを駆動しやすくするのでしょうけれど。
Lo-Dならばこういう使い方はしないでしょうね。
オーレックスのいい加減さが出ているように思います。
このプラッターは外周がほんの少し高いので、
そこにかかる径のゴムマットは使いたくないです。
何もしなくてもモーターはスムーズに回っていたのですが、
メンテナンスということで軸と軸受を掃除して
テクニクスのオイルを入れたら回転が不安定になりました。
どうやらもっとサラサラのオイルでないとダメみたい。
ミシン油を入れようかと思いましたが、
特にこのモーターが好きというわけではないので、
分解しておしまいということになりました。
ユニトルクモーターの考察ができたので、
私的には収穫がありました。
余談ですが。
日本サーボは日本電産サーボの元となった会社です。
日本電産サーボは最近ニデックアドバンスドモーターと改名。
川口春奈さん出演のTVCMが流れています。
裏方の会社なのにTVCMする必要があるのかと思いましたが、
新入社員を集めるためなのでしょう。
裏方製品を作る技術系会社は人気がないでしょうから。
TVCMやってる会社ということで知名度が上がれば人も集まる。
でも今時の若者はTV見るのかな~?
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