レコードプレーヤー探訪 DP-31F
こちらもモーターが見たくてヤフオクで落札しました。
今度はDENONレコードプレーヤーの最後のモーター?
DENONレコードプレーヤーの用モーターは、
DP-47Fなどに使われているものがラストだと思ったのですが、
平行してこのモーターもあったようです。
落札したものは汚れてはいますが動作しました。
カートリッジも付属していて針も問題なしでした。
DENONならではのデザインは踏襲。
一目でDENONと分かるデザインを使い続けたのはアッパレ。
実物は写真でみるより安っぽさがないです。
プラッターを外すとこんな感じです。
DENONなので磁気ヘッドが付いています。
これも最後まで方式を変えることはなく筋が通っていました。
前の記事のテクニクスと同じでトーンアームはローマスストレート。
ハイコンプライアンスカートリッジ対応のためです。
見るからに華奢ですよね。
可動部は金属ですからまあよしとしまよしょう。
脚は底板直付けで小さなゴムカップ。オマケレベルです。
底板自体は薄めでリブも入っていませんが、
キャビネットに固定する3本の柱があってかろうじて剛性を確保。
中身は大きな制御基板とごついトーンアーム駆動メカが目立ちます。
モーターはプラカバーの安っぽいもの。
トーンアームの水平方向駆動はサーボモーターになっています。
電子制御アームの水平駆動のみが採用されている感じです。
ですのでインサイドフォースキャンセラーは電子式。
ごついメカですね~。
低価格のレコードプレーヤーは、垂直方向の電子制御までは
お金が回らないのです。
凝っているのはこのメカ部全体を板バネでフローティングしているところ。
音声信号の忠実な変換のために、
トーンアームをリジッドに固定するメーカーが多い中、
DENONはトーンアームの根元にゴムを入れるなどして振動遮断を優先しています。
私はリジッド固定派なのでDENONのやり方には納得していません。
垂直の動作は写真下の方のモーター。
コイルがたくさん巻いてあってこちらもかなりごつい。
スマートさに欠けるのがDENON設計のダサさか。
こちらはモーター制御とトーンアーム制御の基板。
回転数制御はカスタムIC化していたり、
フルオート動作にマイコン制御を採用していたりするのにこの大きさ。
ICを自社生産していないメーカーの弱みなんでしょうね。
いよいよメインディッシュのモーター紹介。
「オーディオの足跡」に「リニアドライブMF(マグネフロート)モーター」と
書かれているモーターです。
DENONお得意のこのスポンジ。経年劣化でもろくなっています。
モーターカバーと底板との間で振動を抑制するためのものですが、
上記の通り劣化により機能していません。
カバーを外して見ると、普通のモーターとはローターとステーターが天地逆です。
ステーターの鉄板が上にあるので、ローター磁石が吸引力で上に引っ張られ、
軸受にかかる荷重が減る構造。
マグネフロートとはそのことです。
リニアドライブとか言っているけれど4つの丸いコイルからして、
駆動方法はDP-47FなどのDCサーボモーターと同じだと思います。
いくら軸受にかかる荷重が小さいからとは言え、
薄手のプラスチックカバーのこれが軸受とは・・・。
ここもにもDENONのリジッド固定軽視の姿勢が見て取れます。
プラッターは軽量で慣性質量はほどほど。
がしかしマグネフロート効果は抜群で、
回転中に電源を切るとプラッターはかなり長く回転しています。
扁平モーターの軸受への荷重がいかに多かったかを実感できます。
ちなみに回転制御は両方向サーボの電子ブレーキ付きなので、
STOPボタンを押すとプラッターはすぐに停止します。
DENONの設計思想には賛同しがたいところがいくつかあるけれど、
デザインや使いやすさを含め、必要十分なレコードプレーヤーだと思います。
マグネフロートを生かすためには、
重いディスクスタビライザーの使用は避けた方が良いでしょう。
動作は特に問題ないのでハードオフへリサイクルしました。
ハードオフの買い取り額は安いので儲けとかはないです。
私としては十分楽しめたのでそれでO.K.。
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