レコードプレーヤー探訪 FR-D4
SL-2000用の脚を確保するためにサンスイのFR-D4を入手。
ハードオフジャンクで550円。
脚だけ取って捨てるので紹介する気はなかったのですが、
面白いところがあるので紹介。
コンピューターライズド・フル・オートマチック。
フルオート動作をコンピューターで制御しています。
ダストカバーなし。
単なる電子制御をコンピューター制御と言っているのかと思ったら、
本当にマイコンが実装されていました。
マイコンはMB8844。
ネット検索したら富士通のNMOSシングルチップ4ビットマイコンでした。
マイコン実装によりきめ細かい動きの管理と
より安全な動作インターロックが可能になっています。
サンスイロゴはサンスイプレーヤー用にカスタマイズ
されているということを表しているのでしょう。
話は横道にそれますが、
学生時代のマイコンボードを使った機械語プログラミング授業を思い出し、
何とも懐かしい気分です。
ちなみに今はGUIツールでシーケンサ(PLC)のプログラミングをやっていて、
この間30数年の電子技術の進歩は恐るべきものだと感じます。
筐体は薄いプラスチック。
定価37,500円なので、コンピューター制御にお金がかかり、
筐体剛性など物量投入すべき部分はコストカットされています。
脚は底板ではなく筐体の方に取付けられていて、
ある意味ではパイオニアの低重心構造と同じ。
本当のところは低い(薄い)筐体の中に脚を収める工夫。
底板も薄いプラスチックで補強リブも必要最小限。
筐体はお粗末としか言いようがありません。
中身は写真左下のフルオート制御基板が目立ちます。
弱い筐体が割れないよう、電源トランスはブラケットを介して
取付けネジを増やし分散配置して筐体に直取付け。
トーンアームは専用モーターで駆動。
ゴムベルトは溶けて切れていました。
ゴムベルトを新しくすればトーンアームは動くと思います。
アームとメカを切り離す円盤クラッチ機構などがあるので、
意外と複雑な構造になっています。
信号線のシールドカバーも省略してコストカット。
これがコンピューター制御基板。
面積の半分くらいは定電圧電源回路なので、
コンピューター実装の効果により、
トーンアーム制御回路の規模と素子数は少なくなっています。
水晶振動子が実装されていますが、
それはモーター回転制御用ではなくマイコンのクロック用。
モーターは小型で回転制御基板と一体化。
ここもコストカットのしわよせが・・・。
20極30スロットモーターはKP-M350のものと似ていますが、
スロット、マグネット共により小型です。
廉価モーターではありますが、何か気になる存在。
当時サンスイはトリオなどいくつかのメーカーが採用した
20極30スロットモーターでレコードプレーヤーを作っていたみたい。
前に紹介したSR-525もこのバリエーションのように思います。
SR-525のモーター。
コイルの巻き方が少し異なっています。
KP-M350のモーター。
FR-D4のモーターはこんなところまでコストカット。
ローターがはみ出していますw。
プラッターは外周を厚くせず慣性モーメントはそこそこ。
本体他はガレキ処分。
モーターとプラッタで遊んでみました。
トーンアーム制御基板にあった定電圧電源に変えて、
秋月電子の定電圧電源基板で回しています。
プラッターとモータ軸の勘合部分が同じなので、
こんなこともできます。
KP-M350のプラッターと交換できます。
下に行くほど細くなるプラッターはカッコ悪いかな?
気分チェンジにはなるかも。
FR-D4を使う気にはなれないけれど、
色々面白いことが分かりました。
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