懐かしのレコードプレーヤー
今日のお題は?
私にとっては非常に懐かしいレコードプレーヤーです。
TRIOのKP-M350。
これは初めて買ったレコードプレーヤーだからです。
裕福な家庭ではなかったので親がコンポーネントステレオを買うことはなく、
友達や親せきの家にあるコンポーネントステレオが羨ましくてたまりませんでした。
その当時行ったオーディオフェア(甲府開催)には、
TANNOYのA,B,C,D,Eシリーズ(HPDユニット搭載)スピーカーが展示されていたり、
知名度が低い頃のBOSEスピーカーが展示されていて、
今となってはその2つの印象ばかりで他は忘れてしまいました。
もらってきた両者のカタログの技術部分は何度も読みました。
デュアルコンセントリック。
ダイレクトリフレクティング理論(マサチューセッツ工科大学 BOSE博士)。
私はオーディオが欲しくて欲しくて。
毎月もらうお小遣いとお年玉をためて何とかオーディオ機器を買っていきます。
最初はプイメインアンプ、次がレコードプレーヤー、次がスピーカーでした。
財源が上記のとおりですから安いものしか買えませんでした。
親が買った安いモジュラーステレオの機能を置き換える形でシステムを構築。
モジュラーステレオのスピーカーユニットを外して箱を自作したりもしています。
オーディオ機器をどこで買ったかというと当時甲府に出店したダイエーです。
当時のダイエーは安売りが売り。
家電売り場には古くなった機種を売りさばくため、
箱積みのオーディオ機器が結構な数並んでいました。
当時としては斬新な売り方でした。
その箱積みで買ったのが最初のプリメインアンプTRIOのKA-3006です。
今日の話題KP-M350はコンポーネントステレオのカタログ価格から
ダイエー値引きで買ったものだと記憶します(記憶があいまい)。
トーンアームベースがプラスチックなのが不満でしたが、
とにかくレコードプレーヤーが欲しかったのです。
余談ですけれど、BOSEスピーカーがブレイクしたのは80年代に入ってからで、
PA用の802が現場で圧倒的に支持されたのがその理由です。
上記理論よりも小口径ユニットマルチ接続とリアクティブエアコラムとイコライジングによる低音などによって、「小型スピーカー」から明瞭で迫力ある音が出ることがPA業界で注目されて多用されたからです。
皆さんはあまり関心がないようですが、スピーカー1個の特性を均一化して更にマルチ接続でユニット個体差を消すことで、それまでは難しいとされていた電気イコライジングによるスピーカーシステムの周波数特性フラット化が可能になったのがBOSEの凄いところです。
前置きが長くなりました。
それでは詳細を見ていきましょう。
ヤフオクのジャンクで100円!
ダストカバーが割れてトーンアームのバランスウェイトがありません。
色々思惑があるのでこれでO.K.
筐体やプラッターはそれほど劣化していません。
奥行が狭く、プラッターの径が意外と大きいことを実感。
モーター保持部分がプラスチックで、
筐体の上板の開口が大きいのが想定外。
これを見てやっと当時の記憶がよみがえりました。
底板はプラスチックで脚はそれに直付け。
これは記憶していました。
底板の厚みはそれほどありませんがリブがしっかり入っているので、
たわみなどは少ないです。
当時底板を開けることはなかったので、
今回初めて知ったのですが、意外としっかりした作りです。
この辺りはTRIOレコードプレーヤーの当時の設計思想が
低価格なりに反映されていて好印象。
電源トランスもきちんとゴムでサポートして防振しています。
マニュアル機なのでスカスカ。
アームリフターのレバーと電源スイッチと回転数切替スイッチと
回転数可変抵抗。
可変抵抗は接点復活剤処理しました。
これはモーターの電源基板。
プラスチックのケースに入れる効果の程は不明。
見たかったモーターは大きなお皿の中に入っています。
薄めの鉄板ですがモーターケースとしてはしっかりしている方でしょう。
お皿の中に回転数制御回路と駆動回路が入っています。
モーターは小ぶりですが上位機種にも採用されていて、
当時のTRIOモーターのスタンダード。
KP-R405のモーターは同じものが搭載されているようです。
安い機種だけれど量産効果の恩恵で手抜き品にはなっていませんでした。
ちなみに、このお皿部分はこの後簡略化されて平板になり、
KP-M350MkⅡやKP-5050などにそれが使われています。
20極30スロットモーターは緻密な雰囲気が◎。
プラッターが軽いので軸受は細身ですが十分でしょう。
同じモーターでも重いプラッターを回す上位機種は、
電圧を高めたり電流を増やすなどして駆動力を高めていると思われます。
軸を太くしたりもしています。
プラッターは1kgで軽量ですが外周を厚くして慣性ロックは引き継いでいます。
いきなりですが実使用のためにトーンアームを交換します。
トーンアームベースは変則的な位置の3点固定。
取付けのための筐体の穴は小さめです。
トーンアームは前の記事のPS-X2から外してこちらに付け替えました。
固定位置の算出が甘く、筐体カットが必要以上に大きくなっています。
アームコードもこちらに移設。
シールドカバーはないですが特に問題なし。
黒色なので見た目は締まりがあって意外とカッコイイ。
プラッターのストロボスパターンがメカメカしくて私好み。
ダストカバーはジャンク品落札したKP-F505から取っています。
回転数はドリフトがあるけれど、クォーツロックではないのでこんなもの。
ストロボパターンの挙動を見ると、クォーツロックPLLなしの中では比較的安定。
スロット数の多さと慣性ロックが効いていると思います。
ただし回転が安定するまで時間がかかります。
SONY PS-X2改に変えてこちらをオーディオラックに乗せました。
これでも十分ですが、モーターを交換する企みがあります。
乞うご期待っ!
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