シュアーV15typeⅢを聴いてみた。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
久しぶりにカートリッジの話題です。
記事にするのがすっかり遅くなってしまったのですが、
昨年とうとうシュアーのV15typeⅢを入手しました。
以前後期MR針のものや日本製の代替針は聴いたことがあるのですが、
普通の楕円針(SUPER-TRACK'PLUS')を聴くのは今回が初めてです。
本体はV15Ⅲ-HE。
どんな音がするのか気になっていました。
再度入手してその良さを再認識していたML120HEと聴き比べることにしました。
いつものようにリー・リトナーのダイレクト・カット・ディスク「オン・ザ・ライン」を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて比較する方法です。ダイレクト・カット・ディスクは同一ロットのプレスなので、一番差が出ると思われるレコード盤の差を最小限にできます。
レコードプレーヤーはDP-2000/Victorアーム/DK-77とJL-B41改(ACサーボモーターに交換)です。レコードプレーヤーが異なると音質比較ができないと思う人がいるでしょうが、いえいえレコードプレーヤーによる音質差はカートリッジの音質差に比べれば些細であって、カートリッジの音質傾向の差は十分わかります。レコードプレーヤーを交換して取り付ければカートリッジの音質の差はそのまま出ます。
レコードはほぼ同じ位置を演奏するようにして、自作フォノイコライザーの2系統入力を切換ながら聴きます。音量差がある場合はボリュームも一緒に操作して同じくらいの音量(中域の楽器の音)に合わせています。曲によって聴きどころが異なるのでA面4曲全て聴きます。
左がV15typeⅢ(本体はV15typeⅢHE)、右がML120HEです。
ML120HEのダイナミック・スタビライザーは使用していません。
針圧はどちらも1g。古くなっても針圧1gで安定トレースするシュアーは凄い!
出力はどちらも同じくらいです。どちらもシュアーらしい音。ただしどこかのサイトに書いてあった(V15typeⅣとの比較)ように、V15typeⅢの方は高域が良く出て、ML120HEの方は低域が良く出るという結果になりました。V15typeⅣとML120HEは振動系が近いので、この傾向は妥当ではないかと思います。これは定かではありませんが、V15typeⅢのカンチレバーの根元にベリリウムの棒が入っているという噂があり、私がこれまで感じてきたベリリウム素材の高域の華やぎがこれなのかもしれないと思ったりしました。
これは好みの問題になりますが、私はML120HEの方が帯域バランスとしては好きです。色気があるとか美音とかではなく、フラットで癖がない音でありながら、元気な部分も内在する音が私の好きなシュアーの音なのです。ちなみ本体云々ではなく針が音を決めているので、シュアー純正針でなければこの音は出ません。
ということで、私は高いお金を払ってまでV15typeⅢを聴きたいとは思えないという結論になりました。
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