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2018年4月

レコードプレーヤー探訪 SR-F430

またしてもハードオフでジャンクレコードプレーヤーを入手しました。
オーレックス(東芝)のSR-F430という珍品です。540円!
ターンテーブルシートだけでも使えればいいやという感じ(笑)。

ダストカバーを開けやすくするつもりだったのか?吸盤と輪がついていました。
接着剤で付けてあったのでそれを外してもご覧のとおりの惨状。

P181

本体は意外ときれいでした。

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モーターが下に飛び出しているので脚はかなり大きいものになっています。

P183

メカ式フルオートなのでトーンアームの動きと共にスライドする金具があり、
これでレコードのエンドを検出しています。

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脚は大きいけれどプラスチックとゴムの安物。
薄い底板に取付てあり高さ調整はできません。

P185

開けてビックリ! これも電源トランスレスのACサーボモーターでした。
ACサーボモーターのダイレクトドライブはDENONくらいだと思っていましたが、
ビクター、ラックスマンなど多くの機種に採用されていたことが分かってきました。

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なかなか複雑なギヤとカムによるフルオート機構です。

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モーターが大きいのかと思ったらそうではなく、
トーンアームを駆動するメカの駆動力を得るギヤがあり、
その分モーターを脚で浮かせて取付けてあったのです。

P188

回転制御基板はビクター系搭載のものと似ていますが少し異なっています。

P189

モーターを外してたらフジヤ・オーディオと書いてありました。
TOAのDD-100に搭載されていたモーター(DCサーボ)と同じメーカーです。
前の記事で紹介したSL-71Dのモーターに書いてあったフジヤ・エレクトとの
関係が気になります。社名を変更したのでしょうか?

モーターケースの一部が開いて中身がむき出しになっている構造は謎です。
アルミダイキャスト製の堅牢な作りが良いです。

P190

ACサーボモーターはトルクが弱いのでプラッターは軽く、
これはベルトドライブ用のものが流用されています。

P191_2

モーターもばらしてみました。
モーターの裏蓋をはずしたところです。
ローターのカップが通常とはひっくり返った珍しい構造。
回転数検出用のマグネットが貼り付けてあります。
モーターケースの3ヶ所にあるマグネットは回転数抑制のためか?

P192_2

そして裏蓋には回転数検出用の電極があり、
この方式はDD-100のモーターと同じものになっています。
軸受けは金属板なので粘度が高いグリスを塗るしかないでしょう。

P193_2

ローターを抜くには軸上部のギヤと止め金具を外す必要があります。

P194

ステーターにはコイルが緻密に巻かれています。
こういうモーターを見るとワクワクする私って変でしょうか(笑)。

P195

ローターカップの取付位置やトーンアーム駆動ギヤ取付位置のせいもあり、
軸が異様に長いです。
プラッターが軽く、ステーター貫通部は長いので細くても大丈夫でしょう。
モーターケースの一部が開いているので水がここに入って腐食したようです。

P196

軸受けにはアームリフター用に買って効果がなかった
モリブデン入りグリスを塗りました。
軸の方にはいつものテクニクスのメンテナンス用オイルを塗りました。

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残念ながらフルオート機構は上手く動かず、
原因が分からなかったので主なところは外してしまいました。
モーターが気に入ったのでマニュアル機として使おうという魂胆。

P198_2

電源ON/OFF用のマイクロスイッチは外してトグルスイッチに交換。
穴を開けやすいところがあったのでそこにスイッチを取付けました。

P199

パイオニアのPL-1250Sに替えてこれをオーディオラックに据え付けました。

P200

しばらく使わないでいて電源を入れると、
回路が温まるまで回転数が若干遅いですが安定はしています。
トーンアームの高さ調整ができないので、普通の高さのカートリッジでは
前下がりになってしまいますがそのままでも問題ありません。
トーンアームにがたつきはありませんでした。

アームベースがプラスチックだったり、
エンド検出メカがトーンアームの負荷になっていたりしますが、
特に不満なく音楽を楽しめます。
レコードプレーヤー本体よりカートリッジが大事です。
写真のカートリッジはオルトフォン520、結構気に入っています。

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レコードプレーヤー探訪 SL-D3

使う気にはならないけれど触れておきたかった
テクニクスのプラスチック製レコードプレーヤー。
ハードオフのジャンク品、SL-D3を入手してみました。
動作するみたいでしたがダストカバーの取付金具がないということで540円!
この値段ならばらして遊んで捨てても惜しくはないでしょう。

ハードオフのジャンクは無造作に積んであるのでダストカバーは傷だらけ。
本体には意外と傷がなく汚れも少なめです。

P162

後ろの両側にある四角い部分にダストカバー取付金具が入っていません。

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テクニクス定番のDCモーター。
とにかくたくさん生産してこなれたパーツなので安定性は抜群。
私はこのモーターが結構好きです。

P164

ローターマグネットはプラッター側に取り付け。
外周部の肉厚はそれほど厚くないので慣性質量は少なめです。

P165_2

脚はゴム製で高さ調整はできません。
脚取付ネジは底板の固定ネジも兼ねています。

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この底板は厚みがあって重量もあります。
安い割にはなかなか良い配慮です。

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本体は薄いプラスチック製でリブで補強しても強度不足は否めません。
振動の吸収特性に優れた音響素材TNRCによる防振構造とのことですが、
私は強度を最優先にする主義なのでプラスチックはどうも・・・。

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こんな複雑なフルオートメカなのに未だに正常に動く技術は優秀。
モーター軸を下に伸ばしてギヤを介してトーンアーム駆動力を得ています。

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ということでフルオートメカが正常動作するのでお掃除しました。
トーンアームにもがたつきはありません。

P170_2

こうして見ると意外と悪くなく、これはこれで良いと思えてきました。
ならばダストカバーを取り付けたいということで、
このレコードプレーヤーを買ったところとは別のハードオフへ。
ちなみに私の家は2件あるハードオフの中間くらいの位置にあります。

ジャンクレコードプレーヤーSL-B303がありました。
ダストカバーの付け根が折れていてベルトがなく動かないもの。324円也。
これなら金具だけ取ってあとは捨てても惜しくないです(笑)。

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外観は意外ときれいです。
後ろの両側にダストカバー保持金具が入っています。

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この黒い金具がほしかったのです。

P173

一応中身を確認しておきましょう。
底板は薄い板で脚は本当にオマケ程度。

P174

これもフルオートですがDL-D3とは少し異なるメカです。
薄いプラスチックの本体はSL-D3と同材質のもの。

P175

面白い機構がありました。
プラッターに付いている仕掛けなんですけど分かりますか?

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本体側はこんなメカ。

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プラッターの裏にはこんなメカ。
劣化したゴムベルト(純正品ではなさそう)がプラッターに付着したままです。

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ゴムシートには穴が開いています。
どうやらこの爪でレコードのサイズを検出するようです。

P179_2

光で検出する方式は知っていましたが、メカ式があるとは知りませんでした。
高いゴムベルトを買って修理する程のものではないのでこれは捨てました。

無事ダストカバーが取り付けられたので改めて聴いてみました。
音に特に気になるようなところはなく音楽を十分楽しめます。

P180

プラスチック製は主義に反するなんて書いていましたが、
フルオートですし、これはこれで使い心地が良いレコードプレーヤーです。
プラスチック製だからダメというものではないと改心しました(笑)。
これを常用機にしようかとも思いましたが結局リサイクル。

すぐ手が届くところに音楽を置いておきたい私は、
最近こういうオーディオ機器が良いと思えるようになりました。
ただしカートリッジはある程度お金をかけないとダメです。
たくさん聴いてそれは確たるものになっています。

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レコードプレーヤー探訪 SL-71D

前から使ってみたかったレコードプレーヤーをヤフオクで入手しました。
DENONのSL-71Dです。
DPシリーズの下に位置する普及価格品(¥42,800)。

落札価格は安かったのですが、
遠方からの出品なので送料が高くなってしまいました。
状態はあまり良くなく、電源スイッチが押されたまま戻らないということで安値。

P151

付属していたアーピスのカートリッジを売れば元は取れるという目論み。
そこそこ厚みがある鉄板にモーターを取り付けているので強度的に有利です。
こういうところで手抜きをしないのはさすがDENON。

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裏返すと突き出るモーター部にカバーがあります。
底板は薄く、脚は木枠取付ですが価格なりのゴム製で高さ調整はできません。

P153

マニュアル機なので中身はスカスカ。
この回転制御基板と電源トランスレスから分かると思いますが、
DENON主流機とは異なる例のACサーボモーターです。
このモーターに興味があっての入手です。

P154

押されたまま戻らかったスイッチ、
いまいちアクションが分からなかったのですが、
CRC5-56を吹き付けたらあっさり戻るようになりました。
前の所有者はスイッチノブを無理やり引っ張って戻そうとしたみたいで、
上面のスイッチノブに傷がありました。

P155

トーンアームコード接続部分には気持ち程度のシールド板。
トーンアームは化粧も兼ねたアルミプレートにしっかり固定されています。

P156

そしてこれがACサーボモーター。
ビクターJL-B31、マイクロDD-5などと同じアウターローター型。
軸受け部分の構造は少し異なっています。
LUXのPD282はこれとほぼ同型のモーターです。

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銘板に書いてあるフジヤ・エレクトってどんな会社なのか不明です。
TOAのDD100の扁平モーターに書いてあったフジヤ・オーディオと同じ会社?
この会社がモーターを製造して、
色々なオーディオメーカーへ供給していたということだと思うのですが・・・。

P158

回転制御基板はJL-B31などと類似のものです。

P159

トルクが少ないACサーボモーターなので、
プラッターは外周部に厚みを持たせること(慣性質量の増加)もなく軽量。
トルク変動が少ないモーターなのでこれでも十分滑らかに回ります。
ストロボパターンが水平になっているこの形状は結構好きです。

P160_2

回転数調整ボリュームの接触不良は変動に直結するので接点復活材処理。
45回転はなぜか回転が少し不安定。
トーンアームにがたつきはなく、黒色のスマートな形状がカッコイイです。
ただし高さ調整ができないのが残念。
トーンアーム軸のネジを緩めれば少し調整可能ですけれど、
多分これは分解用のネジです。

P161

いつもながら思うのですが音楽を楽しむにはこれで十分です。
これを常用機にしても良いと思いつつも、微妙に納得できないところがあり、
全体的なデザインがちょっとダサイのが気に入らずリサイクルとなりました。

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