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レコードプレーヤーとの果てしない遊戯(笑)。

こんなものをヤフオクで落札していました。ビクターのトーンアーム。レコードプレーヤーJL-B61に付属している物です。

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これをUA-5045と言って平気で出品している人がいますが、UA-5045はアームレストが一体型なので別物です。かなり汚れていてアームコードが付属していなかったため、送料も含めて5000円しませんでした。ちょっとお掃除してUA-5045と言えば、10000円越えだったりします(笑)。名前で釣るやつ(誰々さんが愛用とか、笑)は姑息ですし、名前に釣られるやつは愚かだと思います。上の写真はお掃除後の状態。

今回もガタらしきものはないのに感度は良好で、このトーンアーム(ニュー・ジンバル・サポート方式)の耐久性は優秀です。しかし相変わらずアームリフターは速く降りてしまい、今回は#100,000のシリコングリスを買って修理してみましたが、私の満足する速度より速く降りてしまいます。

さて、トーンアームは入手したものの取付けるレコードプレーヤーがありません。手ごろな物をヤフオクでしばらく物色していたけれどなかなかうまい物が出てきませんでした。そんな中、ハードオフでジャンクスピーカーSB-3Aを買った時に、目を付けていたジャンクレコードプレーヤーがありました。今回それを買ってきました。

回転数が調整しきれないというDENONのDP-1600です。税込み4320円ならトーンアームとアームコードをヤフオクで売ってしまえば元が取れるはず。回転数が調整できないのはひょっとすると下部の回転調整ボリュームを調整していないだけかもしれませんし、そうでなくても例のトランジスタを交換すれば修理可能でしょう。

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かなりのほこりですが、意外とダメージはありません。修理して掃除すれば十分実用品です。今回は掃除する前に動作確認です。

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回転数は下部の調整ボリュームを使っても調整しきれませんでした。回転も微妙に不安定でちょっと不安がよぎります。外してしまうと動作確認ができないのでトーンアームとアームコードの導通確認も兼ねています。トーンアームの方は気になるガタつきもなく実用レベル。まっ、特に褒めるようなところはない極普通のトーンアームですね。

まずは脚を全て外そうとしたら、一か所ネジが錆びついていてどうしても外せません。無理をしたら案の定脚のゴムがねじ切れてしまいました。もう一か所の脚はゴムが劣化してぼろぼろだったので脚は処分することにしました。

底板を開けると中身はDP-790とほとんど共通(ネット上の写真を見て気付いていた)。違いはストロボランプの有無くらいです。下の写真はDP-1600。

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下の写真が以前所有していたDP-790です。回転数調整用ボリュームへの配線が若干異なります(調整の意図も異なっているようです)。両サイドの三角断面の隅木がなくなっています。違いはそれくらいか。

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回転数制御基板はIC1個とトランジスタ6個。非常に簡単でシンプルな回路になっています。複雑な回路よりシンプルな回路の方が私は好きです。 (が、その後この簡略化回路の回転安定性に少々問題があると思うようになりました。) DP-790同様モーターは商用電源で直に回していて、基板上の小さいトランスは制御回路用だと思います。ノイズや振動の元になる大型トランスがないのは良いのですが安全上取扱には注意が必要です。

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この大きくて頑丈なモーターが良いんですよ。ターンテーブル(プラッター)を支えるモーターは機械的に十分な強度があった方が良いと考えるからです。後に主流になるコアレスの扁平なDCモーターなどは鉄板1枚の上に組まれていて非常に頼りなく強度不足。私は好きになれません。

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脚が真っ黒で壊れやすいトランジスタ2SC458は全て2SC1815に交換。1個10円なので全て交換してもたったの50円也! 電解コンデンサは液漏れしていそうなものはなかったので交換していません。

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トランジスタ交換により回転数はボリュームの適度な位置で正規回転になりましたが微妙にふらついたままです。これはもう調整ボリュームの接触不良でしょう。ボリュームは分解できそうだったので分解清掃の方が良いと思いますが、面倒なので接点復活剤を吹きかけて済ませました。これによりストロボランプは止まって安定。修理完了です。

ターンテーブルの修理を終えたのでトーンアームを交換。ビクターのトーンアームはDENONより有効長が1mm長いだけで、取付け位置はモーター軸中心から230mmで共通なので、そのまま取付け穴が使えます。元はゴムを介してトーンアームを固定していますが、私はトーンアームをしっかりキャビネットに固定することが忠実再生の基本だと思っていますのでゴムは撤去。アームレストを固定する穴も開けました。

アームケーブルはヤフオクに自作品を出品している物で2900円。もう1台のレコードプレーヤーで既に使っている物と同様の物です。これで十分。壊れて処分した脚に代わり、落札してあったビクターJL-B31かJL-B41あたりから外した脚に交換。落札価格120円(笑)! こちらの方がしっかりした物です。以前分解して処分したDP-1200から外しておいた脚は袴と干渉して取付けられませんでした。

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掃除してラックの定位置に置きました。ダストカバーを含めなかなかの美品です。気になっていたトーンアームの高さ(インサイドフォースキャンセラーが上部にある分高い)は大丈夫でした。むしろ後ろのバランス錘のクリアランスがぎりぎりで、適正針圧をかけた時に一番手前辺りに来るようにしておかないと干渉します。

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DENONのモーターとビクターのトーンアーム。私はこの組合せが好きです。これで2台のレコードプレーヤーがその組み合わせとなってしまいました。

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お気に入りの組み合わせだと良い音に聴こえます(笑)。 電子ブレーキーを搭載していないので、ストップボタンを押しても30秒くらい回転し続けるのがちょっと不便。でもそれだけモーター軸の摩擦が少ないということで、ここがDENONの軽量ターンテーブルの良さだと私は思っています。慣性質量に頼る厚化粧的な発想と違いDENONは薄化粧なのが美点。それからやっぱりストロボランプがあった方が回転の調整や確認がやりやすくて便利です。

(注)しばらく使った後、DP-790、DP-1200,DP-1600などのDENONの簡略化された回転数制御回路は、安定性(ドリフトなど)などの部分で少々問題があると思うようになりました。(2018.07.22)

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