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2016年7月

レコードプレーヤー常用機変更

梅雨が明けてめちゃくちゃ暑いです。猛暑日です。
今日の甲府は日本で何番目くらいの暑さなになるのでしょうか?

先週報告したレコードプレヤーDP-1200のクリーニングが終了しました。一度調整した回転制御ですが電源投入直後は上手くロックしない状態が発生したので再調整しました。ということでトリオKP-700Dに代わりDP-1200がオーディオラックの定位置に収まりました。

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なかなかいい感じです。今のところ電源を入れた直後でも33回転は回転数がロックします。相変わらず45回転は不安定なのですが、どうもこれは回路よりモーター軸が固着ぎみなためにサーボが上手くかからないのではないかと推測しています。そのうちモーターを分解して注油しなおしてみようと思います。

そしてもう1台入手したモーターDP-2000とキャビネットDK-77もメンテナンスを終えました。まずモーターDP-2000。回転数が合っていなかったのは基板に付いている調整ボリュームで再調整できました。

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今回は2台目で要領が分かっていたので簡単に調整できました。トランジスタの故障ではありませんでしたが予防保全という意味で脚が真っ黒けの2SC458と2SA844は全て交換。その後クリーニングして上の写真のような状態になりました。かなりきれいです。

電子ブレーキの利きが少し弱いようです。それは減速(マイナス)方向のサーボが弱めなためで、45回転から33回転への切り替えも少し時間がかかります。DP-2500は両方向(加速と減速)同じくらいのサーボだったので、単品DP-2000とは少し仕様が異なるのでしょうか? それとも本機の部品劣化によるものなのでしょうか? 理由は不明ですが、調整はむしろこちらの方があまりクリティカルでなくやり易い気がします。

それからストロボランプのちらつきと言うか点滅はこれも同じなので、そういう仕様なのだろうと思います。

キャビネットKP-77は積層合板のしっかりしたものです。外観はそこそこ。

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脚が1個壊れているということでしたが、切れているはずの金属部分はゴムにくいこんでいて一応使えそうです。

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上の写真を見てもらえば分かりますが気になるのはむしろ偏心。変な具合に力がかかっていたようで軸が脚の中央からずれてしまっています。これは使わないので特に問題なし。脚4個は廃棄します。このキャビネットにはDP-2500に今取付けてある脚(KP-5050から外した脚)を外して取付けます。今回のキャビネットに使ったほうが荷重としてはKP-5050に近いです。

トーンアームはDP-2500の物を外してこちらに取付けます。キャビネットとの接触部分に大きなゴムがありこのゴムが比較的柔らかいため、固定しても動きます。

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今回はこのゴムを外してしまいます。ベース部はアルミのしっかりしたもので、多少中空化されているのはコストから言って相応だと思います。

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全て組み付けてオーディオラックの定位置に乗せました。

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白木キャビネットはいいですよね~。手前の部分に色むらがあったりしますが、出品者が無造作にここへガムテープを張ったのを剥がした結果がこれです。まあめちゃくちゃ安かったので文句を言う気はありません(笑)。

そういうわけで私のレコードプレーヤー常用機はこれら2台になりました。

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当分はこの2台で落ち着くと思います。

<追伸>

JICOのS楕円針とシバタ針の販売が再開されました。値上げされています!

いついつから値上げになると言えば、安いうちの駆け込み需要が増えます。それを防ぐためにこうしたと勘繰りたくなります。確信犯でしょう。お主も悪よのぅ(笑)。 いやっ、ギリギリまで値上げせずに売っていたJICOを褒めるべきかもしれません。

買おうと思っていたS楕円針を買う気持ちが萎えました。だって以前のシバタ針の価格になっちゃったんだもん。シバタ針は1万円越え。世の情勢からいったらやむを得ないことだとは思います。

neo SAS針はサファイアカンチレバーでこの値段ならばむしろ安いと思います。まあでもMM型カートリッジにここまで出す人は相当なマニアなので需要は減るでしょう。

neo SAS針の仕様を見ると変わったのはカンチレバーだけです。ボロンが入手難になってサファイアに変更したというのがSAS針からneo SAS針になった真相。ボロンはレアメタルだと考えれば昨今の事情から入手難にも頷けます。

ますます昔は良かったと言いたくなりますが、こんな状況の中で工夫しながらレコードを楽しんでいくのが面白さだと思います。

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DENONレコードプレーヤー祭り(笑)!

またレコードプレーヤーを落札してしまいました。DENONのDP-1200です。レコードをかけながら眠くなってしまった時、オートリフトアップのレコードプレーヤーがあると便利なのでこれにしました。

えっ、今持っているトリオKP-700Dもオートリフトアップなのでは?と思った方がいるでしょう。そうなんですけれど、実は当初からオートリフトアップしない場合がありまして、今はほとんどオートリフトアップしない状態になっています。

更にKP-700Dで針圧調整をする場合、アームリフターを下げるとプラッターも回転してしまい、プラッターにかからないところで針圧調整するにしても目障りなのです。トーンアームの高さ調整をする場合も回転するレコードの上に針を落とさなければなりません。まあそれで良いのですがレコードが回転している必要は全くありません。

まあなんだかんだ言っていますが、最近またDENONがお気に入りなので、たぶんこの機種がヤフオクでは一番安く手に入るだろうからということでこれになりました。

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汚れはありますが掃除すればそこそこきれいになりそうです。落札価格が安かったのはストロボランプが点灯しなかったからでしょう。点灯しなくても落札したのは、以前付属するカートリッジ欲しさに落札した、ジャンクレコードプレーヤーDP-30(DENON製)から外したストロボランプがとってあたので、それが使えるだろうと思ったからです。

それから後ほど書きますが、商品説明にあった「回転数調整ボリュームに接触不良あり」というのは、回転数が安定しないからそう書いたのでしょうけれど、原因は別にありました。

ひっくり返して中を見てみるとこんな感じです。

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DP-790と同様に電源トランスを介さず、AC100V(商用電源)で直接モーターを駆動しています。モーター制御回路はDP-790より更に簡略化されていて、IC1個、Tr3個(2SC458)、モーター駆動用中型Tr1個しか使われていません。

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オートリフトアップ機能部分は結構複雑になっています。リミットスイッチが付いていて、トーンアームをアームレストの固定位置から外さないと、ON/OFFスイッチがOFF位置に戻ってしまうようになっているので注意が必要です。時々ヤフオクに出るON/OFFスイッチがすぐに戻ってしまうというのは、この機能を知らないからではないかと思います。ということはジャンク品ではないのかもしれません。

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動作の方は回転数がうまく調整できない(ストロボスコープを使って蛍光灯で確認)だけで、オートリフトアップ機能は問題ないようでした。いつものように回転制御部の2SC458(3個)は2SC1815に交換。オートリプトアップ回路にも2SC458が使われていますが、こちらは動作していますし基板を取り外すのが面倒そうなのでやめました。

そしてストロボランプの状態を確認してみました。実は交換しようと思っていたDP-30から外したストロボランプは、点灯するか確認しようとしてAC100Vにつないだら一発で破壊しました(笑)。DP-30から外す時、AC100Vにつながっていると思ったのですが、よく考えたらシリーズに抵抗を入れて電圧を落としていたようです。今回DP-1200の回路を確認するとシリーズに8.2KΩの抵抗が入っていました。

ということで交換品がなくなったのでどんな状態なのかランプを確認したのです。幸いストロボランプは切れておらず、リード線が根元から折れただけでした。当然根元からポッキリ。ここでせこいことを思いつきました。ランプのガラスを削ってリード線をほんの少し出るようにして折れたリード線をはんだ付けしよという作戦(笑)。

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折れたリード線との間に銅より線を入れて何とか接続できました。ランプにはほとんどチョン付け状態。当然強度など確保できませんがこれで良しとしましょう。ランプは見事点灯しました。

実はこの作業中、プレーヤーをひっくり返したり元にもどしたりしていたら、制御基板をネジ1本で仮止めしていたところがポキリと・・・(涙)。基板が重かったようです。ここもいい加減な修復をこころみることに。強力接着剤で基板を接着して、アースパターンに銅線をはんだ付けして補強しました。

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左が折れてしまった写真、右がいい加減な修復です。これでなんとかなるでしょう。

トランジスタを交換したけれど回転は上手く調整できませんでした。回転数が合わないというより安定しません。ということで制御基板についているボリュームを調整してみることにしました。こちらを調整することで一応安定するようになりました。ただし33回転は良いのすが45回転は調整しきれません。私の場合33回転しか使わないのでこれで良しとすることにしました。

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これにてメンテナンスは終了!

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まだ掃除していないので汚れたままですが、レコードは問題なく聴けるようになりました。オートリフトアップも問題ありません。トーンアームの水平回転部に僅かにがたつきがありますが良しとしておきましょう。掃除したらKP-700Dに替えてこちらを常用機にしようと思っています。これで十分。

最後に、DP-1200は50Hz用と60Hz用があり、ダイレクトドライブではどちらでも対応できるのはずなのにおかしいと思っていたらわけがありました。このストロボパターン用の穴の位置に注意。

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50Hz用はここが50Hzのパターン(プラッター裏には50Hz用と60Hz用のストロボパターンあり)を照射するようになっているのです。しかしよく見るとネジ穴が2ヵ所開いています。ピン!と来た方はいるでしょう。そうです。左にある「5」と「6」から察すれば、「5」は50Hz用の取り付け穴で、「6」は60Hz用の取り付け穴と考えられます。

なんだ、DP-3000と同じで取り付け位置を変えればどちらの電源周波数にも対応可能です。でもなぜそうしなかったのか、DP-1200の価格帯のユーザーはそういうことをするマニアックな人ではないと想定しているのでしょう。またここにストロボランプが付いているので安易に動かしてほしくないというのもあるでしょう。ランプの根元からリード線が折れる可能性がありますから。今回のように。

今日はここまでで終わりではありません。

まだありますよ(笑)。

でっ! 祭りというのは・・・。

これも落札したからです。

DP-2000DK-77

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今あるDP2500のモーターとアームをこちらのキャビネットに乗せ換えようという魂胆です。というのもありますが、落札価格がたったの936円也! オイオイッ、そりゃあんまりだぜ(笑)。出品者がかわいそう。安かった理由は脚が1個壊れていたからかも?

まあDP-2000は付いているのでトーンアームだけこっちに持って来れば良いでしょう。トーンアームの取り付け穴位置はDP-2500と同じなので、オーバーハング等の調整は問題ありません。DP-2000はこちらの方がきれいですからこちらを修理して使うことにしましょう。症状はロックしないだけなので修理は簡単です。脚はDP-2500に流用したKP-700用をこちらに取り付けます。

レコードプレーヤーが増えすぎました。今8台あります(笑)。ジャンク品を修理して全てレコードが聴ける状態の物です。これから必要なも物だけ残してリサイクルします。

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安心して聴いていられる良い音です。

AT-VM8にナガオカのシバタ針44-30Xを取り付けていつもの比較視聴をしてみましたので報告します。

2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手はリファレンスZ-1E。レコードプレーヤーはトリオKP-700DとデンオンDP-2500です。

左 : ビクター Z-1E(針:アーピス現行楕円針DT-Z1E)
右 : オーディオテクニカ AT-VM8(針:ナガオカ 44-30X)

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AT-VM8の方が出力は小さいです。同型のヤマハCG-6500はZ-1Eと同じくらいの出力だったので、AT-VM8はコイルの巻き数が少なく、AT10Gなどと同じなのではないかと思います。44-30Xは接合ダイヤなのにZ-1Eのような濁りは感じられず大人しい高音です。きちんと聴けば上までよく伸びていて、この高音の出方はハイファイです。

シバタ針はこれで4つ聴きましたが、どれも世間の評判のような神経質な音が出たことはなく、他の人は一体どんな聴き方をしているのか不思議です。これぞ先入観によるプラセボ効果なのだろうと私は思っています。シバタ針に対するネガティヴキャンペーンは無視しましょう(笑)。

前にも書きましたが私のレコードはプチ音が出るようなものはなく、コンディションは良いものばかりなので、針がゴミを掻き出すようなことは起きません。なのでこれも世間の評判ですが、シバタ針がゴミをよく掻き出してくるという現象には出くわしていません。そんな悪コンディションのレコードを聴いていて音の微妙な違いが分かるのでしょうか? レコードの管理をきちんとしていないことにも驚きです。今時のオーディオファンとはそんなものなのでしょう。

ごく普通の接合ダイヤ丸針のカートリッジ(PC-200とか)が良い音だと言って世間を惑わすような人がいるのも困ったものです。ホント、ハイファイ音とは何たるかも知らない人達のとんでもない評価には呆れるばかりです。

シバタ針44-30Xの音はハイファイで中音には潤いがあり低音も良く出てなかなか良い音です。これは私のプラセボ効果なのかもしれませんが、チャンネルセパレーションは良いように聴こえます。静かな空間にセパレーション良く自然に音像が定位するのは、オルトフォンのファインライン針に似ている気がします。

チェックレコードのトレースは問題ありません。ちなみに針圧はJICOとA'pisの同型針と同じ2gに設定しています。松田聖子のサ行は優秀でさすがはシバタ針です。

44-30Xはハイファイな音でありながら元気もそこそこあり、どんなレコードも安定してトレース(大振幅も高音も)して、余計なことを気にせず音楽に浸れる針だと思います。音楽に対する偏りは感じられないので、これ1個だけあれば十分な気がします。まあ、でもあまり面白みがない音という見方もあるかもしれません。

(注)その後冬になって気温が下がったら、チェックレコードのトレースが悪くなってしまいました。やはり古い針は劣化があるようです。シバタ針と価格にだまされて高い金額を払う程の物ではないと思いました。

話は変わりまして、
JICO  のサイトにSAS針の後継品neo SAS針のインフォメーションが出ました。

カンチレバーがサファイアとルビーって、一体いくらになるのでしょうか? どうやらボロンカンチレバーの入手が困難になったのではないかという予測は当たっていたようです。

オーディオテクニカのボロンカンチレバーカートリッジAT150MLX販売終了ともリンクしているのでしょう。まあオーディオテクニカの高級MCカートリッジは相変わらずボロンカンチレバーの物がありますし、高い価格を払えばまだ入手できるのかもしれません。それとも数が出ない高級品なので社内在庫品で対応できているのか? ナガオカのボロンカンチレバーは大丈夫なのかなぁ~。

ということで、JICOのneo SAS針は高根の花になってしまいそうです(涙)。

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こちらの準備も整いました。

少し前に紹介したナガオカのシバタ針44-30Xの準備が整いました。
ほしかったヘッドシェルが入手できたからです。

ます針はこれですね。
それなりに高かったです。

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4チャンネルレコード再生対応のシバタ針ですが残念ながら接合ダイヤでした。
カートリッジ本体はオーディオテクニカのAT-VM8。

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ヤフオクにはあまり出ないレア品。
OEM品と違うところは出力端子の金メッキ。
AT10Gの本体と比較してみると背が高いのが分かります。

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背が高い分コイルがたくさん巻かれているようで出力が大きいです。
(視聴したら出力は大きくなかったのでAT10とG同等のようです)
そして入手したヘッドシェルはオーディオテクニカD-7。
私の好きな青色を入手することができました。

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このカートリッジにはこのヘッドシェルで決まりでしょ。
針のノブの色は黒色というよりダークブラウンです。

これは良い音だと思います。
シバタ針は高音が勝った神経質な音という世間の噂ですが・・・。
私にはそんな風には聴こえません。
後ほど恒例の比較視聴を行って報告します。

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予想を裏切る音でした。

音を表現しづらいと書いたシュアーのカートリッジVSTⅢを比較視聴して特徴が分かりましたので報告します。

2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手はリファレンスZ-1E。レコードプレーヤーはトリオKP-700DとデンオンDP-2500です。

左 : ビクター Z-1E(針:アーピス現行楕円針DT-Z1E)
右 : シュアー VSTⅢ(針:シュアー VNSE3HE)

 

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まずVSTⅢの出力はかなり小さいです。カタログ値3mVどおりだと思います。結構カタログ値と本当の出力は違って感じたりするのですが今回それはなし。出力が小さいと元気がないように錯覚しがちなので、音量を同じじくらいにして比較するのが肝心。私はギターやサックスの音(中音)が同じくらいになるようにボリュームを素早くひねりながらスイッチで切り替えています。

ベリリウムパイプカンチレバーは繊細な音だと思い込んでいた(以前所有していたML140HEがそう聴こえた)私は予想を裏切られました。両者の音の傾向はかなり近かったのです。それは高音の鳴り方によるもので、Z-1Eのような接合ダイヤの持つ濁り(ざらつき)はないものの、VSTⅢの高音はシャリ感があって元気に聴こえるのです。よく聴けば高音は伸びていて繊細な方なのですが、適度な勢いがあるためにか弱く聴こえないのです。前回書いたように一聴して凄く良い音が出た感じがしなかったのはそのためです。やはりこれは独特な高音だと思います。

こういうところがシュアーなのでしょうね。高級なベリリウムカンチレバーを使いながら元気が良い音を出しています。高音に元気があると言ってもがさつなところはないので、低音が良く出ているのと相まって、中音が少しひっこみ加減に聴こえるところがあります。何か中途半端な音という気がしないでもないです。元気な音ならM44Gクラスのカートリッジに任せれば良いのに・・・。こういう音だったので表現しづらかったのです。

松田聖子のサ行は優秀。チェックレコードのトレースはシュアーだけになんの不安感もなくトレースしてくれます。ちなみにダイナミックスタビライザー(ブラシの部分)の有り/無しで音を比較(Z-1Eと比較視聴)してみましたが、私にはよく分かりませんでした。ということは波打ったレコードを聴くときにはダイナミックスタビライザーを有効に活用すべきだと思います。

参考までにオルトフォンの530MkⅡとの比較もしましたので報告します。老舗カートリッジメーカーの中堅クラス対決ですね(笑)。

左 : オルトフォン 530MkⅡ(針:オルトフォン Stylas 530MkⅡ)
右 : シュアー VSTⅢ(針:シュアー VNSE3HE)

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両者高いクラスに入るカートリッジでありながら元気な音を出すのは共通しています。530MkⅡはきれいな高音でありながら良く出るので元気に感じられます。方やVSTⅢは独特な高音で元気を演出すると言った感じです。パワフルな低音を出すVSTⅢは若干中音が引っ込み加減。高音の元気良さが中音まで続く530MkⅡは帯域バランス的に少し高音寄りで鮮やかな音です。どちらの音が好きかと聞かれれば、私は鮮やかな音の530MkⅡの方が好きです。

ポジションが曖昧なVSTⅢはリサイクルか?とも思ったのですが、これはこれで持っていても良いかなと考えを修正しつつあります。ちなみにVSTⅢのデザインは結構カッコイイと思います。

いろいろな音に出会えて本当に楽しいです。

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シュアーのカートリッジを聴くのはこれで何個目かなぁ。

ハ~イッ! シュアーのカートリッジを入手しました。同社のカートリッジを聴くのはこれで何個目になるのでしょうか? V15TypeⅢMR、V15TypeⅣ(オリジナル&JICO HE)、ML140HE、ML120HE、M97HE、M97ED、M95HE、Me95ED、M85G、M70B、M44-5、M44-7、M44G、これだけ聴いたのに今手元に1つも残っていないという(笑)。シュアーの音が嫌いなわけではありません。むしろシュアーのカートリッジの音は優れていて、やはりさすがだと思っています。まあ色々な過程があってそうなっているだけで、私自身が不思議なくらいです。強いて言えば、MM型のスタンダードな音として認識した結果、所有するありがたみが逆に薄れたのかもしれません。

これだけ聴いてきた私ですからありきたりのものを入手したりしませんよ。今回はほとんど衝動入札で落としました。VSTⅢです。送料を含めても4桁だったのでほどほどお買い得だったような気がします? 落札直前にネットを調べたらこのカートリッジについて詳しく書いているブログがあって非常に参考になりました。

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ヘッドシェルがAT-LH18なのでDP-2500には重すぎます。何とかバランスはとれるのですがバランスウェイトが後ろに行き過ぎて、アームレストに戻した位置ではバランスウェイトとダストカバーがぶつかって閉められません。

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このカートリッジの特徴は何と言ってもカンチレバーでしょう。ベリリウムマイクロウォールカンチレバーです。スタイラスはこの時期のハイファイ路線の主力HE(ハイパーエリプティカル)です。たぶんこのカンチレバーを搭載した最安値(定価)のカートリッジがこのVSTⅢだと思います。

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写真では分かりづらいですが、独特な光沢を放って黒光りするカンチレバーが美しいです。ベリリウムを極薄のパイプに加工する技術は「超絶 凄ワザ!」。シュアーのベリリウムカンチレバーは既にML140HEで聴いてその音に魅了された経験があります。高級品にしか搭載されなかったこのカンチレバーを再び聴きたくて今回落札しました。V15TypeⅤや極稀に出るML140HEとかは落札価格が高くてこれまで手が出せませんでした。

かなり前にこんな記事をブログに書いています。
希少!シュアーのアメリカ製針

ヘッドシェルが重すぎるので早速交換。ピカリングの現行品です。安物ですがこれはオーディオクラフトの物と同じなので作りが良くて気に入っています。型番にオーディオクラフトの名残があります。

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今は慣らし視聴中。高音がきれいに出ていることは分かりますが、正直に言うと一聴して凄く良い音が出たという感じはしませんでした。独特な高音かもしれません。他との違いは何となく分かるけれど音を表現しづらいと言いますか・・・。まあいつもの比較視聴をすれば特徴がはっきり掴めると思います。もう少し聴いてから報告します。

現行品M97xEの針N97xEも挿せる(本体は互換性あり)らしいので、現行針を買って聴いてみましょうか? 針でほとんど音が決まってしまうことを改めて体験するのに良いかもしれません。音は違ってもそれはそれで意外と気に入るかもしれませんしね。

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