« エンパイア4000D/Ⅱの比較視聴 | トップページ | こんなものを入手してみました。 »

DP-790のメンテナンス

安値落札したレコードプレーヤーDP-790のメンテナンスが終了していますので報告します。デンオンのこの手のシリーズの最安値製品だけあって各所でコストカットしていますが、要所は押さえているなかなか良いレコードプレーヤーだと思います。

そこそこきれいに見えますが、かなりタバコのヤニコーティングされていました(笑)。

P168

底板を外してみるとこんな具合。

P177

大きなトランスがありません。モーターはトランスを介さずにAC100Vで直接駆動しているようです。そのため底板には注意事項が書いてあります。「感電防止のためこの底板は取り外さないで下さい。」要注意です。コストカットはこのような形でされています。

回転数制御回路は御覧のように簡略化されています。

P178

IC1個にトランジスタ7個しかありません。制御回路の電源用に小型のトランスが付いています。 (注)これとかDP-1200、1600などのDENONの簡略化された回転数制御回路は安定性に少々問題があるように思います。

※その後の調べで、この小型のトランスは回転数検出ヘッドの絶縁トランスであることが分かりました。 20180729
 磁気ヘッドが回路に直結していると電源トランスレスなので漏電したらやばいでしょ。感電対策です。きちんとした電気の知識を持たない人がブログで色々書いていますが、危なくてしょうがありません。

回転数がズレていて回転数調整ボリュームのセンターでは合いませんでしたが、たぶん裏面のボリュームを再調整すればセンターで合わせられたと思います。なので例のトランジスタが故障しているわけではありませんが安いトランジスタなので交換しました。

P179

トランジスタ5個を交換しておしまい。楽ちんです。

こちらは回転数調整用ボリューム。

P180

表にあるものと裏にあるものは直列接続されているので、表にあるものをセンターにしておいて裏のボリュームで33回転に調整しました。裏のボリュームは底板の穴から少し出ているので底板を外さずに調整できます。感電の心配はありません。

ちなみにストロボランプはコストカットのため付いていませんので、ゴムシートの上に乗っているストロボパターンを蛍光灯の光の下で見て縞模様が停止するように調整します。

またコストカットという意味では、トーンアームのアームレストとインサイドフォースキャンセラーを構成する部分がプラスチック製になっています。DP-2500のトーンアームなどはこういう部分も金属でできているので、上級機と比較すれば明らかにコストカットなのです。

ヤフオクではこのトーンアームだけ外して(送料が安くなる)、高値で売りさばこうとする人が多数います(笑)。現物を見れば分かりますが、レコードプレーヤー付属の普通のトーンアームの域を出ていない物なので期待しない方が良いと思います。中古品に1万円以上出すヤツはバカ。DP-50Mのトーンアームも同じようなものでしょう。アームコードが付属していないなら5千円が限界。

ちなみにトーンアームを外したDP-790はヤフオクではほとんど値が付かないのでゴミと化します。入札する方も分かっているので、トーンアームを外して売るせこい人達の残り物には手を出しません。トーンアームだけ外して売る人はゴミを増やす悪人です(笑)。

タバコのヤニをじっくり清掃してメンテナンス終了。ダストカバーには傷が多いですがそれ以外はなかなか良い状態だと思います。

P181

白木調キャビネットにブラウン系の色調でまとめたデンオンのこの頃のデザインは好きです。音を聴いて思うのですが、音楽を楽しむのにこれ以上何が必要なのでしょうか?十分まともな音です。しかし一方でオーディオが趣味の人にとっては物足りない物であることも事実。質素で遊び心が感じられないところが私的にはマイナス要因です。

ヤフオクで安く入手できるので、掃除して(できればメンテして)使えばお得なレコードプレーヤーと言えるのではないかと思います。ストロボランプがないのはやっぱり使い勝手が悪いので、それが我慢できる実用品好きな人にはおすすめ!

P182

最近はすっかり悟ってしまたので、普段着的な気楽に楽しめるオーディオに良さを感じています。暮らしの中にあるオーディオはそんなものだと思います。

|

« エンパイア4000D/Ⅱの比較視聴 | トップページ | こんなものを入手してみました。 »

レコードプレーヤー探訪」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
白木のプレーヤー、良いセンスですね。
80年代になると白木の仕上げはなくなっていきました。
最近プレーヤーもカートリッジもそこそこのもので十分だと思うようになりました。DP790はちょうど良いバランスですね。
3700との違いは感じられますか。

投稿: サンセバスチャン | 2016年6月19日 (日) 15時05分

3700じゃなくて2500だったのですね。デンオンは種類が多いですね。

投稿: サンセバスチャン | 2016年6月19日 (日) 15時08分

サンセバスチャンさん
こんばんは。
白木のプレーヤーは良いですよね。
DENONとYAMAHAが代表格でしょう。
確かに80年代にはなくなっていきましたね。
DP-790はギリギリのラインだと思います。
これ以下になると安かろう悪かろうになってしまう気がします。
DP-2500とは比較していないので違いはよく分かりません。

投稿: いっき | 2016年6月19日 (日) 21時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: DP-790のメンテナンス:

« エンパイア4000D/Ⅱの比較視聴 | トップページ | こんなものを入手してみました。 »