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懐かしい響きの原因が分かりました。

ジャズ新譜紹介です。この人のギターには中毒性があって時々無性に聴きたくなってしまいます。今回の新譜や如何に。

P75ビル・フリゼール『ホエン・ユー・ウィッシュ・アポン・ア・スター』(2016年、OKeh-Records)です。メンバーは、ビル・フリゼール(electric and acoustic guitar)、ペトラ・ヘイデン(voice)、アイヴィン・カン(viola)、トーマス・モーガン(b)、ルディ・ロイストン(ds)です。フリゼールが人生の中で観たり聴いたりしてきたテレビや映画のシーンや音楽は、自分の音楽想像力の中に保存されているそうで、今回はそういう音楽をやっています。

カントリーミュージック系のビルフリ独特の世界が繰り広げられています。ジャズだからと言ってアドリブを聴かせるわけではないので、そういう独特の世界観を聴くべきものです。ギターが「ギロ~ン」と鳴っただけで、もうこの人の世界に引き込まれてしまうその個性は癖になります。独特の陰影感と倦怠感が漂い毒を匂わせる世界。

モーガンの深みのあるベース、ロイストンのどっしり安定したドラム、カントリーミュージックと言えばバイオリン(ここではヴィオラですが)の響きが必要で、そこにペトラ(チャーリー・ヘイデンの娘)の歌とヴォイスが彩を添え、5人で必要十分なサウンドを構築しています。なぜか1曲だけある自作曲《テイルズ・フロム・ザ・ファー・サイド》はアドリブを聴かせるもので、そこがジャズマンの証しなのでしょう。

私にとっては懐かしい古き佳きアメリカのサウンドに聴こえます。どうして懐かしく感じるのか不思議だったのですが、その原因が今回分かりました。曲名の中にあった《ボナンザ》を見てなるほどと思ったのです。私のようなアラフィフ(アラウンド・フィフティ)世代にはピンッと来るものがあるのではないでしょうか?

子供(小学生)の頃、テレビで「ボナンザ」を見ていたことを思い出したのです。私達は「テレビっ子」と言われた最初の世代なので、子供の頃とにかくテレビばかり見ていました。「テレビばかり見ていないで勉強しなさい。」とよく親に怒られたものです。今で言えばスマホばかり見ているのと大差ないように思います。

そんなテレビ、今では考えられないのですがたくさんアメリカのドラマが放送されていました。「ボナンザ」はそのひとつ。土曜半日で家に帰れば午後からはテレビタイムになるわけでして、その時間にやっていたように記憶しています。その時間帯にやっていた番組は他に「チャーリーズ・エンジェル」「バイオニック・ジェミー」「超音速攻撃ヘリ、エアーウルフ」「ナイトライダー」などがあります。

※再度思い出してみると、「ボナンザ」をやっていたのは日曜日の午後4時頃のような気がします。その枠では「スパイ大作戦」とかもやっていました。「ボナンザ」が終了した後「スパイ大作戦」になったのかも?

多感で影響を受けやすい子供の頃に見ていたのですから相当感化され、アメリカに親近感を感じていました。その昔戦争した敵国というイメージは見事にありませんでした。ちなみに私の両親は子供の頃戦争を体験しています。そんなアメリカのテレビドラマですが、私が最も印象に残っているのは「大草原の小さな家」です。こちらは土曜午後6時からNHKで放映。毎回見ていましたね。妹が好きで見ていたのを一緒に見ていました。

西部開拓時代のアメリカで貧しいながら逞しく生きていくインガルス一家の物語です。一家のために懸命に働く超真面目な父親。それを優しく支える温かい母親。このドラマを見た全ての人はそこに家族の理想像を見ていたはず。対照的に描かれるオルソン家の「かかあ天下」「わがままだけれど根は悪くない姉」「いたずら坊主な弟」の方に実は「あるある」と感じていた人も多いはず。今思えば対照的というより理想と現実を描いていたように思います。

まあそんなわけでして、アメリカに住んだことがないにも関わらず、テレビドラマに描かれていた今で言えば「バーチャルなアメリカ」が、実は今懐かしかったりするのです。

話がだいぶ反れてしまいました。懐かしさも漂うビルフリの独自世界に浸ってみるもの悪くないのではないでしょうか。

アルバム名:『When You Wish Upon a Star』
メンバー:
Bill Frisell(electric and acoustic guitar)
Petra Haden(voice)
Eyvind Kang(viola)
Thomas Morgan(b)
Rudy Royston(ds)

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