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2016年3月

またまたヘッドシェルを交換して遊んでいます。

アナログは楽しいですよね。
ヘッドシェルを交換して楽しんでいます。

音が気に入ったナガオカのカートリッジMP-20J。
こいつに似合うヘッドシェルを色々考えていたのですが、
結局JVCのヘッドシェルに落ち着きました。

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このMPシリーズのカートリッジは構造上針の位置が後ろになってしまうので、
普通のヘッドシェルに取付けてオーバーハングを合わせると、
カートリッジ本体がヘッドシェルの前にはみ出てしまって格好悪いのです。

オーディオテクニカのAT10GやAT15Eaなども同傾向で、
思い切り本体がはみ出ているのに平気で使っている人がいますが、
私の美意識ではそれが許せません。

トーンアームにマッチするヘッドシェルの重さも考慮しています。
MP-20J自体が重い方なのでヘッドシェルはあまり重くできません。
見た目がちょっと武骨なのですが、それはそれでアリだと思います。

MP-20Jは良い音です。
音に癖がないのでどんなジャンルもこなせます。
元気もそこそこあるので聴いていて楽しいです。
これ1個だけあれば良いとも感じでいます。

最近入手したKP-700Dもなかなか使い心地が良くて気に入りました。
今の私はこれ以上突っ込んで聴く気は起きません。

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元々ジャンク品なので見た目はそこそこなのですが、
音がまともならいいんじゃないかと思っています。
プアオーディオ路線の私には”美品”でない方が方針に合っていますよね(笑)。

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トリオのKP-700Dをメンテナンスしました。

レコードプレーヤーを落札しました。今回はトリオのKP-700Dです。過去にヤフオクでトリオのレコードプレーヤーを4台入手しています。KP-7070、KP-700、KP-7300、KP-F605MKⅡ、いずれもトーンアームにガタがあって、それ以来トリオのレコードプレーヤーには手を出さずにいました。しかし今回あえてトリオを入手たのは、今回もトーンアームにガタがあるようであれば、トリオの中古レコードプレーヤーには気をつけるように注意喚起するつもりだったからです。

電源コードと出力コードが根本から切断されているジャンク品で3100円也。なんでジャンク品にそんなに払ったかというと、金色のヘッドシェルが付いていてこれを売ればそこそこの金額になるだろうと思ったからです(笑)。トリオのレコードプレーヤーはヤフオクで人気があり、動作するというだけで良い値が付くので、今回メンテナンスして動作するようになれば儲けがありそう(笑)。コードが切れているのは壊れているからというより、廃棄物にするために切断して使えないようにしていると考えました。

トーンアームがアームレストから外れて中で動く状態で送られてきました。カートリッジに針は付いていないだろうと思っていたので特に問題なし。プラッターはもちろん取付けたままです。梱包にきちんと配慮ができる出品者はなかなかいません。

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かなり汚れています。ダストカバーは黄ばんでしまっています。本体の木目調塩ビシートも角が割れてしまっていたり、少し浮いているところがあります。屋外物置など悪環境の所に保管されていたのでしょう。ところが意外や意外、トーンアームにガタはありませんでした。これまでトリオのレコードプレーヤーを疑い続けてゴメンナサイ。トーンアームにガタがない物もあるんですね。(よく確認すると僅かなガタはありました。)

金色のヘッドシェルに付いているカートリッジはグランツのGMC-20E。MC型なのに針交換が出来る特殊なタイプでヤフオクにも中々でない珍品。

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やはりカンチレバーは折れていて、特殊なカートリッジなので交換針は入手できないでしょう。アルミの本体部分には刻印された模様があったりして、見てのとおりかなり高級感があるカートリッジです。私は金色ヘッドシェルに興味がないのでヤフオク行き決定です。だって完全に周りから浮いてしまっていますから。

メンテナンスに移ります。裏返して蓋を開けるとこんな作りです。モーターとトーンアームはARBC材(乳白色のプラスチック系素材)で補強されています。ショーティング構造と言っていますが、トーンアーム部とモーター部のARBC材は一体型ではなく密着するように配置しています。一体型になっていないのは組み立てやすくするためだろうと推測します。この思想を更に突き詰めたのがその後のユニファイド・アルミダイキャストフレームですね。

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モーター部分の補強には大いに頷けるところがあります。以前入手したKP-700はプラッターがキャビネットに接触していたので、モーターを本体に取付けてあるスタットボルトの1ヵ所にワッシャを噛ませて傾きを補正しよとしたら、モーター自体がたわんでキャビネットとの接触が治らなかった経験があるからです。モーターベースが1枚の鉄板というのは機械強度的に問題ありです。下の写真の左側がKP-700のモーター。

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右は私が愛用しているPL-380のモーターで、こういう縦長のモーターの方が強度的には優れていると思うのです。パイオニアのこのモーターはアルミダイキャストの厚みがあるベースなのでかなり強靭。モーターの回転を滑らかにするためにできたモーターですが、機械強度的には後退してしまっているのは皮肉です。トリオに限らすパイオニアも同タイプのモーターを採用していきます。

回転制御基板はIC化が進んで部品点数は少なくなっています。これならば故障率は低いでしょう。

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上部に見えるように軟なモーターも補強すれば弱点を克服できます。トリオのこの補強は的を射ています。KP-700のモーターにはその後の展開がありまして、モータのローターを外して当時使っていたロクサンのラディウス3用スピンドルオイルを軸受に入れたら、キャビネットとの接触が治ってしまったのです。モーターの軸がそれほど傾いていたとは思えないのですが・・・。

KP-700DはKP-700の後継機なのですが、正にそのあたりを改善してきています。モーター軸に逆「く」の字のヘリングボーン溝を付けて、オイルを回転させることによって流体圧力でモーター軸をセンターにロックしています。DL(ダイナミック・センター・ロック)モーターと言ってトリオが売りにしていた技術です。そんなわけでしてトリオの改良には実体験から納得できます。

まずは手持ち電源コード(以前入手したジャンク品から外してとっておいたもの)を取付けました。ケーブルクランプをきちんと通して取付けました。絶縁にはビニールテープではなく自己融着テープを巻きました。

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電源トランスを浮かせて振動を遮断するゴムが劣化して内部に壊れて落ちていたので、ここにも自己融着テープを巻いて防振ゴムの代わりをさせました。少しは防振効果があるでしょう。

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電源を入れてみるとモーターもアームリフターも動きました。モーターは最初ゆっくり回ってロックランプが点灯しない状態。手で回転を与えたらロックするようになりました。その後はスタートスイッチを入れればロック状態になります。どうやら長い間回転していなかったためにオイルが硬化気味だったようです。動作O.K.なので出力コードを交換。

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これも以前入手したジャンク品から取り外して保管してあったものを使用。シールドケースを外す時に1個のネジの頭を少しなめてしまい外せなくなって焦りました。しかしCRCを吹き付けてからニッパでネジの頭を挟んで強引に回したらなんとか外せました。写真の上部少し左に見える鏡でレコードのエンドを検出します。トーンアームが回転して少し下に見える黒色の素子に鏡が近づいてLED光を反射できればエンドになります。

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裏蓋を付けると、トーンアームのシールドケースや電源トランスのカバーやモーター補強材が蓋からはみ出します。これはキャビネットの高さを抑え重心を低くするための配慮だろうと思います。

後はひたすらクリーニングしてそこそこきれいになりました。

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トーンアームの細かい錆は落ちません。このくらいが限界です。肉眼ではここまで目立たないので良しとしておきましょう。

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ダストカバーはプラスチッククリーナーで磨いて透明度はある程度確保しましたが黄ばみが取れません(涙)。

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問題なく鳴っています。オートリフトアップも良好(レコードによってはエンド検出しないものがあります)。オーソドックスなデザインなので安心感はありますが面白みに欠けますね。PL-380とこれを併用してみようと思います。まあでも飽きたら手放すことになりそうです。

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レコードを何枚か聴いてPL-380より音が鮮やかに鳴っている感じがしたので、いつものリー・リトナーを使って同時切換試聴をしてみました。同じカートリッジはないので似たような音のZ-1EとME-45を使って比較。念のためカートリッジを入れ替えて比較もしました。その結果、PL-380よりKP-700Dの方が高音寄りのバランスであることが分かりました。KP-700Dの方が高音が良く出るのか、それともPL-380の方が低音が良く出るのか。受け取り方次第なので判断は難しいのですが、私としては後者と解釈しました。

意外ですよね。重量が2Kg重くリジットな作りのKP-700Dに比べ、フローティング構造のPL-380の方が低音が出るという結果になりました。鮮やかに鳴るKP-700Dを良しとするか、それとも安定して鳴るPL-380を良しとするか。う~ん・・・、まあ結果を急ぐ必要はありませんのでしばらく聴いてから判断することにします。

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こうして並べて見るとPL-380はかなりコンパクトなレコードプレーヤーです。

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懐かしい響きの原因が分かりました。

ジャズ新譜紹介です。この人のギターには中毒性があって時々無性に聴きたくなってしまいます。今回の新譜や如何に。

P75ビル・フリゼール『ホエン・ユー・ウィッシュ・アポン・ア・スター』(2016年、OKeh-Records)です。メンバーは、ビル・フリゼール(electric and acoustic guitar)、ペトラ・ヘイデン(voice)、アイヴィン・カン(viola)、トーマス・モーガン(b)、ルディ・ロイストン(ds)です。フリゼールが人生の中で観たり聴いたりしてきたテレビや映画のシーンや音楽は、自分の音楽想像力の中に保存されているそうで、今回はそういう音楽をやっています。

カントリーミュージック系のビルフリ独特の世界が繰り広げられています。ジャズだからと言ってアドリブを聴かせるわけではないので、そういう独特の世界観を聴くべきものです。ギターが「ギロ~ン」と鳴っただけで、もうこの人の世界に引き込まれてしまうその個性は癖になります。独特の陰影感と倦怠感が漂い毒を匂わせる世界。

モーガンの深みのあるベース、ロイストンのどっしり安定したドラム、カントリーミュージックと言えばバイオリン(ここではヴィオラですが)の響きが必要で、そこにペトラ(チャーリー・ヘイデンの娘)の歌とヴォイスが彩を添え、5人で必要十分なサウンドを構築しています。なぜか1曲だけある自作曲《テイルズ・フロム・ザ・ファー・サイド》はアドリブを聴かせるもので、そこがジャズマンの証しなのでしょう。

私にとっては懐かしい古き佳きアメリカのサウンドに聴こえます。どうして懐かしく感じるのか不思議だったのですが、その原因が今回分かりました。曲名の中にあった《ボナンザ》を見てなるほどと思ったのです。私のようなアラフィフ(アラウンド・フィフティ)世代にはピンッと来るものがあるのではないでしょうか?

子供(小学生)の頃、テレビで「ボナンザ」を見ていたことを思い出したのです。私達は「テレビっ子」と言われた最初の世代なので、子供の頃とにかくテレビばかり見ていました。「テレビばかり見ていないで勉強しなさい。」とよく親に怒られたものです。今で言えばスマホばかり見ているのと大差ないように思います。

そんなテレビ、今では考えられないのですがたくさんアメリカのドラマが放送されていました。「ボナンザ」はそのひとつ。土曜半日で家に帰れば午後からはテレビタイムになるわけでして、その時間にやっていたように記憶しています。その時間帯にやっていた番組は他に「チャーリーズ・エンジェル」「バイオニック・ジェミー」「超音速攻撃ヘリ、エアーウルフ」「ナイトライダー」などがあります。

※再度思い出してみると、「ボナンザ」をやっていたのは日曜日の午後4時頃のような気がします。その枠では「スパイ大作戦」とかもやっていました。「ボナンザ」が終了した後「スパイ大作戦」になったのかも?

多感で影響を受けやすい子供の頃に見ていたのですから相当感化され、アメリカに親近感を感じていました。その昔戦争した敵国というイメージは見事にありませんでした。ちなみに私の両親は子供の頃戦争を体験しています。そんなアメリカのテレビドラマですが、私が最も印象に残っているのは「大草原の小さな家」です。こちらは土曜午後6時からNHKで放映。毎回見ていましたね。妹が好きで見ていたのを一緒に見ていました。

西部開拓時代のアメリカで貧しいながら逞しく生きていくインガルス一家の物語です。一家のために懸命に働く超真面目な父親。それを優しく支える温かい母親。このドラマを見た全ての人はそこに家族の理想像を見ていたはず。対照的に描かれるオルソン家の「かかあ天下」「わがままだけれど根は悪くない姉」「いたずら坊主な弟」の方に実は「あるある」と感じていた人も多いはず。今思えば対照的というより理想と現実を描いていたように思います。

まあそんなわけでして、アメリカに住んだことがないにも関わらず、テレビドラマに描かれていた今で言えば「バーチャルなアメリカ」が、実は今懐かしかったりするのです。

話がだいぶ反れてしまいました。懐かしさも漂うビルフリの独自世界に浸ってみるもの悪くないのではないでしょうか。

アルバム名:『When You Wish Upon a Star』
メンバー:
Bill Frisell(electric and acoustic guitar)
Petra Haden(voice)
Eyvind Kang(viola)
Thomas Morgan(b)
Rudy Royston(ds)

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