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2016年2月

ジャズ批評誌の「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2015」

今年もこの時期がやって参りました。
ジャズ批評誌の「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2015」。
私”いっき”のベストアルバムも記載していただいています。

P74

表紙はディスクユニオン発行の「ジャズ・パースペクティブ」と同じ発想(笑)。
いつからこんなデザインになったんでしょうね。

相変わらずベスト・ジャズは人によって様々。
それぞれ個性的です。
ジャズ友の高野雲さんとSuzuckさまのベストもあります。
それぞれらしいベストは今年も健在。

私のベスト5をここに記載します。
昨年は新譜紹介記事をほとんど書いていないので、
ここに私のブログ記事のリンクを貼れるのはクリポタのアルバムだけです。

それではベスト5、行ってみましょう!

1.クリス・ポッター・アンダーグラウンド・オーケストラ『イマジナリー・シティーズ』
  クリポタらしさが出た良いアルバム

2.アダム・ロジャース&デヴィッド・ビニー『R&B』

3.レズ・アバシ・アコースティック・カルテット『インテンツ・アンド・パポーズ』

4.アントニオ・サンチェス&マイグレーション『ザ・メリディアン・スイート』

5.エンリコ・ピエラヌンツィ『テイルズ・フロム・ザ・アンエクスペクティッド』

です。
選考理由は「ジャズ批評」を買って読んで下さい。

2015年はとうとう新譜を16枚しか買いませんでした。
その3分の1がここに書いてあることになります。
時代性がどうのこうのとか考えて選考していません。
単に私が聴いて気に入った5枚を挙げただけです。

よしなに。

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ME-45の比較試聴

またオーディオ記事に戻ってしまいます。先日入手したエクセルME-45の比較試聴をしましたので報告します。

2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手はリファレンスZ-1E。

左 : ビクター Z-1E(針:アーピス現行楕円針DT-Z1E)
右 : エクセル ME-45(針:JICO,アーピス?)

P73

ME-45の方がほんの少し出力が大きいです。両者良く似た音です。ME-45は丸針だと思うのですが高音が良く出ていて、Z-1Eの楕円と近い程度に聴こえます。明るく元気に鳴りますが少々がさつな面があります。この2個はほとんど同じ音ですが強いて違いを上げればZ-1Eの方は中高音に少し色艶があります。

このくらいの違いしかないと、思い込み(先入観、自己暗示)で勝手に違う音だと決めつけてしまう可能性があります。誰が聴いても明らかな違いがあればそういうことにはなりませんけれど。

松田聖子のサ行は程々。優良とまではいかないところが元気の良い音につながっていると思います。廉価品はこういう音作りで良いのではないかと私は考えます。チェックレコードのトレースは針圧2gで問題ありませんでした。トレース性能は悪くないと思います。

私はME-45のような音が好き。リファレンスはME-45でも良いくらいですが、Z-1Eのデザインが好きなのでリファレンスの座を譲ることはないでしょう。この音なら針をJICOのS楕円針に変えて音の変化を楽しめそうです。今のままでも十分実用的な音が鳴っているので当分このまま楽しむことにしたいと思います。1640円(送料含め)でこの音が手に入ったのはお得感があります。

このカートリッジに興味がある方には、同等品のJICOオリジナルカートリッジをお薦め致します。普通にレコードを楽しむならこれで十分。劣化した古いカートリッジより安心感があります。(A'pis AP-12Dの方は現在取扱い中止。)

ブランド品が好きな人にはこちら(笑)。

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上原ひろみの『SPARK』がとても気に入りました。

久しぶりのジャズ新譜紹介です。8ヵ月ぶり、クリス・ポッターの『イマジナリー・シィティーズ』以来だと思います。ジャズブログとしての使命をすっかり忘れ、オーディオにうつつをぬかしている私。ご容赦下さいませ。今回は思いっきり書いていますのでお付き合いのほどよろしく!

P72上原ひろみ・ザ・トリオ・プロジェクト『SPARK』(2015年rec. TELARC)、メンバーは、上原ひろみ(p,key)、アンソニー・ジャクソン(contrabass guitar)、サイモン・フィリップス(ds)です。このメンバーでの4作目、上原ひろみとしては10作目のアルバム。このメンバーで5年も活動し、アルバムを4枚も出すとは思いませんでした。メンバー一丸となってひろみワールドを繰り広げていて、私はこれまでで最高の出来栄えだと思います。

では1曲ずつ書いて行きましょう。まずはアルバムタイトル曲《スパーク》。いきなり度肝を抜くようなこはせず、これからどんなスパークを見せるのかもったいぶるように静かに始めます。オルゴールが鳴っているような出だしは物語の始まりに相応しいです。どちらかというと子供っぽい(悪ガキっぽい)演出が多い上原ですが、今回は大人の演出で成長を感じさせます。

で、サウンドエフェクトシンセを入れつついつものひろみ節が展開。好例の変拍子と繰り返しフレーズから入り、リズムを変えながら進んで行きます。リズムの変化に合わせて曲調も逐次変わって行き、演奏するのはかなり難しい曲だと思います。それを3人で一糸乱れずこなしていくのはこのグループのコンビネーションが如何に高いかを示しています。

PVでサイモンが言っていた、ひろみと私が色々やってそれをアンソニーがつなぎとめるというのを、この演奏で実感しました。演奏中2人は互いに微妙にリズムを乱す展開をしていて、アンソニーはその時々で2人のどちらのリズムに軸足を置いて演奏を安定して進めるか決めながらやっているのが感じ取れます。こういうリズムのインタープレイは高度でなかなか面白いです。

録音バランスは各アルバムで少しずつ違っていて、今回は前アルバムと同様アンソニーのベースが大き目なのに加え、上原の左手のピアノの低音とサイモンのバスドラムのレベルをこれまでより抑え気味になっています。おかげで上記のようなアンソニーの動きが良く聴き取れるようになっています。できれば低音が分離できる良いオーディオで聴いてほしいところです。

プログレ風ハードな曲の合間に挟まる優雅で美しいメロディーが気に入っています。美しいメロディーはピアノソロ(アドリブ)にも散在していて、やはり曲が良いとアドリブも聴いていて楽しいというのを再認識させてくれます。

2曲目《イン・ア・トランス》。お茶目なひろみ全開でアップテンポの楽しい曲。相変わらず複雑な拍子があるけれど、そんなものには目もくれず疾走して行く3人の演奏が痛快。タイトルのとおりだとすれば、上原がトランス状態になるとラテン・テイストが出るということになるのでしょうか。時々現れる上原のラテン・テイストが私は好きです。だって聴いていて体が自然と動く楽しさに溢れていますから。上原の凄さは速弾きとか目先のことではなく、こういうウキウキできるリズム感にあると思います。

無伴奏のドラムソロは多分この演奏で初めてフィーチャされたと思います。手数を多く叩くのが取り柄なサイモンのドラムだと思うようなところがあった私ですが、このドラムソロを聴いてそこにある音楽性に関心してしまいました。やっぱサイモンは凄いドラマーです。

3曲目《テイク・ミー・アウェイ》。前回のアルバムにもあったちょっと変わったリズム・フィギュアを叩くドラム。これを聴くと私はヨーロッパの現代ピアノトリオを感じます。メロディーもヨーロッパの東欧風なところがあります。間にはモロに日本情緒なメロディーもあって、アメリカの人が聴けばエスニックムード満載なのでしょう。サブタイトルの「どこか遠くへ」はヨーロッパのどこかなのでしょうか。

と思えば比較的ゆったりしたピアノソロは意外とファンキーで黒かったりします。ジャジーです。プログレ好きな上原ファンにこういう良さが分かってもらえるのか気になります。エスニックなテーマの中にファンキーなソロを入れるとか、一筋縄ではいかない上原の編曲の妙味が出た曲。

4曲目《ワンダーランド》。複雑なリズムのテーマは正にワンダーランド。どことなくチック・コリアのようなスパニッシュなメロディーも出てきて面白いです。上原のソロは途中から4ビートになっていて、私はこういう4ビートに乗ったアドリブに思わずニンマリしてしまいます。アンソニーとサイモンの4ビートはかなりイカシテいます。カッコイイッ!

5曲目《インダルジェンス》。正統派フュージョン調。大人っぽい都会の夜を感じさせるゆったりした曲。こういう曲が出て来ると妙に安心してしまう私です。何で安心するのかと思っていたのですが聴いていくうちに分かりました。ノリが黒いんですよね。上原のピアノソロももちろん黒くてファンキー。

上原のプログレ調が好きだといいながら、ジャズファンとしてはやはりこういう黒さに安堵してしまっていたという性に改めて気づいてしまいました。黒さがどうこう言いながら本人は意外と黒くないロバート・グラスパー(去年のトリオアルバムで実感)より、上原のこの演奏の方が余程黒いです。プログレの白さの中にこういう黒さを入れる上原、したたかです。

アンソニーの深く沈むベースは水を得た魚なのごとく活き活きとしています。真っ黒けなグルーヴ。サイモンのドラムもためが効いて良いグルーヴです。黒人云々ではなくジャズをやる人の共通言語としての黒さをこの3人の演奏に見ます。前アルバムの紹介記事で書いていたコテコテの崩し、その正体は黒さだったのだと今回理解。で、それをジャズファン以外の上原ファン(プログレ系ファンなど)がどう聴いたのか前回は気になっていたのです。

6曲目《ジレンマ》。プログレ系白い演奏に戻ります。複雑なリズムのスリリングな展開の間に挟まる情緒的メロディーの対比。言うまでもなくひろみ節。一本調子ではなく対比を上手く用いて曲をドラマチックに編曲する上原ならではの巧みな技です。アルバム全体の物語性は言うに及ばず、1曲の中にすら物語性がある上原の楽曲は素敵。表面上のテクニックの凄さは聴けばすぐに分かりますが、そのテクニックをテクニックとしてだけ聴かせていないところが、このプロジェクトの円熟味です。

サブタイトルの「進むべきか、戻るべきか。」は、「このプロジェクトは黒さに進むべきか、白さに戻るべきか。」なのか。それとも「上原ひろみはプログレの白さを進むべきか、ジャズの黒さに戻るべきか。」なのか。気になるところです。

7曲目《ワット・ウィル・ビー、ウィル・ビー》。これも黒いフュージョン調。白い演奏を黒い演奏で挟み込んだ上原の意図が気になります。ミディアムテンポで進んで腰に来ますね。この黒さは本物だっ! で、前アルバムになかったファニーな音のキーボードが再登場。上原のお茶目な面が本領発揮。でコテコテなピアノソロもチョロッと。

サブタイトル「運命の導くままに」がこの黒さだというところに、上原のジャズミュージシャンとしての本音/本質が見えて、私はジャズファンとして上原を支持してきたことに間違いがなかったと確信しました。黒さがジャズの本質ではないと言っている私ですが、やはり黒さを持っているジャズミュージシャンを信頼できてしまう私に気付いたりして苦笑いです。

8曲目《ウェイク・アップ・アンド・ドリーム》。静岡生まれの上原ならではの穏やかな気候と自然を感じさせるピアノ独奏曲。草原に吹く心地良く穏やかな風をイメージします。パット・メセニーにも通じるフォーキーな感じがあります。あちらはカントリーミュージックを感じさせますが、こちらは日本歌謡ですね(笑)。日本人として共感できます。

ラスト《オールズ・ウェル》。フラメンコ調手拍子で始まったと思ったら、シャッフルビートに乗ったR&B!! いやはや参りました。サブタイトルの「終わりよければすべてよし。」がR&Bだって言うんですから。このノリノリ演奏最高っす! ブルジーな節回し堪んね~っ! このアルバム唯一のベースソロ、アンソニーの発想は訳が分かんね~っ(笑)! 上原ひろみさん、あなたはジャズが心底分かっていらっしゃたのですね。

う~ん、正に「終わりよければすべてよし。」、私は大満足であります。白さと黒さと黄色(日本)の対比が鮮明になってきて、それらが上手い具合に共存しているところは正に現代ジャズ。それは3人の人種構成そのものですね。3つの色がこのアルバムの物語を上手く形作っています。こういう妙味が分かってこそ現代ジャズが分かるっていうものです。

まだ1年は始まったばかりですが、私の2016年年間ベスト1はこのアルバムになる可能性がかなり高いです。

アルバム名:『SPARK』
メンバー:
Hiromi(p, key)
Anthony Jackson(contrabass guitar)
Simon Phillips(ds)

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SUMIKO Oysterの正体が分かりました。

ヤフオクで面白いカートリッジを落札しました。エクセルME-45。どこかで見たことがある形状です。1500円也。

P69

もうお気付きですよね。SUMIKO Oysterと同型上です。毎度お世話になっているサイトで調べてみるとこのカートリッジがありました。下記リンクがそれです。

http://20cheaddatebase.web.fc2.com/needie/NDexcel/ME-45.html

な~んだ。以前下記のような記事を書いたのですが、このサイトのME-45に気付いていれば面倒くさいことをしなくて済んだかも。

SUMIKOのMM型カートリッジの正体を暴く。
こんなところに引き継がれていました。

SUMIKOのMM型カートリッジって全部エクセルのOEM品だったんですね。

カートリッジだけ入手したので手持ちのヘッドシェルに取付けました。

P70

前所有者が針を新品に交換していて、それはエクセルのものではないようでノブの所に型番やメーカー名のシールがありません。JICOかA'pisの針なのでしょうか?

廉価カートリッジならではの高出力と元気の良さがあります。ちょっとがさつな音でそこが魅力。古いジャズを聴くとガッツがあって良いです。私はこういう音も好き。

P71_2

実はこのカートリッジを入手した目的は他にもあります。JICOのS楕円針をこれで聴いてみたいと思ったのです。JICOのS楕円針はいくつかの機種に用意されていて、多分これの針が一番安価。そこが私の狙い目(笑)。

https://shop.jico.co.jp/products/?maker_id=33

上記のようにJICOではこのカートリッジを現行販売していて、針は4種類をラインナップしています。

S楕円針に交換すれば今のちょっとがさつな音が少しは矯正されて、レコードに対する対応の幅が広がるかもしれません。MM型カートリッジ探究はまだまだ続きます。

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ジュエルトーンMP-20Jの比較試聴

昨日書いたジュエルトーンMP-20Jの比較試聴をしましたので結果を報告します。

2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手はリファレンスZ-1E。

左 : ビクター Z-1E(針:アーピス現行楕円針DT-Z1E)
右 : ジュエルトーン MP-20J(針:純正楕円針JN-P20)

P68

MP-20Jの方が出力は小さく、私のフォノイコライザーのSN比ではぎりぎりノイズが気にならないくらいです。音量を合わせながら比較をしました。比較の始めは違いがよくわからなかったくらい帯域的なバランスは似ていて、MP-20Jは意外と低音が出ます。高音はMP-20Jの方がきめ細やかで無垢ダイヤの特徴が出ていますが、その割には意外と元気がありZ-1Eに近い鳴りの良さです。

質感としてはMP-20JはZ-1Eにある濁りや余分な響きがなく無駄な音が出ない感じで、以前聴いたオーディオテクニカAT150MLXに共通したものを感じます。MP-20JもAT150MLXもボロンカンチレバーなので、無駄な音が出ず音溝に忠実に再生する感じがボロンカンチレバーの特徴なのかもしれません。こういう音がハイファイなのだろうと私は思います。まじめな音ですが面白みがない音というのではなく、安心して音楽に浸れます。

チェックレコードのトレースは優良。松田聖子のサ行も優良です。普通の楕円針なのでマイクロリッジ針やシバタ針ほどサ行は優秀ではありませんが、返ってそれがハイファイな割には元気良さも失っていないことにつながっていると思います。私としてはMP-150の高音寄りなパワフルサウンドより、MP-20J(MP-200)のバランスが取れつつ元気良さもある音の方が好きです。

AT150MLXがかなり値上げされてしまった今、MP-200(MP-20の後継機)も値上げされたとは言え、この音ならまだリーズナブルな気がします。交換針はMP-200用JN-P200の方がATN-150MLXより8千円くらい安い(ヨドバシ)のでお買い得でしょう。MP-20JはハイファイMM型カートリッジとして手元に残しておこうと思います。

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ジュエルトーン(ナガオカ)のMP-20Jを入手

上原ひろみの新譜『SPARK』、気に入りました。さすがは上原ひろみ、良い出来映えです。私の今年の年間ベストワンはこれで決定かもしれません。後程アルバム紹介記事を書きます。お楽しみに!

さて、話は変わりましていつものオーディオねた。今回はジュエルトーン(ナガオカ)のMP-20Jです。前から聴いてみたかったカートリッジを入手できました。本当は現行MP-200が聴きたいのですが、ヤフオクにはなかなか出ないですし出ても高値です。そこでMP-20J、MP-200の前身ですね。リーズナブルな価格で落札できました。まあはっきり言って現行のMP-200はMP-20Jの型番と色だけ変えて出しただけで、技術的にはMP-20Jから進歩していないと推測します。音も大差ないと思います。

2000年代に入った頃か?アナログブームがあり、その時に出たのがMP-200を含む3桁型番のシリーズです。80年頃にあったMP-10J、MP-11J、MP-15J、MP-20J、MP-30J、MP-50Jのラインナップをそのままに、型番の後ろに「0」を付け「J」を無くして色を変えて出したのだろうと思います。ただし上位2機種はベース部分をアルミ削り出しにして高音質化を狙っています。

80年頃のシリーズは下記「オーディオの足跡」を参照。
http://audio-heritage.jp/NAGAOKA/etc/index.html

CD時代になって一度はあきらめたカートリッジ生産。その後アナログ(レコード)需要がにわかに出て来たと言うので、開発コストを抑えて消費者ニーズに応えたのでしょう。今また(何度目か?)アナログ(レコード)人気が高まっています。

今回入手したものは外箱付(写真はなし)でした。カートリッジ単体売りのもので取説もありました。

P64

状態は良いと思います。ベースとノブが薄い灰色でなかなかシック。現行品MP-200の薄紫色は勘弁してほしいです。オーディオ機器としてどうなんでしょうね?この本体があればMP-150用針の黄緑色ノブでも、MP-200用針の薄紫色ノブでもマッチしそうです。この針がダメになったら現行針に交換して使う手もあります。

P65
この機種はボロンカンチレバーが売りです。左の写真のようにカンチレバーが少しねじれてスタイラスが傾いていました。音を聴く限り左右チャンネルの音量差は感じられないので、レコードの溝に入れば垂直になっているものと思います。黒い部分がボロンのロッド(棒)。アルミパイプに挿し更に磁力を伝える磁性材(パーマロイ)に挿す3段構成。スタイラスは大き目の無垢ダイヤできれいに研磨されています。

P66

手元にあったオルトフォンのヘッドシェルに取付けました。意外と良いマッチングです。このカートリッジは針(スタイラス)がかなり奥まった所にあるので、オーバーハングを適正値にしようとすると本体をヘッドシェルのかなり前方に取付けなければならず、見た目のバランスが悪くなります。なので私はヘッドシェルの一番良い位置にカートリッジを固定しています。オーバーハングは小さくなるのですが、トラッキングアングルの悪化による音の劣化が私にはほとんど分かりません。ヘッドシェルはそのうち他の物に交換します。

P67

さすがにハイファイな音です。こういう音は接合針&アルミカンチレバーの廉価品では出ません。以前聴いた高音寄りのMP-150よりは帯域バランスが良く、そつがない音と言えばそうですが、これはこれで安心して良い音に浸れると思います。ボロンカンチレバーは音に癖がないので私は好きです。後程いつもの比較試聴をした結果を書きます。

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