Concorde STDの比較試聴
適度に慣らし運転が終わりましたのでConcorde STDの比較試聴をしてみました。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手はリファレンスZ-1E。
左 : ビクター Z-1E(針:アーピス現行楕円針DT-Z1E)
右 : オルトフォン Concorde STD(針:純正楕円針STD)
出力レベルはほんの少しConcorde STDの方が小さめ。両者共通した少しざっくりした感じの元気で明るい音は、前にも書いたとおり私の好きな音です。Concorde STDの方が少し高音が弱く、帯域バランスとしてはシュアーM44-7に近いように思います。楕円針なのにこの鳴り方はちょっと意外。厚みのある良い音です。このスマートで軽量なカートリッジからこういう音が出るところがオーディオの面白さ。シュアーM44-7に近いということは、接合ダイヤにアルミカンチレバーのカートリッジとしてスタンダード(標準)たりえる音でしょう。ちなみに「STD」はStandard(標準)の略なので、名前のとおりの音ということになりますね。
松田聖子のサ行は良好。チェックレコードのトレースも問題なし。ただし今室温が高くてダンパゴムが柔らかいので、問題ないのは当然だと思います。いくつかトレースが厳しいレコードを聴いてみた感じでは、トレース性能は適度なところで割り切っている感じです。このあたりが上記の音の出方に繋がっていると思います。私はこういう音作りが好き。ただし私の好みではもう少し高音が出てほしい感じ。まあでも高音強めのオリジナル盤などを聴く場合にはこれの方が良いとも思えます。
これまでオルトフォンMM(MI)型はOmega、Concorde 20、2M Red、Concorde STDと聴いてきたわけですが、帯域バランスやトレース性能の差はあるものの、まとまりのある音楽的な音の出方はなかなか良いです。さすがは老舗カートリッジメーカーだと思います。
さて、少し前にレコードプレーヤーPL-380のトーンアーム駆動用ゴムベルトが切れたことを報告しましたが、今度はPL-380Aのゴムベルトが切れてしまいました。予備として持っていたゴムベルトに交換。こちらはPL-380ほどギヤに注油していないのにゴムベルトの劣化具合は同じくらいでした。今使っているゴムベルトの耐久性では1年くらいしか持たないのかもしれません。
交換後の写真です。この堅牢なトーンアームベースが魅力。トーンアームのフルオート駆動メカがこれだけシンプルコンパクト(部品点数が少ない)にまとまっているところに技術レベルの高さと洗練を感じます。
PL-380/PL-380A、分解して見ればエンジニアには分かってもらえると思う良い出来栄えの製品です。
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