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卒のない仕上がりです。

作年出たジャズアルバムの紹介を再開します。これはもうメンバー買い。

P52マット・ブリューワー『ミソロジー』(2014年rec. Criss Cross)です。メンバーは、マット・ブリューワー(b)、マーク・ターナー(ts)、スティーヴ・リーマン(as)、ラーゲ・ルンド(g)、ダヴィ・ヴィレージェス(p)、マーカス・ギルモア(ds)です。現代ジャズ注目の精鋭が勢揃い。私にとってはリーダーのブリューワーが一番知名度が低いです。ゴメン! オーソドックスなクリスクロスレーベルとしてはリーマンが異色に映ります。リーマンはどちらかと言えばフリージャズ系で尖がったジャズをやっているからです。

8曲中7曲がブリューワーの曲で1曲のみオーネット・コールマンの曲。ブリューワーの曲はアルバムタイトル『神話』に相応しい物語性を感じる美しさを持ったものになっています。非4ビートの曲ばかりできちんと編曲されていて物語性を持った展開。アンサンブルを重視しつつ曲想の中に上手くアドリブが組み込まれています。全体を通して落ち着いたサウンド。アドリブを全員で回すことはなく、各曲に合ったアドリブを2、3人で担当します。ベースとドラムのソロは2回くらい。

アドリブ回数が多い順に並べるとターナー、ルンド、リーマン、ヴィレージェスで、だいたい知名度の順になっているのがクリスクロスらしいと思います。ターナーの演奏には最近の充実ぶりがそのまま出ていて、ルンドの演奏は安定して落ち着いたもの。リーマンは頭の曲とラストの曲で主にアドリブを任されて期待に応える演奏をしています。ヴィレージェスは意外と目立たないのですが要所をしっかり押さえ、ギルモアも突出することなく曲想に合ったサポートに徹しつつ随所に冴えたところを見せます。

オーネットの曲《フリー》だけが異色。4ビートでのターナーとリーマンの白熱の掛け合いがカッコイイです。どの曲でもターナーとリーマンのマッチングはとても良く、クールな温度感が曲想に合っています。ブリューワーのベースはサポートに徹していてソロ以外に目立つようなことはありません。ブリューワーは編曲も含めて楽曲を聴かせることに主眼を置いてこのアルバムを作っているのでしょう。各メンバーは余裕を持って自分の役割をこなしています。

レーベルカラーのせいもあるのでしょうけれど、これだけのメンバーが参加していながら平均点+αみたいなアルバムです。卒のない秀作。それだけに参加メンバーの実力はかえって素直に判断できると思います。

アルバム名:『Mythology』
メンバー:
Matt Brewer(b)
Mark Turner(ts)
Steve Lehman(as)
Lage Lund(g)
David Virelles(p)
Marcus Gilmore(ds)

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コメント

こんにちは。

実はこちらからのTBが全然入らなくて、だいぶ日が経って再トライしたら、多分今回は入っていると思います。

ゆったり目の曲調が多いのは、やはりリーダーの指向性というか、こういうアルバムが作りたかったんでしょうね。もっとガンガンいっても、と思う反面、聴いているうちにこういうアルバムもあってもいいなあ、と思うようになりました。確かに「卒のない秀作」ですね。

投稿: 910 | 2015年1月27日 (火) 17時29分

910さん

こんばんは。
TBを今確認したらスパムになっていました。
理由は不明、時々こういうことがありますよね。
このサウンドはリーダーの指向なのでしょう。
私ももっとガンガン行くものがほしかったですが、おっしゃるようにこれはこれでアリだと思います。
卒のない秀作だと思いますよね。
TBありがとうございました。

投稿: いっき | 2015年1月27日 (火) 20時37分

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