正確な表現力が魅力のカートリッジです。
今年書けなかったジャズ新譜は年が明けてから順次紹介していきます。
先日入手した針ATN-150MLXの比較試聴をしたので報告します。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手はリファレンスZ-1E。
左 : ビクター Z-1E(針:アーピス現行楕円針DT-Z1E)
右 : オーディオテクニカ AT150E(針:現行マイクロリニア針ATN-150MLX)
本体はAT150Eですが音はほとんど針で決まってしまうと思いますのでAT150MLXとして表記します。AT150MLXは巻き線がPCOCCなのに対してAT150Eは普通の銅です。
出力はAT150MLXの方が少し小さいです。高音はAT150MLXの方が良く出ますがAT150Eほど強くありません。高音が良く出るので細かい音が聴き取れて解像度は高いと言えるでしょう。全体的な響きはZ-1Eほど明るくなく少し落ち着いていて余分な脚色がないように聴こえます。チャンネルセパレーションが良いです。この辺りは金蒸着によってダンプしたボロンカンチレバーとマイクロリニア針の効果によるのだろうと思います。高音が出る割には低音も良く出ているので帯域バランスは良いです。中音もしっかり出ているのでドンシャリな音ではありません。レコードの音溝を忠実にトレースする正確な表現力があるように思います。
松田聖子のサ行は優秀でさすがマイクロリニア針だと思います。チェックレコードのトレースも安定しています。トレースが厳しいレコードを何枚か聴いたところ少し神経質な感じがしたので、針圧を標準値1.25gから1.5gにしたら安心して聴けるようになりました。オルトフォンConcorde20のような楽しい音ではありませんが、AT150MLXの脚色なく音を出すモニター調も魅力があると思います。いかにも日本製らしい真面目な音と言えるかもしれません。価格は高いけれどそれに見合ったクオリティです。
現代的な高水準MM型カートリッジとして持っていたいと思いました。
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コメント
こんにちわ、不知火もなれですw
「AT150E」が「AT150MLX」に進化したんですねw
私も以前「AT150MLX」を持ってましたが、スタイラスチップを破損させて、そのままになってヤフオク行きになりました(汗) 当時はまだ1.5万円台で交換針が買えたんですが、今となってはもったいないことをしたかなと思いますw
音も「AT100E」や「AT120Ea」クラスと比べると、かなり格上ですよね。
個人的には当時、同価格帯だった「AT15Ea/G」が好みですが、「100系」と「10系」それぞれの個性があって両方共VM型のリファレンスを名乗るに相応しい出来だと思いましたw
投稿: 不知火もなれ | 2014年12月30日 (火) 11時38分
不知火もなれさん
こんにちは。
AT150MLXは進化したみたいです。
高いだけのことはあります。
今の価格はちょっと高過ぎると思いますが時世柄しょうがないのでしょう。
針は長寿命のようなので今の針を大事に使っていく予定です。
AT100E、AT120Eaとはやはり違います。
廉価品らしい音のAT100Eは結構好きです。
でも同傾向ならOmegaを選択します。
AT15Ea/Gは安定した音の良いカートリッジですよね。
ちょっと好みに合わなかったのでリサイクルしてしまいましたが。
新品針が買えないのも手放す要因になりました。
投稿: いっき | 2014年12月30日 (火) 12時22分