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ベスタクスが破産したとのこと。

私はDJとは縁がないピュアオーディオファンであり、そちらの動向に興味がなかったので、不知火もなれさんのコメントにあった ”「Vestax」が破産手続に入ったよう” を見てビックリしました。

実は私、ベスタクスがDJ用アナログ機器などを作っているメーカーだとは知っていましたが、以前はアメリカのメーカーだと思っていたくらいでした(汗)。しかし廉価MM型カートリッジ探究の中で、ベスタクスのカートリッジがグランツのカートリッジを継承していることを知り、その時日本のメーカーであることも分かって親しみが湧いていました。また私はベスタクスのヘッドシェルを愛用しています。そのベスタクスが破産とは!

ベスタクス破産のニュースはこちら(12月)
http://news.livedoor.com/article/detail/9560054/

DJ業界がCD(デジタル)に押されてレコード(アナログ)が縮小ぎみだというような話も耳にしていましたが、まさかこんなことが起こっているとは知りませんでした。ニュースを読むとベスタクスが破産に至る経緯は日本経済減速の経緯そのままだと分かります。

その下の方を見ると ”Pioneerが世界シェア7割を誇るDJ機器事業を売却” があります。

そのニュースはこちら(9月)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0HB0LL20140916

そのパイオニアはDJ向けレコードプレーヤーを販売開始したりしていました(7月)
http://japanese.engadget.com/2014/07/18/30-plx-1000-dj-dd/
このレコードプレーヤー、テクニクスSL-1200のOEM品であることは一目瞭然。

”30年前のパイオニア製レコードプレーヤーというよりは、テクニクスの SL-1200 に似通ったものとなっています。おそらくは、いまだ多くの DJ が SL-1200 でのプレイに慣れており、「クラブシーンで求められる操作性」を実現したためと思われます。”

なんて書いてありますが、まあそれは大人の事情があるからで、実のところは今更レコードプレーヤーを1から作るような投資をする企業はありませんのでテクニクスのOEMという現実的な選択をして、更に外形を変えるとなると新しく金型を起こさなければならず、それすら投資を惜しんだというのが本当のところでしょう。まあそれでもパイオニアなりのカスタマイズは少ししているようなので意地は感じます。

裏読みすると、ベスタクスが危ないという情報が流れ、ベスタクスがいなくなることによってDJレコードプレーヤー市場に他のメーカーが入る余地が生まれると踏んで、パイオニアがDJレコードプレーヤーを市場投入したのかもしれません。

ニュースを読んで思うところがあります。

パイオニアはレコードではなくCDを使ったDJ機器を主体として世界シェアの6割強を占めるに至っていたということ。その陰でベスタクスのレコード主体のDJ機器の衰退があったのだろうと想像できます。レコードプレーヤーなどのアナログ機器はどこでも作れる技術なので中国製などの安価な製品との価格競争に負けていくことになる一方、CDJなどデジタル機器はまだパイオニアに技術的優位があり、対抗できるメーカーが出て来なかったということではないかと推測します。

しかし最近アナログレコードの復権があり、こちらでもシェアを確保しようとなるとかなりの投資が必要になり、その将来性に不安(一過性の可能性は拭いきれないと私は思っていますが、似たような危惧を抱いているのではないか、いやっCDの方がなくなっちゃうかも?)があり、今売り上げが好調なうちに出来るだけ高く売却しようという魂胆ではないかと想像します。今後はファンドが経営するので業界の動向には敏感に対応するでしょうし、儲からないとなればバッサリ切り捨てられるでしょう。

パイオニアの記事の中には ”すでにパイオニアは、来年3月に音響・映像(AV)機器事業をオンキヨーに統合するとともに、オンキョー本体に14.95%を出資することで基本合意している。” ともあります。

こちらはデジタルオーディオ(ハイレゾ音源配信も含め)に積極的な展開をするオンキョーに未来を託すということなのでしょう。パイオニアもSACDプレーヤーなどを他社より安く販売する戦略の限界を感じていたのかもしれません。私も最近のオンキョーのオーディオに対する姿勢には共感しています。今後はこういう展開(ライフスタイルの変化に合わせたもの)で生き残りを図る方が良いと思うからです。ティアックも似たような展開を進めていてオンキョーの配信サイトとの連携をしていくようです。ちなみにティアックの製品はオンキョーダイレクト(オンラインストア)で買えます。

こうなるとデノン/マランツ連合のSACDプレーヤーに頼ったオーディオは今後ヤバくなるのではないかと推測します。SACDは完全にこけちゃったわけですし(言い出しっぺのソニーも今はね・・・、ハイエンドオンリーメディアとしてはまだ生き伸びているみたい)、相変わらず目先をちょっと変えたような新製品を市場に投入することで売り上げを確保しようという戦略だけでは先細りでしょう。デジタルアンプへの対応も遅れています。ネットワークプレーヤーやUSB-DACをラインナップに加えれば良いというものではないはずなので、デジタルオーディオに今後どう取り組んでいくのか見ものです。

テクニクスブランドが復活したというニュースもありました(9月)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1409/30/news052.html
女性ジャズピアニストが統括ディレクターっていうのが今時。

こちらはもうハイレゾ音源配信を前提にしています。過去にCDプレーヤーのDA変換で1ビット方式(MASH)を打ち出したテクニクスらしく、今度は「JENO」なんて言ってます(笑)。デジタルアンプでもスピーカーのインピーダンス特性に影響されるなんて言っていて、この発想が懐かしいです(かつてトリオのΣドライブなんてのがありました)。「同軸平板2Wayユニット」も超懐かしい。

もうテクニクスブランドでレコードプレーヤーを出したりしないでしょう。OEMでやっていけば良いのですから。ご存知のとおりデノン/マランツ連合のレコードプレーヤーはパナソニックのOEMです。それに上記のパイオニアでも販売してくれます。オンキョーもパナソニックのOEMレコードプレーヤーを来年早々発売します。今更レコードプレーヤーを1から作る企業なんてないですよね。

面白みのなかったオーディオ業界の今後の動向が気になってきました。

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コメント

こんばんわです、不知火もなれでございますw

そうなんです、「Vestax」が破産してしまいましたorz
一時はターンテーブリスト達が「Technics派」と「Vestax派」に別れてました。逆にミキサーは「Vestax」が人気でしたがw
「Pioneer」はCDJで生き残った感がありますが、そもそもDJの市場自体小さくなってしまいました(汗) PCDJなどの新しいスタイルが出来てきたんですが、難しいもんです(汗)

「SL-1200シリーズ」はMK2からDJ達から要望を聞いて出来上がったものなので、仰るとおり「クラブシーンで求められる操作性」があの形なんでしょうね。

「Panasonic」はDJ機器自体の製造はやめてしまいましたが、「売却」はしていないので、もしかしたら今回の「Technics」復活で「MK7」なんて出てくるかもしないですねw 個人的には「SL-1200シリーズ」でなくとも、それに類するプレーヤーが出れば嬉しいのですが。あの「LUXMAN」が復活させたくらいですし。

投稿: 不知火もなれ | 2014年12月27日 (土) 20時14分

不知火もなれさん
こんばんは。
DJの方にもお詳しいのですね。
「Technics派」と「Vestax派」、そういうのありますよね。
今回Vestax派はガッカリしたことでしょう。
ターンテーブル → CDJ → PCDJ、やはりここにもPCが。
今過渡期なのでしょうね。
テクニクスブランドで”SL1200MK7”ですか?
今言っているブランドコンセプトからするとないような気がします。
ラックスのやつはハイエンド向けの手作り感覚の製品ですね。
トーンアームはJELCOのようです。
ひょっとすると本体はC.E.C.が作っているのかもしれません。
ラックスは真空管アンプを度々復活させたりしてちょっと浮世離れした独特なメーカーだと思います。

投稿: いっき | 2014年12月27日 (土) 22時33分

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