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SUMIKOのMM型カートリッジの正体を暴く。

タイトルには”暴く”なんて大袈裟な言葉を使っていますが大したことはないです(笑)。前回に続き今回も私の好奇心に従ってくだらないことを調べてみました。

SUMIKOというアメリカのカートリッジメーカーがあります。ここは今でもMM型カートリッジを供給している貴重な存在。以前SUMIKOのPearlやOysterがOEM品だろうという記事を書きました。今回はその続編です。

以前の記事:こんなところに引き継がれていました。

その後(2016.2.13)の進展:SUMIKO Oysterの正体が分かりました。

とうとうPearl/Black PearlがどこのOEM品なのか分かりました。多分間違いないと思います。まずはこれをご覧下さい。左:CORAL 666-EX、右:SUMIKO Pearl

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形がソックリですよね。左の666-EXは「オーディオの足跡」というオーディオ資料サイトに掲載されていたもので、このカートリッジの仕様も掲載されています。コーラル(CORAL)と言えばフォステクスと並ぶスピーカーユニットのメーカーでした。アンプやチューナーやレコードプレーヤーも作っていたようですが、スピーカーユニットとスピーカーシステムが圧倒的に有名です。

私の最初のオーディオシステム(システムと呼べる程のものではないが)が自作スピーカーなので、その頃(1976年頃)からオーディオ評論家長岡鉄男さん(スピーカーの自作で有名)の本を読んでいて、その本に掲載されているコーラルのスピーカーユニットに興味がありました。自作スピーカーはモジュラーステレオのスピーカーユニットを外して、コーラルFLAT5-Ⅱ用に設計されたエンクロージャーを自作して入れたものです。

当時コーラルのカタログも持っていて、そこに掲載されていた2個のカートリッジMM型666-EX、MC型777-EXについてはよく覚えています。スピーカーメーカーなのに何故カートリッジを作っているのかと思っていたからです。さすがにデザインの詳細までは記憶していなかったので今回写真を見てビックリ。このカートリッジを製造していたのはもちろんコーラルではなく別のメーカーで、コーラルはOEM供給を受けていたのでしょう。

*その後、コーラルに555-Eというカートリッジがあることが分かり、これはSUMIKO Pearlと同じ黒色でした。仕様的にも同等品ではないかと推測します。

それにしてもそっくりそのまま使ってしまっているのが凄い。OEM供給するメーカーは、カートリッジが売れなかったから(スピーカー主力メーカーの製品ですから)金型は傷んでいないしもう会社自体もないしということで、金型の有効利用になると考えたのかもしれません。一方OEM供給を受けるSUMIKOは、新たに金型を作る費用を負担しなくて済むからコストを抑えられると考えたのかもしれません。

Pearlの元ネタは分かりました。さてこのカートリッジを作っていたのはどこのメーカーなのでしょうか? 下の写真をよくご覧下さい。上:SUMIKO Pearl、下:OTTO(三洋) MG-27L

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MG-27Lは以前私が所有していたものです。入手した時に本体シールドケース部がベース部から外れていたので写真を撮っておきました。前回の記事と同様、両者の発電機構が入っている本体シールドケース部の形に注目しました。交換針のスリーブを挿入する穴の形状や出力ピンのところのプラスチックモールド部の特徴が似ています。プラスチックモールド部だけを比較してみましょう。左:SUMIKO Pearl、右:OTTO(三洋) MG-27L。

P173

前回のナガオカカートリッジの場合と同様で出力ピンの極性表示までそっくり。これは同じ金型で成型していると言って良いと思います。以前にも書きましたがMG-27LはEXCEL(エクセル)のOEM品です。ということで、SUMIKOのPearl/Black PearlはエクセルのOEM品と言って良いのではないかと考えます。

昔ながらの技術を現代に伝えるカートリッジがSUMIKOのPearl/Black Pearlなのです。ただし、666-EXに採用されていたベリリウムカンチレバーや無垢ダイヤモンドスタイラスはもう受け継がれていません。音のほとんどを決める針の部分がアルミカンチレバーに接合ダイヤモンドになってしまっているのは残念ですが、時代の流れなのでしょうがありません。音はこのクラスの標準的なものでしょう。

このクラスならヤフオクで廉価カートリッジ本体を入手して、A'pisやJICOの現行交換針を購入すれば同レベルの音を安く聴けます。私はSUMIKOのカートリッジに大枚を払う気は起きませんでしたが、他の似たような仕様の現行カートリッジが値上げされた昨今、新品の安心感という意味ではSUMIKOという選択肢も悪くはないと思うようになりました。

念のためMG-27L(針:アーピスA-1PH)とエクセルカートリッジの写真を載せます。これはもうそのままのデザインなので疑う余地はないでしょう。

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ちなみに現在エクセルブランドでカートリッジは販売していないようです。エクセルカートリッジについては以下のサイトを参照願います。http://20cheaddatebase.web.fc2.com/needie/NDexcel/excelindex.html

昔からMM型カートリッジを製造できるメーカーは限られていました。そして現在はその技術を持っているメーカーはほんの数社です。OEM品でもなんでも良いので、その技術を受け継いでいってほしいというのが私の願いです。

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コメント

今回も、興味深いお話をありがとうございました。
まさか「コーラル」のカートリッジにつながっているとは夢にもおもいませんでした。ちなみに私のメインスピーカーは、今だにコーラルDX-7であります。

投稿: たきじん | 2014年9月25日 (木) 22時23分

たきじんさん

こんばんは。

>今回も、興味深いお話をありがとうございました。

いえいえどういたしまして。

>まさか「コーラル」のカートリッジにつながっているとは夢にもおもいませんでした。

ですよね。
私もこの事実に気付いた時はかなり驚きました。

>ちなみに私のメインスピーカーは、今だにコーラルDX-7であります。

良いスピーカーですよね。
当時私はビクターZero30Fineを買ったのですが、買ったすぐ後にコーラルDX-5が出て、なぜこっちが先に販売されなかったのか悔しく思いました。
なのでその上のクラスのDX-7は憧れのスピーカーでした。

投稿: いっき | 2014年9月25日 (木) 22時56分

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