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ジュエルトーンJT-311の比較試聴

先日入手したジュエルトーン/ナガオカJT-311(針:N-210C)を比較試聴したので報告します。慣らし運転を少しした後で、2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手はリファレンスZ-1E。

左 : ビクター Z-1E(針:アーピス現行楕円針DT-Z1E)
右 : ジュエルトーン JT-311(針:スイング楕円針N-210C)

P177

出力はJT-311の方が少し小さいです。この手の廉価MM型カートリッジに共通の音色です。基本的な表現力や鳴り方はZ-1Eと同じです。JT-311の方が少し高音が控えめで帯域バランスとしてはこちらの方が普通だと思います。Z-1Eが明るく開放的に鳴るのに対して、JT-311は少し抑えた鳴り方なので安定感があります。安心して聴いていられるのですが、反面もうひとつ面白みに欠けるようなところがあります。

ヴァイタルダイヤモンドスタイラスとアルミテーパードパイプカンチレバーについては、特別仕様だからと言って特に良い音になっているとは思いませんでした。この程度のことで音がことさら良くなるようなことはないと思っていましたが案の定です。少しでも付加価値を付けて高く販売しようというメーカーの努力は買いたいと思いますが、それが音にどれほど貢献するかは微妙なところです。

それより松田聖子のサ行が僅かに擦れ気味で、チェックレコードのトレースにおいて針圧範囲の中央値1.5gでほんの少しビリつくのが気になりました。ただし針圧の上限に近付ければ解決します。ちなみにチェックレコードのトレースが少しくらい良くなくても、普通のレコードを聴く分には特に問題ないです。

ということで私はお気に入りのZ-1Eがあるので、接合ダイヤにアルミパイプカンチレバーのカートリッジはこれ以上必要ないです。それにナガオカMP-150に針JN-P110を付けて聴くことも出来ますのでこれら2個があれば十分。今の私は国産廉価品の僅かな差異を楽しむ気はないのでJT-311はリサイクルします。ほんの短いお付き合いになりました。

何度か書いていますが、このクラス(接合ダイヤ、アルミパイプカンチレバー)は現行カートリッジ/交換針で十分なのです。なぜならこれまでに20個ほど聴いた中で、古い故に良い音で鳴るというものはなく、手元に残しておきたいような魅力を持つカートリッジがなかったからです。

ただしそれは国産カートリッジではという意味で、オルトフォンVMS型の廉価品はまだ聴いていないので聴いてみたいです。それから国産カートリッジではチタンパイプカンチレバーに無垢ダイヤのテクニクスEPC-205CⅡとか、廉価品の上のクラスにはいくつか聴いてみたいものがあります。リーズナブルな価格での入手を目指しているので気長にヤフオクをチェックしていこうと思っています。

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