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グレースF-8Lの比較試聴

慣らし運転が終わったのでいつもの比較試聴を実施しました。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は今の私のリファレンスZ-1E。

左 : ビクター Z-1E(針:A'pis現行楕円針DT-Z1E)
右 : グレース F-8L(針:純正楕円針G8-LL/RS-8L)

P161

F-8Lは出力がかなり小さいです。Z-1Eの音を上品にして滑らかにした感じです。バランス的には高音が少し静かになるので少し低音寄りのバランスに聴こえます。Z-1Eが少し高音寄りのバランスなので、F-8Lの方がフラットなバランスなのでしょう。噂どおりで癖はなく素直な音です。オーレックスのC-500M(C-550Ⅱ)に似ているように思います。松田聖子のサ行は優秀でチェックレコードのトレースは問題なし。グレースが誇るルミナルトレース針の効果が出ていると思います。

ネット上の写真を見るとカンチレバーの形状やスタイラスチップ(針先)の大きさが異なるものが存在するようで、どうやら私が入手したものは比較的新しい仕様の針のようです。本体はシリアル番号からいってかなり古いと思いますが、針そのものは新しいものに交換されているのではないかと思います。

ならばということで、オーレックスC-500M(C-550Ⅱ)との比較をしてみました。

左 : オーレックス C-500M (針:純正特殊楕円針N-550Ⅱ)
右 : グレース F-8L(針:純正楕円針G8-LL/RS-8L)

P162

F-8LはC-500M(C-550Ⅱ)より出力が少し小さいです。両者は少し違う音でした。C-500M(C-550Ⅱ)の方がメリハリがあってハイファイ調。一方F-8Lはあっさり風味です。あっさりなのですが音に厚みがあるので意外としっかり聴こえます。かなり感覚的な喩ですが、F-8Lは白飯の旨味のような味わいがある音です。同じような音ならC-500M(C-550Ⅱ)があれば良いと思ったのですが、F-8Lには異なる魅力があるので手元に残しておきたいです。ただ出力が小さいのでヘッドフォンの大音量試聴では、自作真空管フォノイコライザーのバルブノイズが気になるぎりぎりのところ。

カートリッジを5個に減らしたのにまた1個増えてしまいました。カートリッジをたくさん持っていてもレコードプレーヤーは2台だけなので、ローテーションの間隔が長くなってしまうのはどうかと思っています。まあ6個なら良いか。

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