これも聴いてみました。
不思議なのですがヤフオクでは同じようなものがまとまって出る傾向があります。予期せぬシンクロ(同期)なのか? 出品者の意向が反映されているのか? まあそんなことはどうでも良くて、ビクターカートリッジZ-1S用純正交換針DT-Z1Sを落札してしまいました。
最近カートリッジZ-1Eを入手して交換針DT-Z1SR(SWING代替品)も入手したばかりだというのに・・・。前から聴いてみたかった純正針なので思い切って落札しました。これが安くて送料込みでほとんどワンコイン! 出品者によると未使用品らしいのですが、箱が密封されているわけではないので何とも判断がつきかねます。この針は結構人気があるはずなのに何で今回こんなに入札が少なかったのか疑問。”動作保証はございません。”の一言が効いたのか? 目利きには純正品ではないことが分かったのか? まっ、いいや。
前に純正交換針DT-Z1Sは現存品が少なくて入手できないだろうと思い、兄弟機Lo-D MT-24の純正交換針DS-ST24を聴いた経緯があります。今回聴きたかった未使用針が入手できたのはラッキーです。こんなこともあるんですね。
梱包形態はLo-DのDS-ST24と同じです。もちろん品名やデザインは異なります。
噂どおりどちらもGLANZ/ミタチのOEM品なのでしょう。カンチレバは両者異なります。Z1SはシングルパイプでST-24は2重パイプ。コストがかかるのは2重パイプの方。材質はどちらもアルミです。年代的にはST-24の方が古いと思います。日立のモートルロゴ(モーターの断面図に”日”と”立”がかけてある)が懐かしい。
*注
100倍顕微鏡でスタイラスを見たら、円錐ダイヤモンドの前後を削った楕円針のように見えます。どうやら純正交換針ではなかったみたいです。2014.8.26
早速本題に入ります。エージングのために何枚かレコードを聴いてからいつもの比較試聴をしました。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は私のリファレンスAP-25D。
左 : A'pis AP-25D(針:A'pis現行楕円針ST-25DED)
右 : ビクター Z-1E(針:純正丸針DT-Z1S? サードパーティ楕円針?)
出力はZ-1E(S)の方が小さいです。SWING製の針DT-Z1SRの時は大きかったのに逆転しました。その理由は後で書きます。Z-1E(S)の方が低音が少なめで高音も僅かに少なめ。帯域の上下が少なめなので中音は前にでるように感じます。Z-1E(S)の方が響きは整理されている感じです。どちらかと言うとナガオカ系の音のように思います。で、思い出したのはMT-24の音。同傾向の音だったような気がします(今は手元にないので)。少々こじつければGLANZ/ミタチの音なのかもしれません。松田聖子のサ行は良い方でチェックレコードのトレースは問題なし。この音、悪くはないけれど私としては少々面白みに欠けます。
*注
上記のとおりスタイラスは楕円針のようです。音の感触からするとナガオカの交換針(楕円仕様)なのかもしれません。これはこれで希少。2014.8.26
DT-Z1S(ビクター純正)とDT-Z1SR(SWING代替)の出力差の理由はマグネットの大きさでした。DT-Z1SRの方が一回りくらい太いマグネットが付いていました。前にDT-Z1SとDT-Z1SRはノブの色の違いだけと書きましたがそれだけではないようです。DT-Z1SRは出力を大きくして鳴りの良さとS/N比の有利さを意識して設計されているようです(廉価コンポ向けの仕様)。振動系は重くなるのでトレーシング的には不利です。結果、音質が異なってハイ上がりの傾向。これまでの経験から出力を大きくするとハイ上がりになる傾向があることが分かりました。同傾向の音としてはGLANZのMG-2S。もっとも顕著に表れていたのがパイオニアの古いカートリッジPL-C9。
DT-Z1SRの音の傾向については以下を参照。
それでもって、いつもの比較試聴です。
今回聴いて再認識したのは針によって音が異なってしまうということ。今まで色々聴いてきましたが、基本的には本体よりは針の音を聴いていたことになると思います。なので、カートリッジが同じでも私が聴いた針と異なるものが付いていれば、当然音も違うものになってしまうということです。それを意識して私の試聴記を読んでいただきたいと思います。
DT-Z1S、DT-Z1SR共にその後すぐにリサイクル。私には不要でした。
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