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オーソドックスなフリージャズ

ディスクユニオンのジャズサイトで試聴して気になっていたら、ジャズ喫茶「いーぐる」の新譜試聴会でもこれが紹介されたので購入してみました。発売されてからだいぶ経っての紹介です。

P140マーク・リボー・トリオ『ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』(2012年rec. PI RECORDINGS)です。メンバーは、ヘンリー・グライムス(b,vl)、マーク・リボー(g)、チャド・テイラー(ds)です。リボーと言えばアバンギャルドなギタリストとして知られていますよね。グライムスはフリージャズ界の重鎮ベーシスト。テイラーはロブ・マズレク(tp)とシカゴ・アンダーグラウンド・デュオを組んでいるシカゴ系の人。そんな3人が組めば出て来る音は大体想像がつくと思います。

老舗中の老舗ライブハウスのヴィレッジ・ヴァンガードで、彼等らしいオーソドックスなフリージャズを繰り広げています。やっている曲はジョン・コルトレーンの2曲にアルバート・アイラーの2曲にスタンダード2曲の全6曲。内2曲は15分越えの長尺演奏になっています。選曲からもオーソドックスさが分かるでしょう。ジャズが分かる人であれば特に難解な演奏ではないと思います。

リボーのギターはノイズ系ではないのでフリージャズと言ってもきちんとフレーズを弾いています。サウンドエフェクト的な演奏もありません。フレージングは特に独特というのではなく、ギタープレー全体から出る雰囲気が、何とも濃くてどことなくとぼけたところがあるようでいかにもアメリカ的で、「やっぱりリボーだよな~。」と思わせるのがこの人の良さです。全編楽しそうに弾いているリボーが居ます。

グライムスってこれが録音された2012年には77歳ですよ。演奏を聴く限りにおいてはそんなおじいちゃんが弾いているようには聴こえません。バッチリ現役。今の70代って私の周りを見ても皆元気です。この世代で70歳を超えて生きている人ってまだまだやれますよね。きっとライブを観ればグライムスも楽しそうに演奏しているんでしょう。ライブ全体の雰囲気に楽しさが出ていますから。

テイラーはグライムスからすれば孫世代。この手のフリージャズ・ドラミングはお手の物といった感じで叩いています。盛り上がる部分での爆発力も十分。全編パワフルなドラミングと安定したグルーヴを提供。基本4ビート演奏で、時々定型ビートがなくなるフリージャズになります。先輩2人をしっかりサポートすることに専念しているように聴こえます。

コルトレーンの曲では典型的な爆発力あるフリージャズを展開。アイラーのウェスタン・カントリー風味の曲なんかは上記のリボーの特徴が生かされて見事に嵌っています。私はそこにアメリカ音楽の良さを感じますしこういう演奏が好きです。スタンダード2曲はバラード演奏で、リボーのジャズギタリストの原点みたいなものが出ています。

録音がなかなか良いです。向かって左にベース、真ん中にドラム、右にギターと定位は安定。3人の音がクリアな上に適度な粗さが出て、観客の空気感も良くミキシングされています。大きい音で聴けば目の前で演奏しているような雰囲気が味わえるでしょう。

日本にいながらこういう良い雰囲気のジャズライブが聴けるというのは幸せなことです。生を観るにこしたことはないのですけれど、現実問題なかなかそうはいきません。

内ジャケットの写真を貼ります。この不良な雰囲気がイイ!

P141

アルバム名:『LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD』
メンバー:
Henry Grimes(b, vl)
Marc Ribot(g)
Chad Taylor(ds)

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