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メンバー買いです。

ジャズ新譜紹介です。リダーよりサイドメンを見て買うことにしました。

P129ジョージ・コリガン『アスク・ミー・トゥモロー』(2012年rec. Steeple Chase)です。メンバーは、ジョージ・コリガン(p,tp)、リンダ・オー(b)、テッド・プア(ds)です。はい、この人がいるとついつい買いたくなってしまうのがベーシストのリンダ・オー。そして私が好きなドラマーのテッド・プアがいます。これは買うしかないでしょう。

オーは小柄な女性にもかかわらずその強靭なベースがお気に入り。プアはトランペッターのクォン・ヴーのグループでドラムを叩いてる人で、緩急自在な柔軟なグルーヴが気に入っています。そう言えば最近久しぶりにヴーの新譜が出ますが、ドラマーはもちろんプアです。

全8曲コリガンが作曲。モーダルな曲が多く、美しい曲では甘さに流されないビターなテイストが良いです。最後の曲を除いて非4ビート系で今時変拍子があります。緩急曲を上手く配置した曲構成になっています。コリガンのピアノにはあまり特徴がないので、ブラインドホールドテストは難しいでしょう。モーダルなフレージングとクリアなタッチ、確かな技術を持ってカッチリした演奏をしています。

オーは相変わらず単なるウォーキングベースは弾かず、コリガンの美意識に上手くベースを絡ませていきます。今回は強靭な部分だけでなく、改めてアーティスティックなベースの存在感に気付かされました。そういう意味でコリガンとオーのインタープレーはこのアルバムの聴きどころになっています。プアのドラムには特に新しいビートは感じませんが、現代ならではの細分化を巧みに操って上手く演奏を盛り上げています。

1曲目《アスク・ミー・トゥモロー》はモーダルで力強い曲。コリガンのソロはもちろん、ベース・ソロとドラム・ソロがあり、このトリオのお披露目演奏としては最適なものになっています。2曲目《トゥ・ノーツ・フォー・コード》はミステリアスな雰囲気を漂わせた美しい曲。ベース・ソロが先発して力強くアートなソロが聴けます。コリガンの抒情的なソロは美しくも逞しいです。

3曲目《プラグ》はまたアップテンポで7/8拍子と4/4拍子を交えて小気味よく進んでいきます。歯切れ良いピアノが気持ち良いです。ベース・ソロも快調。プアのドラミングは複雑な拍子をものともせず勢いを落さずに飛ばして行きます。4曲目《リターン・トゥ・コペンハーゲン》は定型リズムがなく、フリーな要素を盛り込みながらコペンハーゲンの美しいイメージが広がります。単に静かに演奏するのではなく、最後に向かって盛り上がっていく感じには高揚感があります。オーのアーティスティックなベースも冴えています。

5曲目《インシスタント・リンダ》は勇ましい曲。タイトルは”しつこいリンダ”という訳になると思いますが、ベースは同じ音を繰り返す部分がタイトルどおり。ピアノ・ソロ主体の3分半。6曲目《イェスパーズ・サマー・ハウス》はバラード。美しい演奏です。この曲でのコリガンにはリッチー・バイラークの匂いがします。80年代モーダル・ジャズ『クエスト』の雰囲気。曲がどことなく《ジキル博士とハイド氏》(アル・フォスターの曲)に似ています。懐かしいです。

7曲目《カセクシス》はワルツ曲。美しい曲ですが甘さには流されず力強いです。ベース・ソロは相変わらず強靭。ラスト《ジェット・ブルース》は何とトランペット・トリオ。トランペットを吹いているのがコリガンで、かなりガッツが入っているからビックリ! ソロはスケール主体でどこかで聴いたことがあるようなフレージング。とは言えこれだけ吹ければ凄いでしょう。この曲だけは4ビートで、オーにしては珍しいウォーキング・ベースがたっぷり楽しめます。ウォーキング・ベース・ソロも良いです。

オーが活躍していて私としては満足。コリガンのピアノとプアのドラムも良く、堅実なピアノ・トリオ・アルバムに仕上がっていると思いました。

アルバム名:『Ask Me Tomorrow』
メンバー:
George Colligan(p, tp)
Linda Oh(b)
Ted Poor(ds)

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