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今手元にあるカートリッジはこの6個

廉価MM型カートリッジ探究で様々なカートリッジが手元を通り過ぎて行きました。今手元にあるのはこの6個です。

P110

写真前列左から

1.ナガオカ MP-150 (針:JN-P150 無垢楕円 現行品)

若干中高音寄りで元気な音。廉価品の上に位置するだけの音は出ています。後で紹介するMP-11の音に色艶と濃さが加わった感じです。解像度も悪くないと思います。繊細感がありつつしっかりした高音に密度感のある中低音なので、それがメーカー宣伝文句「広帯域のパワフルサウンドモデル」なのだろうと理解。カートリッジ1個だけ持つなら今のところ私はこれ。交換針は無垢ダイヤとしては安くてコストパフォーマンスが高いです。

2.A'pis AP-25D (針:ST-25DED 接合楕円 現行品)

廉価MM型カートリッジ用JICO/A'pis現行交換針の音を知るという意味でこれ。古いカートリッジでも良いのですが、このクラスは本体による違いが大してないので、経年劣化が少ない比較的新しく製造されたこれを残しました。使用している人が少ないというレア度も魅力。EXCELのES-70S(90年代再発版)、JICOのJR-45C(廃番)と同じものです。現行で丸針、楕円針、シバタ(4ch)針、SAS針があるので、針を変えて音の違いを楽しむことが可能。

(現行品ならばAP-25Dの後継機AP-12Dがあります。JICOのJR-525Cと同じもので、多分SUMIKOのOysterとも同じものです。針はJICOの丸針、楕円針、S楕円針、SAS針のバリエーションから選択できます。)

3.シュアー M44-5 (針:N44-5 接合丸 オリジナル針)

これは俗な懐古趣味です(笑)。オールドシュアーのカモメマーク。それもM44GではなくM44-5というレア品なのがミソ。元気なアメリカンサウンドはこれで決まり。定番中の定番カートリッジとして、現行のシュアー針やJICO針を付けて楽しめば良いのではないかと思います。ただしサ行の歪みが気になります。オリジナル針は高くてそこまで出す気になりません。今付いているオリジナル針は残念ながらカンチレバーが変形しています。

写真後列左から

4.ナガオカ MP-11 (針:JN-NP110 接合楕円 現行品)

廉価カートリッジ向けナガオカ交換針の音を知るという意味でこれ。ヨーロッパで人気があったというだけあり、落ち着いたヨーロピアンサウンドです。ナガオカの針はJICO/A'pisに比べて響きが抑えられているように思います。ゴムダンパの減衰が速いのか? アルミパイプカンチレバーが鳴きにくい材質なのか? なので聴いて楽しいのはJICO/A'pisの方。現行後継モデルMP-110が同等品。

5.オーレックス C-500 (針:N-550Ⅱ 無垢楕円 廃番品)

オーディオ最盛期に工夫を凝らしていた日本製らしいカートリッジ。カンチレバーがカーボンロッドというのがミソ。そのカーボンロッドは余計な響きが無く素直な音。無垢ダイヤ使用により高音がきめ細やか。これが販売されていた1980年前後のフュージョンにベストマッチする音だと思います。独特なデザインが気に入っています。EXCELのOEM品らしいのですが、ナガオカ(ジュエルトーン)のJT-555のバリエーションのような感じもします。というかEXCELじゃなくてナガオカのOEM品だと思います。結局GLANZ/ミタチ系はなくなって、EXCELとナガオカ系のカートリッジが残ったことになります。

6.オーディオテクニカ AT150Ti (針:ATN100E 接合楕円 現行品)

オーディオテクニカの現行音を知るという意味でこれ。今付けている針ATN100Eは廉価品ならではの元気で溌剌とした音。ジャズやポップスを楽しく聴かせてくれます。ただしオーディオ的に細かい所を分析するような音ではありません。そういう目的ならば、針ATN150MLXを付ければ現代的なHiFi音を楽しむことができます。

廉価MM型カートリッジ探究をしてきた結果、何十年も経過した古い針を懐かしむのではなく(古い針の方が音が良いというわけではないことが分かったので。 音を聴くのではなく、並べて楽しむのならばそれも結構ですが。笑)、現行針を楽しめば良いという結論に達しました。今はオルトフォンの2M Redと2M Blueが気になっています。

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コメント

最近は、だいぶ落ち着いているようで。

ここ立て続けにアナログカートリッジの値上げが発表されました。
デノンの発表後、テクニカ、オルトフォンと値上がり率こそ低いですが今後も確
実に上がっていくのでしょう。

また、JICOは大きな変化は有りませんが、ナガオカの製造中止や統廃合も進
んでいます。
互換針の選択肢もだんだん厳しくなっています。

6月に品川無線からいつもの期間限定の販売の知らせが届きました。

毎回のように値上がりするのが交換針です。
ここ約3年ほどで、一番値上がりした針は約2倍となり金額は両手に届きそうです。
技術の方と話しましたが、スタイラスアッセンブリーの供給元(○グラ宝石など)
もスタイラスはすでにお荷物な商品となっており、当時からの付き合いのある技
術者(現在は管理職?)が会社を去ると製造が完了するかもしれないとの事。
実際、品川無線も今はオリンピック景気で本業の方が非常に忙しくなっています。
カートリッジ部門はあくまで、アフターサービスの一環という扱いですので本業
が忙しくなると、生産がおくれます。

実は、グレースにも接合仕様の楕円針が有ります。
技術に接合針はムク針に比べどの程度性能が落ちるのか聞いたことが有ります。
確かにマスが増えるので不利にはなるが絶対的な特性上の問題ではないとの事。
(グレースF-8用で周波数特性は40kHzまでは保障されています)
よく、純正針はムクで互換針は接合針だからマスの増加でトレース性能が落ちる
と言われているが、もっと気にしなければいけないのはマグネットであるとの事。
接合針とムク針の重量差よりもオリジナルのマグネットと互換針のマグネットの
取り付け位置や重量差の方が、振動系の実重量やモーメントへ影響が大きくなる。

又マグネットはホルダー内にあり分解しなければ差異の確認が出来無い為、あまり
語られない事項である。
しかも、安価に供給するため、高価なマグネットを使わず、オリジナルより大きな
マグネットを用いて出力電圧は確保するが、振動系の実重量が大きくなってしまう
事が考えられるとの事。
さらに、パイプ材質、ダンパーゴム、チップ埋め込み部分のプレス形状など、多々
の合理化(仕様の統合など)がオリジナルとの差異を広げる結果となり得るとの事。

互換針メーカーのカンチレバーやマグネットの材質はコストや製造技術の問題で
今となっては解決策は無いでしょう。
(ナガオカのカーボンカンチレバーやアーピスのラインコンタクト針など、当時の
 技術はどうなってしまたのでしょう)
 

やはり高価(高級)な中古カートリッジは今となっては持ち腐れ状態です。

投稿: jamjam | 2014年7月 3日 (木) 01時51分

jamjamさん

こんばんは。
やっと落ち着きました。

オルトフォンの値段が最近高くなったと思ったら、やはり値上げされていたんですね。
円安の影響もあるんでしょうね。
ナガオカの交換針はそんなに整理されているんですか。
まあそれも時勢でしょうがないのでしょう。

品川無線(グレース)が存続していたことは知りませんでした。
アフターサービスの一環でもそこまでやってくれるのはとても珍しいですね。
ユーザーを大切にしてくれる良い会社だと思います。
アナログ趣味はミドルクラスが消滅してハイエンド側に取り込まれつつある感じがします。
そうなると数量がますます出ないから更に価格上昇でしか対応できないというスパイラル。

接合針やマグネットに関する諸々はそのとおりなのだろうと思います。
いつも貴重な情報を教えていただきありがとうございます。
合理化は何かどうかしわ寄せがありますね。
これは甘んじて受け入れるより他ないと思います。

ナガオカのカーボンカンチレバーと言えば、オーレックスがウルトラC針をナガオカと共同開発していたこともあり、N-500Ⅱのカーボンカンチレバーは正にそのナガオカの技術なのだろうと思います。
あの時代で終焉でしょう。

アーピスのラインコンタクトPH針は、自社ブランド販売のカートリッジA-1PH(廃番)用のみになっていますね。
M44GやZ-1Sなど定番カートリッジ向けに残っていたものも生産中止になっています。
無くなるのは時間の問題だと思います。
多分在庫のみなのではないかと推測。

宝の持ち腐れとはもったいない限りです。

投稿: いっき | 2014年7月 3日 (木) 21時26分

品川無線は表立っては活動していないように見えますが、ユーザー登録者の目線では今も変わらないオーディオメーカーです。
F-8、F-14(F-9)本体は今でも販売されていますし、F-8用の針も15種類以上あります。
F-9、F-14用は減ってきて3種類、F-5、F-6、F-7の針も現行品が有ります。
(面白いのは、F-8用コニカル針で0.4milから0.8milまで0.1mil単位で出ています)
又、今でも時々新型の針が発表され、最近ではF-9、F-14用のルビーカンチレバーの新製品が限定販売されました。(値段は言いませんがとても高価です)
ヘッドシェルもアウトレット品も含めれば6種類、リード線も3種類と、テクニカにも負けないラインナップです。
いかんせん、F-8本体と針を新調すると、標準的な組み合わせでもオルフォフォンの2MBlack程度の価格になってしまうのですが、70年代後半から80年代前半の物価やアナログの現状を考えれば、現在の価格は妥当なのかも知れません

投稿: jamjam | 2014年7月 4日 (金) 18時38分

jamjamさん

こんばんは。
品川無線が今もそんなにたくさんの針を販売し続けているとは驚きです。
大したものだと思います
なるほどだからサードパーティーの代替針が販売されないんですね。
日本の良き技術を継承しているオーディオメーカーとして、これからも長く頑張ってほしいと思います。
価格についてはおっしゃるとおり妥当なのだろうと思います。
私には手が届きそうにありませんが、一度は聴いてみたいカートリッジです。

そういえば、渋谷にある「JBS」というジャズ/ブルース/ソウルのレコードだけを聴かせる喫茶店は、グレースF-8を使っていました。
2年くらい行っていないので現在は不明。
プレーヤーはトーレンスのTD124&SME3009、フォノイコはマークレビンソンのLNP-2L、マッキンのプリ&パワーでアルテック・カーメルを心地良く鳴らしていました。

投稿: いっき | 2014年7月 4日 (金) 21時30分

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