パイオニアのPC-330/Ⅱが気に入りました。
チタンパイプカンチレバーの音が聴きたくて入手したパイオニアのカートリッジPC-330/Ⅱ。もう少し聴きこんでみました。
動作確認をしていないジャンク品をヤフオクで落札。でも音はちゃんと出ました。外観は経年なりです。ヘッドシェルはコネクタ部分が錆びていて、クリーニングしてもこれ以上きれいになりませんでした。シェルリード線は懐かしのLC-OFC線。前所有者はオーディオに凝っていたようです。
私はこのタイプのヘッドシェルのデザインが好きではないですし、端子も金メッキされていないので交換することにしました。私が愛用するのは安いベスタクス。これで十分機能を果たしてくれます。私には高級ヘッドシェルは不要。シェルリード線はそのまま流用しました。
ヘッドシェルを交換しても音に変化はなし。私の場合ヘッドシェルを交換するのは見た目重視です(笑)。カートリッジを覆い隠すことがないヘッドシェルが好きです。だって主役はカートリッジなのですから、それを見えにくくしてしまうなんてもってのほか。
目覚ましのために何枚かレコードを聴いてからいつもの比較試聴をしました。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は私のリファレンスAP-25D。
左 : A'pis AP-25D(針:A'pis現行楕円針ST-25DED)
右 : パイオニア PC-330/Ⅱ(針:純正丸針PN-330/Ⅱ)
出力レベルはPC-330/Ⅱの方が小さいです。ちょっとビックリしました。この2つはほとんど音質差がありません。製造年代やメーカーや使用時間はもちろん、カンチレバーの材質やスタイラスの形状など色々違うのに似た音が出ます。AP-25Dは廉価品MM型ならではの明るく元気な鳴り方。楕円針なので高音が良く出つつ低音も不足なくバランスが取れた音です。PC-330/Ⅱも同様の鳴り方です。丸針でここまで高音が出るのは初めてかも。たぶんチタンパイプカンチレバーと軽量振動系の効果なのでしょう。
ただし良く聴くとやはり微妙な差はあって、PC-330/Ⅱの方が僅かに濃い音です。AP-25Dの高音成分の一部を少し中音に振り分けたような感じに聴こえます。どちらかと言えばPC-330/Ⅱの方が好きかも? ただしちょっとまったりした音。純正針が今はもう入手できないのが残念です。純正針でないとこの音は出ないでしょうからね。この針がダメになったらJICOやA'pisの代替針に交換して楽しむのも良いでしょう。丸針、楕円針、SAS針、シバタ針(上位機種用)があります。ダンパがへたり気味のようで反りのあるレコードでは少しフラフラします。
このカートリッジが気に入りました。こっちをリファレンスカートリッジにしようかと思案中。そう言えばテクニクスの廉価カートリッジをまだ一つも聴いていませんね。ここをチェックしないと廉価カートリッジ探究は終われないかな~。
その後リファレンスはビクターZ-1Eになり、このPC-330/Ⅱはリサイクルしました。
ちなみにヤフオクの常連出品者さんは、PC-330の本体に針PN-330/Ⅱを付けてPC-330/Ⅱと言って平気で出品しています。本体ベース部分が片やプラスチックで片やアルミダイキャストとかスリーブの形状が違うとか構造的には意味がある差異があるというのに・・・。ブログにはもっともらしいことを書いているけれど、要は高く売れればそれで良いのでしょう。
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コメント
パイオニアの針は音小さいですよねw
トリオとかテクニクスの針のが音大きくて
好きですねw
投稿: | 2015年12月23日 (水) 16時53分
パイオニアのMM型カートリッジは音が小さいですか?
トリオ、テクニクスのMM型カートリッジはそれぞれV-39MKⅡとEPC-205C-Ⅱを聴きましたが、手元に残しておきたいと思うものではありませんでした。
投稿: いっき | 2015年12月25日 (金) 00時05分
はじめまして。PN-330/Ⅱで検索したところこちらにたどり着きました。もしご存知でしたらご教授いただきたいのですが、パイオニアのXL1550に対応可とのことでPN-330/Ⅱ相当丸針という針を大手家電ショップで購入したのですが、差込口が合わなかったと家内から伝えられました。当方はレコードに全く無知のため、そもそも対応品でないものを買ってしまったのか、家内が何か勘違いしているのか解りません。よろしければご助言いただけないでしょうか。
投稿: S | 2017年7月10日 (月) 21時45分
Sさん
こんばんは。
お困りでしょうね。
物を見られないので推測でしかお答えできません。
ネット上の情報を見るとXL1550に付属していたカートリッジはPC-330/Ⅱで、その交換針はPN-330/Ⅱです。
以下URL参照。
http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/player/xl-1550.html
なのでXL1550に対応する針であれば挿し込めるはずです。
対応する針の形状が私のブログの写真と合っているかよく確認してみたらいかがでしょうか?
残念ながらこのくらいしか分かりません。
投稿: いっき | 2017年7月11日 (火) 00時24分
PN-330/IIをやっと回収しましたw
スタイラス自体は数年前に回収してたんですが
どーしてもカートリッジの入手が出来ず数年経ってしまって・・・PN-330のカートリッジは腐るほどあるんですが^^;
やっと念願のPN-330/IIを聞きました♪
正直DL-103などの名器と比べると分が悪いですが、テクニクスの270cと比べると面白いですね
MMやMCなどの多種多様なカートリッジがレコードを趣味とする醍醐味なんでしょう
投稿: | 2017年11月 9日 (木) 04時04分
PC-330/Ⅱはチタンカンチレバーの特徴であると思われる音(軽やかさがない)があって、私の好みにはあまり合わないことが分かりました。
たくさんのカートリッジを聴きましたが、カンチレバーの材質に伴う音の傾向というものがあり、振動を音に変換するものなので共振周波数などが影響しているものと思います。
チタンは音が重く、ベリリウムは高音寄りで華やか、ボロンは無駄な響きがなく静か、アルミが一番無難というのが私の得た結論です。
投稿: いっき | 2017年11月11日 (土) 18時48分