シュアーのM95HEは良い音なのですが・・・。
最近入手したシュアーのカートリッジM95HEをよく聴いてみました。さすがにこれはM44Gのような癖はなくバランスのとれた音がします。ネット上にある情報のとおりのように思います。
ヘッドシェルはベスタクスからピカリングに変更しました。これら2つのヘッドシェルの違いは長さです。短いピカリングの方がM95HEのデザインにマッチしていると思うのです。
M95HEは武骨なデザインですが、見慣れてくると頼もしく見えてきます。
今回も目覚ましのために何枚かレコードを聴いてからいつもの比較試聴をしました。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は私のリファレンスAP-25D。
左 : A'pis AP-25D(針:A'pis現行楕円針ST-25DED)
右 : シュアー M95HE(針:純正超楕円針N95HE)
出力レベルはM95HEの方が小さいです。M95HEは超楕円針なので高音は伸びていますが、無垢針の特徴で品良く鳴ります。なのでパッと聴いた感じでは高音が控えめのように聴こえます。全体的な傾向といてはM95HEの方が少し濃い音で潤いがあり、AP-25Dの高音成分の一部を少し中音に振り分けたような鳴り方です。この比較をしていて気付いたのですが、M95HEの鳴り方は前の記事のPC-330/Ⅱに近いように思います。松田聖子のサ行はスムーズで、チェックレコードのトレースは問題ありませんでした。
それならばということで直接比較してみました。
左 : パイオニア PC-330/Ⅱ(針:純正丸針PN-330/Ⅱ)
右 : シュアー M95HE(針:純正超楕円針N95HE)
う~む、やはりこれら2つはかなり似た音です。出力レベルもほぼ同じなので、入力スイッチだけを切替えて比較できます。いや~参りました。PC-330/Ⅱは大健闘です。定価が2.5倍くらい違うシュアーM95HEに肉薄する鳴り方です。強いて違いを上げるとするならば、やはり高音はM95HEの方が高品位です。高級なカートリッジであることを保っていると思います。
これら2つをブラインドホールドテストで切替えたら、多分どっちがどっちか分からないだろうと思います。似ている場合、普通のテストならは先入観で音が決まってしまうと思います。値段が高く、天下のシュアーの方が音が良いと言うに決まっています。違いが少ない場合は先入観でどうにでも聴こえてしまうだろうということです。
こうなるとある程度楽しんだらM95HEとはサヨナラして、リサイクルしたお金でPC-330/Ⅱ用JICO針を買えば良いかなとも思います。どうせ買うなら上位機種PC-550E/Ⅱ用針PN-550E/Ⅱが狙い目か? 音は変わってしまうでしょうけれど、そこはM95HEにJICOのS楕円針を付けても同じことです。
と思ったのですが、結局その後やはりM95HEを手元に残すことにして、PC-330/Ⅱをリサイクルしました。冷静になって聴けばやはりシュアーの音は良いですし、無垢ダイヤのハイパーエリプティカルスタイラスは今や貴重なものだと思うからです。移り気な私(笑)。
それにヤフオクではM95HEが価値に見合わず安く落札され、PC-330/Ⅱは価値に見合わず高く落札されるようなバカな現象が起こっているので、PC-330/Ⅱを売りさばこうという魂胆でした(笑)。PC-330/Ⅱを異常な高値で競って落とすやつはバカですね~。どうせどこかで褒めているのを鵜呑みにしているのでしょう。こういうバカがいるからヤフオクの相場は滅茶苦茶です。PC-200、PC-400も私には良い音には聴こえませんでした。デザインは好きですけどね。この手の物は安く落して高く売りさばくのが◎(笑)。
話は少し変わりまして、最近のシュアーはもうほとんどやる気がないですよね。現行最上位機種M97XEなんて接合ダイヤですよ。ネット検索したらスタイラスの写真が出てきました。今や接合ダイヤ針のカートリッジしか作っていないシュアー。最早本当にHiFiと言えるカートリッジはないことになります。その凋落ぶりにはガッカリですし、それがご時世なのだろうと思います。
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