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2014年7月

メンバー買いです。

ジャズ新譜紹介です。リダーよりサイドメンを見て買うことにしました。

P129ジョージ・コリガン『アスク・ミー・トゥモロー』(2012年rec. Steeple Chase)です。メンバーは、ジョージ・コリガン(p,tp)、リンダ・オー(b)、テッド・プア(ds)です。はい、この人がいるとついつい買いたくなってしまうのがベーシストのリンダ・オー。そして私が好きなドラマーのテッド・プアがいます。これは買うしかないでしょう。

オーは小柄な女性にもかかわらずその強靭なベースがお気に入り。プアはトランペッターのクォン・ヴーのグループでドラムを叩いてる人で、緩急自在な柔軟なグルーヴが気に入っています。そう言えば最近久しぶりにヴーの新譜が出ますが、ドラマーはもちろんプアです。

全8曲コリガンが作曲。モーダルな曲が多く、美しい曲では甘さに流されないビターなテイストが良いです。最後の曲を除いて非4ビート系で今時変拍子があります。緩急曲を上手く配置した曲構成になっています。コリガンのピアノにはあまり特徴がないので、ブラインドホールドテストは難しいでしょう。モーダルなフレージングとクリアなタッチ、確かな技術を持ってカッチリした演奏をしています。

オーは相変わらず単なるウォーキングベースは弾かず、コリガンの美意識に上手くベースを絡ませていきます。今回は強靭な部分だけでなく、改めてアーティスティックなベースの存在感に気付かされました。そういう意味でコリガンとオーのインタープレーはこのアルバムの聴きどころになっています。プアのドラムには特に新しいビートは感じませんが、現代ならではの細分化を巧みに操って上手く演奏を盛り上げています。

1曲目《アスク・ミー・トゥモロー》はモーダルで力強い曲。コリガンのソロはもちろん、ベース・ソロとドラム・ソロがあり、このトリオのお披露目演奏としては最適なものになっています。2曲目《トゥ・ノーツ・フォー・コード》はミステリアスな雰囲気を漂わせた美しい曲。ベース・ソロが先発して力強くアートなソロが聴けます。コリガンの抒情的なソロは美しくも逞しいです。

3曲目《プラグ》はまたアップテンポで7/8拍子と4/4拍子を交えて小気味よく進んでいきます。歯切れ良いピアノが気持ち良いです。ベース・ソロも快調。プアのドラミングは複雑な拍子をものともせず勢いを落さずに飛ばして行きます。4曲目《リターン・トゥ・コペンハーゲン》は定型リズムがなく、フリーな要素を盛り込みながらコペンハーゲンの美しいイメージが広がります。単に静かに演奏するのではなく、最後に向かって盛り上がっていく感じには高揚感があります。オーのアーティスティックなベースも冴えています。

5曲目《インシスタント・リンダ》は勇ましい曲。タイトルは”しつこいリンダ”という訳になると思いますが、ベースは同じ音を繰り返す部分がタイトルどおり。ピアノ・ソロ主体の3分半。6曲目《イェスパーズ・サマー・ハウス》はバラード。美しい演奏です。この曲でのコリガンにはリッチー・バイラークの匂いがします。80年代モーダル・ジャズ『クエスト』の雰囲気。曲がどことなく《ジキル博士とハイド氏》(アル・フォスターの曲)に似ています。懐かしいです。

7曲目《カセクシス》はワルツ曲。美しい曲ですが甘さには流されず力強いです。ベース・ソロは相変わらず強靭。ラスト《ジェット・ブルース》は何とトランペット・トリオ。トランペットを吹いているのがコリガンで、かなりガッツが入っているからビックリ! ソロはスケール主体でどこかで聴いたことがあるようなフレージング。とは言えこれだけ吹ければ凄いでしょう。この曲だけは4ビートで、オーにしては珍しいウォーキング・ベースがたっぷり楽しめます。ウォーキング・ベース・ソロも良いです。

オーが活躍していて私としては満足。コリガンのピアノとプアのドラムも良く、堅実なピアノ・トリオ・アルバムに仕上がっていると思いました。

アルバム名:『Ask Me Tomorrow』
メンバー:
George Colligan(p, tp)
Linda Oh(b)
Ted Poor(ds)

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シュアーのM95HEは良い音なのですが・・・。

最近入手したシュアーのカートリッジM95HEをよく聴いてみました。さすがにこれはM44Gのような癖はなくバランスのとれた音がします。ネット上にある情報のとおりのように思います。

ヘッドシェルはベスタクスからピカリングに変更しました。これら2つのヘッドシェルの違いは長さです。短いピカリングの方がM95HEのデザインにマッチしていると思うのです。

P126

M95HEは武骨なデザインですが、見慣れてくると頼もしく見えてきます。

今回も目覚ましのために何枚かレコードを聴いてからいつもの比較試聴をしました。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は私のリファレンスAP-25D。

左 : A'pis AP-25D(針:A'pis現行楕円針ST-25DED)
右 : シュアー M95HE(針:純正超楕円針N95HE)

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出力レベルはM95HEの方が小さいです。M95HEは超楕円針なので高音は伸びていますが、無垢針の特徴で品良く鳴ります。なのでパッと聴いた感じでは高音が控えめのように聴こえます。全体的な傾向といてはM95HEの方が少し濃い音で潤いがあり、AP-25Dの高音成分の一部を少し中音に振り分けたような鳴り方です。この比較をしていて気付いたのですが、M95HEの鳴り方は前の記事のPC-330/Ⅱに近いように思います。松田聖子のサ行はスムーズで、チェックレコードのトレースは問題ありませんでした。

それならばということで直接比較してみました。

左 : パイオニア PC-330/Ⅱ(針:純正丸針PN-330/Ⅱ)
右 : シュアー M95HE(針:純正超楕円針N95HE)

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う~む、やはりこれら2つはかなり似た音です。出力レベルもほぼ同じなので、入力スイッチだけを切替えて比較できます。いや~参りました。PC-330/Ⅱは大健闘です。定価が2.5倍くらい違うシュアーM95HEに肉薄する鳴り方です。強いて違いを上げるとするならば、やはり高音はM95HEの方が高品位です。高級なカートリッジであることを保っていると思います。

これら2つをブラインドホールドテストで切替えたら、多分どっちがどっちか分からないだろうと思います。似ている場合、普通のテストならは先入観で音が決まってしまうと思います。値段が高く、天下のシュアーの方が音が良いと言うに決まっています。違いが少ない場合は先入観でどうにでも聴こえてしまうだろうということです。

こうなるとある程度楽しんだらM95HEとはサヨナラして、リサイクルしたお金でPC-330/Ⅱ用JICO針を買えば良いかなとも思います。どうせ買うなら上位機種PC-550E/Ⅱ用針PN-550E/Ⅱが狙い目か? 音は変わってしまうでしょうけれど、そこはM95HEにJICOのS楕円針を付けても同じことです。

と思ったのですが、結局その後やはりM95HEを手元に残すことにして、PC-330/Ⅱをリサイクルしました。冷静になって聴けばやはりシュアーの音は良いですし、無垢ダイヤのハイパーエリプティカルスタイラスは今や貴重なものだと思うからです。移り気な私(笑)。

それにヤフオクではM95HEが価値に見合わず安く落札され、PC-330/Ⅱは価値に見合わず高く落札されるようなバカな現象が起こっているので、PC-330/Ⅱを売りさばこうという魂胆でした(笑)。PC-330/Ⅱを異常な高値で競って落とすやつはバカですね~。どうせどこかで褒めているのを鵜呑みにしているのでしょう。こういうバカがいるからヤフオクの相場は滅茶苦茶です。PC-200、PC-400も私には特に良いようには聴こえませんでした。デザインは好きですけどね。この手の物は安く落して高く売りさばくのが◎(笑)。

話は少し変わりまして、最近のシュアーはもうほとんどやる気がないですよね。現行最上位機種M97XEなんて接合ダイヤですよ。ネット検索したらスタイラスの写真が出てきました。今や接合ダイヤ針のカートリッジしか作っていないシュアー。最早本当にHiFiと言えるカートリッジはないことになります。その凋落ぶりにはガッカリですし、それがご時世なのだろうと思います。

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パイオニアのPC-330/Ⅱが気に入りました。

チタンパイプカンチレバーの音が聴きたくて入手したパイオニアのカートリッジPC-330/Ⅱ。もう少し聴きこんでみました。

動作確認をしていないジャンク品をヤフオクで落札。でも音はちゃんと出ました。外観は経年なりです。ヘッドシェルはコネクタ部分が錆びていて、クリーニングしてもこれ以上きれいになりませんでした。シェルリード線は懐かしのLC-OFC線。前所有者はオーディオに凝っていたようです。

P123

私はこのタイプのヘッドシェルのデザインが好きではないですし、端子も金メッキされていないので交換することにしました。私が愛用するのは安いベスタクス。これで十分機能を果たしてくれます。私には高級ヘッドシェルは不要。シェルリード線はそのまま流用しました。

P124

ヘッドシェルを交換しても音に変化はなし。私の場合ヘッドシェルを交換するのは見た目重視です(笑)。カートリッジを覆い隠すことがないヘッドシェルが好きです。だって主役はカートリッジなのですから、それを見えにくくしてしまうなんてもってのほか。

目覚ましのために何枚かレコードを聴いてからいつもの比較試聴をしました。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は私のリファレンスAP-25D。

左 : A'pis AP-25D(針:A'pis現行楕円針ST-25DED)
右 : パイオニア PC-330/Ⅱ(針:純正丸針PN-330/Ⅱ)

P125

出力レベルはPC-330/Ⅱの方が小さいです。ちょっとビックリしました。この2つはほとんど音質差がありません。製造年代やメーカーや使用時間はもちろん、カンチレバーの材質やスタイラスの形状など色々違うのに似た音が出ます。AP-25Dは廉価品MM型ならではの明るく元気な鳴り方。楕円針なので高音が良く出つつ低音も不足なくバランスが取れた音です。PC-330/Ⅱも同様の鳴り方です。丸針でここまで高音が出るのは初めてかも。たぶんチタンパイプカンチレバーと軽量振動系の効果なのでしょう。

ただし良く聴くとやはり微妙な差はあって、PC-330/Ⅱの方が僅かに濃い音です。AP-25Dの高音成分の一部を少し中音に振り分けたような感じに聴こえます。どちらかと言えばPC-330/Ⅱの方が好きかも? ただしちょっとまったりした音。純正針が今はもう入手できないのが残念です。純正針でないとこの音は出ないでしょうからね。この針がダメになったらJICOやA'pisの代替針に交換して楽しむのも良いでしょう。丸針、楕円針、SAS針、シバタ針(上位機種用)があります。ダンパがへたり気味のようで反りのあるレコードでは少しフラフラします。

このカートリッジが気に入りました。こっちをリファレンスカートリッジにしようかと思案中。そう言えばテクニクスの廉価カートリッジをまだ一つも聴いていませんね。ここをチェックしないと廉価カートリッジ探究は終われないかな~。

その後リファレンスはビクターZ-1Eになり、このPC-330/Ⅱはリサイクルしました。

ちなみにヤフオクの常連出品者さんは、PC-330の本体に針PN-330/Ⅱを付けてPC-330/Ⅱと言って平気で出品しています。本体ベース部分が片やプラスチックで片やアルミダイキャストとかスリーブの形状が違うとか構造的には意味がある差異があるというのに・・・。ブログにはもっともらしいことを書いているけれど、要は高く売れればそれで良いのでしょう。

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今度はこんなものを入手。

いつまでやるんでしょうね。廉価MM型カートリッジ探究。一度凝るとなかなか抜け出せない私の悪い性分です。こんなものを入手してみました。

1つ目はパイオニアのPC-330/Ⅱです。ジャンク品。でもちゃんと音が出ました。特に保護なく送られてきたのに、カンチレバーは変形していませんでした。渋い色合いの武骨なカートリッジですけれど、私はこのデザインが気に入りました。

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なんでこれがほしかったのかというと、カンチレバーがチタン製だからです。これまでチタンパイプカンチレバーの音は一度も聴いたことがなかったので聴いてみたかったのです。

お気に入りポイントは? 1.ベース部分がアルミダイキャストでしっかりしていること。 2.針ノブが厚みのあるプラスチックでしっかりしていること。 3.カンチレバーがサスペンションワイヤーによってワンポイントサポートされていること。いずれも剛性が高いということで、しっかりした音を出しそうです。私はこういうのが好きなんですよね。

ヘッドシェルはパイオニア純正のアルミプレス。シェルリード線はLC-OFC線が付いていました。針はなんてことはない接合型丸針。軽く聴いた感じではなかなか良さそうでした。これからじっくり聴いてみたいと思います。

2つ目はシュアーのM95HEです。シュアーのHE針(ハイパーエリプティカル針:超楕円針)はV15typeⅣML140HEML120HEM97HEで聴いていますが、ここでもう一度音を再確認しておこうという魂胆です。それら手放してしまった4つは、もう入手困難だったり価格高騰だったりということでこれ。これだって安くはないです。

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デザインはいまいちだと思います。スタイラスガードが一番上でなく、少し下がってこの位置で止まってしまうのが野暮ったさを増しているような気がします。でもこいつはデザイン云々ではなく音が目的なのでO.K.。今の針がダメになったらJICOのS楕円針を付けて聴こうと思います。ネットをググったら、1982年夏のステレオサウンド誌で菅野さんが2星で推薦しているとのこと。それも気に入りました。

まだあまり聴いていませんが、これでしか出ない音があるような気がします。やっぱりシュアーは一目置かれるだけのことはあるかも。以前「今の私はシュアーである必要はない。」なんて書きましたが、結局はここに戻ったりして(笑)。

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心地良いラテンフュージョン

前回のアルバムが気に入ったので、今回の新譜も買ってみました。

P120スティーヴ・カーン『サブテクスト』(2014年rec. TONE CENTER)です。メンバーは、スティーヴ・カーン(g)、リューベン・ロジャース(el-b,baby-b)、デニス・チェンバース(ds)、マーク・キニョーネス(timbal,bongo,per)、ボビー・アジェンデ(conga,bongo)(1)、ゲスト:ランディー・ブレッカー(flh)(1)、ロブ・マウンジー(key(2)(5),orchestrations(3)~(7)(9),coro(7))、ギル・ゴールドスタイン(acc)(7)、マリアナ・インゴールド(voice)(7)です。今回も国内盤と輸入盤のジャケットが異なります。わざわざジャケットを変える必要があるのでしょうか? 日本盤を買いたくなるほど日本盤ジャケットが良いとは思えません。私が買ったのはもちろん安い輸入盤。

※ tommyさんからのコメントで気付きました。昔カーンがジャン・ミッシェル・フォロンの絵に拘ったように、今はMicdhel Grangerの絵に拘っているから、輸入盤と日本盤のジャケットをわざわざ変えて、この人の絵をたくさんお披露目しているのでしょう。

前アルバム『パーティング・ショット』から3年ぶりとなりますが、内容的には同じでラテンフュージョンです。コアメンバーの中ではベースがアンソニー・ジャクソンからリューベン・ロジャースに変わりました。録音が今年の1月ということは、この頃アンソニーは上原ひろみの新譜録音のために強化合宿中だったのではないかと推測します。ベースはロジャースでも問題なし。

前回と同様今回も初夏にリリース。紹介するのは少し遅くなってしまいました。夏はラテンフュージョンの季節! 左右に広がるパーカッション群を前に、ちょっとレイジーな気分も交えながらカーンが悠々とギターソロを披露していきます。基本はカーンのギターソロを聴かせるもので、曲によってはゲストメンバーがソロをとります。カーンのギターは特徴があるけれど、私にはその特徴を上手く言い表すことができません。

前回同様に今回もオープニングがオーネット・コールマンの曲。ラテンリズムにオーネットのメロディーが良くマッチするから面白いです。カーンのオリジナル曲の他に、前回同様のモンクの曲に加え、今回はフレディ・ハバード、ウェイン・ショーター、グレッグ・オズビーの曲をやっているのが興味深いところ。いずれの曲も上手くラテンフュージョン化されています。スタンダード《ネヴァー・レット・ミー・ゴー》まであります。

ジャズマンオリジナルの中ではやはりショーターの曲が好きです。ショーターって良い曲を作りますよね。オズビーの曲ではカーンのギターとハモるゴールドスタインのシンセが不穏な空気感を出していて面白いです。オズビーの一癖ある面を演出しているのでしょうか。カーンとインゴールドの共作曲は歌が入ってトロピカルな雰囲気。ゴールドスタインのアコーディオンが程よい哀愁を醸し出しています。

このアルバムはいつ聴くのがいいんでしょうか? 今でしょ!(もう古い、笑)
暑い夏の昼下がりにトロピカルジュースでも飲みながら聴けば最高の気分。

アルバ名:『SUBTEXT』
メンアバー:
Steve Khan(g)
Ruben Rodriguez(electric bass, baby bass)
Dennis Chambers(ds)
Marc Quinones(timbal, bongo, per)
Bobby Allende(conga, bongo) (1)
ゲスト:
Randy Brecker: flh (1)
Rob Mounsey: key (2, 5), orchestrations (3, 4, 6, 7), coro (7)
Gil Goldstein: accordion (7)
Mariana Ingold: voies (7)

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変態ギター・トリオを聴く(笑)。

変態ギタリストと言われるメアリー・ハルヴァーソンの新譜を聴いてみました。前作『イリュージョナリー・シー』が気に入ったのが今回の購入動機です。本当は去年発売の『ゴースト・ループ』が聴きたかったのですが、Amazonでは買えない状態なので新譜を購入しました。

P119メアリー・ハルヴァーソン、マイケル・フォーマネク、トマス・フジワラ『サムスクリュー』(2013年rec. CUNEIFORM RECORDS)です。メンバーは、メアリー・ハルバーソン(g)、マイケル・フォーマネク(b)、トマス・フジワラ(ds)です。3人の名前が併記されているのでリーダーはいないのかもしれません。曲はハルヴァーソンが3曲、フォーマネクが3曲、フジワラが3曲を提供して全9曲。きれいに3曲ずつ提供していることからも3人同等のグループだろうと推測できます。

アルバムジャケットのとおりのフリージャズ。でも全くのフリーインプロではなく、きちんと曲(テーマ)があってそれに基づいたアドリブをしています。曲名を見ないで何回か聴いた時は全部ハルヴァーソンが作曲したのかと思いました。だってアルバムタイトル「ツマミネジ」のとおりの捩れた変なメロディーの曲ばかりだったからです。でも何度か聴くと、3人の中ではハルヴァーソンの曲が一番まともに聴こえます。

変なメロディーって言ってもよく分かりませんよね。はいっ、言い切っちゃいます。音痴の人が歌う歌です(笑)。フジワラが作曲した冒頭の《チープ・ノック・オフ》が正にそんな感じです。で、極論すると音痴の歌が9曲収録されています(笑)。同じような曲が並んでいます。もちろんきちんと聴けば違いは分かります。こう言えば分かってもらえると思うのですが、音痴の人が歌うとどの曲も同じに聴こえますよね。あの世界です。

トニック⇒サブドミナント⇒ドミナント⇒トニックみたいなモーションがありません。サブドミナント⇒ドミナント⇒ドミナント⇒サブドミナント・・・みたいで、聴いていてちっとも落ち着きません。宙に浮いたまま着地しません。楽器もやらない私が言う事なのでまあ、知ったかぶりということで適当に聞き流して下さいませ。

マニアックですよね。音痴の歌を聴きたいんですから(笑)。しかし私の場合、そもそも巷に溢れるすぐに口ずさめるメロディーに飽きてジャズを聴いているようなところがありますから、こういうメロディーは”あり”なのです。

リズムは変拍子でサウンド的にはロック系です。私はこういうロック風味のジャズが好きです。ハルヴァーソンが変な音をたくさん奏でています。音痴メロディーに変なギター音。とことんマニアックですよね。良い子の皆さんは真似をしないで下さい(笑)。フリーなリズムの部分がある一方で、曲の展開はあらかじめ編曲されているところもあるようです。

フォーマネクのベースはオーソドックスで変なことはやっていません。変なのはハルヴァーソンに任せて、フォーマネクはバンドの芯をきっちりキープ。フジワラのドラミングは、私には可もなし不可もなしといったところ。しかし細かいことを弄さないパワフルなドラミングはこのトリオの味付けの一つなのだろうと思います。リズムがドッシリ座っているので、不安定なメロディーの連続でも意外と不安にならずに聴けます。

ジャズ初心者にはオススメしません。けれどマニアともなれば、こういうサウンドに惹かれてしまうところがあったりするのです。

アルバム名:『THUNBSCREW』
メンバー:
Mary Halvorson(g)
Michael Formanek(b)
Tomas Fujiwara(ds)

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オーソドックスなジャズですが良いです。

問題作『コンパス』以来、ジョシュア・レッドマンの新譜を追いかけることにしています。

P118ジョシュア・レッドマン『トリオズ・ライヴ』(2009年,2013年rec. NONSUCH)です。メンバーは、ジョシュア・レッドマン(ts,ss)、マット・ペンマン(b)1,5-7、リューベン・ロジャース(b)2-4、グレゴリー・ハッチンソン(ds)です。何の仕掛けもないオーソドックスなサックス・トリオ。”ジャズはアドリブだっ!”の世界です。これぞ白熱ジャズ・ライヴ!

この人は”気合が足りない”とか”頭先行の優等生”とか未だに色々言われ続けていますが、本作を聴いくといい加減そういうレッテルは剥がしてあげても良いのではないかと思います。気合の入った良い演奏をしていますから。ただ優等生の匂いが全くないというわけではなく、やはりそつが無いところがあります。

スタンダード2曲、モンクの1曲、ツェッペリンの1曲、ジョシュアの3曲の全7曲が収録されています。スタンダード2曲をアップテンポとバラードできっちりこなし、”オリジナル曲も良いでしょ”と現代感覚を聴かせ、多分影響を受けているミュージシャンとしてセロニアス・モンクとレッド・ツェッペリンをジョシュア流にやるという流れは、いかにもジョシュアらしいではありませんか。

1曲目《モリタート(マック・ザ・ナイフ》のラストの方で、ガーシュインの《ラプソディー・イン・ブルー》とエリントンの《ロッキン・イン・リズム》が引用されるあたりに、ジョシュアの優等生ぶりが反映されているように思います。演奏はガッツに溢れて良いですよ。会場の盛り上がりも上手くミキシングされていて、聴いていてとても楽しくなります。2曲目《ネヴァー・レット・ミー・ゴー》は腰の据わったバラード演奏。じっくりと味わい深く聴かせてくれます。

3曲目から《ソウル・ダンス》《アクト・ナチュラル》《マントラ》と続くジョシュアのオリジナル曲はモーダルでありつつ良い曲でもあり、決して難解なことをやろうとはしていないことが分かります。魅力的な曲があってこそ良いアドリブもあるということだろうと思います。3曲中の2曲がソプラノ・サックスというのが興味深いです。スタンダード他ではテナー奏者としての実力をしっかり見せ、オリジナル曲でソプラノ奏者としてのクールな魅力を加味するという戦略か?

モンクの《トゥリンクル・ティンクル》、ツェッペリンの《ジ・オーシャン》はそれぞれの曲の個性が生かされた演奏。モンクにツェッペリンという選曲も優等生かな? モンクはモンク、個性的です。《ジ・オーシャン》はバルブの開閉音も混ぜた無伴奏からスタート。ノリノリな8ビートに乗ってアドリブを繰り広げるジョシュアがカッコイイ! 3人が一丸となって楽しそうに演奏しています。会場のお客さんも掛け声を入れたりしてノリノリ。ライヴの興奮を残しつつ1時間弱のライヴが終了します。

ジョシュアはサックスの鳴りが良いし、手癖を感じさせないアドリブのフレージングセンスは良いし、ガッツはあるし、とても良いと思います。ただ個性という部分でちょっと弱いような気もします。ベースは2009年の録音がペンマンで2013年の録音がロジャース。2人とも逞しい音で支えています。何曲かでとるソロも力強くて良いです。ハッチンソンは強靭なバネと粘りのグルーヴ。瞬発力を爆発させる煽りもあって良い感じです。

録音がまた良くて、ライヴならではの空気感を出しつつ個々の音が被らずクリヤです。左にサックス、真ん中にベース、右にドラムという定位が安定しています。さすがはノンサッチの録音技術と言うべきでしょうか。2009年の録音と2013年の録音が同じように録れています。知らなければ1夜か連続2夜のライブ録音から選曲されているように聴こえます。

楽しいジャズライヴを体験できる好アルバムです。お薦め!

アルバム名:『TRIOS LIVE』
メンバー:
Joshua Redman(ts, ss)
Mat Penman(b) 1,5-7
Reuben Rogers(b) 2-4
Gregory Hutchinson

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これでないと出ない音があります。

カンチレバーが変形していたシュアーのM44-5に新品現行交換針を付けて聴いてみることにしました。M44Gの現行品については以前中古品を入手して試聴しています。

とうとうシュアーのM44Gを入手。

針N44Gは高音トレースの問題があるのでJICOの針にしようかとも思ったのですが、やはりまずは純正交換針N44Gを聴いておくことにしました。当りの針ならば高音トレースは悪くないということなので少し期待しての購入です。

P113

プラスチックケースは昔から変更なし。現行の外箱は黒色のシンプルなデザインです。早速本体に挿してみました。当然何の問題もなく挿せました。ちなみにヘッドシェルへの取付けネジはシュアーのM44G用純正品を使っています。長いネジが必要だからです。+ネジになっています。

P114

当たり前のことですがM44Gの音が出ます。本体が古いカモメマークだからと言って、私には特に音が良いようには聴こえませんでした。こういうのは見た目が良ければそれで良いのです。見た目が良ければ音も良く聴こえるものです(笑)。プラシーボ効果(自己暗示、思い込み、先入観)。ちなみに私はこれを現行新品M44Gより安く入手したので、M44Gの音が出ればそれで良いです。

<ちょっと脱線>
オーディオ界のプラシーボ効果?として結構有名なのは以下。
ゴールドムンドGOLDMUNDの真実
エンジニアとしては笑えない話です。
まあ筐体が強固で電源が強力になれば音に良い効果はあるとは思います。
でもその効果が価格差に見合うのか?個人の考え方次第でしょう。
一言追加させていただくとすれば、ブランド名にお金を払っているのです。

話を元に戻しまして。

レコードを数枚かけて慣らし運転してからいつもの比較試聴をしました。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のレコードプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は私の新リファレンスAP-25D。M44Gのスタイラスガードは格好が悪いので外しました。

左 : A'pis AP-25D(針:A'pis現行楕円針ST-25DED)
右 : シュアーM44-5(針:現行純正丸針N44G)

P115

両者基本的な表現力においては大きな違いはありません。出力はM44-5の方が大きいです。これはノイズの面で有利に働きます。中音の音量感を合わせながら比較しています。AP-25Dに比べてやはり高音は出ませんが、逆に低音は良く出ます。この低音の量感は元気に鳴る源でありこのカートリッジの魅力です。高音はそれほど出ていないのですが、ザックリした鳴り方から高音不足をあまり感じさせないのも良さです。以前聴いたM44Gとほぼ同じ音が出ていると思います。

問題の松田聖子のサ行を聴いてみました。やはりザラつきますね。今回の方が少しましなように聴こえます。このくらいならギリギリ許容できるかできないか? ついでにチェックレコードのトレースを確認すると、針圧1.25g以上で問題なくトレースします。なので基本的なトレース能力は悪くないと思います。問題は高音のトレース能力ですよね。でもこれがM44Gのザックリした鳴り方に繋がっていると思いますので、これをなくすとM44Gの音ではなくなってしまうでしょう。

P116

50~60年代ジャズや70年代フュージョンは文句なく楽しく聴けます。ザックリした音触があの頃のジャズやフュージョンにマッチして雰囲気をよく出してくれます。これならではの魅力を持ったカートリッジです。ですからこれで松田聖子を聴かなければ良いのです(笑)。いいじゃないですか。得意と苦手があったって。 (注)オリジナル盤で高音のカッティングレベルが高いものは上手くトレースできません。

<針のアップ写真を追加>

P117

カンチレバーのつぶし方がラフですよね。金色のスリーブ内やスリーブとノブとの接続部分にはネジロック(ネジを回転しないようにする接着剤)のような緑色のものが付着したままになっています。こういうところがあちらの製造品質なのでしょう。

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たまには北欧のジャズでも聴いてみましょう。

ここ数年はヨーロッパのジャズを買う回数がすっかり減りました。ヨーロッパのジャズにやたら注目していた時期があったんですけどね。現代ニューヨークのジャズをフォローするようになってからはアメリカのジャズに回帰してしまいました。今日紹介するのはヨーロッパのジャズ新譜。北欧のジャズです。この人がやるジャズは結構気に入っています。

P112トルビョルン・セッテベリ『OCH DEN STORA FRAGAN』(2013年rec. MOSEROBIE MUSICPRODUCTION)です。メンバーは、トルビョルン・セッテベリ(b)、スサナ・サントス・シルバ(tp,flh)、マッツ・アレクリント(tb)、ヨナス・カルハマー(ts,bs,cl,fl)、アルベルト・ピントン(bs,cl,fl,picol-fl)、ジョン・フォルト(ds,per)です。タイトルや楽器の表記など全て英語ではないので解釈しにくいところがあります。以前のアルバムでは楽器は英語表記だったのですが・・・。世界規模での販売は意識していないのでしょう。スウェーデンのマイナー・レーベルですからね。こういうジャズ・アルバムが遠く離れた日本でも聴けてしまうのが今の世界。LPも販売していますよ。

モーズロビー・レーベルはこのアルバムにも参加しているヨナス・カルハマーが主催するレーベルです。ディスクユニオンではこの辺りのアルバムを積極的に紹介しているので、ディスクユニオンのヘビーユーザーだった私の知るところとなりました。最近の私はといえば、新譜情報だけディスクユニオンのジャズサイトから入手してAmazonで購入する始末。Amzonで買う方が安いのですから仕方ありません。

モーズロビー・レーベルのジャズというのは、オーソドックスなバップを基本にアバンギャルドな要素を適度にまぶしたものです。演奏は真剣にやっているのですが、アバンギャルドな部分から遊び心が感じられるので、リスナーは緊張を強いられない良さがあります。一癖ある演奏にニンマリしてしまいます。オーソドックスなジャズをやっていながらこのレーベルの個性というものをしっかり出す。これも現代ジャズのひとつの方向性だと思います。

4ホーン+リズムのコードレス・セクステット。全曲セッテベリが作曲。上記のレーベル説明どおりの音が鳴っています。4ホーンの自由度の高いアンサンブルを聴かせつつ、各人の熱いソロをしっかり聴かせてくれます。都会的な洗練されたサウンドとは反対の土臭さく素朴なサウンド。アバンギャルドな部分からはスピリチュアルな響きを感じます。北欧のジャズなのにサウンドからはシカゴのジャズ・スピリットに通じるものを感じるから面白いです。

自然から湧き上がる力強さみたいなものが滲み出た音が鳴っています。ジャケット写真は大自然の中でベースを掻きむしるセッテベリ。それがそのままこのアルバムのサウンドなのかもしれません。セッテベリのベースは武骨で力強いです。ドラムもそれに合わせて荒っぽく絡みます。そんなリズムにのってホーンが咆哮。パワフルなんですよ。

現代ニューヨークの辛気臭いのに飽きたらこれ(笑)。色々聴くのがジャズを長く聴く秘訣だと思います。世界に広がったジャズ。今や何でもありです。

アルバム名:『OCH DEN STORA FRAGAN』
メンバー:
Torbjorn Zetterberg (b)
Susana Santos Silva (tp)
Mats Aleklint (tb)
Jonas Kullhammar (ts, bs, cl, fl)
Alberto Pinton (bs, cl, fi, piccoro-fl)
Jon Falt (Drums)

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ジャズ喫茶「グラウアーズ」閉店・・・。

1ヵ月程前、ブログのアクセス解析の「検索キーワードランキング」を見ていると、「grauers 閉店」の文字が・・・。まさかと思って「grauers 閉店」で検索すると、1件だけ「4月に閉店することになった」という記事が出てきました。その時は本当なのかな?と半信半疑。でもその後何回か同じ検索キーワードが出るようになったので、これは本当なのだろうと信じることになりました。

P150

上京の際、ジャズ喫茶「GRAUERS(グラウアーズ)」の入口の前までは何度かいったのですが、クローズになっていることが度々で、とうとう1回しか行くことができませんでした。「コットンクラブ」にクリス・ポッターのライブを観に行く前に寄った時です。マスターの古庄さんとオーディオやクリス・ポッターのことを話して楽しい時間を過ごしました。マッキンのアンプにドライブされたJBL4333Aが良い音で鳴っていました。

ジャズ喫茶「GRAUERS」へ行ってきました。

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最近は東京まで行くこともなく(多分1年半くらい行っていません)、すっかりご無沙汰だったのですがこういうことになってしまうとは・・・。本当に残念です。

で、こんなことを書いていいのかとも思ったのですが、こんなものがヒットしたので貼っておきます。何でもインターネットで検索できてしまう昨今。ちょっと怖いところがありますよね。

http://kano-ya.biz/bukken/chiyodaku/jinbocho/ogawamachi/14/Hibibiru/Hibibiru1.html

一度は東京でジャズ喫茶をやってみたいと思った私としてはとても興味深い内容です。賃料はなるほどと思いました。「居抜き」という言葉は知っていましたが、こういうことなのかと思いました。成約済ですね。できればジャズ喫茶としてまた営業してもらえたら良いのですが・・・、無理でしょうね。

あ~ぁ、悲しいなぁ~。これがジャズの現実なんでしょうね~。厳し~ぃ。

話は変わりまして、最近「com-post」にアクセスできなくなりました。こちらは一部の記事を除いて更新されないような状況だったので、まあそうなんだろうという感じです。長く継続するということは難しいものです。アーカイブとしても見られなくなってしまうのはどうなんでしょうね?

(注)単にシステムダウンだったようです。またアクセスできるようになりました。読者に心配させないようしっかり情報発信し続けて下さいませ。2014/7/19

私のブログは更新頻度を落したりしていますが、まあ何とか10年くらいは継続したいと思っています。

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この人の新譜もついつい買ってしまいます。

ジャズ新譜紹介です。新譜が出ると気になってついつい買ってしまうのがこの人。かと言って全リーダー作をフォローしているわけではありません。

P111デヴィッド・ビニー『ANACAPA』(2014年rec. Criss Cross)です。メンバーは、デヴィッド・ビニー(as,ts,ss,vocals,syn,b)、ウェイン・クランツ(g)、アダム・ロジャース(guitars)、ジョン・エスクリート(p,rhodes)、マット・ブリューワー(el-b)、オベッド・カルヴェール(ds)、ダン・ワイス(ds,tabla)、セルジオ・クラコウスキ(pendeiro)、ルイス・コール(vo)、ニーナ・ジージャー?(vo)です。今回はかなりコンテンポラリーな内容になっています。ロック色も出ていてそれは2人のギタリストからだいたい察しがつくと思います。

ビニーがこういうジャズもやることは知っていますが、自身のアルバムはここ数年アコースティック路線だったと思うので、ちょっと異色で新鮮に響きました。メンバーが多いので曲によって入れ替わっているのかと思ったら、ツインギターのツインドラムです。特にツインドラムによってマッシブな迫力が生まれているのが良いです。主要面子は過去に何度か共演歴がある人達なので、演奏はビニーの意向が上手く反映されていると思います。

(ツインギター、ツインドラムと言うことで、オーネット・コールマンのプライム・タイム・バンドを思い出しました。ピアノ/エレピはいませでしたが。意識しているのかも?)

全10曲をビニーが作曲。どれも比較的分かりやすいメロディーでベタなロックまであり、リズムもシンプルな8ビートが多めなので、ポップな仕上がりになっています。前作が難しい方向に振っていた(メンバーがクレイグ・テイボーンp、アイヴィン・オプスヴィークb、タイション・ソーリーdsですから)のとは方向転換。今回はビニー特有の暗さもあまり感じられず、私は今作の方が気に入りました。聴いていて楽しいですからね。

冒頭とラストはたぶんビニーだけによる打ち込みと多重録音による演奏だと思います。特に冒頭ではアルトサックスはかなり薄めにミキシング。両方とも2分弱の曲なのでイントロとエンディングのテーマ曲といった塩梅。これがテクノ系のかなりポップな曲なので最初から「オヤッ」となり、「なるほどこうきますか。」と思いました。

ビニーのバリバリなソロはもちろんありますが、曲によってはビニーのソロより楽想を聴かせる方向。展開がドラマチックな曲もあります。ソロを全員で単純に回すこともなく、曲によってソロをとる人が異なります。ドラムも常に2人が叩いているわけではなく、途中からどちらかだけが叩いたりと工夫。サックスを多重録音したり、コーラスが入ったり、ノリノリなファンクあり、フリー・ジャズあり、タブラを入れてエスニック色を出したりと色々あって楽しいです。

ツインギターとツインドラムの配置。ギターは左がクランツで右がロジャースだと思うのですがどうでしょう。ロック色が強いクランツとアバンギャルド色も見せるロジャースという判定。ドラムは左がカルヴェールで右がワイス。こちらはタブラを叩いているのが右から聴こえるということで判定。(他のサイトで全く逆だという意見を発見。本当かいな?) エスクリートは曲によってピアノとエレピを使い分けます。この人は器用にこなすけれどどうも心に残らないです。ブリューワーは始終安定したエレベで、ソロはなかなか美しいです。

私の好きなサウンドが鳴っています。ビニーのアルトも快調で気に入りました。
トレードマークの青剃りがヒゲもじゃになっていてビックリ!
今後はコンテンポラリー&ヒゲもじゃ路線で行くのか(笑)?

David Binney(as, ts, ss, vo, syn, b)
Wayne Krantz(b)
Adam Rogers(g)
John Escreet(p, rhodes)
Matt Brewer(el-b)
Obed Calvaire(ds)
Dan Weiss(ds, tabla)
Sergio Krakowski(pandeiro)
Louis Cole(vo)
Nina Geiger(vo)

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今手元にあるカートリッジはこの6個

廉価MM型カートリッジ探究で様々なカートリッジが手元を通り過ぎて行きました。今手元にあるのはこの6個です。

P110

写真前列左から

1.ナガオカ MP-150 (針:JN-P150 無垢楕円 現行品)

若干中高音寄りで元気な音。廉価品の上に位置するだけの音は出ています。後で紹介するMP-11の音に色艶と濃さが加わった感じです。解像度も悪くないと思います。繊細感がありつつしっかりした高音に密度感のある中低音なので、それがメーカー宣伝文句「広帯域のパワフルサウンドモデル」なのだろうと理解。カートリッジ1個だけ持つなら今のところ私はこれ。交換針は無垢ダイヤとしては安くてコストパフォーマンスが高いです。

2.A'pis AP-25D (針:ST-25DED 接合楕円 現行品)

廉価MM型カートリッジ用JICO/A'pis現行交換針の音を知るという意味でこれ。古いカートリッジでも良いのですが、このクラスは本体による違いが大してないので、経年劣化が少ない比較的新しく製造されたこれを残しました。使用している人が少ないというレア度も魅力。EXCELのES-70S(90年代再発版)、JICOのJR-45C(廃番)と同じものです。現行で丸針、楕円針、シバタ(4ch)針、SAS針があるので、針を変えて音の違いを楽しむことが可能。

(現行品ならばAP-25Dの後継機AP-12Dがあります。JICOのJR-525Cと同じもので、多分SUMIKOのOysterとも同じものです。針はJICOの丸針、楕円針、S楕円針、SAS針のバリエーションから選択できます。)

3.シュアー M44-5 (針:N44-5 接合丸 オリジナル針)

これは俗な懐古趣味です(笑)。オールドシュアーのカモメマーク。それもM44GではなくM44-5というレア品なのがミソ。元気なアメリカンサウンドはこれで決まり。定番中の定番カートリッジとして、現行のシュアー針やJICO針を付けて楽しめば良いのではないかと思います。ただしサ行の歪みが気になります。オリジナル針は高くてそこまで出す気になりません。今付いているオリジナル針は残念ながらカンチレバーが変形しています。

写真後列左から

4.ナガオカ MP-11 (針:JN-NP110 接合楕円 現行品)

廉価カートリッジ向けナガオカ交換針の音を知るという意味でこれ。ヨーロッパで人気があったというだけあり、落ち着いたヨーロピアンサウンドです。ナガオカの針はJICO/A'pisに比べて響きが抑えられているように思います。ゴムダンパの減衰が速いのか? アルミパイプカンチレバーが鳴きにくい材質なのか? なので聴いて楽しいのはJICO/A'pisの方。現行後継モデルMP-110が同等品。

5.オーレックス C-500 (針:N-550Ⅱ 無垢楕円 廃番品)

オーディオ最盛期に工夫を凝らしていた日本製らしいカートリッジ。カンチレバーがカーボンロッドというのがミソ。そのカーボンロッドは余計な響きが無く素直な音。無垢ダイヤ使用により高音がきめ細やか。これが販売されていた1980年前後のフュージョンにベストマッチする音だと思います。独特なデザインが気に入っています。EXCELのOEM品らしいのですが、ナガオカ(ジュエルトーン)のJT-555のバリエーションのような感じもします。というかEXCELじゃなくてナガオカのOEM品だと思います。結局GLANZ/ミタチ系はなくなって、EXCELとナガオカ系のカートリッジが残ったことになります。

6.オーディオテクニカ AT150Ti (針:ATN100E 接合楕円 現行品)

オーディオテクニカの現行音を知るという意味でこれ。今付けている針ATN100Eは廉価品ならではの元気で溌剌とした音。ジャズやポップスを楽しく聴かせてくれます。ただしオーディオ的に細かい所を分析するような音ではありません。そういう目的ならば、針ATN150MLXを付ければ現代的なHiFi音を楽しむことができます。

廉価MM型カートリッジ探究をしてきた結果、何十年も経過した古い針を懐かしむのではなく(古い針の方が音が良いというわけではないことが分かったので。 音を聴くのではなく、並べて楽しむのならばそれも結構ですが。笑)、現行針を楽しめば良いという結論に達しました。今はオルトフォンの2M Redと2M Blueが気になっています。

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