これは渋カッコいいです!
サッカーワールドカップ、前々回ドイツ大会のような一次リーグ敗退にならないでほしいです。ここまでの流れが似ているんですよね。はっきり言って私はかなりモヤモヤしてます。リーグ最終戦、コロンビアには勝つべし! ガンバレ日本!
ジャズ新譜紹介です。このメンバーを見て即決。
ジョナサン・ブレイクの『ゴーン,バット・ノット・フォアゴットン』(2014年rec. Criss Cross)です。メンバーは、ジョナサン・ブレイク(ds)、クリス・ポッター(ts,alto-fl)、マーク・ターナー(ts,ss)、ベン・ストリート(b)です。クリポタとターナーをフロントに据えたピアノ・レス・カルテット。クリポター vs ターナーのテナー対決でっせ。これは聴かなきゃまずいでしょ。
ブレイクの前アルバムは現代性を帯びたジャズでしたが、今回はクリスクロスのレーベルカラーに沿ったストレートアヘッドなジャズです。やっている曲はブレイクの曲が2曲だけであとはジャズマン・オリジナルなど。クリポタとターナーの曲が1曲もありません。この選曲はある意味新鮮。こういう土俵でクリポタとターナーを対決させるということは、2人のインプロバイザー(即興演奏家)としての資質が露わになるということです。面白い!
取り上げているジャズマン・オリジナルが独特、エディ・ハリス、シダー・ウォルトン、ジム・ホール、チャールズ・ファンブロー、ポール・モチアン、マル・グリューミラー、トゥルーデ・ピッツ、ニール・ヘフティってどこまでマニアックなんでしょ(笑)。ブレイクの趣味なんでしょうかね? ジャズ通を唸らせるものがあります。私はニンマリしっぱなし。
モモさんからコメントをいただいて選曲の理由が分かりました。近年亡くなった方達への追悼アルバムで、この選曲なのだそうです。なるほどと思いました。だからアルバムタイトルがこれなんでしょうね。「逝ってしまった。しかし忘れてしまったりしない。」とでも訳せば良いのでしょうか? ブレイクのジャズ愛が伝わってきて、聴こえ方も変わってきます。モモさん、教えて下さりありがとうございます。2人のサックスが激闘しないのは、この追悼の意図があるからなのでしょう。
全く仕掛けがないわけではありません。曲によって色々な工夫があります。1曲づつだけですが、クリポタだけがフルート、ターナーだけがソプラノ・サックスに持ち替えます。アンサンブルを主体に聴かせる曲があります。ドラム・ソロを主体にした曲があります。ソロの順序も様々でテナー・ソロの間にベース・ソロが入る曲があります。ドラム・ソロをやる曲は半数以下なのでブレイクがやたらと前面に出るわけではありません。あくまで主役はクリポタとターナー。
少し前にシーマス・ブレイクとクリス・チークの2テナーのアルバムを紹介しましたが、あちらがメロディー主体のソロ対決だったのに対し、こちらはインプロ主体のソロ対決。ということで、より硬派な内容です。8ビートあり、4ビートあり、アップテンポあり、バラードあり、ブルースあり、様々なシチュエーションが用意されています。はてさて2人の対決や如何に。
クリポタとターナーはそれぞれ個性があるので、初心者には無理としてもクリポタとターナーをそれなりに聴きこんでいる人には違いがよく分かるはずです。向かって左側で吹いているのがクリポタで右側で吹いているのがターナー。今回こうやって聴き比べてみると、武骨でホットでオーソドックスなのがクリポタで、しなやかでクールでモダンなのがターナーだということが分かりました。大きく違うわけではないのですが、敢えて分かりやすく対比するとそういうことになります。
今回の対決、どちらに軍配が上がるかと言えば引き分けです。両者現代ジャズの中でしっかり地位を固めているだけのことはあります。堂々と横綱相撲を披露して、聴衆を沸かせてくれています。両者の良さはよく出ていると思います。私はと言えば、クリポタの方が好きです。クリポタの男気あるテナーはカッコいいっしょ!
忘れてはいけませんね。ブレイクとストリートのガッチリしたジャズグルーヴがあるから2人のテナーが映えるのです。ドラムとベースのグルーヴがぐらついていたら、2人のテナー対決を楽しむどころの話ではありません。ブレイクのドラミングは小手先の技云々ではない、ぶっとくてパワフルなグルーヴが良いです。
現代ジャズの何たらとか、黒/白どうたらとかありますが、私はやはりジャズはこのアルバムの良さが分かることが基本だと思います。そうです。ジャズはアドリブです。それが基本中の基本。それを忘れたらジャズを聴く意味がありません。
カッコいいアルバムです。ジャズファンは必聴!
アルバム名:『Gone,but not Forgotten』
メンバー:
Johnathan Blake(ds)
Chris Potter(ts, alto-fl)
Mark Turner(ts, ss)
Ben Street(b)
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コメント
クリス・ポッターは割といつもの感じだと思いますが、マーク・ターナーは最近温度感の低い、静かな演奏ばかり聴いてきたので、まさかこういう感じで2人が絡んだりやり合ったりしているとは、いい意味で予想を外しました。ターナーも手の怪我は回復しているようで、良かったです。
確かに渋好みのカッコ良さですね! こういう演奏も、ズブズブとハマっていきそうです。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2014年6月24日 (火) 17時10分
910さん
こんばんは。
そう言えば確かにターナーって最近はかなりクールで静かな演奏ばかりでしたね。
自分のアルバムでもたまにはこういう演奏をすれば良いのに。
手の怪我の影響はほとんどないみたいですね。
クリポター、ターナーの良さが出たアルバムだと思います。
>確かに渋好みのカッコ良さですね!
ですよね。
私はかなり気に入りました。
TBありがとうございます。
投稿: いっき | 2014年6月24日 (火) 20時48分
これは、近年亡くなった方達への追悼アルバムなんですよ。それで、この選曲なんです。
投稿: モモ | 2014年6月26日 (木) 11時21分
モモさん
そういう選曲だったのですか。
なるほど納得です。
だからこのタイトルだったんですね。
教えていただきありがとうございます。
こういうことが分かれば聴こえ方がまた違ったものになります。
投稿: いっき | 2014年6月26日 (木) 20時51分
いっきさま、、お久しぶりです♪
わたくし的には「たまらない一枚」でございました。
クリポタ、クリポタと言っているくせに、去年からサイドでの作品をほとんどブログにあげ損なっていたのでした。汗
で、コメントを読んで、思い出しました。
そうだ、ターナー指のけがをしたんですよね。信じられないですよね。。素晴らしいとおもいます。
でも、やっぱり、男気たっぷりのクリポタが好き。
好みなんで、しかたありません。笑
ありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2014年6月30日 (月) 17時47分
Suzuckさま
こんばんは。お久しぶりです。
>わたくし的には「たまらない一枚」でございました。
そうでしょうね。
>クリポタ、クリポタと言っているくせに、去年からサイドでの作品をほとんどブログにあげ損なっていたのでした。汗
サイドでの作品も全てとなるとなかなか大変なので、そのあたりは適度にサボっても良いのではないでしょうか。
>で、コメントを読んで、思い出しました。
私も忘れていたわけではないのですが、記事では触れませんでした。
>そうだ、ターナー指のけがをしたんですよね。信じられないですよね。。素晴らしいとおもいます。
いやっ、ホント、凄いと思います。
指のけがを全く感じさせないプレーをしてます。
>でも、やっぱり、男気たっぷりのクリポタが好き。
ですよね~。男気アリアリ。
>好みなんで、しかたありません。笑
異議ナシ!
>ありがとうございました。
こちらこそトラバありがとうございます。
投稿: いっき | 2014年6月30日 (月) 22時29分