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インドとカントリーの融合具合が心地良い

ジャズ新譜紹介です。新譜が出るとなぜか気になるギタリストのアルバムです。

P87ジョエル・ハリソン&アヌパム・ショバカー・マルチプリシティ『リーヴ・ザ・ドア・オープン』(2012年rec. WHIRLWIND RECORDINGS)です。メンバーは、ジョエル・ハリソン(el-g,national steel,ac-g,baritone-g)、アヌパム・ショバカー(sarode)、ゲイリー・ヴァセーシ(p,hammond B3 org,acc)、ハンス・グラヴィシュニク(ac-b,el-b)、ダン・ワイス(ds,tabla)、デヴィッド・ビニー(as)1,3、トッド・イスラエル(per)6,8、ボニー・チャクラボーティ(voice)6、チャンドラシーカー(voice)4です。コンテンポラリー系(フュージョンではない)ギタリストのハリソンと、インドの古楽器サロードを弾くショバカーとの共演アルバムです。

ちなみにサロードはこれです。いかにもインド楽器らしいですよね。

P88
ハリソンの3曲、ショバカーの2曲、ハリソンとショバカーの共作1曲、民謡などをハリソンが編曲したもの3曲の全9曲が収録されています。ハリソンのカントリー系演奏とショバカーのインド系エスニックが上手い具合に融合し、独特なコンテンポラリー・サウンドになっています。その中にジャズ的ソロを上手く配置。難解な曲はなく、芸術性を保ちながらポップな部分を忘れないのがハリソンの良さです。ショバカーのサロードは各楽曲に上手く溶け込んでいて、ことさら存在を強調するような感じではありません。左で弾いているのがショバカー、右で弾いているのがハリソン。

ハリソンの曲はカントリー系の曲になっています。毎度のことなのですが1曲ではギンギンなロック・ギター・ソロを聴かせてくれてるのがハリソン。ショバカーの曲は当然インド系。そんな曲にハリソンは色々なギターを操ってサロードと上手い具合に融合していくのが面白いです。ショバカーのテクニカルなサロード・ソロも聴けます。カントリー系の曲では逆にショバカーがスティール・ギターのようなソロをとるのが妙にマッチ。2曲にインド系メロディーのボイスが入っているのが良いアクセントです。

2曲にゲスト参加するビニーが良いソロを聴かせてくれます。自身のアルバムでは暗めのトーンの難解方向の曲があったりしてとっつき難かったりするのですが、こういうポップな曲想での力強いソロは素直に良いと感じさせてくれます。ヴァセーシがピアノ、オルガン、アコーディオンでそれぞれのサウンドを生かした良いアシストをしています。

ドラムのワイスはパワーと柔軟性のある8ビートでしっかり支えています。各ソロのバックでは上手く盛り上げているのも分かります。タブラ演奏も上手くて、インド人が叩いているのかと思いました。グラヴィシュニクはしっかりしたベースを弾いていますが、どうも私はこの人の良さがよく分かりません。ありきたりというか、”ハッ”とさせるようなベースを弾いてくれないのが物足りなさです。

このアルバムの聴きどころはインドとカントリーの融合サウンド。意外と良いマッチングです。このような独特のサウンドステージを用意した上で、楽曲として各人がしっかりしたアドリブを繰り広げます。演奏はしっかりしているので軽く流れるようなところはありません。色んな音楽と融合した上でジャズが成り立ってしまう面白さを聴いて下さい。そしてそれがここでは意外とポップな音楽として聴こえる良さがあります。

アルバム名:『LEAVE THE DOOR OPEN』
メンバー:
Joel Harrison(el-g, national steel, ac-g, baritone g)
Anupam Shobakar(sarode)
Gary Versace(p, hammoud B-3 org, acc)
Hans Glawiscnig(ac-b, el-b)
Dan Weiss(ds, tabla)
David Binney(as)1,3
Todd Isler(per)6,8
Bonnie Chakraborty(voice)6
Chandrashekar(voice)4

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