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シュアーのカートリッジM44-5を入手。

シュアーのカートリッジM44-5を入手してしまいました。カモメマークのやつです。カモメマークのM44って人気がありますよね。古いもので音が良いと言われています。音が良いことについて私は半信半疑で、基本的にブランド崇拝の産物だと思っています。真空管の世界で言えば、ウエスタンエレクトリック製真空管と言うだけで全て音が良いことになってしまうのと同じことです(笑)。

とは言いながら私も俗な欲求はありますので、ヤフオクでまたしてもジャンクレコードプレーヤーごと入手。競ったのは1回のみでほぼ入札開始価格。送料に加え梱包費用まで取られたのでそこそこの金額になってしまいました。でもカモメマークM44Gの単独出品よりは安いはずです。

P70

パイオニアの古いレコードプレーヤーに取付けて使用されていたものです。当時使った後、物置とか押入れの奥にでもしまわれていたものが、整理したらでてきたという類のものだと推測。ヤフオクの小さい写真で見て針が付いていたので期待したのですが、実物はカンチレバーに窪みがあり少し湾曲していました。残念!

さてここでM44-5について少し説明しておきましょう。M44シリーズの中では最もハイファイ志向のカートリッジです。M44Gが0.6milスタイラスなのに対してこちらはより小さい0.5milスタイラスを採用しています。小さいスタイラスということは振動系の質量が軽くなり、追従性が向上することで音溝をより忠実にトレース(特に高音再生に有利)できます。それ以外はほぼM44Gと同じです。仕様比較を貼ります。

P71

M44Gはロー・コンプライアンス(コンプライアンスは針の動きやすさを表し、数値が大きいほど動きやすい)だと勘違いしている人がいますが、ご覧のとおりハイ・コンプライアンスです。だから軽針圧でトレースできるのです。コンプライアンスと針圧はM44Gと同じです。多分本体部分は同じで針だけ仕様を変えています。当時の販売価格はM44GよりM44-5の方が高いので、このシリーズの中では上位機種です。というわけなのですがM44Gに比べてM44-5は人気がありません。如何に世間が性能ではなく知名度だけで評価しているかということの一端が見て取れます。

M44-5の画像をネット検索すると色々なものが出てきます。ベース部前面に銀色のプレートが貼られているもの、ベース部が白色または茶色のもの、ベース部ネジ溝脇に隙間がないものまたはあるものなどです。それら外形の違いをまとめました。

ベース部ネジ溝脇に隙間がなく前面に銀色プレートあり ベース部白色
ベース部ネジ溝脇に隙間がなく前面に銀色プレートなし ベース部白色または茶色
ベース部ネジ溝脇に隙間があり前面に銀色プレートなし ベース部茶色

上からの下の順に販売されたのではないかと推測します。つまり時代が新しくなるほどコストダウンされていくという推測です。私が入手したものは真ん中の時期のもの。

スタイラスは問題なさそうだったので取り敢えずカンチレバーを”エイヤッ”とほぼ真っ直ぐにして聴いてみました。アナログってアバウトなんですよね。特に違和感なく再生できます。なかなか良い音ではありませんか。

ならばということでいつもの比較試聴を実施。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は新リファレンスAP-25D。

左 : A'pisAP-25D(針:A'pis現行楕円針ST-25DED)
右 : シュアーM44-5(針:純正丸針N44-5)

P72

出力はM44-5の方が大きいです。高音は楕円針のAP-25Dより出ません。でもM44-5の出方の方が良い具合に感じます。以前聴いた現行M44Gより高音は出ているみたいです。AP-25Dのあっけらかんとした鳴り方に比較してM44-5には絶妙な情緒があります(単にエージング効果なのかもしれませんが)。聴いていて心地良く安心感があります。いい感じの鳴り方だと思います。

でもね~、松田聖子のサ行が・・・、やっぱりざらつきます。トホホッ。まあこれはカンチレバーに変形がありトラッキングアングル等が適正値に保たれていないために起きている可能性が考えられます。しかしチェックレコードのトレースは問題ありませんでした。う~む、サ行のざらつきはあきらめるしかないのかもしれませんね。こういう音作りがM44の音ということなのでしょう。

う~ぅっ、針N44-5(N44Gでも可)の良品がほしいっ!今でも残っているんでしょうかね?あってもめちゃくちゃ高いんでしょうね。とか考えつつ、これは手元に残しておくことにします。白色のM44はほとんど見かけないので所持している優越感アリアリ。猫も杓子もM44Gという世の中の風潮に反抗してます(笑)。赤色ノブとの組み合わせがお洒落! 取り敢えず現行JICO針でも付けてお茶を濁しておきましょうかね。デザイン的にはディスクユニオンのクリアレッドN44G-CRがマッチしそうです。

ヘッドシェルとシェルリード線に新品をあつらえてみました。カモメマークが凛々しい。

P73

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オーディオ」カテゴリの記事

コメント

カートリッジは打ち止めかと思っていました(笑)

私は、以前書かれていた互換針の音について試していました。
幸い、ビクターZ-1SはナガオカとJICOから互換針が出ているので
集めてみました。
(アーピスの針は自社なのでしょうか?SASなどと書かれると
 JICO針がどれだけ占めているのかよく判りません)
集めた針は
  JICO DT-Z1S(0.6mil丸)
     DT-Z1SE(0.3 0.7mil楕円)
     DT-4Z1S (シバタ)

ナガオカ 49-Z1S(楕円)
(針先をいくら眺めても丸針に見えるのだが)

あと、ナガオカ製であろうGOLDRINGのELEKTRA(楕円)と
キューバックによる頭出しが必要だった時に購入した
ナガオカDJ-03HD(丸)で聞き分けました。

色々考えさせられる結果でしたが、結論から言えば、JICO
を付ければJICOの音、ナガオカを付ければナガオカの音となって
しまいます。
JICOは針先の違いはあれ、鳴り方は決まっており情報量やノイズ耐性
に差が有ります。
ナガオカの音はJOCOの鳴り方とまったく異なり、同一カートリッジの
音とは思えません。
出てくる音は、DJ-03HDやELEKTRAと同じ傾向を示し、針選びでカートリッジ
評価は大きく変わってしまう怖さを感じます。

振動系が占める割合の高さを再度実感し、使えるかどうか不明な純正針
に多額をつぎ込む訳も多少解った気がします。

最後に、私が愛用しているGRACE F-8Eの交換針(US-8E)が製造中止になった時
に技術の方と話した内容です。
私「なんで中止に?」
品「使っていた部品の一部が入手不可能になったんです」
私「差し障りなければですがなんの部品ですか?」
品「マグネットです、US-8E用のマグネットは古い仕様でメーカーが
  作らなくなりました」
私「ほかの針のマグネットで代用は?」
品「ほかの材質のマグネットではUS-8Eの音は出ませんのでやむなく
  廃番としました」

投稿: jamjam | 2014年5月10日 (土) 15時52分

jamjamさん

こんばんは。
またまた貴重な情報ありがとうございます。

カートリッジ探究はまだ続いています(笑)。
実はGOLDRINGのELEKTRAをヤフオクで安くゲットしました。
後日レポートします。

なるほどJICO(A'pis)とナガオカは音が違うんですね。
それは私も何となく感じています。
私が聴いたところでは、響きを制限しないJICO(A'pis)、響きを整理するナガオカ、という傾向です。

違いの原因は材質なのではないかと思います。
JICOとA'pisが同傾向の音になるのは、製造はそれぞれがやっているにしても、スタイラスチップ、カンチレバー、ダンパー、マグネットなどを多分同じところから仕入れているからではないかと推測します。
一方ナガオカの音が異なるのは、使っている材質の違いだろうと推測します。

私は基本的に振動系の音は材質で決まると思っています。
なのでGRACEの技術者の話は納得できます。

投稿: いっき | 2014年5月10日 (土) 19時54分

JICOとナガオカの違いをイメージで言えば
JICOはステージ最前列でかぶりついて聞いている状態でメインの
楽器やボーカルは迫力が有りますが、後方の楽器、例えばドラム
のブラシなどが不明瞭となります。
しいて言えば、前後に音場が形成されます。

ナガオカは一歩引いた少し高い位置で聞いている感覚です。
バランスはともかく、小さな音もよく拾い左右に音場が広がり
ステージがよく見渡せます。

シュアーとJICOは似た傾向の鳴り方でM44Gの場合は、JICOをすこし
ガサツにすれば現行(メキシコ製)の針の音と似てきます。
現行純正針のボーカルの歪み感は当り外れの範疇で、何本か購入し
出来の良い針の選別となります。

ナガオカにもN-44Gの互換針GD63-44が有りますので聞いてみたい気
もしますが…

実施、V15TYPE3やTYPE4を使っている世界中の人たちはどこの互換針
を使っているのでしょう?EVGの製造元は?
Pfanstiehl Corp. A LKG Ind. Co.とは何者?
気になりますが情報がありません。

投稿: jamjam | 2014年5月11日 (日) 00時07分

jamjamさん

JICOとナガオカの音の違いを解説していただきありがとうございます。
なるほどと思います。

M44G針の選別。やっかいですね~。
それがあちらの品質ならばやむを得ないことなのでしょうが。
私はJICOのN-55Eが気になってます。
M44GのM75EDバージョン針とか言われているやつのJICO版。

V15TYPE3やTYPE4も色々楽しめそう/やっかいですね。

投稿: いっき | 2014年5月11日 (日) 01時05分

突然の投稿、しかも古い記事への投稿ですみません。
通りすがりの者です。

当方、丸針のチップ径に関しまして、JICOとA'pisに以前問い合わせたことがあります、丁度2年くらい前でしょうか。
その際の回答では、JICOでは「丸針モデルの針は全て0.6milチップ」、A'pisでは「(全ての丸針モデルでかどうかの断言は無かったですが)0.5milチップを使用しています」とのことでした。
作っている工場が一緒であるかどうかは別として、ともかく使用している素材には違いがあるようです。

で、ですね、もしA'pis製造のN44Gも0.5milチップを使用しているのであれば、少なくとも針先だけはオリジナルに準じさせることができるかと思われます。

針によって音が変わるのは当方も実感しております。
純正交換針が入らないカートリッジに関しては、今後は互換針の音質を前提として取り扱うしかないですよね。
当方以前所有しておりましたSHUREのV15 Type-3も、JICO製互換針で聴いたときは音質の違いにガッカリしたものです。
ただ、音質の変化はともかくとして質の良い針を供給し続けてくれていること、いや、そもそも製造を続けてくれていること自体が有りがたいことですね。

投稿: 備長炭太郎 | 2014年7月15日 (火) 16時12分

備長炭太郎さん

こんばんは。
面白いペンネームですね。

>突然の投稿、しかも古い記事への投稿ですみません。

全然O.K.です。

A'pisとJICOのスタイラスチップ径が異なっているとは思いませんでした。
素材が違っているんですね~。なるほど。

A'pis製造のN44Gならば確かにチップ径は同じにできる可能性はあるでしょう。
でもA'pisの音になってしまうでしょうね。
目指す音質の方向性が違うと思いますから。

>純正交換針が入らないカートリッジに関しては、今後は互換針の音質を前提として取り扱うしかないですよね。

はい、そう思います。

私はV15typeⅣで純正針とJICOのHE針の違いを体験しています。
なるほどやっぱり違うなあと思いました。
10年くらい前、溜まり過ぎたカートリッジを整理した時に手放してしまったので今は手元にありません。

>質の良い針を供給し続けてくれていること、いや、そもそも製造を続けてくれていること自体が有りがたいことですね。

おっしゃるとおりだと思います。
A'pisやJICOには頑張ってほしいです。

投稿: いっき | 2014年7月15日 (火) 22時55分

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