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ゴールドリングのELEKTRAを聴いてみました。

安かったのでつい落札してしまいました。ゴールドリングGoldringのカートリッジELEKTRA。関西の有名なオーディオ店で評価が高かったり、ナガオカの最廉価MM型カートリッジNT-500MのOEM品だろうということで、前から気になっていたのです。それにしてもヤフオクでは人気がないですね。使用時間10時間程度で送料込みだというのに¥2700とは。出品者がかわいそうになります。新品は¥15000近い価格で販売されているんですよ。

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ご覧のとおり一式揃っていました。ほとんど新品です。ただし出力ピンの青色スリーブがありませんでした。まあなくても全く問題なし。ナガオカのNT-500Mと同じ作りというだけあってやはり安っぽいですね。

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出力ピンは金メッキしてないし、交換針の挿入部分がプラスチックだったり、見てのとおりです。濃いえんじ色のノブだけはシックで、安っぽさをカバーしていると思います。面白いことに本体にはIM(MP)型用のマグネットを埋め込める窪みがあります。将来、MM型の場合に必要なカンチレバー後部に付ける棒状マグネットが入手困難になったら、ナガオカ得意のMP型として販売できるように考慮されているのかもしれません。

ナガオカのNT-500Mは接合型丸針(適正針圧3gなのでローコンプライアンス)ですが、ELEKTRAは接合型楕円針(適正針圧2gなのでミディアムコンプライアンス)です。スタイラスを100倍顕微鏡で見たら円錐の前後を平らに削った形状で、ナガオカのMP-110のスタイラスとそっくりでした。やはりナガオカからのOEM品でしょう。色んなところに書かれているとおり外箱には”MADE IN JAPAN”と印刷されています。

音はこれまで聴いてきた廉価MM型の音です。レコードを数枚聴いて慣らしをした後でいつもの比較試聴を実施。2枚のリー・リトナー『オン・ザ・ライン』(ダイレクトカットディスク)を2台のプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。比較の相手は新リファレンスAP-25D。

左 : A'pisAP-25D(針:A'pis現行楕円針ST-25DED)
右 : ゴールドリングELEKTRA(針:純正楕円)

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ベスタクスのヘッドシェルに取付けてシェルリード線はいつものPCOCCです。カートリッジの背が低いのでトーンアームをかなり下げないとレコードと水平になりません。使いこなし上要注意! 出力はELEKTRAの方が少し小さいです。ELEKTRAは楕円針の割に高音が控えめで、バランス的には低音が良く出るように聴こえます。AP-25Dが華やかに鳴るのに対して、ELEKTRAは落ち着いて鳴ります。この落ち着いた鳴り方は少し前に書いたナガオカのMP-11(110)と同じ感じです。なお松田聖子のサ行は良好で、チェックレコードのトレースは問題ありませんでした。

それならばということで、そのMP-11(110)と比較してみました。

左 : ナガオカMP-11(針:ナガオカ現行楕円針JN-P110)
右 : ゴールドリングELEKTRA(針:純正楕円)

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出力レベルはほぼ同じです。音はよく似ていますがELEKTRAはMP-11より高音が僅かに控えめです。なのでELEKTRAはMP-11より更に落ち着いた音に聴こえます。こうなると渋い音と言えるかもしれません。この音はゴールドリングの意向を反映したものなのでしょう。落ち着いたヨーロピアンサウンドと言えば良さそうです。そう言えばMP-11が大ヒットしたのはどうやらヨーロッパみたいなので、そうだとすればこの両者の音の類似性は納得できます。両者の差は本当に僅かです。

僅かに高音がよく出る分空間表現が良いMP-11(110)の方が私好み。こうなると私はMP-11が手元にあれば良いです。カートリッジ自体の作りはMP-11の方が良いわけですしね。更に魅力なのは、MP-110カートリッジ単体はELEKTRAの半額くらいで買えますし、交換針JN-P110に至っては3分の1以下で買えること。やはりELEKTRAにはゴールドリングの儲けが上乗せされている分コストパフォーマンスが悪いと言わざるを得ません。私に言わせれば、ELEKTRAを買うという事はゴールドリングというブランド名にお金を払っていることに他なりません。

もしナガオカがNT-500Mに楕円針を付けてELEKTRAと同様のミディアムコンプライアンス仕様にし、NT-500Mの1.5倍くらいの価格で売ったとしたら、それこそ超ハイコストパフォーマンスということになるでしょう。しかしそれではゴールドリングの商売を妨げることになるので実現はしないはず。まっ、現行MP-110でも私は十分ハイコストパフォーマンスだと思います。MP-110は良いカートリッジですよ。オススメ!

※ その後ナガオカのカートリッジはかなり値上げされてしまいました(涙)。

※ 現在ELEKTRAは2万円越え! 円安のせいです。これに2万円も出すやつははっきり言ってバカです(笑)。価格に相当する音は出ません。2015/11/20

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コメント

ここ数日は月一のカートリッジのエージングを行っていました。

品川無線曰く、使わないのが一番悪い。
針先の磨耗を気にするよりダンパーの劣化(硬化や軟化)の方が音質への
影響が大きい。
複数カートリッジが有る場合は、月一でレコード片面でも再生するように
と念を押されました。
使わなくとも劣化は進む、止める事は出来ないが少しでも遅らせるのは使う
事としか無いとの事。

エージング用のターンテーブルが欲しいこの頃です。

さて
ELEKTRA(NT-500M改)は背が低い為、私はテクニクスのシェルウエイトを
挟みました。(厚さで約1mm、重さで3g増加)

ナガオカ製のカートリッジは以前は家電ルートでは結構流通(注文含む)
していましたが、家電量販店でも取り寄せも出来ない店舗が増えています。
交換針はナガオカ用や互換針も店舗のPOSにJANコードが登録されていますが
本体など登録がない場合は、提示価格がほとんど割引が無い事もあり、驚い
た記憶が有ります。
家電ルートではJICO針の登録がまったく無い量販店もあり、ナガオカは家電
JICOは楽器、レコード店とある程度住み分けが有るようです。

ELEKTRAの音は何度聞いてもナガオカトーンです。
(Z-1Sナガオカ互換針も同様)
接合丸針ですが海外では、ELAN用の交換針でJN-500(NT-500M用)が紹介されて
います
値段も
ELAN   12,800円 交換針 7,700円
NT-500M  3,000円 交換針 2,600円
となっており針圧問題は有りますが格安。

残念ながらNT-500用の楕円針は無いためELEKTRAの交換針を考えると、JN-P110
の価格は格安です。(どちらも接合楕円)
JN-P110  3,000円  (MP-110用)
D152E   9,500円  (ELEKTRA用)

仮にELEKTRAの金額を出せば、MP-150用のALテーパーでムク楕円針が買えて
しまいます。
MP-150   16,800円  交換針 JN-P150  8,200円 
ELEKTRA   16,300円  交換針 D152E   9,500円

金額は ヨドバシ 調べ(端数は丸めています)

Z-1Sの比較でナガオカトーンを聞き直し、この系統の音のカートリッジが
有っても(維持しても)良いかと思っています。
ただ、どうしても廉価品の域を出ませんが。
(Z-1Sのシバタは癖が強く扱いにくいですが、ランクは一つ上がります
 但し、ビクターの鍛造シェルとPCOCCの相性は悪く、普通のOFCがお勧め
 私が手に入れたテクニクス保守部品のリード線は日立電線のOFCを使用し
 ていました)

あとELEKTRAの針圧ですが、気になる点があり東志に確認しました。
国内代理店取説、本国取説、国内HPでは適正2.0gとなっていますが、本国HP
では1.7gとなっておりどちらが正しいのかと確認した所、本国HPが間違っており
国内取説や本国取説の針圧、ELEKTRAは2.0gが最適値との事でした。

投稿: jamjam | 2014年5月24日 (土) 02時24分

jamjamさん

色々貴重な情報を教えていただきありがとうございます。
機械もの(電気もの)は使わないと劣化しますよね。
たまに使ってあげるようにするというのはおっしゃるとおりだと思います。
カートリッジの流通事情にもお詳しいんですね。
私はもっぱらネット通販です。
ELEKTRAのC/P比較例を出していただきありがとうございます。
Z-1Sですが実はもう処分してしまいました。
シバタ針は気が向いたらAP-25Dで試してみたいと思っています。
ELEKTRA針圧に対するご指摘、了解しました。
本文の方は訂正しました。

投稿: いっき | 2014年5月24日 (土) 20時35分

Z-1Sは処分ですか(残念) ただAP-25Dも丸(JICO アーピス)、楕円(アーピス
のみ?)、シバタ(JOCO)、SAS(JICO)で組み合わせられるのでまだ楽しめるのですが。

私がZ-1Sを手に入れる理由はとにかくシバタが聞いてみたかったの一点でした。
動作確認のため一番安い丸針でチェックをした後、シバタを入手しました。
(シバタは直販販売のみなので定価販売、送料込みですが)
残念ながら、プレス状態がかなり良い盤でなければノイズが多く使えません。
状況にも因りますがラインコンタクト系よりシビアな場合が多い状態です。
(私が持っている某、横浜鶴見のプレス品で近年発売された物はすべてNGでした)

ELEKTRAの針圧は最初に入手したときにおかしいと思って確認しました。
絶対本国のHPのデーターが正しいと思ってしまいます。
途中で仕様変更が有ったかは不明ですが箱に入っている取説の数値が正しいとの事(東志)
OEM品なのであまり気にしていないのか?


話は大きく変わるのですが 先日、日経速報でパイオニアのホームAV部門の売却情報が流れました。

ちょうどその日は、マクロス関連品の在庫(再生)確認を行っており、かなり驚きました。
マクロス劇場版は小学館版のLD(レーザーディスク)バンダイ版LD、再リマスター版
Blu-rayを持っていますが、劇場上映と同じエンディング仕様は小学館版のみです。
私の一押しの「天使の絵の具」に絵が付いたのはOVAのFlash Back 2012発売後に発売されたバンダイ版のLDやDVDからです。(タイトルに完全版が付く)
ソフトのBlu-ray化は進めているのですが、倫理基準の変更等で映像ぼかしや音声ミュートが再販Blu-ray盤では有る場合があって、当時のオリジナルLDが捨てられないのが現状です。その他、羽健のマクロス関係のレコードももちろん有りますが。
今でもメンテナンスに苦労している状態(ベルト部分やレーザーピックアップの交換)
で使用しているLDプレーヤーが使用不可能となる日も近そうです。

パイオニアは学生時代から付き合いの多いメーカーで、レコードプレーヤ数台(1台はPL-5で リニアトラッキング)とカセットデッキ(CT-970 初所有の3ヘッド機)など記憶に残っている物が多いです。
しかし現存しているパイオニアのオーディオ機器はEXCLUSIVE F3(FM専用チューナー)とスピーカユニットPE-101だけ。やはり、回り物の耐久性(寿命)はメンテナンスを行っても短いのは致し方ない事です。


投稿: jamjam | 2014年5月25日 (日) 01時49分

jamjamさん

Z-1Sを処分してしまい申し訳ありません。
AP-25Dでそのようなバリエーションを考えています。
今のところ急ぐつもりはないですが。
ELEKTRAの針圧については、単にゴールドリングのホームページの管理がいい加減ということなのかもしれませんね。

LDは懐かしいです。
マクロスに対する思い入れは凄いですね。
貴重なLDを持っている方々にとって、LDプレーヤーの問題は悩ましいですね。
LDカラオケが大ヒットした時にはパイオニアも勢いがあったのに、その後通信カラオケになっちゃいましたからね。
ちなみに私は昔から映像にほとんど興味が湧かなかったです。

私のパイオニア初コンポ体験はカセットデッキT-838です。
80年代後半、無茶苦茶な物量投入をしているのに安価なプリメインアンプを市場に投入した時期のものです。
それからオークションを始めて間もない頃、レコードプレーヤーPL-L5は落札しました。
あの尺取虫運動をするリニアトラッキングアームを見るのが好きでした。
しばらく楽しんだ後再出品。
あの頃から落札しては出品しての繰り返しです。
オークションによって100個以上のオーディオ機器が私の手元を過ぎていってます。

投稿: いっき | 2014年5月25日 (日) 22時34分

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