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時々黒いジャズが聴きたくなります。

私が聴く最近のジャズは基本的に白いので、そういうものばかり聴いていると時々無性に黒いジャズが聴きたくなってしまいます。そんな時は昔のジャズを聴けば良いのですが、たまには新譜も聴いてみたくなります。そんな理由でこれ。新譜紹介。

P172カヒル・エルザバーズ・リチュアル・トリオ『フォロー・ザ・サン』(2013年rec. Delmark Records)です。メンバーは、カヒル・エルザバー(ds,kalimba,earth drum,vo)、アリ・ブラウン(ts,p)、ジュニウス・ポール(b)、スペシャル・ゲスト:ドゥワイト・トリブル(vo)、デューク・ペイン(ts,bagpipes) です。シカゴAACMのメンバーであるエルザバーの黒くてスピリチュアルなジャズが詰まっています。黒さは黒さでもアフリカンな匂いが濃厚。

カヒル・エルザバー参加のアルバムでは、かなり前に紹介したこれらもかなり気に入っています。
これは黒いです。そしてシカゴは熱いのだ!
今日はアフロ・アメリカンな1枚。

9曲中6曲にボーカルが入って黒さを放っています。特に難しいことをやっているわけではないですし、新しいことをやっているわけでもありません。黒いグルーヴに乗って時にスピリチュアルな雰囲気を醸しながら、ひたすら熱いジャズを繰り広げています。アフリカの広大な大地を感じさせるような曲もあります。とにかく素朴でアーシーで力強いサウンドが魅力。同じ黒さでもロバート・グラスパーの洗練されて都会的なものとは対極にあるようなサウンドです。

全9曲中5曲がエルザバーの曲で他はスタンダードとジャズマン・オリジナル。《朝日のようにさわやかに》や《ボディ・アンド・ソウル》などがゆったり濃厚にスピリチュアル・ジャズと化しています。エルザバーの曲の中に入っていることで、これらの曲が意外と洗練された都会的なメロディーを持っていたのだと気付かされたりして面白いです。

私としては、カリンバを弾いているゆったりした曲や、アフリカン・ドラムがズンドコ・ズンドコとグルーヴしている曲が気に入っています。アフリカン・ドラムのビートって、自然に体を揺らしたくなるような気分にさせられます。でもそれがこのドラムの本来持っている機能なのでしょうね。低音を生かして大らかに咆哮するテナー・サックス・ソロに身を任せるもの心地良いです。

最後の曲だけはライブ録音で、手拍子も聴こえてくる会場の和やかで親密な雰囲気はとても良い感じです。シカゴという街に息づく黒人ジャズを垣間見ることができます。こういうジャズを紹介し続けるデルマーク・レーベル、良いレーベルだと思います。

アルバム名:『FOLLOWS THE SUN』
メンバー:
Kahil El'Zabal(ds, kalimba, earth drum, vo 3,5)
Ari Brown(ts, p)
Junius Paul(b)
スペシャル・ゲスト
Dwight Trible(vo 1,3,4,7,9)
Duke Payne(ts, bagpipes)

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