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橋爪亮督グループの昨年アルバム

年明けしばらくは去年聴き逃した新譜をフォローしていく感じになります。今日のアルバムは昨年末ジャズ喫茶「いーぐる」で行われた「2013年末ベスト盤大会」で益子博之さんがかけたアルバムです。私もフォローしているグループのアルバム。新譜が出ていたことに気付いていませんでした。なので慌てて購入。

P161橋爪亮督グループ『ヴィジブル/インヴィジブル』(2012年rec. APOLLO SOUNDS)です。メンバーは、橋爪亮督(ts)、市野元彦(g)、佐藤浩一(p)、織原良次(fretless bass)、橋本学(ds, per)です。ライブ録音アルバムですが拍手は入っていません。スタジオでの演奏とライブでの演奏がどのように違うのか?興味が湧くところです。前のアルバムで9曲中3曲に加わっていたピアノの佐藤が全曲に参加。

前アルバムについては以下のように書きました。
音楽が持つ表情を聴かせるフュージョンです。

今回は前アルバムからの曲を前半3曲でやっていて、後半3曲は新曲になっています。全曲橋爪が作曲。

1曲目《ジャーニー》、ピアノが弾く冒頭のフレーズが《春の海》に似ていて、今の時期に聴くとピッタリ(笑)。この曲を聴くとキース・ジャレットのヨーロピアン・カルテットが浮かんできます。前アルバムの紹介では、この曲を聴いて「ECMレーベルの雰囲気にジャストフィット」と書いたのですが、それはキース・カルテットの印象だったのでしょう。サウンドのテクスチャーを大事にした演奏で、程良い緊張感が心地良いです。

2曲目《ザ・ラスト・デイ・オブ・サマー》は前アルバムではピアノ抜きでしたが、今回はピアノ入り。特に違和感なくピアノを取り込んでいます。スタジオ録音の時よりはダイナミックな仕上がり。メセニーのユニティ・バンド辺りに近いサウンドではありますが、ソロの取り方はスケールよりテクスチャー重視なので、雰囲気は少し異なっているように思います。ドラム・ソロを聴いて思ったのですが、橋本のドラミングはアントニオ・サンチェスに似ていますよね。本人は意識しているんでしょうかね~?

3曲目《十五夜》はスタジオ録音時より抽象度が増してフリーなものになっています。音量も抑え目で繊細さを聴かせるような演奏。

4曲目《サイクルズ》は7拍子のメセニー・グループ風演奏。このアルバム中最もダイナミックな演奏になっていて、テーマこそサウンド・テクスチャーを聴かせるものになっていますが、テナー、ギター、ピアノのソロは従来型アドリブの妙を聴かせてくれます。それ故分かりやすいジャズになっていますが、現代先端の雰囲気からは後退かも。

5曲目《パーク》はジャズと言うより、フォーク~ニューミュージック曲をインストでやっている感じで、橋爪がテナーで歌っています。ピアノのソロも心地良いメロディーです。日本の音楽をバカにして聴かない頭の硬直したジャズ・ファンには、ボブ・ディラン調の曲と言ったほうが分かりやすいかもですね(笑)。ジム・ブラックのALASNOAXISとかと発想は同じでしょう。後半に向かって徐々に盛り上がって気持ちが高まります。

6曲目《スケッチ#1》は、ドラムがブラシでミニマルなリズムを刻む上で、ゆっくり揺蕩うようなテナーとギターがユニゾンしベースも併走。ピアノは少し音を加えます(ピアノってテクスチャー表現に向かないところがあるんですよね)。途中からはフレットレス・ベースの優しいソロを中心にしつつ、テナーが後ろで付かず離れずのソロ。テナーのループが入った後、ここまで控えめだったピアノが主張を始めます。タイトルどおりの風景描写的な演奏が徐々に場面を変化させて継続。この曲が醸す独特の雰囲気はグループの新たなサウンド表現のように思います。

以上6曲、黙って聴かせたらライブ録音とは分からないような演奏だと思います。ライブならではのラフさを持ち込むのとは別の、緻密なライブなのでしょうね。過去との繋がりを感じさせつつ新しいサウンドを聴かせるこのグループのサウンドが、私は気に入っています。最近は東京へ出るのが億劫なのですが、このグループのライブは観たいです。

アルバム名:『VISIBLE/INVISIBLE』
メンバー:RYOSUKE HASIZUME GROUP上記

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ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

わたしも、このアルバム好きです。

西山さんのアルバムに素敵な曲があって、それが橋爪さんの作曲だったのですよ。(西山さんの曲もすてきでしたよ)
で、ご本人のアルバムを探したら、素敵なミューシャンばかりでしょ!買ってやる!みたいな、のりだったのですが。。

で、わたしも、ライブを狙ってるのですが、、暫く、わたしとライブのスケジュール的には相性が悪いんです。。

投稿: Suzuck | 2014年1月 6日 (月) 17時53分

Suzuckさまがこのアルバムを聴いていたとは意外です。
私の方面ではお堅い人達に人気があるからです(笑)。
でも良く考えたら前作の紹介の時に、こういうサウンドは女性にも好まれるのではないかと書いていました。
橋爪さんの曲って良い曲が多いですよね。
西山瞳さんが演奏していたとは知りませんでした。
お二方のメロディーセンスの融合・・・、西山さんの演奏も聴きたくなりました。
橋爪グループのライブは観てみたいですよね。
私とSuzuckさまのどちらが先に観られるか?

投稿: いっき | 2014年1月 6日 (月) 20時46分

初めまして。
橋爪さんのサイトを携帯で探している時に見つけたファンのものです。
とてもステキなアルバムのレポ読ませていただきました(*´∀`)♪
ライブはアルバム以上に素晴らしいです☆
是非とも次回はPIT INNで聴けると良いですね(`・ω´・)b
次回は4/18の夜になります。

以外と観客は男性ばかりですが…( ̄▽ ̄;)

橋爪さんのライブはよく行くのでこちらのことを伝えておきますね( ´艸`)
こんな素晴らしく書いてくれてきっと嬉しいと思ってくれると思います(^∇^)

投稿: precious | 2014年3月 8日 (土) 02時43分

preciousさん

初めまして。
拙ブログをお読みいただきありがとうございます。
お褒めいただき嬉しくもお恥ずかしいです。
次回ライブの情報、ありがとうございます。
やはり実際に観ると全然違うんでしょうね。
行けると良いのですが。
男性客ばかりとは残念です。
女性にも是非聴いてほしいです。
橋爪さんに伝えていただけるとは・・・。
どうもありがとうございます。m(_ _)m
でもやはり嬉しくもお恥ずかしいです。

投稿: いっき | 2014年3月 8日 (土) 12時14分

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» Visible/Invisible / Ryosuke Hashizume Group (橋爪亮督) [My Secret Room]
新潟市内もやっと皆さんが想像する雪国の景色となりました。 でも、、それって、、そ [続きを読む]

受信: 2014年1月11日 (土) 18時00分

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