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ストレート・アヘッドな快作

ジャズ新譜紹介です。トム・ハレルは追いかけているわけではありませんが気になる存在。今度の新譜もメンバーがちょっと変わって面白いと思ってAmazonを検索したら、な、な、何と、21円!? で売っているではありませんか。しかも送料無料! 最初は目を疑いました。MP3の1曲だけなのかと思ったのですがどう見てもCD1枚。ここは迷わず”ポチッ”でしょ。損してもたった21円ですから。2日後、何の問題もないCDが届きました。その後すぐに値段は通常価格に戻りました。あれは一体何だったのでしょう?何かのセールだったのでしょうか?それとも値段を間違えて登録したのでしょうか?理由はどうあれかなり得した気分。日頃善い行いをしている?私への神様からのプレゼントなのかも(笑)。

P118トム・ハレル『カラーズ・オブ・ドリーム』(2013年rec. HighNote)です。メンバーは、トム・ハレル(tp, flh)、ジャリール・ショウ(as10 除く)、ウェイン・エスコフリー(ts 10除く)、エスペランサ・スポルディング(b 2除く, voice 6,9,10除く)、ウゴナ・オケグォ(b)、ジョナサン・ブレイク(ds)です。前作までは、ハレル、エスコフリー、ダニー・グリセット、オケグォ、ブレイクのクインテットでアルバムを作ってきました。私は前々作『ロマン・ナイツ』を持っています。そう言えばこれもディスクユニオンのセールで1000円で買ったのでした。私にとってハレルはセール買いの人。
m(_ _)m

今回はピアノのグリセットが抜けてアルト・サックスのショウとベースのエスペランサが加わったセクステット。コードレスのツイン・ベースにボイスをフィーチャするというなかなか面白い構成になっています。全11曲をハレルが作曲。どの曲も分かりやすく佳い曲ばかりなのはいつものとおりですね。楽器編成はちょっと変わっていますが演奏そのものはストレート・アヘッドなジャズ。

1曲目《タンゴ》はタイトルどおりのエスニックな雰囲気で曲調はどちらかと言えば東欧風。テーマではエスペランサのスキャットが3管にからんで良い味付けになっています。ソロはエスコフリーとハレルが堅実に。途中からはツインベースのソロ、両側から息の合った掛け合いを見せつつ進行して低音の快感が味わえます。ショウとエスコフリーは曲によってはどちらかのソロがお休みだったり両者お休みだったり。

2曲目《VELEJAR(セイル・アウェイ)》はエスペランサのボーカル(歌詞あり)とスキャットを大きくフィーチャ。ベースは弾いていません。曲はラテン調。エスペランサの優しくふわりとした歌声が素敵です。ゆったりした曲の中でハレルのまろやかなフリューゲルホーン・ソロも心地良く響きます。ここでのショウとエスコフリーはアンサンブル要員。

3曲目《ファンタジー・イン・ラテン》はタイトルどおりのラテン調。エスペランサのスキャットがテーマ部やソロのバックに挟まります。ショウとハレルのストレートなソロが聴きどころ。ブレイクのドラム・ソロがあります。ブレイクはこのアルバムで、非常に弾力性のある溌剌としたビートを叩いてアルバムを盛り上げています。

4曲目《ステイト》は8ビートのノリの良いハレルらしい曲。拍子がコロコロ変わります。エスペランサのスキャットが入るとラテン風味に聴こえますね。ここではエスコフリーとハレルが気持ち良いソロを披露。5曲目《セブンティー》はワルツのスローバラード。ハレルのフリューゲルホーン・ソロのための曲で、美しいソロが聴けます。6曲目《ブルース2013》は4ビートのストレート・アヘッド・ジャズ。冒頭からツインベースの重厚な掛け合いソロが展開し、続いてショウ、ハレル、エスコフリーが勢い溢れるソロをとります。バックでブレイクのドラムが弾け、両側でツイン・ベースが唸って快感。

7曲目《ナイト・ライフ》はエスペランサのスキャットがユーモラスな雰囲気を出すポップな曲。8ビートのリズム感がオーネット・コールマンのプライム・タイム・バンドみたいで、先発のショウはオーネット的なソロを展開。まあオーネットほど素っ頓狂ではありませんが、私はこのソロがかなり気に入っています。ハレルのソロも弾けてノリノリ。この曲のベースのリフは気分を高揚させてくれますね。終り方もスッパリ気分爽快。

8曲目《イーヴン・イフ》もポップで楽しい曲。ちょっぴりラテン風味が良い感じです。先発するエスペランサのスキャットがかなりテクニカル&ノリノリで、これを聴くとサラ・ボーン『枯葉』の痛快テクニカルス・キャットを思い出します。こういうのかなり好きです。ハレルがソロで《イッツ・オンリー・ペーパー・ムーン》のようなフレーズを大胆に吹くあたりは、この曲の楽しさの表れか?

9曲目《ウォークウェイ》はダークでモーダルな曲。曲調に合わせたフリー・ジャズ的な展開があります。ハレルのソロもフリーに迫り。続くツイン・ベース・ソロはもう60年代フリー・ジャズ的匂いプンプン。10曲目《ファミリー》はフリューゲル・ホーンとツイン・ベースのトリオ。素朴で懐かしい感じの曲です。ベース・ソロ、フリューゲルホーン・ソロ共に落ち着いた味わい。ラスト《ゴーイン・アウト》はノリノリ8ビートの明るい曲で、聴いていると自然に体が動き出します。ハレル、エスコフリー、ショウが快調にソロを披露。

ちょっと変わった編成を生かし、色々な曲調と展開のバリエーションで飽きずに最後まで楽しく聴かせるアルバムです。各人の演奏技量は文句なく、良いアルバムだと思いました。これを21円で売るなんてハレルがかわいそう過ぎます。

アルバム名:『COLORS OF DREAM』
メンバー:
Tom Harrell(tp, flh)
Jaleel Shaw(as except10)
Wayne Escoffery(ts except10)
Esperanza Spalding(b except2, voice except6,9 &10)
Ugonna Okegwo(b)
Johnathan Blake(ds except10)

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コメント

こんにちは〜
えぇ〜っ! 21円ですか?
チロルチョコとかわらないじゃないですかっ!
でも よかったですね♪

トム・ハレルは まだ聴いたことないです。エスペランサのヴォーカル入りはいいですね♪
ゆ〜ちゅうぶで エスペランサのベースとヴォーカル聴きました。可愛かったです〜

このアルバム、何人か 記事にしていて良さそうですね。
でも今は お金ないから いつか思い出したら購入してみます。
21円なら すぐ買います(笑)

投稿: Marlin | 2013年11月13日 (水) 16時28分

Marlinさん

こんばんは。

>チロルチョコとかわらないじゃないですかっ!

うまい比較ですね。確かにチロルチョコ(笑)。

>でも よかったですね♪

はいとてもラッキーでした。

>トム・ハレルは まだ聴いたことないです。

良いトランペッターですよ。
曲もポップなものがあって聴いて楽しいです。

>エスペランサのヴォーカル入りはいいですね♪

ヴォーカル、特に声が良いと思います。

>ゆ〜ちゅうぶで エスペランサのベースとヴォーカル聴きました。可愛かったです〜

はい、「キュート」という言葉が似合う女性だと思います。

>このアルバム、何人か 記事にしていて良さそうですね。

おすすめです!そのうち気が向いたら是非。

>21円なら すぐ買います(笑)

ですよね~。

投稿: いっき | 2013年11月13日 (水) 20時32分

絶対、許せないっ!(^-^)

ハレルさまをセール買い。。
って、そりゃ、ひどすぎます。でも、買わないより、いいので許します。(笑)

今回のアルバム、、コードレスでできた大きな空間でハレルはかなりしっかり自分の世界を描いてるなーって、おもいました。
切れ味の良いサウンド、特に三管のユニゾン、、、かっこよかった。そして、浮遊感のあるヴォイス、、わたし的には、めちゃくちゃお洒落だとおもいました。
2本のベースから来る強力なグルーヴも、、そこで、繰り広げられる緊張感あるソロ、インタープレイ!も素敵♪
もちろん、ご当人のソロはどれも彼の美学と貫いていてダンディでしびれちゃいました。(*^.^*)

投稿: Suzuck | 2013年11月25日 (月) 18時04分

Suzuckさま

こんばんは。
大分前にこのアルバムをUPされていたんですね。
私、今気付きました。
さて、

>絶対、許せないっ!(^-^) ハレルさまをセール買い。。

申し訳ございませぬ。何卒お許しくだせーまし。

>って、そりゃ、ひどすぎます。でも、買わないより、いいので許します。(笑)

ありがとうごぜーますだ(笑)。

>今回のアルバム、、コードレスでできた大きな空間でハレルはかなりしっかり自分の世界を描いてるなーって、おもいました。

そうなんでしょうね。
ハレルのアルバムをたくさん聴いているわけではありませんが、これはハレルの世界なのだろうと思います。

>切れ味の良いサウンド、特に三管のユニゾン、、、かっこよかった。

おっしゃるとおりです。かっこいいと思います。

>そして、浮遊感のあるヴォイス、、わたし的には、めちゃくちゃお洒落だとおもいました。

エスペランサの個性を上手く生かしていますよね。なるほどお洒落という表現が合っていると思います。

>2本のベースから来る強力なグルーヴも、、そこで、繰り広げられる緊張感あるソロ、インタープレイ!も素敵♪

グループとしてのサウンドをしっかり構築していると思いました。

>もちろん、ご当人のソロはどれも彼の美学と貫いていてダンディでしびれちゃいました。(*^.^*)

ハレルならではの美学はありまよね。
私、結構好きです。

トラバありがとうございました。

後ほど私もそちらへお邪魔します。

投稿: いっき | 2013年11月25日 (月) 20時39分

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