安くてもなかなかの音です。
前回書いたカートリッジ400TCと一緒に落札したカートリッジAT-E30/Lもなかなか良い音でした。廉価カートリッジだからと言ってバカにしてはいけません。今回入手したものはほとんど使っていないんじゃないかと思います。早速いつもの比較試聴。リー・リトナー『オン・ザ・ライン』を2台のプレーヤーで同時にかけて、自作フォノイコライザーの入力セレクタで瞬時切替試聴。相手はZ-1S。
左 : ビクターZ-1S(針:JICO現行丸針DT-Z1S)
右 : オーディオテクニカAT-E30/L(針:純正品ATN-E30)
出力レベルはほとんど同じです。なのでボリューム調整が不要。入力セレクタを切り替えるだけで済み楽でした。音はAT-E30のほうが高域寄りのバランス。高域はきれいな音です。シルキーできめ細やか。これはコイルに使っている線材LC-OFCの効果だと思います。松田聖子の歌とかフュージョン・ギターが気持ち良く聴けます。でもちょっと大人しい音で元気がないです。私としてはZ-1Sの張り出す感じのほうが好み。AT-E30が高域寄りのバランスなのはマグネシウムヘッドシェルの響きが加味されている可能性もあります。
このカートリッジのオーディオテクニカの宣伝文句は以下のとおり。
「世界のオリジナル、VM型のベーシックです。フレッシュに輝くみずみずしいハイスピードサウンドが若い感性にぴったりフィット。」
”フレッシュに輝くみずみずしい”はそのとおりだと思います。”若い感性にぴったりフィット”については言えるような言えないような・・・。シュアーM44Gのようなあっけらかんと鳴る方が若い感性に合うのではないかと思ったりするからです。AT-E30は”品行方正”ですね。こういう鳴り方はいかにも日本製の音だと思います。
トレース能力も問題なし。前回書いたチェックレコードの針圧調整トラック70μmを余裕できれいにトレースします。いくら安くても基本性能はきっちり押さえるのが日本製。これまでの一連の廉価カートリッジ探究で入手した日本製新古針も、全てトラック70μmをきれいにトレースしました。これぞ日本品質なのだろうと思います。
AT-E30/Lはもう製造中止ですが、ヘッドシェル付\6,300(税込)でこの音というのはなかなかだと思います。音が安っぽくないですからね。今ならまだヨドバシの通販サイトに交換針(\1,970)があります(既に在庫なし:2014年)。ポップス、特に女性ボーカルを主体に聴く人にはかなりお薦めできるカートリッジなのではないかと思いました。
で、落札した主役のはずのレコードプレーヤーDP-30L(ジャンク)は、まずアームがガタガタ、スイッチ操作に対する挙動不審、回転数は正常で調整可能、汚れはそれなりにあり、下位機種でもあることから今回もガレキ行き決定。カートリッジほしさに落札したプレーヤーはもう6台目。すべてガレキ行き。オークションでリサイクルしているはずが、結局ゴミにしてしまうという所業。お許し下さい!
それから、新品の現行交換針を買ったばかりのDL-108Dの音が歪むようになりました。
ヘッドシェルを純正品に交換し直したりしているうちに、何かをおかしくしてしまったのでしょうか? 針を傷つけるようなことはしていません。本体内部の配線が接触不良になりつつあるとか? う~む、針なのか本体なのか、切り分けしないといけないのに。今はこの組み合わせでしか音を出せないので何とも。一連の廉価カートリッジ探究で買ったカートリッジの中で、かけた費用(本体+針)はこいつが一番高いんですよ(涙)。
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