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リンダ・オーの新譜は現代クールネス

来週10/19(土)「KOFU JAZZ STRFFT」です。でも今回はパス。理由は簡単で観たいと思う人が来ないから。今年から春と秋の年2回体制になったのは良いのですが、今回は会場が2ヶ所減って4ヵ所。2回にした分内容が薄くなったような気がするのは気のせい? 今回の目玉はTOKUとジャネット・サイデルということで、残念ながら私はどちらもあまり興味がありません。というわけでパスします。ただし一般的なジャズファン周辺に受けるという意味で、こういうジャズイべントにお2人が招かれるのは的確な人選だとは思います。

それより来月が大変。「桜座」 に観たい人が一挙にやってくるのです。11/20(水)高瀬アキカルテット、11/21(木)スガダイロートリオ+志人、11/22(金)山下洋輔ニューヨークトリオ、11/23(土)フルデザインレコード・レビュー2013(日本の錚々たるジャズメンが集合)。何なんだ!この固め打ちは!もっと分散して呼んで下さい。全部観たいけれど毎日は無理。ダイローさんのトリオが初めて甲府にやってくるのが嬉しいです。スガダイロートリオ+志人は是非観たい! この機会にアルバム「刃文」も買わなきゃね。 う~む、高瀬アキさんも観たい。サックスが林栄一さんですしね。これは嬉しい悲鳴です!

今日はフォローしているリンダ・オーの新譜を紹介します。

P74リンダ・オー『サン・ピクチャーズ』(2012年rec. greenreafmusic)です。メンバーは、ベン・ウェンデル(ts)、ジェームス・ミューラー(g)、リンダ・オー(b)、テッド・プア(ds)です。ジャケットには「ベン・ウェンデルtrumpet」って、思い切りミスプリント(涙)。オーの3枚目のリーダー・アルバム。

1枚目『エントリー』はトランペット・トリオで、2枚目『イニシャル・ヒヤ』はカルテットを主体に曲により編成を変えてエレベも弾いていました。今回は全曲カルテットでやっています。ドラマーは毎回変わって今回はテッド・プア。オー自身が書いたライナーノーツによれば、収録曲は最近の旅行の小さなスナップショットであり体験を演奏した音楽とのことです。各曲がどういうシチュエーションで作曲されたのかについても書いてあります。

1曲目《シャッタースピード・ドリームズ》はこのアルバムの収録曲をリミックスしたもので、オーにとって良い挑戦だったとのこと。ミニマルな曲で旅の思い出を虚ろに思い返しているような、もしくは夢見ているようなイメージになっています。2曲目以降は普通のカルテット演奏による現代クールネス・ジャズ。マイナー調の曲ばかりで基本的には落ち着いた雰囲気。

テーマ曲を合奏した後にフロントのソロまたは掛け合いがあります。ジャズの基本的フォーマットによる演奏ですね。リズムは8ビートまたは変拍子というのが現代性。右にギター、左にテナー、盛り上がる場面もありますが基本的には丁寧にクールにソロを展開していきます。ウェンデルもミューラーも特に個性的というのではなく、現代的なマナーをきちんと習得したジャズマンだと思います。

オーのベース・ソロも何回かありますが控えめ。バッキングでは相変わらずウォーキングしない訥々としたベースを弾いています。今回強靭さをあまり感じさせない録音になっているのは、旅行の小さなスナップショットというアルバム・コンセプトに沿っているためかもしれません。ベン・モンダーの新譜にも参加していた私お気に入りのドラマーであるプアは、音楽に丁寧に起伏を付けていきます。

こういう現代クールネス・ジャズは人によっては面白くないという意見がありますよね。私もその意見を理解できますが、こういうものにたまにはじっくり耳を傾けるのも悪くはないのではないでしょうか?

アルバム名:『Sun Pictures』
メンバー:
Linda Oh(b)
Ben Wendel(ts)
James Muller(g)
Ted Poor(ds)

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