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ベン・モンダーのアートなジャズ

新譜紹介です。もちろんジャズ。

P54ベン・モンダー『ハイドラ』(2013年、Sunnyside)です。メンバーは、ベン・モンダー(g, b:4)、テオ・ブレックマン(voice)2,3,4,6,7,8、ジョン・パティトゥッチ(b)1,5,6,7、スクリ・スヴェリソン(b)2,3、テッド・プア(ds)2,3,4,5,6、ジアン・スレーター(voice)1,7、マーサ・クルーヴァー(voice)6,7です。注目しているギタリストのアルバムということで購入決定。

私はモンダーのリーダー作を1枚だけ(『オシアナ』)持っています。でも、この人は私が買う渋めのアルバムのサイドマンとして結構参加していて、当ブログにもそこそこの回数登場。サイドマンとして参加したアルバムでは、なかなか個性的で職人的なギターを弾いており、現代注目すべきギタリストの一人であることは間違いないと思います。

このアルバムはブレックマン他のヴォイスを全編に渡ってフィーチャしていて、モンダーのギターと共に幻想的なサウンドを展開。基本的にはこれまでのサウンドを踏襲していて、この人の個性であるアルペジオを主体としたギタープレイは独特なサウンドを紡いで行きます。アートなジャズです。

冒頭はモンダーの多重録音ギターがハープとも琴とも取れるようなサウンドを展開する上にスレーターのきれいなヴォイスが浮遊。どことなく「和」の匂いも感じさせます。「和」の意識は多分モンダーの中にあって、このアルバムの構成要素の隠し味的なもののように思います。それは中盤に収録されている《YUGEN》「幽玄」という曲名にも表れているのではないでしょうか?

タイトル曲《ハイドラ》は24分強の長尺曲で、物語性を感じさせるサウンドが展開。「ハイドラ」っていうのはTOTOのアルバム名にもなったギリシャ神話の怪物なんでしょうね。それをテーマにした物語。緩急ありますがちょっと冗長な感じも否めません。そう言えばTOTOの『ハイドラ』のアルバムジャケットもこのアルバムと似たような青色でしたね。私はこの青色が好き。

ブレックマンの美しいヴォイスとモンダーのアルペジオがきれいな調和を見せて進んで行く中、1曲だけモンダーがディストーションンを効かせたロック・ギターを披露するのが《TREDECADROME》。これも15分強の長尺曲。私、モンダーのイケイケ・ロック・ギターもかなり好きで、この曲は良い気分転換になっていると思います。

スヴェリソンとパティトゥッチはサポートに徹して良い仕事をしてますがそれほど目立ちません。一方ドラマーのテッド・プアはサウンドにダイナミズムを与える重要な役割を担っています。私はプアのドラミングにはブライアン・ブレイドに通じるものを感じていて、演奏にドラマティックな表情を加える技はなかなかのものだと思っています。巷ではあまり話題になりませんが良いドラマーの一人。

職人でありながらアートなサウンドを奏でるモンダー。芸術の秋にこのアルバムに浸るのは悪くないのではないでしょうか? それにしてもサニーサイド・レーベルは相変わらず私のアート心をくすぐるアルバムを出してくます。

アルバム名:『HYDRA』
メンバー:
Ben Monder(g, b:4)
Theo bleckmann(voice)2,3,4,6,7,8
John Patitucci(b)1,5,6,7
Skuli Sverrisson(b)2,3
Ted Poor(ds)2,3,4,5,6
Gian Slater(voice)1,7
Martha Cluver(voice)5,7

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