こんなレコードを使ってカートリッジの音質を比較
2種類のカートリッジを比較したい場合どうしますか。私の場合、せっかくレコードプレーヤーが2台あるのですから、同じレコードを同時にかけて瞬時に切り替えて比較します。そうすれば差が分かりやすいですよね。プレーヤー自体の音質の差はありますが、カートリッジの音質の差に比べれば僅かなもの。
ということでこれを使おうと思いました。希少なダイレクト・カッティング・ディスクです。1枚持っていたのですが、渋谷のディスクユニオンで数百円で売っていたので、もう1枚確保しておこうと思って買いました。こういうレコードってあまり人気がないんですね。
リー・リトナー&ジェントル・ソーツの『ジェントル・ソウツ』。以前このアルバムについて紹介しています。これです。⇒今日も思い出の曲
ということで音質比較を始めました。その時は確かシュアーのM97EDとオーディオテクニカのAT33LTDだったと思います。個体差だけでなくMMカートリッジとMCカートリッジの差も比較したかったのです。あれれっ?テンポが僅かに違います。
その時私はどちらかのプレーヤー(QL-7とDP-3000)の回転速度が違うのかと思い、回転数を可変できるDP-3000のほうを調整してみました。でも変わるのはテンポではなくて、ピッチ(音程)でした。そりゃそうだ。プレーヤーの回転数の可変ではピッチくらいしか変わらないのです。人間の耳はアナログですよ。ピッチは瞬時に切り替わっているのに、徐々に変化したように聴こえます。
で、悩みました。回転数がそんなに違うのかと・・・。実は!プレーヤーの回転数の違いではありませんでした。よく聴いてみるとテンポだけでなく、定位の具合や演奏そのものが違っていたのです。レコードをもう一度確認しましたよ。そうしたらレコード番号自体が違っているではありませんか!!「VIDC-1」と「VIDC-101」。
以前このアルバムを紹介した中で、CDには2種類のバージョン(テイク違い)があると書いていますが、実はレコードにも2種類あったのです。驚きました。
これでは比較がやりにくいです。演奏の違いの方が気になって音質の違いに集中できません。ならばこれを使うしかないですね。これもダイレクト・カッティング・ディスクで、1枚持っていたのですが、渋谷のディスクユニオンで上記のレコードと同じ時に確保したのです。当時この手のレコードを手放した人がいたのでしょう。
リー・リトナーの『オン・ザ・ライン』。これは発売された頃、オーディオ雑誌のオーディオ・チェック記事でよく使われていました。私はこの演奏が苦手。なぜかというとハービー・メイソンがリン・ドラム(エレクトリック・ドラム)を叩いているから。リン・ドラムって80年代の恥ずかしさの象徴のような気がします。頭の中にC・C・Bの《Romanticが止まらない》が鳴り響き。笠浩二の顔が浮かぶ・・・。結果安っぽい演奏に聴こえます。
演奏はそうであったとしても、カートリッジの音質の違いはよく分かります。只今使用中のパイオニアPC-200(針PN-400)とビクターMD-1016(楕円針)でも比較してみました。PC-200は余分な音がしませんが少し地味。MD-1016は余分な音が付加されているかもしれませんが闊達で明るい。楽しく聴けるのはMD-1016です。
※結局この2個のカートリッジはリサイクルしてしまいました。この後たくさんのカートリッジを聴くうちに魅力がなくなってしまったからです。このクラスの音なら現行廉価カートリッジでも問題なく鳴ります。中古品にメリットがあるとすれば安く入手できることくらい。劣化については物によるので注意が必要です。
こんなことして遊んでいます。オーディオ趣味はなかなか楽しい。ちなみに同じレコードを2枚持っているのは、私の千数百枚のレコードの中で上記2つのアルバムだけです。
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