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2013年8月

気に入ったカートリッジでレコードを聴くのは楽しい!

カートリッジMG-27Lに交換針A-1PHを付けたものがかなり気に入りました。細かいことをあれこれ気にせず音楽に浸れるからです。オーディオ的にどうこう考え込まずに音楽を楽しめるのが廉価なMM型カートリッジの良さかもしれませんね。

OTTOの純正シェルも悪くはないのですが、このカートリッジのデザインとはあまりマッチしていないように感じました。なので、ベスタクスのDJ向け安価ヘッドシェルに取付けることにしました。このヘッドシェル、安いけれど機能は十分です。

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キャラメルのようなカートリッジがこれではっきり主張するようになりました。この色とデザインが何だか妙に気に入っています。

ところでこのPH(ラインコンタクト)針、A'pisでは以前他のカートリッジにも展開していたようです。人気のあるカートリッジにこの針を用意。最近までシュアーのM44G(N-44GPH)、ビクターのZ-1S(DT-Z1SPH)、テクニクスのEPC-270C(EPS-270PH)などにはこの針があったようです。A'pisホームページのリストにはまだ乗っています。生産中止や取扱い中止なのは残念。とくにZ-1SにこのPH針を付けて聴いてみたかったです。

このカートリッジ、古いジャズから新しいフュージョンまでいけます。今夜はこんなの聴いて悦に入ってます。

P12 シェリー・マン&ヒズ・フレンズ『マイ・フェア・レディ』(1956年rec. CONTEMPORARY)です。メンバーは、シェリー・マン(ds)、アンドレ・プレヴィン(p)、リロイ・ヴィネガー(b)です。ステレオ盤で一応コンテンポラリー盤ですが、特にオリジナル盤という分類ではないので安く買えました。こんな盤でもコンテンポラリーのレコードは音が良いんですよね。低音から高音まで、とてもバランス良くクリヤに鳴ります。これぞハイファイ・サウンド。

P13 インナースリーブはこんな感じ。私はレコードをこれに直接入れません。なぜなら紙とレコードの摩擦で静電気を盛大に発生し、レコードにゴミが付着しまくるからです。外盤を買った時には速攻で内袋に入れ直します。ゴミが付着するとゴミが研磨剤のようになり、レコード針がレコード溝を削ります。レコードをノイズだらけにしないためには、まずはゴミの付着を防ぐことが大事。

さて、このアルバムの内容ですが、プレヴィンの重厚なピアノとマンの軽快なスインギン・ドラムとヴィネガーの小気味良いウォーキング・ベースの絶妙なコンビネーションが聴きどころです。特に重厚なピアノと軽快なドラムの対比具合が上手くマッチしています。

プレヴィンの重厚感は、まず左手の逞しいタッチによるところ大です。それに格調あるハーモニー選びがあいまっているような気がします。格調を感じさせるようなハーモニー選びというのは、その後プレヴィンがクラシックの指揮者になることを頷かせるのですが、私には坂本龍一のサウンドに感じるものとダブります。

重くなりがちなプレビンのピアノ、たぶんスタインウェイを弾いているんでしょうけれどベーゼンドルファを弾いているように聴こえます。ここに軽快に歌うようなマンのドラムが絡むからバランスが取れるのです。ベースのヴィネガーがグングン後押ししてくれるのも◎。

クラシックの指揮者になるプレヴィン、さすがにこういうミュージカルものの解釈は上手いですよね。アドリブでもメロディーの良さがそのまま出てきます。さりげないアレンジも良いです。で、重厚な弾き方なので、ミュージカルものが安直にならない。

プレヴィンのピアノ・トリオというと自信のアルバム『キング・サイズ!』がありますが、私は『マイ・フェア・レディー』の方が好きで、こっちの方がプレーヤーに乗る頻度は高いです。

P14 『キング・サイズ!』(1958年rec. CONTEMPORARY)はオリジナル盤を持っています。モノラル盤。メンバーは、アンドレ・プレヴィン(p)、レッド・ミッチェル(b)、フランキー・カップ(ds)です。このライオンジャケットがまた良いですよね。レコードサイズで見てこそ、その良さが出るのです。

コンテンポラリーのオリジナル盤には色々な種類があり、私はどれに価値があるのか良く分かりません。これは15年くらい前に買って、確か1万円くらいだったように記憶しています。モノラル盤のほうが中域に密度があり、濃厚で芯のある音を聴かせてくれます。こういう音を聴いてしまうと、オリジナル・モノラル盤の虜になってしまうのですよ。

お気に入りのカートリッジで好きなレコードを聴く。う~ん、贅沢やな~。

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カートリッジMG-27Lの交換針が届きました。

先日紹介したカートリッジMG-27Lの交換針が届きました。交換針メーカーA'pisの超ラインコンタクト針A-1PHです。

A'pis Japan の通販で交換針を買うのは今回が初めて。送料無料ですぐに送ってきてくれました。針は昨日届いていたんですよね。思わず次から次へレコードを聴いてしまいました。こんなパッケージになっています。

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「レコードの寿命がのびる PH STYLUS ライン・コンタクト」だそうです。ケースの底の部分にはPH針の特徴が書かれた小さな紙片が仕込まれていました。OR-1PH/AP-1PH用の針ですが、MG-27Lにも問題なく装着できます。

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カンチレバーはアルミの2重パイプになっていました。以前紹介したビクターMD-1016用の針はJICOの物を購入しましたが、やっぱりアルミの2重パイプでした。今時の国産交換針のデフォルトはこれなのかもしれません(その後JICOとA'pisの針をいくつか入手して、2重パイプではないものがあることが分かりました)。スタイラスチップは接合型。安いのでこれは当然でしょう。シェルリード線はいつものオーディオ・テクニカのPCOCCに交換。

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はいっ、やっぱり素直な音ですね。どこかが突出するような音ではなくバランス重視。MM型らしい鳴り方でレコードに入っている音をそのまま拾っている感じです。パイオニアのPC-200(針PN-400)と比較してみました。MG-27Lの方が明るく鳴って出力も大きく、ビクターMD-1016に似た感じに聴こえます。(その後エージングにより音が落ち着き、印象が変わりました。MD-1016のような華やかな音ではありません。)

はるか昔のカートリッジの交換針が今も売っていて、当時の音そっくりそのままという訳にはいかないでしょうけれど、現役として楽しめるのは嬉しいことです。シュアーにしてもオーディオ・テクニカにしても、オーディオ用MM型カートリッジのラインナップを整理縮小してしまった昨今、交換針メーカーには頑張ってほしいですね。

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秋葉原の平方電気が・・・

またまた悲しいお知らせがあります。秋葉原のラジオセンターにあった平方電気が閉店してしまったらしいのです(涙)。

実は先月くらいからお店のホームページが無くなっていたのでやばいんじゃないかと思っていたんですよ。そしたら今日、ブログのアクセス解析ツールの「検索ワード/フレーズ」に ”平方電気閉店” の文字がありました。私のブログにそのことは書いていないのですが、検索すると”平方電気”の文字で引っかかるんでしょう。

やっぱりそうなのかということで、早速”平方電気閉店”で検索すると・・・、ありました! その方のブログによると、久々に店に行ったらシャッターが閉まっていて閉店の張り紙がしてあったそうです。その写真も掲載されています。

お知らせ
「平方電気」は平成25年8月20日をもちまして閉店させて頂きました。
永年ご愛顧いただき誠に有難うございました。
心より感謝申し上げます。

というものです。

あ~~っ、またまた私が大好きなオーディオ関連のお店が姿を消してしまいました。平方電気の名は私のブログに何回か登場しています。ここに2回分をリンクしてます。

久々にオーディオの話題
シェルリード線を交換しました。

私はアナログ関係でお世話になったのですが、多くの人は手作りケーブルでお世話になっていることでしょう。平方電気で買ったカートリッジなどは入れ替えによって既に私の手元に残っていませんが、レコードプレーヤー用出力ケーブルだけは今も愛用しています。外すのが面倒なのでその写真は乗せません。代わりにこんな写真を。

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そのケーブルが入っていた袋を切り取って残してありました。書いたのは店主の中村さんでしょう。直筆のこれは貴重なものになってしまいますよね。右側はその出力ケーブルに使わているTHERMAX(サーマックス)のケーブル。当時このケーブルの評判が良かったので、別に買ってRCAケーブルを自作しました。実はこのケーブルを買ったお店というのが、やっぱり閉店してしまったヒノオーディオ。

最後にお店と店主中村さんの様子を写した写真があるサイトのリンクを張っておきます。う~ん、閉店してしまったなんて残念!

http://www.asahi-net.or.jp/~zh7y-tkyn/hirakata.htm

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廉価カートリッジとの戯れは続く。

今度はこんなものを入手してしまいました。サンヨーOTTO(オットー)のカートリッジMG-27L。こんなカートリッジに目を付けるなんて、まあ毎度のことですがマニアック過ぎですよね(笑)。昔は家電メーカーが皆オーディオブランドを持っていました。

ヤフオクでジャンクプレーヤーTP-450ごと入手。本来このプレーヤーには別のカートリッジが付属しているのですが、ヤフオクの小さい写真をよく見るとどうも狙っているカートリッジが付いているようなのです。¥500なので思い切って入札。競合なしで落札できました。プレーヤーごとの落札なので送料はそれなりにかかりました。

届いたプレーヤーを見ると、カートリッジは狙っていたものでしたがぶら下がっていました。ご覧のとおりでホルダーから本体が抜け落ちていたのです。輸送中の振動でこうなったのでしょう。

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まあジャンクプレーヤーですから、このくらいのことがあっても驚きません。接着剤を塗って元通り収めました。針先は大丈夫のようですがカンチレバーは曲がってへこんでいました。こうなったら”エイヤッ”でカンチレバーを真っ直ぐに! カンチレバーのへこみは増えてご覧のような状態。トホホッ。

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ダメ元で音出ししてみると、何食わぬ顔で普通に鳴っています(笑)。以前ブログに書いたトレースが難しい盤もあっさりクリヤ。この辺りがアナログのアバウトさ。きっと音だけ聴かされたら、カンチレバーのへこみなんて分かりませんよ。

このMG-27L、例のサイトによるとEXCEL(エクセル)からのOEMとのこと。このカートリッジの上位機種(OR-1PH/AP-1PH)とほぼ同機種(AP-1D)が、交換針メーカーのKOWA(コーワ)からはORTHO(オルト)ブランドで、社名が変わりA'pis(アーピス)になってからは同ブランドで発売されていたそうです。現在は販売終了。

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なぜこのカートリッジがほしかったのかというと、上記 A'pis Japan で販売していたカートリッジの交換針をまだ販売しているからです。上位機種OR-1PH/AP-1PH用の交換針(A-1PH)の針先形状は超ラインコンタクト型で、にもかかわらず値段が安いのです(値段が安いのは接合ダイヤだから)。例のサイトでは「非常に素直な音が、この価格から出てくる。」と書いています。これは聴いてみたいでしょ! このMG-27Lにはその針が挿せるはずなのでほしかったのです。

早速A'pisに針を注文しました。届くのは数日後なので、現状のへこんだカンチレバーのまま今は音を楽しんでいます。黒色ノブなので楕円針ST-27DLということなのでしょうね。まっ、これは新しい針が来れば処分するのでどうでも良いです。この状態でもとても素直な音で鳴っています。

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ボディの色がダークグリーンなので、デザインも含めてシックな感じです。カーキ色のようでもありジープのような角張ったデザインといい、見方を変えれば軍用の様にも見えますね。交換針A-1PHが届くのが楽しみになりました。

廉価カートリッジも奥が深いですよね~。

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モフェット弾きまくり。

1週間ぶりの更新は新譜紹介です。これも出てから少し時間が経ってしまいました。

P2 チャーネット・モフェット『SOS スピリット・オブ・サウンド』(2012年rec. MOTEMA)です。メンバーは、チャーネット・モフェット(ac-b,fretless el-b,piccolo bass guitar,vo)、アンジェラ・モフェット(tamboura,spoken word)、チャーネット・”マックス”・モフェット(ds,tabla,vo)、マーク・キャリー(p)、オラン・エトキン(cl,ts)、ババツンデ・リア(per)、アマレイア・モフェット、テッサ・スーザー、ヤナ・ヘルゼン(vocals)です。フォローしている人ではないので最近のモフェットが何をやっているのか未知でしたが、ネットで試聴して面白そうだったので購入。

ライナーノーツを読むと、ドラマーであり息子のマックスと女優であり妻のアンジェラと娘のアマレイアとのモフェット・ファミリー・バンドによるアルバムということのようです。そういう家族の絆を基に、モフェットの音楽観をあらわしたコンセプチュアルなものになっています。サウンド的にはワールド・ミュージックを色濃く反映したジャズ。最初から最後までモフェットが最前面にいて、多重録音も交えとにかくベースを弾きまくっているのが印象的。オーネット・コールマンの《ロンリー・ウーマン》を除く曲はモフェットの作曲。

冒頭《ベースランド》はアコースティック・ベースによる独奏で、その旋律がなぜか津軽三味線を思い起こさせるから面白い。インド的な旋律なんでしょうが、私にはかなり日本的に聴こえます。2曲目《シーカー・オブ・トゥルース》は奥さんアンジェラの詩の朗読が入ってスピリチュアルなムード。これもインド的。アンジェラはtambouraというインドの楽器?も弾いています。殆どの曲にtambouraで参加していてサウンドにインド風味を加味。モフェットはフレットレス・エレベで歌います。

3曲目《オペラ》は娘アマレイアのボーカル(歌詞はなし)が入ります。モフェットのフレットレス・エレベの旋律やドラムのグルーヴからは、オーネットのプライム・タイム・バンド的なサウンドも聴こえてきます。4曲目《ホープ》はまたアンジェラの詩の朗読が入ってインド系。コルトレーンの『至上の愛』にも似たメロディーが出てきます。モフェットはここでもフレットレス・エレベを弾いています。

5曲目《ナチュラル・ヘリテイジ》はカントリー的なのが面白いです。モフェットみたいな今を生きる黒人にとっては、カントリーもアメリカに生きる自分達の”ナチュラル・ヘリテイジ(自然遺産)”になるんでしょうね。6曲目《スイング・ラガ》はタイトルからもわかるようにインド系。ヘルゼンのボーカルが入り、モフェットがピッコロ・ベースをギターのように奏でるこれは、ザビヌル・シンジケートがやっていたワールド・ミュージックに雰囲気がかなり似ています。

7曲目《ブルース・ウォーク・グルーヴ》もインド系。8曲目《オーヴァーパス》はパーカッションが効いてアフリカ的。テナーサックスが入って、グルーヴの具合からはオーネットのプライム・タイム風にも感じます。ベースの旋律からはリチャード・ボナ~ザビヌルの匂いも。9曲目《ロンリー・ウーマン》は、モフェットがフレットレス・エレベでひたすらソロを展開。ハーモニクスも交えつつ、スピリチュアルなジャコ・パストリアスと言った感じか。途中に《至上の愛》のメロディーが入ってました。やっぱりね。

10曲目《フォー・ドーズ・フー・ノウ》は4ビート。マーク・キャリーのピアノが入って所謂ジャズのイメージが最も強い曲。曲やビートからはオーネットを強く感じます。ラスト《スピリット・オブ・サウンド》は冒頭同様アコースティック・ベースでソロ。アルコ(弓弾き)も交えた多重録音。バックにはアンジェラのtambouraがそっと奏でられています。

こんな感じでオーネット、コルトレーン、ザビヌルなんて人物が浮かんでくるサウンドを次々と展開(各曲は最大で6分台と短め)。最初から最後までサウンドには一貫性があります。前面に出るモフェットを家族がバックアップする姿は微笑ましくもあります。私としてはかなり楽しく聴きました。

話題性は薄いかもしれませんが、現代ジャズのルーツを知る上で、とても面白いアルバムになっていると思います。

アルバム名:『SPIRITS OF SOUND』
メンバー:
Charnett Moffett (acoustic upright bass, fretless electric bass, piccolo base guitar, vocals)
Angela Moffett (tamboura, spoken word)
Charnett "Max" Moffett(drums, tabla, vocals)
Marc Cary (piano)
Oran Etkin (clarinet, tenor saxophone)
Babatunde Lea (percussion)
Amareia Moffett, Tessa Souter, Jana Herzen (vocals)

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王道ピアノ・トリオ好演

最近とうとうブログを更新するのがかなりめんどうになっています。というわけで更新間隔は今より長くなって、内容もかなり手抜きになってしまうかもしれませんが、見捨てないでやって下さいませ。m(_ _)m

今日は新譜紹介とは言っても、だいぶ前に出たアルバムです。

P1 エドワード・サイモン・トリオ『ライブ・イン・ニューヨーク・アット・ザ・ジャズ・スタンダード』(2010年rec. Sunnyside)です。メンバーは、エドワード・サイモン(p)、ジョン・パティトゥッチ(b)、ブライアン・ブレイド(ds)です。ベースとドラムは今年話題のウェイン・ショーター・カルテットのメンバーなので気になって買いました。

どんな演奏なのかと思っていたら、意外とオーソドックスなピアノ・トリオでした。サイモンはデヴィッド・ビニーと組んで結構尖がったアルバムも出していますから、ちょっと抽象的で緊張感最優先みたいなものだと嫌だなあと思っていたのです。それは良い方向に裏切られました。結構メロディー重視の、しかし甘ったるくはないビターな美メロ・トリオになっています。

緊張感はあります。何しろこのメンバーですから、リラックスしたお気軽ピアノ・トリオなどにはなろうはずがありません。しかし上記のとおり緊張感最優先ではないので、聴く方も適度に緊張感を緩和できます。サイモンは美的なインプロビゼーションを繰り広げ、パティトゥッチとブレイドがしっかり絡んでいく展開。パティトゥッチの骨格のしっかりしたベース、緩急自在にグルーヴするブレイド。良いです。

ライブ録音なので最短8分半から最長15分半まで、1曲に時間をかけた5曲が収録されています。サイモンのオリジナル3曲の間にトム・ジョビンの《CHOVENDO NA ROSEIRA》とコルトレーンの《ジャイアント・ステップス》が挟まる構成。流れ的に違和感はなく繋がっていると思います。

真ん中にあるサイモンの《パスレス・パス》(道なき道?)はこのアルバム最長曲でハイライトでしょう。どことなくオーネット・コールマンの《ロンリー・ウーマン》にも似たメロディーで、スピリチュアルなムードも湛えています。ゆっくり幕を開けて3人が徐々に高みに登っていく展開は聴き応え十分。終盤は徐々にクールダウンして静かにエンド。

続く《ジャイアント・ステップス》はピアノ独奏で始まります。最初は例のテーマが出てこないので曲名が分かりません。1分くらい経った辺りから徐々にあのメカニカルなテーマが形を成し、2分過ぎた辺りでベースとドラムが絡んでテーマが演奏されます。その後はベース・ソロが小粋に進み、ピアノ・ソロへバトン・タッチ。ラストはアーティスティックなドラム・ソロ&バース交換。全体的にとてもアートなものでこのトリオらしい仕上がりです。

じっくり演奏に耳を傾けられるピアノ・トリオのライブ。こんなライブをニューヨークのライブハウスで観てみたいです。トピックはないかもしれないですが、しっかり王道ジャズ好演。こういうアルバムを届けてくれる良心的なレーベルがサニーサイドなのです。

アルバム名:『TRIO LIVE IN NEW YORK AT JAZZ STANDARD』
メンバー:
EDWARD SIMON(p)
JOHN PATITUCCI(b)
BRIAN BLADE(ds)

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今度はこんなものを入手。

パイオニアのレコードプレーヤーPL-30を入手しました。このシリーズは当時結構人気がありました。オーソドックスなマニュアルプレーヤーとして技術や物量を投入して、しっかりしたプレーヤーシステムに仕上がっていたからです。

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落札金額は安い方でした。元々そこそこきれいだったものを、マジックリン、無水エタノール、プラスチッククリーナー、金属磨き等を駆使してここまでに仕上げました。なかなかきれいでしょ。ダストカバーの透明度もかなりあります。ちなみにカートリッジとシェルはこの前落札したものです。

出力端子がこれなので、好きなRCAコードが使えます。出品者が金属磨きか何かで研磨したようです。磨きかすが残っていますよね(苦笑)。

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ターンテーブルがネジ3個で固定されています。普通はモーター軸にはめ込んで嵌合させるのですが、この頃のパイオニアのレコードプレーヤーはこの方式。なぜこうなるかというと当時の売りであったSH(ステイブル・ハンギング)ローター方式のモーターを採用しているからです。

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ターンテーブルを外すとSHローター方式モーターの頭が顔を出します。

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モーターの周りの灰色のプレート、実はプラスチックでペナペナです。こういうところがアルミで出来ていないのは、このプレーヤーがシリーズ最廉価機だからです。ここからが重要。プレートをめくって腸を見せちゃいます。ネット上にもこの先の写真は公開されていません。ジャーン!

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プレートには電源スイッチ、回転数切替スイッチ、スタート/ストップスイッチがあるので、線で繋がっています。実はこの頃、モーターが底板に取付けられているのです。なので底板が開きませんし厚いものになっています。メンテナンスはここを開けて上からします。ローター剥き出しのこのモーターがSHローター方式です。クォーツロック回路はIC化が進み、部品点数はご覧のように少ないです。一番手前の大きいICはモーター駆動用。部品数が少ないということは故障しにくいということです。

当時のカタログに乗っていたモーターの分解図を次に示します。しっかりしたアルミダイキャストのベースの上にモーターが構成されていますよね。下のモーターがSHローター方式。回転の支点がモーター上部にあり、ターンテーブル(プラッター)の重心に近くなることで、モーター軸がスリコギ運動しにくくなるというものです。

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この方式は実に良い方式だと実感しています。前にPL-50を使ったことがあるのですが、とにかくターンテーブルがスムーズに回りました。この前カートリッジ欲しさに落札したPL-380Aはボロボロだったにもかかわらず、このモーターはとてもスムーズに回っていました。ターンテーブルを手で軽く回してから止まるまでの時間がかなり長いので簡単に分かります。

実はこのPL-30もそのPL-380Aもターンテーブルは(PL-30はネジ止め式だからというのもあります)モーターに取付けられたまま輸送されてきました。普通は重いターンテーブルがモーター軸受に悪影響を及ぼすので外して輸送するのが道理です。そういう不利な事態にもかかわらず、このモーターはスムーズに回るということで、私はこの方式を高く買っています。良いモーターなのです。

ちなみにPL-30LⅡ、PL-50LⅡ、PL-70LⅡになってからは扁平なコアレスモーターになり、同じSHローター方式ですが、モーターは天板に取付けられるようになります。もちろん底板も開くようになり下からメンテナンスできます。これが普通のレコードプレーヤーのアセンブリーでしょう。そのコアレスモーターは技術的に進歩しているのですが、作りはちゃちになってしまっています。コストダウン(簡略化)されたのです。それはモーターのみならずキャビネットなどにも及んでいます。だからⅡの方が優れているとは必ずしも言えません。

アームの回転部分を見ると、垂直軸のネジに傷があるのでいたぶられたのでしょうね。まあガタツキはなく感度も良い感じなので良しとします。(その後水平回転部分に少しぐらつきがあることが判明しましたが、大きな悪影響はないようなのでそのまま使っています。前にPL-50を入手した時もアームがぐらついていました。やはりこのシリーズのアームは信頼性に難ありです。)

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このアームには特徴があります。なんでこんなにゴツイかというと、水平回転部の円筒内にオイルバスがあって、そこにシリコンオイルを入れてアームの動きにオイルダンプがかけられるようになっているからです。オーイルダンプはON/OFF可能。

輸送時にはシリコンオイルが漏れる恐れがあるので、出品者はオイルを抜くと書いていたにも関わらず、オイルが入ったまま送られてきました。オイルは漏れていなかったのでこれも良しとしましょう。ちなみに私はオイルダンプした時に高音が沈む感じになってしまうのが嫌いなので、オイルダンプは使いません。

そしてこれが付いてくるのが良いのです。このターンテーブルシート。

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ブチルゴムでできていて、オーディオ評論家の故長岡鉄男さんがかなりほめて愛用していたものです。人気にあやかって単売(JP-501)されました。独特のネットリ感がありレコードがしっくりホールドされます。ただしゴミが付着するとネットリなので、手で吹き払っても取れません。無理して引っ掻くとシートに傷が付きます。なので定期的に水洗いします。水で流せばゴミは取れます。

このプレーヤーにはやはりこの組み合わせでしょう。このシェルはPL-30に付属していたものと同じです。ただしPL-30はカートリッジレスで販売。カートリッジPC-200も当時のものなので、この組み合わせは当時の純粋パイオニアコンビ。廉価な組み合わせですが、なかなか良い音を聴かせてくれますよ。

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てなわけでして、当分私の愛機としてこいつを使ってやることにします。

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懲りずにまだ続いています。

今日の甲府は最高気温が40.7℃!! 40℃を超えると猛烈に暑いです。

今度はこいつを入手。トリオのカートリッジV-39MKⅡです。1970年代前半頃のトリオのベルトドライブプレーヤーの多くに付属していたカートリッジです。これも例のサイトで音が良いと書いてありました。

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シェル付で¥1000也。まあ人気はないでしょうからそんなものです。ボディーの錆がひどかったので金属磨きで磨いた後の写真です。デザインは特に言うべきところはありません。懐かしいタイプのありふれた形。

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シェルはレトロな軽量タイプで当時のトリオのプレーヤーのものでしょう。カートリッジとシェルの間には鉛板が挟み込まれています。これは当時の実装方法のままだと思います。軽量シェルに鉛板っていう発想は、軽くしたいのか重くしたいのか・・・。まっ、重量級シェルを使うと高価になってしまうから、量産品の軽量シェルを使って、重さは鉛板でかせぐということなのでしょう。

早速プレーヤーに取付けて試聴。これはカンチレバーも針先もきれいなものでした。あまり使用されなかったものだろうと思います。

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今の私は解像度とか音場とか細かいところを追い求める気はないので、普通に音楽を楽しめるという点で特に不満は感じません。なかなかしっかりした音を聴かせてくれます。ここまで3個の古いMMカートリッジを聴きましたが、どれも帯域バランスが良く、こういうところはさすが日本製だと思います。このままでも当分楽しめそうなので、これまでに入手した中ではこれが一番コストパフォーマンスが良いです。

なぜ、このカートリッジにしたかというのにはもう一つ理由があります。JICOの現行交換針(N-39MKⅡ)の中に\8,400のS楕円針というのがあり、これは値段からいって無垢のダイヤチップのはずで、針先形状のスーパー楕円と合わせて、どういう音にブラッシュアップされるのか興味があるからです。ちょっと良い針を奢ってみたい気にさせるカートリッジです。

MMカートリッジはシュアーという定番があります。私も既にいろいろなシュアーを体験済(M44Gはまだ)、そこを卒業して今度は日本製の古い普及品で遊ぶという、マニアックですな~(笑)。

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新しいリズム陣の活躍に好印象。

新譜紹介です。さっき com-post のページを開いたら、クロスレビューがこのアルバム!あらま、こんなの取り上げるなんて意外です。あちらのレビューはまだ読んでいません。何と書いてあるのか楽しみです。

P192 チック・コリア『ザ・ヴィジル』(2013年、STRETCH RECORDES)です。メンバーは、チック・コリア(p,syn)、ティム・ガーランド(ts,ss,b-cl,fl)、チャールズ・アルトゥラ(el-g,ac-g)、アドリアン・フェロー(b)、マーカス・ギルモア(ds)、パーネル・サターニノ?(per)1,2,3、ゲイル・モラン・コリア(vo)5、スタンリー・クラーク(b)6、ラヴィ・コルトレーン(ts)6です。ジャケットを見て思いました。ロバならぬ老馬にまたがる騎士姿のチックは、ジャズ道精神に従い銀河を旅する現代のドン・キホーテなのかもしれないと・・・。

それはさておき、最近のチック、リターン・トゥ・フォーエバーを何度も再結成したりして、もううんざりです。はっきり言ってそんなチックにあまり興味はありません。今度だって、結局はエレクトリック・バンドの延長なのだろうし・・・。しかし、メンバーを見てこれは聴かなきゃまずいだろうという気持ちになりました。

マーカス・ギルモア(ロイ・ヘインズの孫)の参加です。この人はヴィジェイ・アイヤ・トリオのドラマーであり、ギラッド・ヘクセルマンのアルバムとかに参加する現代先端ニューヨークの人だからです。これまでの旧態依然としたチックのバンドに、まさか参加するとは思ってもいませんでした。チックのバンドが現代先端ニューヨークのドラマーを得てどんな風になるのか? 興味津々でこのアルバムを聴きました。

結果は、ギルモアとフェローの作り出す重厚なグルーヴがカッコいいの一言でした。ともすると軽薄で上滑りになりがちなチックのバンドに深みを与えています。ギルモアが細分化されたビートを巧みに操りグルーヴに繊細な起伏をつけていく様が素晴らしいです。そこにとてもメロディアスなベースながら低く絡み付くフェローがまたいい。ジョン・マクラフリンに「次代のジャコ・パストリアス」と言わせるだけあります。でもジャコにはなかった深く沈み込む感じがあり、私的にはこの沈み込み具合が◎。

サックスのティム・ガーランドとギターのチャールズ・アルトゥラはチックのバンドに参加するだけのことはあり、及第点といった塩梅でしょうか? チックはいつものチックです。1曲目《ギャラクシー・32・スター・4》は、タイトルといいメロディーといいリズムといいキメといいチック節炸裂。2曲目《プラネット・チア》は、これまたチックお得意のスパニッシュ調。アルトゥラのアコギは鉄板/お約束でしょうね(笑)。

3曲目《ポータルズ・トゥ・フォーエバー》はギルモア&フェローが大活躍。こういうミディアム・テンポでたゆたうようなグルーヴはレニー・ホワイトとかには出せませんよね。グルーヴはギルモアに委ね、フェローはとても自由にメロディアスなラインを弾いているように感じます。この2人の関係がカッコいいグルーヴの鍵だと思います。中盤の4ビートのスイング感は柔らかいです。

4曲目《ロイヤリティ》は典型的なチック節ワルツ。物語性を感じさせるような曲とピアノは、エレクトリック・バンドの3作目あたりの雰囲気かも? ギターとテナーはチック・サウンドの範疇にしっかり収まっています。ドラムとベースの柔軟なグルーヴはいいですね。5曲目《アウトサイド・オブ・スペース》はゲイル・モランが登場して懐かしのリターン・トゥ・フォーエバー風味。まあチックはチックなのです。ギルモアは比較的普通に叩いてますね。なのでベース・ラインの美しさが良く分かります。ガーランドのバスクラとアルトゥラのアコギは凡庸。

6曲目《プレッジ・フォー・ピース》はメンバーをがらりと入替。サックスがラヴィ・コルトレーンでベース(アコースティック)がスタンリー・クラーク。スピリチュアルでフリーな雰囲気の出だし、つまりコルトレーン・カルテットですな。コルトレーンの息子がいるわけですし。4ビートに入ってのチックのピアノはマッコイ・タイナーみたいなペンタトニックも(笑)。拍手が入っているけれどこれだけライブ録音?

ギルモアの4ビートは旧態依然のものとはやはり違います。細かいパルスの成分が混入。安易にエルビンをやってしまわないのが◎。スタンリーのベース・ソロは”モコモコ”で冴えが感じられません。バックに回っても存在感は薄いです。で、ラヴィのテナー・ソロ。この部分は『スリー・カルテッツ』を彷彿とさせますよね。良いソロをとっています。でも、ジョン・コルトレーンの血を受け継いだラヴィは、ジョン・コルトレーンのアドリブの方法論を受け継いだマイケルを越えられないのか・・・。チックとギルモアの煽りが強烈。

ラスト《レガシー》はまたまたエレクトリック・バンド。でもフリーっぽい感じがあります。ここでのギルモアのドラミングがやっぱりカッコいいのです。フェローも攻めていますね。現代先端ビートというのがこれなのですよ。エキサイティングなビートに乗って3人が攻めるソロを聴かせます。ラストはギルモア以外の自由な掛け合い。エレクトリック・バンド風味の演奏の中ではこの曲が一番カッコいい演奏かも。

このアルバム、私はギルモアのドラミングがチックのサウンドに新しいものを注入しているところに魅力を感じます。フェローの参加も良い方向に作用していると思います。チック自身は変わり映えしないのですが、ギルモアとフェローを起用したチックには拍手を送りたい。特に3曲目とラストにその成果が表れています。

ロイ・ヘインズと組み、当時としては斬新な『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』というピアノ・トリオのアルバムを作ったチックが、ヘインズの孫を起用して自身のバンドに新しい風を取り入れる時代になろうとは。何か感慨深いものがあります。

アルバム名:『THE VIGIL』
メンバー:
Chick Corea (p, syn)
Tim Garland (ts, ss, b-cl, fl)
Charles Altura (el-g, ac-g)
Hadrien Feraud (b)
Marcus Gilmore (ds)
Pernell Saturnino(per) tracks:1,2,3
Gayle moran Corea(vo) track:5
Stanley Clarke(b) track:6
Ravi Coltrane(ts) track:6

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じいちゃん&ばあちゃん、良い味出してます。

新譜紹介と言ってもだいぶ遅くなりました。最近は新譜を急いで聴こうと思わないので、マイペースでのんびり紹介していくつもりです。そう言えばここのところヤフオクばかりチェックしていて、ジャズ関係のブログ・パトロールをすっかり怠っています。では早速紹介に移りましょう。

P191 ザ・スティーブ・スワロー・クインテット『イン・トゥ・ザ・ウッドワーク』(2011年rec. WAT WORKS INC)です。メンバーは、クリス・チーク(ts)、スティーブ・カーディナス(g)、カーラ・ブレイ(org)、スティーブ・スワロー(b)、ホルヘ・ロッシ(ds)です。スワロー/カーラのじいちゃん/ばあちゃんコンビ、いい味出してますね~(笑)。この夫妻にしか出せないサウンドです。メンバーに選ばれたのはチークにカーディナスにロッシ、このメンツを見て買うことを決めました。

最近のカーラはチラッとしか聴いたことがない私は、これを最初に聴いた時、80年代のカーラのバンドが思い浮かびました。当時の『ヘヴィ・ハート』と『ライヴ!(艶奏会)』がお気に入りです。特に前者はリアルタイムで買って良く聴いていました。カーラのオルガンから醸し出されるゴスペル・フィーリングとメンバー全員が自由に明るく一丸となって音楽を作り出している楽しい雰囲気が好きでした。

今回は5人でそのサウンドを作っています。スワロー独特のエレベ音とライン、カーラのゴスペル調オルガンサウンド、この2つがカップリングすればもうサウンドの大筋は決定してしまいます。そこにおおらかで自由なソロを繰り広げるチークとカーディナスが加わり、繊細で軽快なロッシのドラムがバックアップするという構図。このサウンドがすっかり気に入ってしまった私なのでございます。

全曲スワロー作曲。良い曲ばかりです。1曲目はタイトル《サッド・オールド・キャンドル》のとおり悲しげなバラードで静かに幕開け。続くアルバムタイトル曲《イントゥ・ザ・ウッドワーク》は、ジャコの《スリー・ビューズ・オブ・ア・シークレット》に似た感じのメロディー。3拍子系に哀愁のメロディーのカップリング+浮遊感。「はいっ!」このアルバム中最高に好きなのはこの曲で決定ですね。私のハートを「ズキュンッ!」でございます。

3曲目《フロム・フーム・イット・メイ・コンサーン》はポール・ハインズに捧げた曲。鎮魂歌のように聴こえます。チークのテナーが悲しげ。次の《バック・イン・アクション》はドラム・ソロを交えた面白い始まり方。途中から4ビートに乗ってチークが快調にソロをとります。5曲目《グリズリー・ビジネス》はノソノソと進みます。グリズリーは熊?「熊のビジネス」という感じの曲になっていますね。すぐに続く《アンナチュラル・コージス》は軽快4ビートに乗ってカーディナス~チークがノリノリ・ソロを展開。痛快!

こんな感じで哀愁やユーモアを交えて、時にはほとんど曲間なしで次々と演奏が繰り広げられていきます。最近の私は、こういうユニーク(個性的)で自由でオープンな雰囲気というジャズの1面を感じられるサウンドに遭遇していなかったので、80年代のカーラバンドが思い浮かんだのと合わせて、故郷に帰り久しぶりにじいちゃんばあちゃんの笑顔を見て安堵するような気持ちでいっぱいになりました。

個人的な思いも含めてこれはかなり良いです。この老夫妻、それにしてもいい味出し過ぎですよね(笑)。

アルバム名:『INTO THE WOODWORK』
メンバー:
CHRIS CHEEK(ts)
STEVE CARDENAS(g)
CARLA BLEY(org)
STEVE SWALLOW(b)
JORGE ROSSY(ds)

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CA-800Ⅱのメンテナンス その2

最近もっぱらレコードプレーヤー関係に入れ込んでいたのですが、ちょっとやることを変えてCA-800Ⅱのメンテナンスを進めました。

今回はパワーアンプ部のメンテナンスです。交換する部品は片チャンネルにつき、電解コンデンサー2個と半固定抵抗3個とパワートランジスタのエミッタ抵抗2個、たったこれだけ。本来なら全半田付けをやり直したほうが良いけれど、今回は何かめんどくさくいので割愛。

パワーアンプ部はヒートシンクと一体化されたブロック構造なので簡単に取り外せます。パワートランジスタを外せば基板も外せます。まずは右チャンネル。電解コンデンサは元々無極性でニチコンのMUSEに交換。半固定抵抗は信頼性が高いコパル電子のものに交換。エミッタ抵抗は福島双羽電機の金属板抵抗(オーディオ用らしい)に交換。写真は交換後。

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パワートランジスタは2SA663と2SC793のコンプリメンタリ・ペアで、名石というようなものではありません。今の音が気に入っているので、パワートランジスタを交換するつもりはありません。ヒートシンクをクリーニングし、パワートランジスタ再取付けにあたり放熱用シリコングリスを塗り直しました。写真は交換後。

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続いて左チャンネル。左右対称構造でばないので左右共に同じ基板が使われています。こちらも7個の部品を交換しただけです。一応全半田の状態を確認していますが、特に劣化しているようなところはありませんでした。写真は交換後。

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こちらのパワートランジスタは表面に多くサビが噴き出ていました。2SA663だけがパワートランジスタ裏の形態が異なるもの(ひょうたん型の溝)でした。特にいじった形跡はなかったので、製作時からこのロットだったのだろうと思います。こちらもシリコングリスを塗り直しました。写真は交換後。

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再組込みして、出力オフセット電圧とアイドリング電流(B級、A級)を再調整。調整値はネットで入手したサービス・マニュアル(CA-800とCA-1000Ⅱ)に従っています。右チャンネルのA級はメンテ前と同じく少々不安定でした。ドライブ基板の小型トランジスタが劣化しているのかもしれません。そこは深追いせず。というわけであまり手間をかけずに終了。部品交換で音はすっきりクリヤになった感じ。

パワーアンプとして使うので当面はこれで使います。プリアンプ部のメンテナンスは気分次第、まだまだ先の話になりそうです。ひょっとすると使っているうちに飽きてしまって、プリアンプ部はメンテナンスしないままオークション行きかもね(笑)。

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こんなレコードを使ってカートリッジの音質を比較

2種類のカートリッジを比較したい場合どうしますか。私の場合、せっかくレコードプレーヤーが2台あるのですから、同じレコードを同時にかけて瞬時に切り替えて比較します。そうすれば差が分かりやすいですよね。プレーヤー自体の音質の差はありますが、カートリッジの音質の差に比べれば僅かなもの。

ということでこれを使おうと思いました。希少なダイレクト・カッティング・ディスクです。1枚持っていたのですが、渋谷のディスクユニオンで数百円で売っていたので、もう1枚確保しておこうと思って買いました。こういうレコードってあまり人気がないんですね。

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リー・リトナー&ジェントル・ソーツ『ジェントル・ソウツ』。以前このアルバムについて紹介しています。これです。⇒今日も思い出の曲

ということで音質比較を始めました。その時は確かシュアーのM97EDとオーディオテクニカのAT33LTDだったと思います。個体差だけでなくMMカートリッジとMCカートリッジの差も比較したかったのです。あれれっ?テンポが僅かに違います。

その時私はどちらかのプレーヤー(QL-7とDP-3000)の回転速度が違うのかと思い、回転数を可変できるDP-3000のほうを調整してみました。でも変わるのはテンポではなくて、ピッチ(音程)でした。そりゃそうだ。プレーヤーの回転数の可変ではピッチくらいしか変わらないのです。人間の耳はアナログですよ。ピッチは瞬時に切り替わっているのに、徐々に変化したように聴こえます。

で、悩みました。回転数がそんなに違うのかと・・・。実は!プレーヤーの回転数の違いではありませんでした。よく聴いてみるとテンポだけでなく、定位の具合や演奏そのものが違っていたのです。レコードをもう一度確認しましたよ。そうしたらレコード番号自体が違っているではありませんか!!「VIDC-1」と「VIDC-101」。

以前このアルバムを紹介した中で、CDには2種類のバージョン(テイク違い)があると書いていますが、実はレコードにも2種類あったのです。驚きました。

これでは比較がやりにくいです。演奏の違いの方が気になって音質の違いに集中できません。ならばこれを使うしかないですね。これもダイレクト・カッティング・ディスクで、1枚持っていたのですが、渋谷のディスクユニオンで上記のレコードと同じ時に確保したのです。当時この手のレコードを手放した人がいたのでしょう。

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リー・リトナー『オン・ザ・ライン』。これは発売された頃、オーディオ雑誌のオーディオ・チェック記事でよく使われていました。私はこの演奏が苦手。なぜかというとハービー・メイソンがリン・ドラム(エレクトリック・ドラム)を叩いているから。リン・ドラムって80年代の恥ずかしさの象徴のような気がします。頭の中にC・C・Bの《Romanticが止まらない》が鳴り響き。笠浩二の顔が浮かぶ・・・。結果安っぽい演奏に聴こえます。

演奏はそうであったとしても、カートリッジの音質の違いはよく分かります。只今使用中のパイオニアPC-200(針PN-400)とビクターMD-1016(楕円針)でも比較してみました。PC-200は余分な音がしませんが少し地味。MD-1016は余分な音が付加されているかもしれませんが闊達で明るい。楽しく聴けるのはMD-1016です。

結局この2個のカートリッジはリサイクルしてしまいました。この後たくさんのカートリッジを聴くうちに魅力がなくなってしまったからです。このクラスの音なら現行廉価カートリッジでも問題なく鳴ります。中古品にメリットがあるとすれば安く入手できることくらい。劣化については物によるので注意が必要です。

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こんなことして遊んでいます。オーディオ趣味はなかなか楽しい。ちなみに同じレコードを2枚持っているのは、私の千数百枚のレコードの中で上記2つのアルバムだけです。

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