これらのレコードが役立っています。
昨日は落札した交換針がジャンク品だったと分かりがっかり。その正体を暴いたレコードがこれら2枚です。ボブ・ジェームス&アール・クルーの『ワン・オン・ワン』とマリーンの『イッツ・マジック』
どちらも当時CBSソニーが誇った「マスター・サウンド」のレコード。「マスター・サウンド」はレコード録音/製造技術を駆使した高音質盤です。トレースが厳しい箇所はそれぞれ一ヵ所ずつあります。『ワン・オン・ワン』はB面3曲目《ワインディング・リバー》の終盤バス(キック)ドラムの”ドンッ”、『イッツ・マジック』はA面1曲目《アイム・ソー・エキサイテッド》の冒頭バスドラムの”ドッ”。どちらもカートリッジの動きを見ていればよく分かるのですが、内側に数ミリ揺すられます。
実はしばらく前に、シュアーのN140HE(針)が《アイム・ソー・エキサイテッド》の冒頭をトレースできなくなり(針がはじかれて音溝1本ほど飛んでしまう)、てっきりダンパが硬化したせいだと思っていたのですが、よくよく針を観察したらカンチレバーのパイプが撚れて少し上に反りかえっていたのです。
これには思い当る節があって、アームをアームレストに固定したまま掃除用のタバコのフィルターを下から押し当てたというのがそれです。きっとその時カンチレバーが曲がってしまったのだろうと思います。嫌な感触があったんですよ。カンチレバーがベリリウムの極薄パイプなので、私が加えた力の前にはひとたまりもなかったということでしょう。
今回落札した純正交換針(PN-200)も同じ現象が起きたので、これはひょっとしてと思い、よくよく観察したら案の定カンチレバーが少し 反っていたというわけ。パイプは窪んでしまっていました。実は届いたケースの蓋を開ける時に、蓋が封止されていなかったので、未使用ではないだろうと疑っていたのです。更にキズ見で針をみたらカンチレバーの辺りに短い毛埃が2本ほど絡み付いていたので、少し使ったのかもしれないと思いました。
まあ、少しくらい使っていたとしても、落札価格は安かったので、問題なく音が出ればいいやと思っていました。しかし、上記のとおりの結果です。私はカンチレバーに力を加えるようなことはしていませんし、昨日掲載した比較写真(縮小前)をよく見ると、既に反っていることが分かりました。ということでジャンク品を掴まされたと判明。出品者が確信犯であるのか、素人故に見落としたのかは不明です。
改めて写真を撮りましたがやはりこれはひどい! でも上記の箇所以外はこれでも特に問題なく聴けてしまいます。バーチカル・アングルの狂いは音に出にくいのかもしれませんね。
オークションなんてそんなものですよ。逆に良いものやレアなものを割安に入手できることもあるわけで、そこが面白いのです。オークション歴は15年くらいなので、リスクを避ける勘所は分かっているはずだったのですが、たまにはこういうこともあります。
これだけ愚痴をタラタラ書くなんて、私は相当あきらめが悪いやつです(笑)。
最後に、『ワン・オン・ワン』も『イッツ・マジック』も単にオーディオ・チェックというのではなく、内容が気に入っています。両アルバムとも既にブログで紹介しています。『イッツ・マジック』は廃盤のようですね。
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