« CA-800Ⅱのメンテナンス その1 | トップページ | ジャズ喫茶「A&F」の遺産 »

ポップな風味が面白い。

新譜紹介です。ディスクユニオン・ジャズ館のサイトで試聴したら面白そうだったのでAmazonで買いました。

P138 ディエゴ・バーバー、ヒューゴ・サイプレス『411』(2011年rec. ORIGIN RECORDS)です。メンバーは、ディエゴ・バーバー(el-g,classsical-g,b)、ヒューゴ・サイプレス(desktop)、シーマス・ブレイク(sax,EWI)、ヨハネス・ワイデンミューラー(doble bass)、アリ・ホニック(ds)です。エレクトリック音や現代的ビートを取り入れたアルバム。

2作前のアルバムとはだいぶ印象が異なるアルバムになっています。
2作前のアルバムはこちら⇒ 哀愁のギタリスト、ディエゴ・バーバー。

バーバーのギターよりもサイプレスが操るデスクトップのエレクトリックなサウンドを主体にして作られたアルバムです。全曲バーバーとサイプレスの共作。冒頭《Timanfaya》はエレクトリックなサウンドとホニックの現代的なビートのデュオから始まります。ホニックの打ち込みビートを意識したようなビート感覚がカッコいい。これが2分少々のイントロ。

続く曲《オール・イン》はファンキーな現代ビート。アコースティック・ベースとバスドラのファットな感じはクラブ・ミュージックを意識させます。この曲が何となくエレクトリック化した頃のステップス・アヘッドみたいで懐かしいなあと思っていたら、クレジットを見て納得。ブレイクがEWIを演奏していたのです。これがステップス・アヘッドのマイケル・ブレッカーみたい(笑)。バーバーのギターはエフェクトぽいものが多分それでしょう。この曲好き。

3曲目《ポンチョ》は、ホニックの打ち込みっぽいブラシのビートが心地良いです。リバーブがかかったギターのカッティングが印象的。途中サイプレスのエフェクトがソロをとったり、何となく夢の中にいるようなサウンドが面白いです。

4曲目《ウォーク!》は、その名のとおりの歩くようなビートに乗って、ファンキーなギターで始まります。ジョン・スコフィールドがやるジャム・バンド系のサウンド。どこかすかした感じのブレイクのテナーがいい味出しています。

5曲目《ニュー・ヨーク・シティ》は、ヒップホップ系のビート。ギター?の”キャン、キャン”という音は、ドクター・ドレーのGファンクっぽいです。尖がったファットなビートの中、バーバーがクラシック・ギターをかき鳴らしているのが妙にマッチしていて意外。こういう意外な組み合わせがこのアルバムの各所にあって、なかなか一筋縄ではいかないのです。ここでもとぼけたブレイクのテナーがいい感じです。

6曲目《ターン・イット・オン》は、4つ打ちビート。私はこの手のユーロビート調が嫌いだと前に書きましたが、これは許せます。ホニックがブラシで叩いているのが面白いです。こういう打ち込みにブラシのビートがマッチしてしまう妙。ホニックって打ち込みビートとの相性が凄くいいです。ベースの単調なフレーズの繰り返しはヒップホップ的。これまたブレイクのテナーがいい味出しています。

ラスト《イースト・サイド・ストーリー》は、ヒップホップ系ビートをホニックが叩きます。ホニックのビートがやけに心地よいのはこのアルバムの肝。途中からファンクビートに変わり、またまた登場しました。ブレイクのEWI。これを聴くとやっぱり、ステップス・アヘッドのマイケルが浮かんでしまいます。EWIでザビヌルっぽいフレーズが出て来たりして、私は思わすニンマリ。う~ん、楽しい。ノリノリ。

トータル約36分という簡潔さ。80年代ジャズ/フュージョン~ヒップホップ/テクノ・ビートという、私にとってはかなりツボなサウンドでした。ポップでちょっぴりチープな雰囲気があるのはご愛嬌。よく聴くと凝っているけれど頭でっかちにはなっていない、体に来るグルーヴが良い感じです。

アルバム名:『411』
メンバー:
DIEGO BARBER(electric & classical guitars, bass)
HUGO CIPRES(desktop)
SEAMUS BLAKE(saxophone, EWI)
JOHANNES WEIDENMUELLER(double bass)
ARI HOENIG(drums)

|

« CA-800Ⅱのメンテナンス その1 | トップページ | ジャズ喫茶「A&F」の遺産 »

ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

いっきさん、こんにちは。

いっきさんの新譜紹介楽しみに読んでいます(読んでいるだけですが・・・)。んで、その後「これって割と売れてメジャーになったんだよね」というアルバムがあったら教えてください。

投稿: tommy | 2013年6月26日 (水) 16時59分

tommyさん

こんばんは。

>いっきさんの新譜紹介楽しみに読んでいます(読んでいるだけですが・・・)。

どうもありがとうございます。

>その後「これって割と売れてメジャーになったんだよね」というアルバムがあったら教えてください。

う~む、売れたとかメジャーになったとかあまり気にしていないので、そういうのがあるのかよく分かりません。

投稿: いっき | 2013年6月26日 (水) 20時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ポップな風味が面白い。:

« CA-800Ⅱのメンテナンス その1 | トップページ | ジャズ喫茶「A&F」の遺産 »