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独特な美意識に貫かれたピアノ・トリオ

ディスクユニオンのアウトレット品リストに入っていたものを、サイトで試聴して購入を決めたアルバム。ただし購入したのはHMVのマルチバイ特価セールです。ディスクユニオンさんゴメン! この人の名前は前から知っていて気にはなっていました。

P117 ジャンゴ・ベイツ・ビラヴド『コンファメーション』(2011年rec. DJANGO BATES)です。メンバーは、ジャンゴ・ベイツ(p)、ペッター・エルダー(b)、ピーター・ブラウン(ds)、スペシャル・ゲスト:アシュレイ・スレーター(vo)ラスト曲のみです。昨年出たアルバム。全員今回初めて聴きました。独特の美意識に貫かれたイギリス産ピアノ・トリオ。

タイトルにもなっている《コンファメーション》の他、《ドナ・リー》《ナウズ・ザ・タイム》というチャーリー・パーカーの3曲をやっています。パーカーの1曲を演奏したらベイツのオリジナル2曲を演奏するというパターンが3回繰り返される構成。ラストのみはヴォーカル入りでバート・バカラックの曲を演奏。ラスト曲が始まるまでに30秒以上の時間がとられているので、ラスト曲はオマケみたいな感じです。

パーカーの曲もベイツの曲も同じ方法論で演奏していて、その方法論はパーカーの曲を聴けばよく分かります。メロディーはオリジナルを残しながら適度にアブストラクトに再構築。テンポは1曲の中で自由に変化して適度な緊張感を維持。なのでどちらかと言えばフリー・ジャズ。こう書くと何か難しいことをやっていそうですが、意外と耳に馴染みやすいサウンドです。その耳に馴染みやすさは何に由来するかと言えば、最後にバカラックの曲を持ってくるベイツのポップなセンスなのでしょう。

ベースとドラムのソロはありません。始終3人によるインター・プレーで演奏が展開されます。ピアノは粒立ちの良い高音と歯切れ良くて力強い低音が魅力。ベースは程よくタイトでアーティスティック、ドラムはパーカッション的で適度に華やか。もちろんピアノが主役なのですが、3人は誰かが突出することなく一体感のある演奏です。ベイツの曲《センサ・ビターネス》と《ピーニズ・アズ・プロミス》などは美メロで、比較的オーソドックスなゆったりしたバラード演奏になっていたりします。

普通のピアノ・トリオばかり聴いていると飽きるので、たまにはこういう異色なピアノ・トリオを挟んで聴くと良いと思います。私はこのピアノ・トリオが気に入りました。

アルバム名:『CONFIRMASION』
メンバー:
Django Bates(p)
Petter Eldh(b)
Peter Bruun(ds)
Special Guest: Ashley Slater(vo) final trrack

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