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主張を感じるジャズ

そろそろ新譜が溜まってきたので消化していきます。ディスクユニオンのサイトの「ニュー・リリース」で試聴して購入を決めました。買ったのはいつものようにAmazon(笑)。だって安いんだもん。

P130_2 キット・ダウンズ『ライト・フロム・オールド・スターズ』(2012年、Basho Records)です。メンバーは、キット・ダウンズ(p,org:3,5,8)、ジェームズ・オールソフ(ts,cl,b-cl)、ルーシー・レイトン(cello)、カーム・ゴウレイ(b)、ジェームズ・マッドレン(ds)です。カタカナ表記は参考程度と思って下さい。チェロを含む変則カルテットによる演奏。

タイトルの”古い星からの光”をテーマにしたコンセプト・アルバム。今時のコンポーザー・タイプのピアニストであるダウンズが全曲を作曲しています。タイトルやチェロが入っていたりしていることから、静かなアルバムを想像してしまいますが全然違います。曲構成などは良く練られているものの、演奏自体はアドリブ重視で勢いがあります。テンションも高く維持されていて聴き応え十分。

ダウンズはイギリス人のピアニストとのこと。たぶんメンバーもイギリス人なのでしょう。私は今回メンバー全員の名前を初めて知りました。でもこのアルバムのテイストは現代ニューヨーク。ちょっとユダヤ系でクラシカルな匂いを残しつつ、曲によってはフリー・ジャズの要素が強め、変拍子の扱いなどは現代ニューヨークでしょう。日本のジャズマンがそうであるように、イギリスのジャズマンも、いや世界各地に、最早現代ニューヨークと同じようなコンセプトを持って演奏する人達はいるのだろうと思います。

コンテンポラリーな要素はあまりなく、少し古いタイプのサウンドような感じはしますが、実はそこがジャズとしての匂いを強く放つ結果に繋がっているように思え、私は高く買います。どこからどう聴いてもジャズ。そこがいいんじゃないでしょうか。チェロやクラリネットの使い方はこなれていて、アートな雰囲気を上手く放っていると思います。ベースとドラムは変拍子を難なくこなし、ビートはしっかりしています。特にドラムは今時のパルシブなビート感でキレも抜群。今や優秀なドラマーはどこにでもいるみたいです。

最後になってしまったのですが、ダウンズのピアノはガッツがあって良いです。粒立ちが良くて一音一音に力が漲り、低音弦(左手)のパワーもあって、サウンドの真ん中にドッシリ居座っています。コンポーザー型のピアニストの中にはピアノの存在感が弱い人がいますが、この人はそれがありません。ピアノの存在感や曲調からはボヤンZを連想させます。かすかにうなり声が入っていて、そのアドリブからキースを彷彿とさせるような場面もありました。そこでのドラムはディジョネットっぽく聴こえキース・トリオみたい。

個性と主張を感じるジャズです。かなりカッコいい演奏をしていると思います。
日本での知名度はほとんどない人でしょう。でも私はお薦めしたい!
ついでに前作も聴いてみたくなって早速Amazonに注文しました。

アルバム名:『Light from Old Stars』
メンバー:
Kit Downes(p, org:3,5,8)
James Allsopp(ts, cl, b-cl)
Lucy Railton(cello)
Calum Gourlay(b)
James Maddren(ds)

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