300円中古CDを楽しむ。
先週上京した際、いつものようにディスクユニオン新宿ジャズ館でCDを買取ってもらいました。今回は人気ピアノ・トリオもあったのでそこそこの値段で買い取ってもらって満足。店頭ではポータブル・レコードプレーヤーと300円中古CDを販売していました。
この手のレコードプレーヤーは懐かしいです。40数年前のことですが、どこの家にもポータブル・レコードプレーヤーが1台くらいはあり、子供はEPやソノシート(色付きのペラペラビニールレコード)で童謡やアイドルの歌(当時は天地真理、浅田美代子、アグネスチャン、麻丘めぐみ、南沙織など)を聴いていました。これこそ私のオーディオ原体験です。親からすれば子供の情操教育ということになるでしょう。何か時代が過去に戻ったみたいで笑ってしまいます。
結構気温が上昇して暑かったのですが、300円中古CDを一通りチェック。気になるものがあったので、2枚ゲットしてきました。これからその2枚を紹介します。
まずはステファノ・ディ・バティスタの『ア・プリマ・ヴィスタ』(1998年rec. BLUE NOTE)です。メンバーは、ステファノ・ディ・バティスタ(as,ss)、フラヴィオ・ボルトロ(tp)、エリック・レニーニ(p)、ロザリオ・ボナコルソ(b)、ベンジャミン・エノック(ds)です。300円らしくジャケットは擦れて、カビありとのことでした。帰ってから盤を見るとカビはほんの少しで、CDクリーナーで簡単に取れました。
最近はこの手のオーソドックスなハードパップ・アルバムを買わないのですが、バティスタは気に入っているサックス奏者ですし、脇を固めるボルトロ、レニーニ他は手堅いメンバーなのでハズレはないだろうということで購入。実は買う気を起こさせたのは、ドラマーのエノックです。この人はプリズムというピアノ・トリオのドラマーであり超絶技巧派。この人のキレのあるドラミングが聴きたかったのです。そういえばフラヴィオ・ボルトロって今来日しているんですよね。
このアルバムはバティスタがフランス・ブルー・ノートに移籍しての第一作。この前に同メンバーでラベル・ブリューから『ボラーレ』というアルバムを出しています。ラストのアルト・ソロ《ラッシュ・ライフ》以外はメンバーのオリジナル。ジャズ喫茶「メグ」の寺島靖国さんに言わせれば「もっとスタンダードを入れろ。」という感じでしょう(笑)。でもご安心あれ、21世紀前夜なので難解な曲は皆無。気持ちの良いハードバップをメンバー一丸となって展開してます。
これはこれで楽しいじゃありませんか。
続いてパブロ・ボブロウィッキの『ホエア・ウィー・アー』(1999年rec. RED)です。メンバーは、パブロ・ボブロウィッキ(g)、マーティン・イーナコーン?(b)、ホセ・M.・”ペピ”・タヴェイラ(ds)です。誰も聴いたことがない名前のギタリストですよね。でも私は知ってました。前にこの人のアルバムを買って気に入っていたのです。
これがそのアルバム ⇒ 渋~い味わいを放つギター・トリオ
ポブロウィッキ、何とも渋くて独特の味を醸し出すギタリストなのです。癖のあるフレーズでどこまでも単音で勝負するギタリスト。そうか、このアルバムは前に気に入ったアルバムのちょうど10年前のものですね。こちらのほうがまだ普通っぽいフレージング。でも独特の味わいは醸し出しています。
曲はエリントン、モンク、グリフィン、コルトレーン、ガレスピーなどのジャズマン・オリジナルを中心に自分の曲を加えたものです。ベーシストがエレクトリック・ベースを弾いているので、膨らみ緩み加減の音が緊張感を少し落とす感じになっているのは個人的に残念。
これを聴いているとジャズは個性と味わいの音楽でもあることを実感します。
この2枚、計600円でこれだけ楽しめればコスパ文句なし!
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